司馬道子のソースを表示

'''司馬 道子'''（しば どうし、[[364年]] - [[402年]]）は[[東晋]]の皇族・政治家。東晋の第8代皇帝[[簡文帝 (東晋)|簡文帝]]の末子（5男）で、第9代皇帝[[孝武帝 (東晋)|孝武帝]]の末弟。[[字]]も'''道子'''。

== 生涯 ==
初め琅邪王となり、次いで[[会稽]]王となる。兄の孝武帝からの信任が厚く、政敵の[[謝安]]を追い落とすなどしたことにより、[[司徒]]、[[揚州]][[刺史]]などの要職を歴任した。兄帝を補佐していたが、やがて兄帝が酒に溺れて政務を省みなくなったため、実権を預けられて専権を振るった<ref name="新十八史略131">駒田『新十八史略4』、P131</ref>。しかし道子は暗愚で兄帝同様に酒色に耽る事も少なくなかったといわれる<ref name="新十八史略131"/><ref name="中華の崩壊132">川本『中国の歴史、中華の崩壊と拡大、魏晋南北朝』、P132</ref>。兄帝が張貴人により暗殺された際も、兄の死因を調べず張貴人に罪を問うことも無かった<ref name="新十八史略132">駒田『新十八史略4』、P132</ref>。

甥の[[安帝 (東晋)|安帝]]の時には[[太傅]]となり、未だ幼い皇帝の[[摂政]]として国政を取り仕切った。司馬道子の側近に[[王国宝]]がいたが、かつて道子は国宝と不仲であったにも関わらず、政権を掌握すると再び旧交を取り戻して2人で権力を欲しい侭にした<ref name="新十八史略134">駒田『新十八史略4』、P134</ref>。司馬道子は豪奢を好む性格で国庫を傾け、側近の王国宝は北府軍の[[王恭]]から軍権を奪おうと画策したため、この専制に不満を抱いた北府軍の王恭と西府軍の[[殷仲堪]]・[[桓玄]]により反乱を起こされ、君側の奸を除く事を名目で王国宝の排除を要求し、司馬道子は要求に屈して王国宝を斬殺した<ref name="新十八史略135">駒田『新十八史略4』、P135</ref>。だが王恭は殷仲堪らと共に司馬道子の排除も画策し、北府軍と西府軍が[[建康]]を目指して攻めてくると<ref name="新十八史略135"/>、世子の司馬元顕に実権を譲って自らは酒に逃避した<ref name="新十八史略136">駒田『新十八史略4』、P136</ref>。

以後は司馬元顕が専権を振るうが、やがて酒色が過ぎた道子は[[399年]]に病に倒れ、これを機に人望も能力も無い道子を排除しようとした元顕の画策で[[司徒]]・[[楊州]][[刺史]]の職を解任されて全て元顕が引き継いだ<ref name="新十八史略139">駒田『新十八史略4』、P139</ref>。同年の[[孫恩の乱]]では慌てふためき、鎮圧するために北府軍の[[劉牢之]]に出兵命令を下している<ref name="新十八史略141">駒田『新十八史略4』、P141</ref>。

402年、[[桓玄]]の反乱によって建康が陥落すると元顕は殺され、道子自身は捕縛される。そして安成郡に移送される途上、[[暗殺]]された<ref name="中華の崩壊134">川本『中国の歴史、中華の崩壊と拡大、魏晋南北朝』、P134</ref>。死因は毒殺である<ref name="新十八史略145">駒田『新十八史略4』、P145</ref>。享年39。

== 宗室 ==
=== 子 ===
*[[司馬元顕]]
*[[司馬脩子]]
=== 孫 ===
*東海王[[司馬彦璋]]（元顕の子）
*[[司馬秀熙]]（同上）

== 脚注 ==
=== 注釈 ===
<references group="注釈"/>
=== 引用元 ===
<references/>

== 参考文献 ==
* [[川本芳昭]]『中国の歴史05、中華の崩壊と拡大。魏晋南北朝』（[[講談社]]、[[2005年]][[2月]]）
* [[駒田信二]]ほか『新十八史略4』（[[河出書房]]新社、[[1997年]][[7月]]）

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[[Category:司馬氏|とうし]]
[[Category:魏晋南北朝時代の人物]]
[[Category:暗殺された人物]]
[[Category:364年生]]
[[Category:402年没]]