単効用吸収冷凍サイクルのソースを表示

'''単効用吸収冷凍サイクル'''（たんこうようきゅうしゅうれいとうサイクル）は、[[液体]]の[[冷媒]]を低い圧力に保った[[蒸発器]]で低温で気化させ[[気化熱]]で[[熱]]を奪い取り、その[[蒸気]]を[[吸収器]]で吸収液に[[吸収 (化学)|吸収]]させ、濃度の低下した吸収液を[[再生器]]で加熱し冷媒を蒸気として分離し、冷媒を[[凝縮器]]で液化し蒸発器に・吸収液を冷却し吸収器に戻す、[[冷凍機]]の[[熱機関の理論サイクル|熱サイクル]]である。

==サイクルの流れ==

1 - [[蒸発器]]で液体の冷媒を低温・低圧で気化させ Q<sub>E</sub> 冷却する。 →1'

1',6 - [[吸収器]]で吸収液に冷媒蒸気を吸収させる。吸収液濃度 &xi;<sub>1</sub> →2

2 - 吸収液ポンプで希吸収液を吸収液[[熱交換器]]へ送り Q<sub>H</sub> 熱交換する →7

7 - [[再生器]]で Q<sub>G</sub> の熱で希吸収液を加熱する。 →5

5 - 濃縮吸収液と冷媒蒸気に分離する。 →4,4'

4' - [[凝縮器]]で Q<sub>C</sub> 冷却し冷媒を液化する。 →3

3 - 凝縮器から蒸発器へ[[圧力]]差で液化した冷媒を移送する。 →1

4 - 再生器から吸収液[[熱交換器]]へ[[圧力]]差で濃吸収液を送り Q<sub>H</sub> 熱交換する。吸収液濃度 &xi;<sub>2</sub> →8

8 - [[吸収器]]で吸収液を Q<sub>A</sub> 冷却する。 →6

===理論成績係数・冷凍能力===
熱交換器などの損失がない場合を考えると。
: Q<sub>E</sub> + Q<sub>G</sub> = Q<sub>A</sub> + Q<sub>C</sub>
: Q<sub>E</sub> = D ( h<sub>1</sub>' - h<sub>3</sub> )
: Q<sub>C</sub> = D ( h<sub>4</sub>' - h<sub>3</sub> )
: Q<sub>G</sub> = ( a -1 ) D h<sub>4</sub> + D h<sub>4</sub>' - a D h<sub>7</sub>
: Q<sub>A</sub> = ( a -1 ) D h<sub>8</sub> + D h<sub>1</sub>' - a D h<sub>2</sub> 
: Q<sub>H</sub> = a D ( h<sub>7</sub> - h<sub>2</sub> )
: (COP)<sub>R</sub> = Q<sub>E</sub> / Q<sub>G</sub> = ( h<sub>1</sub>' - h<sub>3</sub> ) / { h<sub>4</sub>' - h<sub>4</sub> + a ( h<sub>4</sub> - h<sub>7</sub> )}

:(COP)<sub>R</sub> : 冷凍サイクルの理論成績係数
:Q : 熱量
:h : 吸収液の[[エンタルピー]] 　h' : 吸収液と平衡する冷媒蒸気のエンタルピー
:a : 吸収液循環比、1kgの冷媒蒸気を再生器で発生させるために必要な希吸収液の循環量 a = &xi;<sub>2</sub> / ( &xi;<sub>2</sub> - &xi;<sub>1</sub> )
:D : 再生器の発生冷媒蒸気量

==単効用第一種吸収ヒートポンプ==
このサイクルを利用し、低温排熱を高温熱源で汲み上げて加熱するものを'''単効用第一種吸収ヒートポンプ'''と呼ぶ。
: (COP)<sub>H</sub> =  (COP)<sub>R</sub> + 1

:(COP)<sub>H</sub> : ヒートポンプサイクルの理論成績係数

==関連項目==
*[[熱機関の理論サイクル]] : 冷凍サイクル
*[[冷凍機]] : 冷凍機の比較

{{デフォルトソート:たんこうようきゆうしゆうれいとうさいくる}}
[[Category:熱力学]]
[[Category:熱源設備]]
[[Category:冷凍]]