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吊り橋
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{{出典の明記|date=2009年10月}} [[画像:Akashikaikyo-ohashi3.jpg|thumb|right|300px|吊り橋(明石海峡大橋)]] '''吊り橋'''(つりばし/Suspension bridge)は、[[橋]]の形式の一種で、綱などの[[張力構造|張力で吊り下げ支える]]形式のもの。漢字では、'''吊橋'''、'''釣り橋・釣橋'''とも表記される。 == 概説 == [[画像:SyachokyoVsTsuribashi.png|thumb|250px|right|吊り橋と斜張橋。両者の差異については、[[斜張橋#吊り橋との相違]]を参照。]] 一般的な用法としては、小さな谷や川に縄ばしごを渡しただけのような簡易なものから、海峡などに架けられる大規模なものまで吊り橋と称する。[[斜張橋]]も張力で支えているため、広義には吊り橋の一種とも言える。 しかし、吊り橋は狭義、すなわち現代の[[土木工学]]分野における分類においては、2本の主塔とそれに渡される2組のメインケーブルを持ち、そのケーブルから鉛直に垂らされた[[ハンガーロープ]]で[[桁]]を支持する[[橋]]を指す。桁はその上に床板を置き、[[道路]]や[[鉄道]]、人などが通る部分である。これに対し、ハンガーロープがなく、複数のケーブルを斜めに張って直接桁を支えるものは斜張橋と呼ばれ、区別される。 吊り橋はその構造上、ケーブルは垂れさがり[[放物線]]を描くことになるが、ハンガーロープとの2段構成 とすることで桁を水平に近い状態に保つ。なお、桁を取り付ける前のケーブルだけの状態では、[[カテナリー曲線|懸垂線]]というカーブを描く。 いずれも現代のものは、ケーブル、ハンガーロープ、桁は[[鋼]]製、主塔は鋼もしくは[[鉄筋コンクリート]]製である。 長大な橋に向いており、世界の長い橋の上位の多くを吊り橋が占める。一方風や加重によって揺れやすいという欠点ももつ。 === 古典的、簡易な吊り橋 === [[画像:IyanoKazurabashi.jpg|240px|thumb|left|かずら橋]] [[画像:Tanise-Totsukawa.jpg|thumb|150px|right|[[谷瀬の吊り橋]]]] <!-- やや画像が暗く見づらいので上記のものに変更 [[画像:工兵橋01.jpg|240px|thumb|right|工兵橋 2005年5月撮影]]--> 古典的な吊り橋としては、[[徳島県]][[西祖谷山村]]([[市町村合併]]により[[2006年]][[3月]]から[[三好市]])にある祖谷の[[かずら橋]]がある。植物のつるで両岸から本体を支える構造で原始的な斜張橋と言える。現在のかずら橋は安全のため鋼の[[ワイヤ|ワイヤー]]で補強されているものの本来はその名の通り植物の'''しらくちかずら'''([[サルナシ]])のみが用いられる。桁部分もかずらで丸太、割木を繋いだだけのはしご状で人専用である。 簡易なものは登山道などで見られ、多くは人専用である。主塔が無く岩盤からケーブルを架設したりハンガーロープがなく直接本体を支えるものなどもあり、桁も板を繋いだだけの簡易なもののことがある。こういったものは吊床板橋と呼ばれる。揺れを抑えるため横、あるいは下方からもケーブルで補強している場合もある。 日本において、かつては'''釣橋'''の語が使われていたが<ref>「吊橋・釣橋」[[広辞苑]]昭和30年5月2版P1505、[[1983年]](昭和58年)12月3版P1629</ref>、後述のような西欧からの近代的な橋が導入されて以降、吊り橋、吊橋の語が使われるようになったようである。 === 現代の吊り橋 === [[Image:New_York_City_Brooklyn_Bridge_-_Currier_&_Ives_1877.jpg|thumb|right|240px|ブルックリン橋(カリアー&アイビス印刷社、1877年)]] 現在の長大な吊り橋の起源は、アメリカの[[ブルックリン橋]]とされる。[[1883年]]に完成したこの橋は、ケーブルの材料として鋼を使いかつ撚り合わせのない平行線ケーブルを用いた。また塔の海底部の工事に[[ケーソン]]が用いられるなど、現代の工法の多くがこの時代に開発された。またブルックリン橋は塔から桁への斜めのケーブルも持ち[[斜張橋]]との[[複合構造]]でもある。 その後に造られた[[ジョージ・ワシントン・ブリッジ|ジョージ・ワシントン橋]]でスパン(後述)が1000mを超え、さらに[[ゴールデンゲートブリッジ|ゴールデンゲート橋]]、[[ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ]]などの建設が続いた。[[1981年]]にイギリスの{{仮リンク|ハンバー橋|en|Humber Bridge}}が完成するまで、100年以上に渡り世界一の座をアメリカが独占した。現在の世界最長は日本の[[明石海峡大橋]](1,991m)である。ケーブルに使用されるピアノ線は15000mで自重によって切断してしまうので、理論上は中央支間長の限界は4000mとされている<ref>[データ]つり橋 理論的には支間長4キロまで可能 『読売新聞』 1988年04月05日 東京夕刊 11頁 (全1,019字)</ref>。 地表から橋の路面までの高さで世界一なのは中国[[湖北省]]にある{{仮リンク|四渡河大橋|en|Sidu River Bridge}}で、下を流れる四渡河から472m の高さがある。スパンは900m で2009年に供用開始された。 主塔の高さが343m で世界一のフランスの[[ミヨー橋]]の最大スパンは342m である。 ==大規模橋の構造== [[画像:MainCableOfPearlBridge.jpg|thumb|250px|right|塔、メインケーブル、ハンガーロープ(明石海峡大橋)]] [[画像:AkashiOhashiCableCutModel.jpg|thumb|150px|ケーブル実物大断面模型(明石海峡大橋)]] [[画像:AkashiAnchorage.jpg|thumb|240px|アンカーレイジ(明石海峡大橋)]] ===主塔 === メインケーブルをささえる塔で、両岸もしくは岸から全長の1/4くらいまでの位置に設けられる。一組の塔は桁を挟むように建つ2本の柱を[[トラス]]または[[ラーメン (骨組)|ラーメン]]構造で繋いでいる。[[基礎]]が水中になる場合は、[[ケーソン]]と呼ばれる鉄の函を沈め[[コンクリート]]を流し込み構築する場合が多い。水流を妨げないため複数の柱で構成する場合もある。([[大鳴門橋]]など) 橋の長さは、全長ではなく支点間の距離である支間(スパンと言う)のうち最長となる中央径間(センタースパンという)でもって序列されることが多い。吊り橋ではこの主塔間の距離が中央径間となる。塔とアンカレイジの間の距離は側径間という。 塔は通常2組であるが、3組の例もある。([[小鳴門橋]]など) ===メインケーブル=== 主塔に架けられ、ハンガーロープを通じて桁をつり下げる、吊り橋の最も重要な要素である。材質としては鋼製の[[ワイヤー]]([[ピアノ線]])が用いられ、これを平行に束ねる。少し古いものでは鋼板を束ねたものも用いられたことがある。この材質の進歩にともないより長大な橋が架けられるようになった。[[明石海峡大橋]]のものでは1mm²あたり180kgの引張強度がある。それ以前の[[瀬戸大橋]]などでは160kg/mm²のものが使われている。 ケーブルは腐食([[錆]])防止のためにゴムや塗装による表面処理が施してある。覆われたケーブル束の内部は湿度が上昇し、腐食が進行する事例が見られたことから、1998年に完成した明石海峡大橋では乾燥空気を送風するシステムが採用された。このシステムは、2002年に瀬戸大橋で追加的措置として講じられたほか、2011年にはイギリスのハンバー橋でも採用されている<ref>日経BP『日経コンストラクション』2012年3月26日号</ref>。 ケーブル架設の方法にはエアスピニング工法とプレハブストランド工法とがある。エアスピニング工法ではワイヤーを数本ずつ連続して架設してゆき、それを束ねてケーブルとする。プレハブストランド工法ではあらかじめ製作した([[プレハブ]]の)ストランドと呼ばれるワイヤーを正六角形に束ねたものを架設し、それを束ねてワイヤーとする。1本のストランドに用いられるワイヤーの本数は91本、127本、169本などとなる。 ===桁=== [[道路]]や[[鉄道]]が設けられ実際に通行する部分であり、橋桁あるいは補剛桁ともいう。[[送電線]]や[[水道管]]が併設される場合もある。 桁は箱型のものと[[トラス]]形式の物があるが、風の影響の少ないトラスのものが多い。扁平で剛性の小さな補剛桁を用いていた米国の[[タコマナローズ橋]]が風で落橋した影響もある。ただし最近、[[流体力学]]の研究の進歩により風の影響を受けにくい形状にした箱形も見直されつつあり、[[イギリス]]のハンバー橋や日本の[[来島海峡大橋]]にこの例を見ることができる。 ===アンカーレイジ(橋台)=== [[アンカーブロック|アンカーレイジ(橋台)]]は橋の両端にありメインケーブルを繋ぎ止める文字通りの碇である。コンクリート製。地形的制約や強固な岩盤などがある場合は地山の支持力も利用するトンネルアンカレイジとする場合もある。([[来島海峡大橋]]など) ===ハンガーロープ=== メインケーブルから鉛直に垂らされ、桁を支える。懸垂線を描くメインケーブルと桁を結ぶため場所により長さが異なる。通常、撚ったワイヤーロープが使われる。主塔が岸よりにあり側径間の桁を支える必要がない場合は、無い場合もある。この形式のものを単径間吊り橋という。([[下津井瀬戸大橋]]など) ちなみに一般的なものは3径間である。 ハンガーロープには風による振動防止用に螺旋状に線が巻かれている場合がある。 == 世界の長大橋 == 以下のリストの長さの数値はセンタースパンである。 {| class="wikitable" |- ! 順位 !! 橋名 !! 所在国 !! 中央支間長 !! 完成年 !! 備考 |- ! 1 | [[明石海峡大橋]] || [[日本]] || 1,991m || [[1998年]] || |- ! 2 | [[西候門大橋]] || [[中国]] || 1,650m || 2009年 || |- ! 3 | [[大ベルト橋]] || [[デンマーク]] || 1,624m || 1998年 || |- ! 4 | [[潤揚長江公路大橋]] || 中国 || 1,490m || [[2005年]] || |- ! 5 | {{仮リンク|ハンバー橋|en|Humber Bridge}} || [[イギリス]] || 1,410m || [[1981年]] || 1998年までは世界最長 |- ! 6 | [[江陰長江大橋]] || 中国 || 1,385m || [[1997年]] || |- ! 7 | [[青馬大橋]] || [[香港]] || 1,377m || 1997年 || 道路鉄道併用の吊り橋としては世界最長 |- ! 8 | [[ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ]] || [[アメリカ合衆国]] || 1,298m || [[1964年]] || 1981年までは世界最長 |- ! 9 | [[ゴールデンゲートブリッジ|ゴールデンゲート橋]] || アメリカ合衆国 || 1,280m || [[1937年]] || 1964年までは世界最長 |- ! 9 | [[陽邏長江大橋]] || 中国 || 1,280m || 2007年 || |} {{Main|吊り橋の一覧 (長さ順)}} ==中央径間世界最長の吊り橋の変遷== *[[ジョン・A・ローブリング吊橋]](1867年、アメリカ合衆国、322m) *[[ブルックリン橋]](1883年、アメリカ合衆国、486m) *[[ウィリアムズバーグ橋]](1903年、アメリカ合衆国、488m) *[[ベア・マウンテン橋]](1924年、アメリカ合衆国、497m) *[[ベンジャミン・フランクリン橋]](1926年、アメリカ合衆国、533m) *[[アンバサダー橋]](1929年、アメリカ合衆国、564m) *[[ジョージワシントン橋]](1931年、アメリカ合衆国、1067m) *[[ゴールデンゲート橋]](1937年、アメリカ合衆国、1280m) *[[ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ]](1964年、アメリカ合衆国、1298m) *{{仮リンク|ハンバー橋|en|Humber Bridge}}(1981年、イギリス、1410m) *[[明石海峡大橋]](1998年、日本、1991m) ==中央径間日本最長の吊り橋の変遷== *[[小鳴門橋]](1961年、徳島県、160m) *[[若戸大橋]](1962年、福岡県、367m) *[[関門橋]](1973年、山口県・福岡県、712m) *[[因島大橋]](1983年、広島県、770m) *[[大鳴門橋]](1985年、兵庫県・徳島県、876m) *[[南備讃瀬戸大橋]](1988年、香川県、1100m) *[[明石海峡大橋]](1998年、兵庫県、1991m) ==類似構築物== 吊り橋と同様の技術を用い競技場やホールなど中央に柱を建てられない大規模な建物の屋根を建造する例がある。例として1964年[[前東京オリンピック|東京オリンピック]]の国立屋内総合競技場(現[[国立代々木競技場]])がある。メインケーブルは吊り橋と同様な曲線を描きそこから周囲に広がるように垂らされたロープが屋根と一体となっている。 == 吊り橋の強度 == 現代の吊り橋は巨大で鉄で出来ているため頑丈と思われがちだが、常に風雨にさらされているためメンテナンスが欠かせない。ただし、仮にメンテナンスをせずに放っておいたとしても、橋にもよるが200~300年は持ちこたえるといわれている。{{要出典|date=2010年12月}} == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{reflist}} == 関連項目 == {{commonscat|Suspension bridges}} *[[吊り橋理論]] (橋梁ではなく心理学の理論である。) [[Category:吊り橋|*]] [[Category:橋の形式|つりはし]]
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