南部町 (山梨県)のソースを表示

{{日本の町村
|自治体名=南部町
|区分=町
|都道府県=山梨県
|支庁=
|郡=[[南巨摩郡]]
|コード=19366-6
|隣接自治体=[[南巨摩郡]][[身延町]]<br />[[静岡県]]：[[静岡市]]、[[富士宮市]]
|木=[[ヒノキ]]
|花=[[アジサイ]]
|シンボル名=町の鳥
|鳥など=[[メジロ]]
|郵便番号=409-2102
|所在地=南巨摩郡南部町福士28505-2<br />（旧富沢町役場）<br /><small>{{ウィキ座標度分秒|35|14|32.4|N|138|29|9.8|E|}}</small><br />[[File:Nambu town hall 1 (Yamanashi Prefecture).JPG|center|250px|南部町役場]]
|外部リンク=[http://www.town.nanbu.yamanashi.jp/ 南部町の公式サイト]
|位置画像={{基礎自治体位置図|19|366}}
|特記事項=
|}}
'''南部町'''（なんぶちょう）は、[[山梨県]][[南巨摩郡]]の町。[[山梨県]]の最南端に位置する。
町の中央部を[[富士川]]が縦断するように流れる。[[陸奥国]]の[[南部氏]]の発祥地として知られる。[[江戸時代]]には[[河川舟運|舟運]]で栄えた。

== 概要 ==
=== 南部町民憲章 ===
南部町では2004年（平成16年）1月5日、議会で南部町民憲章が制定された。内容は以下の通り
* 南部町民憲章
わたくしたちの郷土は、富士川に沿う河内路の要衝として、
古くから特色ある文化を育ててきました。
私たちは、この南部町民であることに誇りをもち、恵まれた
自然に感謝し、歴史や文化を大切に、ふれあい豊かな躍進する
町をつくるため、この憲章を定めます。<br>
一、 自然を愛し、美しい町をつくります。<br>
一、 仕事にはげみ、活力のある町をつくります。<br>
一、 生涯を通して学び、文化の町をつくります。<br>
一、 心とからだをきたえ、明るい町をつくります。<br>
一、 たがいに助け合い、平和な町をつくります。<br>
* この南部町民憲章は2013年（平成25年）に発行された新町誕生10周年記念誌の「山梨県南部町のこと」の巻末資料、「南部町町勢要覧資料」やインターネットで閲覧できる「山梨県南部町議会の概要」などの資料にも確認できる。
=== 地理地形 ===
西側に[[十枚山]]や[[篠井山]]などの[[身延山地]]、東側に[[思親山]]などの[[天子山地]]に挟まれ、そのほぼ中央に[[富士川]]が流れる。町の9割近くが森林地帯で、宅地と農地を合わせた比率は4%にも満たない。標高は富士川河岸で150m未満と山梨県では一番低い位置にある<ref>参考までに身延町[[梅平 (身延町)|梅平]]は標高181m、[[上野原市]]新田（[[上野原駅]]周辺）は標高173m、[[山梨県庁舎]]や[[甲府駅]]がある[[甲府市]][[丸の内 (甲府市)|丸の内]]は標高272mである。なお、南部町の最低地点は十島地区の94m、南部町の最高地点は[[十枚山]]双耳峰の1,732mとなっている。</ref>うえ、[[静岡県]]に近いことから平均気温は15度と温暖で、また降水量も年間2,500mm以上と多い。
<gallery>
ファイル:Yamanashi-nanbu1.JPG|旧南部町内船上空 画面下部は富士川
ファイル:Yamanashi-nanbu2.JPG|旧南部町本郷上空 南部IC建設予定地
ファイル:Yamanashi-nanbu3.JPG|旧南部町[[南部 (山梨県南部町)|南部]]（昭和町）上空 画面左部はアルカディア南部総合公園
</gallery>
主な河川
; 南部町内を流れる主な河川（距離順）
{| class="wikitable"
|-
!河川名!!長さ
|-
|[[佐野川]]||18.8km
|-
|[[富士川]]||16.0km（地内）
|-
|福士川||10.0km
|-
|戸栗川||7.8km
|-
|内房境川||4.3km（地内）
|-
|船山川||3.1km

|}

== 経済 ==
=== 産業 ===
温暖多湿の気候を活かした[[農業]]や[[林業]]が主体となっている。[[商業]]については南部・内船・富河の各地域に商店街があるがバイパスの開通や人口減少により衰退している。また、基本的に経済基盤が弱いため殆どの町民は町外の工場や役所に勤務する傾向が強く、特に若年層は職場を求め町外へ住居を移すことが多いため地域の[[高齢化]]と[[過疎]]化が進行する一因になっている。

=== 通信 ===
* 町内放送について当初は[[有線放送電話]]、1980年代に[[オフトーク通信]]に切り替わり、合併後も継続して使用され1日2回の定期放送や火災時の緊急情報送出に使用されていた。しかし導入から年月が過ぎており老朽化が目立ったことから2012年3月を以て[[光ファイバー]]による[[市町村防災行政無線]]へ置き換わった。
* [[携帯電話]]については当初[[NTTドコモ]]のみ使用可能であったが、[[2000年]]頃より[[au (携帯電話)|au]]や[[ソフトバンクモバイル]]も使用可能になり、更に[[2007年]]には一部地域で[[ウィルコム]]の[[PHS]]も使用可能になった。但し[[公衆無線LAN]]についてはごく一部の旅館を除きまだ導入されていない。
* [[インターネット]]においては[[ISDN]]は使用可能であったが、[[ADSL]]の導入が遅れた。原因として基地局が10km離れた[[身延町]]にあったことと、オフトーク通信による干渉の問題などによるものである。しかし[[2004年]]に南部にADSL用の基地局が開設されたこととオフトーク通信対応の[[ターミナルアダプタ]]が普及したことにより一部の地域を除き解決されている。[[FTTH]]は[[2011年]]末より万沢地区において[[フレッツ#フレッツ光|フレッツ光]]のサービスが開始され、上述の市町村防災行政無線へ切り替えの際ほぼ全地域に対応した。

== 歴史 ==
[[古代]]の[[律令制]]下では富士川右岸が[[巨摩郡]]河合郷に、左岸が[[八代郡 (甲斐国)|八代郡]]河合郷に比定される。

[[中世]]には[[甲斐源氏]]の一族[[加賀美遠光]]の三男[[南部光行|光行]]が南部郷に進出して[[南部氏]]の祖となり、町域には居館跡とされる南部氏館跡がある。また、[[鎌倉時代]]には光行の子[[波木井実長|実長]]が波木井に居を構え、[[日蓮]]の弟子となり日蓮を身延に招聘した。

[[南北朝時代 (日本)|南北朝]]期には南部氏の一族が奥州に移り、[[室町時代|室町]]期には代わって甲斐守護[[武田氏]]の一族[[穴山氏]]が河内領へ進出した。穴山氏は当初南部を拠点としていたが、戦国期には[[下山館|下山]]（身延町）に本拠を移転する。[[戦国時代 (日本)|戦国]]期には[[駿州往還]]の拠点として[[南部宿]]が成立する。

[[近世]]には11か村が成立し、富士川西部が巨摩郡西河内領に、東部が八代郡東川内領に属した。全村が[[幕府直轄領]]、[[甲府藩]]領、再び直轄領に変遷し、[[上飯田代官]]から[[市川代官]]支配となる。

=== 沿革 ===
* [[1955年]]（[[昭和]]30年）[[4月1日]] - [[睦合村 (山梨県)|睦合村]]・[[西八代郡]][[栄村 (山梨県)|栄村]]が合併して発足。
* [[2003年]]（[[平成]]15年）[[3月1日]] - [[富沢町]]が合併協議会を経て合併し、改めて'''南部町'''が発足。
* [[2007年]]（平成19年） - 合併後初の町長選挙が行われる（2003年は無投票）。

== 人口 ==
{{人口統計|code=19366|name=南部町}}

== 行政 ==
=== 町長 ===
{| class="wikitable"
|-
!代!!町長!!就任日!!備考
|-
!町長職務執行者
|[[望月秀次郎]]||[[2003年]]（[[平成]]15年）[[3月1日]]||旧富沢町長(1993-2003)
|-
!初代
||[[小沢介三]]||2003年（平成15年）[[4月13日]]||旧南部町長(1986-2003)
|-
!2代
||望月秀次郎||[[2007年]]（平成19年）[[4月13日]]||旧富沢町長(1993-2003)
|-
!3代
||[[佐野和広 (政治家)|佐野和広]]||[[2011年]]（平成23年）[[4月13日]]||
|}

=== 副町長（助役） ===
{| class="wikitable"
|-
!代!!副町長!!就任日!!備考
|-
!初代
|[[望月秀次郎]]||[[2003年]]（[[平成]]15年）[[7月1日]]||[[2007年]]（[[平成]]19年）[[2月6日]]
|-
!2代
||森田守||2007年（平成19年）[[7月1日]]||[[2009年]]（[[平成]]21年）[[3月31日]]
|-
!3代
||渡辺幸志||[[2009年]]（平成21年）[[4月1日]]||[[2010年]]（[[平成]]22年）[[3月31日]]
|-
!4代
||市川剛||[[2010年]]（平成22年）[[4月1日]]||[[2011年]]（[[平成]]23年）[[3月31日]]
|}
*※副町長H19年4月から
=== 議会議長 ===
{| class="wikitable"
|-
!代!!議長!!就任日!!退任日
|-
!初代
|望月勝||[[2003年]]（[[平成]]15年）[[3月11日]]||[[2004年]]（[[平成]]16年）[[10月31日]]
|-
!2代
||山口茂松||[[2004年]]（[[平成]]16年）[[11月5日]]||[[2006年]]（[[平成]]18年）[[10月25日]]
|-
!3代
||仲亀七郎||[[2006年]]（[[平成]]18年）[[10月25日]]||[[2008年]]（[[平成]]20年）[[10月31日]]
|-
!4代
||[[佐野哲也]]||[[2008年]]（[[平成]]20年）[[11月7日]]||[[2009年]]（[[平成]]21年）[[4月28日]]
|-
!5代
||佐野敏明||[[2009年]]（[[平成]]21年）[[4月28日]]||[[2010年]]（[[平成]]22年）[[11月1日]]
|-
!6代
||堀之内可和||[[2010年]]（[[平成]]22年）[[11月1日]]||[[2012年]]（[[平成]]24年）[[10月31日]]
|-
!7代
||萩原敬||[[2012年]]（[[平成]]24年）[[11月9日]]||
|}


=== 議会副議長 ===
{| class="wikitable"
|-
!代!!副議長!!就任日!!退任日
|-
!初代
|渡辺喜信||[[2003年]]（[[平成]]15年）[[3月11日]]||[[2004年]]（[[平成]]16年）[[10月31日]]
|-
!2代
||[[佐野哲也]]||[[2004年]]（[[平成]]16年）[[11月5日]]||[[2006年]]（[[平成]]18年）[[10月25日]]
|-
!3代
||望月昭侚||[[2006年]]（[[平成]]18年）[[10月25日]]||[[2008年]]（[[平成]]20年）[[10月31日]]
|-
!4代
||佐野敏明||[[2008年]]（[[平成]]20年）[[11月7日]]||[[2009年]]（[[平成]]21年）[[4月27日]]
|-
!5代
||木内利明||[[2009年]]（[[平成]]21年）[[4月28日]]||[[2010年]]（[[平成]]22年）[[11月1日]]
|-
!6代
||鍋田幹雄||[[2010年]]（[[平成]]22年）[[11月1日]]||[[2012年]]（[[平成]]24年）[[10月31日]]
|-
!7代
||内田大明||[[2012年]]（[[平成]]24年）[[11月9日]]||
|}

=== 財政 ===
[[2004年]]の南部町の財政力指数は'''0.3'''とかなり低い数値となっている。（財政力指数は'''0.5'''が財政的自立の目安だといわれている。）また1人あたりの地方債現在高も92万円と類似団体の平均（47万円）と比較して高い数値を表している。今後は[[三位一体の改革]]による[[地方交付税]]減少や過疎化による所得税・法人税の減少が見込まれることから更に厳しい財政となることが予想される。一方で[[地方債]]の町負担分が30億に対し基金が42億あることや今後公共施設の抑制を行なうとしていることから町側は健全財政であるとアピールしている。（出典:町広報誌2007年1月号より）

: 参考:[http://www.pref.yamanashi.jp/barrier/html/shichoson/images/31456821897.pdf 市町村財政比較分析表(PDF)]

== 隣接している自治体・行政区 ==
[[山梨県]]
*[[南巨摩郡]][[身延町]]
[[静岡県]]
*[[静岡市]]（[[葵区]]･[[清水区]]）
*[[富士宮市]]

== 地域  ==
[[郵便番号]]の区分で記している。
;睦合地区
* [[南部 (山梨県南部町) |南部]]
* 中野 
* 成島
* 柳島
* 塩沢
* 大和
;栄地区
* [[内船]]
* 井出
* 十島
* 上佐野
* 下佐野
;富河地区
* 福士
* 楮根
;万沢地区 
* [[万沢]]

== 交通 ==
=== 鉄道路線 ===
* [[東海旅客鉄道|JR東海]] [[身延線]]:[[十島駅]]-[[井出駅]]-[[寄畑駅]]-[[内船駅]] 
なお、[[内船駅]]には特急[[ふじかわ (列車)|ふじかわ]]が停車する。

=== バス ===
* [[南部町営バス]] - 内船駅を中心に町内を巡回している。
* [[山交タウンコーチ]] - ごく一部の地域のみ。
=== 道路 ===
: 一般国道
::* [[国道52号]]（18.5km)
::** [[道の駅とみざわ]]
::* [[国道469号]]（2.6km）
: 主要地方道
::* [[静岡県道・山梨県道10号富士川身延線]]
: 一般県道
::* [[山梨県道809号釜の口塩沢線]]
::* [[山梨県道803号内船停車場線]]
::* [[山梨県道806号井出停車場線]]
::* [[静岡県道195号・山梨県道801号高瀬福士線]]
::* [[静岡県道196号・山梨県道802号大向福士線]]
::* [[静岡県道192号・山梨県道807号宍原塩出線]]
::* [[山梨県道811号日向宿線]]
: 町道
* 町道は平成25年4月1日の時点で293路線があり、その総延長は195.1kmにも達する。（新町誕生10周年記念誌「山梨県南部町のこと」南部町町勢要覧資料）

== 官公庁・公共施設・組合施設一覧 ==
=== 役場関連 ===
* 南部町役場 - 旧富沢町役場
* 南部分庁舎 - 旧南部町役場、合併後改築され文化ホール付施設となった
* 万沢支所
* 総合公民館 - 南部分庁舎に隣接
=== 郵便局 ===
* 南部郵便局
* 内船郵便局
* 万沢郵便局
* 富河郵便局
* 十島簡易郵便局 
=== 警察 ===
* [[南部警察署]]
* 富河駐在所
* 万沢駐在所
* 内船駅前連絡所 
=== 消防 ===
* 峡南広域行政組合中部消防署南分署
=== 医療施設 ===
* 南部町医療センター（健康管理センター）
* 内船診療所
* 佐野診療所
* 万沢診療所
=== 福祉施設 ===
* 峡南広域行政組合[[老人福祉施設]]「慈生園」
* アルファーセンター（在宅介護支援センター）
* 富沢地区老人福祉センター
* 富沢デイサービスセンター
=== 保育施設 ===
* 睦合保育園
* 栄保育園
* 富河保育園
* 万沢保育園
=== 教育施設 ===
==== 幼稚園 ====
* 学校法人南部みどり幼稚園
==== 小学校 ====
* 南部町立睦合小学校
* 南部町立栄小学校
* 南部町立富河小学校
* 南部町立万沢小学校
==== 中学校 ====
* [[南部町立南部中学校 (山梨県)|南部町立南部中学校]]

=== 官公庁出先機関 ===
* [[国土交通省]]富士川中流出張所
* [[林野庁]]南部林務事務所
=== 組合施設 ===
* 活性化センター
* 峡南女性センター
* 農村環境改善センター－南部町役場に隣接
* 環境センター（ごみ処理場）
* 南部アルカディア聖苑（火葬場）
* [[ふじかわ農業協同組合]]南本部
* 南部町森林組合
* 南部自動車教習所

== 祭事・催事 ==
* [[南部の火祭り]]（[[8月15日]]）
* たけのこまつり（[[4月]]下旬）
* あじさい祭り（[[6月]]中旬～下旬）
== 名所・旧跡・観光スポット ==
=== 自然景観 ===
* [[身延山地]]
** [[十枚山]]（1,726m）
** [[篠井山]]（1,394m）
** [[福士川渓谷]]
* [[天子山地]]
** [[思親山]]
** [[長者ヶ岳]]
* [[東海自然歩道]]
* [[柿元ダム]]（天子湖）

=== 史跡 ===
* [[最恩寺]]（県指定の絹本着色穴山勝千代画像を所蔵）
* 十島金山
* [[円蔵院_(山梨県南部町)|円蔵院]]
* [[内船寺]]
* 顕本寺（鎌倉時代中期には成立し、700年以上の歴史がある。）

=== 温泉 ===
* [[佐野川温泉]]
* [[南部アルカディア温泉|なんぶの湯]]
* 十枚荘温泉
* 船山温泉

=== スポーツ・文化施設 ===
* [[アルカディア南部総合公園]]
* [[アルカディア南部文化館]]

== 特産品 ==
* [[筍|たけのこ]]
* [[南部茶]]（[[緑茶]]）

== 出身有名人 ==
* [[近藤喜則]] - [[明治]]初期の[[実業家]]および[[政治家]]。
* [[近藤浩一路]] - [[大正]]・[[昭和]]初期の[[水墨画家]]および[[漫画家]]。近藤喜則の孫。
* [[増本敏三郎]] - [[大正]]・[[昭和]]初期の[[実業家]]および[[政治家]]。[[万沢]]の豪農、佐野家に生まれ、増本家に養子縁組で入る。愛知県会議員、[[愛知航空機]]社長。
* [[大島崇行]] - [[日本プロ野球]]・[[広島東洋カープ]]の[[投手]]。

== 南部町の伝説、昔話 ==
南部町には幾つかの伝説や昔話、怪談が存在する。
# 鉈取りの滝
阿部の峠へ向かう山中にある高さ6〜7mの滝があり、ある人がそこで木を切っていると鉈を滝へ落としてしまった。覗けば鉈はよく見えるのに滝壺へ降りると鉈は何故か見えない。行ったり来たりを3～4回繰り返しているとそこで機を織っていたお姫様が出てきて「ここはお前の来るところではない」といって鉈も返してくれなかったので、この滝を「鉈取りの滝」というようになったという昔話、内容は「金の斧銀の斧」に似ているが決定的な違いは最終的に鉈は返ってこない点である。
# さつき姫伝説
「さつき姫」の伝説には、①戦乱で行方不明の宗良親王の消息を尋ねて池の山の大池にきて投身自殺をした。②南朝の落ち武者吉野某の娘で家族３人で池の山に住んでいたが18歳で入水自殺をした。③大凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)が京都をのがれた後を慕って来たもの。④源頼朝の娘であり平家討伐のための軍事策略として池の山に大池を築いたなどの諸説がある。その中の一つの概略を以下に記す。
* 南朝の忠臣吉野三郎の一人娘佐津岐(さつき)姫は、吉野朝末期に南朝再興のための募兵の目的で家臣６人と富士川を登り万沢に到着し、池の山に入った。しかし姫は南朝再興の夢を途中で断念し、忠臣の行く末を案じ、池の山の大池で入水自殺した。家臣が姫を捜していると、池の中央部に姫が現れ、家臣に募兵を止めてこの地に永住するよう伝えた。すると激しい風雨により池は溢れ、その水は濁流となって福士川から富士川に流れた。そのとき姫は大蛇に化身して富士川を下り、松野郷で昇天して七色岩となった。それ以来福士から松野郷まで、さつきが咲き乱れるようになった。〔富沢町教育委員会編『伝説「さつき姫」』1990年〕

== 他地域との関連 ==
=== その他の南部町 ===
現在、[[青森県]]と[[鳥取県]]に同名同音の町がある。このうち青森県の[[南部町 (青森県)|南部町]]は[[南部氏]]で繋がっており、現在も定期的に交流がある。一方、鳥取県の[[南部町 (鳥取県)|南部町]]は、[[日本の市町村の廃置分合#平成の大合併|平成の大合併]]によって新たにできた町であり、関連性はまったくない。（山梨県と青森県は南部氏を由来としているが、鳥取県は[[西伯郡]]の南部に位置することからつけられたものである。）また[[和歌山県]]にも[[南部町 (和歌山県)|南部町]]があったがこちらは'''みなべまち'''（元々は三鍋であった）と読み、現在は[[みなべ町]]となっている。こちらも鳥取県同様に同町と関連性はない。

=== 身延町 ===
両町とも[[日蓮宗]]の寺院が多く、また古くからの付き合いがあることから一時は合併の話も出た。しかし各種問題、特に合併時の町名において対立があったため結局は断念。それぞれ別の町として歩むことになった。（南部・身延ともに歴史上古くから使われており、平成の大合併において双方共に対等合併を行なっているが町名は残されている。）

=== 静岡県 ===
南部町は産業や文化交流などにおいて山梨県側より静岡県側の結びつきが強い。理由として山梨県側の都市より静岡県側の都市のほうが近いことが挙げられる。
; 内船駅から各都市への距離および所要時間
{| class="wikitable"
|-
!都市!!基準駅!!距離（道路）!!距離（鉄道）!!所要時間（道路）!!所要時間（鉄道）
|-
|山梨県[[甲府市]]||[[甲府駅]]||55km||55km||1時間25分||1時間30分（1時間5分）
|-
|山梨県[[中央市]]||[[東花輪駅]]||42km||42km||1時間5分||1時間10分（50分）
|-
|静岡県[[富士宮市]]||[[富士宮駅]]||24km||23km||35分||45分（30分）
|-
|静岡県[[富士市]]||[[富士駅]]||28km||34km||45分||1時間5分（40分）
|-
|静岡県[[静岡市]][[清水区]]||[[清水駅 (静岡県)|清水駅]]||38km||57km||1時間||1時間30分（1時間）
|}
: 道路は[http://www.mapfan.com/routemap/ MapFan] を使用。所要時間は概ね10km=15分と計算。
: 鉄道は[http://transit.yahoo.co.jp/ Yahoo!路線情報] を使用。所要時間は普通列車、（）内は特急ふじかわを利用した場合の所要時間を算出。
これにより以下の傾向・事象が発生している。
* 山梨県側の高校へ通う者と静岡県側へ通う者が拮抗している。同町から山梨県側へ通える普通科を有する公立高校は[[山梨県立身延高等学校|身延高校]]と[[山梨県立市川高等学校|市川高校]]のみであり、さらに[[2006年]]までは小学区制度を導入していたため市川高校は学区外であり、実質上身延高校しか選択肢がなかった。一方で静岡県側の普通科を有する公立高校は[[静岡県立富士宮西高等学校|富士宮西高校]]、[[静岡県立富士宮北高等学校|富士宮北高校]]、[[静岡県立富士宮東高等学校|富士宮東高校]]、[[静岡県立富士高等学校|富士高校]]と多く、また静岡県も学区制こそとっているものの山梨県側の通学も受け入れているため、ある程度の学力があればそちらへ通うことが可能である。なお、職業・総合課程を含めると山梨県側に[[山梨県立峡南高等学校|峡南高校]]と[[山梨県立増穂商業高等学校|増穂商業]]が、静岡県側に[[静岡県立富岳館高等学校|富岳館高校]]（旧・富士宮農業高校）がある。
* 通勤においても2000年の国勢調査において旧富沢町が[[富士都市圏]]の一部であったことなど、静岡県側へ勤める者が多い。これは同町および県内の近隣町村に勤め先が少ない一方、静岡県側においては[[富士宮市]]や[[富士市]]に工場が多くあるためである。
* 買い物においても県内の近隣町村に大型店が少ない一方、静岡県側には[[ショッピングセンター]]など一通りそろっているためそちらを利用する者が多い。
* 静岡県側のテレビ受信が可能であるため、静岡県の情報がリアルタイムで取得できる。更に山梨県側においては民放が2局（[[山梨放送]]と[[テレビ山梨]]）しかないのに対し静岡県側には[[テレビ東京]]系列を除く4局が存在する。[[日本の地上デジタルテレビ放送|地上デジタルテレビ放送]]に移行後も再送信により引き続き静岡側のテレビ受信が可能になっている。
* [[日本プロサッカーリーグ|Jリーグ]]においても[[清水エスパルス]]サポーターと[[ヴァンフォーレ甲府]]サポーターが拮抗している。清水のホームスタジアムである[[静岡市清水日本平運動公園球技場|アウトソーシングスタジアム（アウスタ）]]のほうが甲府のホームスタジアムである[[山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場|山梨中銀スタジアム（中銀）]]より近い（アウスタ:44km、中銀:50km）こともさることながら清水はJ発足当初から参加しているチームであり、南部町も清水の試合を対象とした応援ツアーも行なわれたことがあるため、甲府が[[1999年]]に参入したころには既に清水側の地盤が出来上がっていた。これに対し甲府側は[[2005年]]に南部町を広域ホームタウンに取り込み、入場無料イベントなどを行い甲府側への取り込みを図っている。
* [[東海道新幹線]][[新富士駅 (静岡県)|新富士駅]]を設置する際、富士側からの呼びかけで「東海道新幹線富士駅設置促進期成同盟会」に参加し、建設費の一部を出資している。
* 2012年4月14日に[[新東名高速道路]]が開通し、これにあわせ[[新清水インターチェンジ|新清水IC]]が供用を開始した。新清水インターチェンジは内船駅と清水駅のほぼ中間地点にあり、また清水連絡路経由で[[清水インターチェンジ|清水IC]]や[[静岡インターチェンジ|静岡IC]]にも短距離で行くことができる。これにより[[静清バイパス]]の渋滞に巻き込まれることなく[[静岡駅]]へ向かうことができるようになったため、所要時間が大幅に短縮されている。

=== 東京など首都圏とのアクセス ===
他の山梨県内の市町村では、[[東京]]など[[首都圏]]との往来は[[鉄道]]では[[中央本線]]、高速道路では[[中央自動車道]]を使うのが一般的になっているが、前述でも触れている静岡県地域とのつながりもあることから、鉄道では[[身延線]][[富士駅|富士]]経由で[[東海道本線]]、もしくは[[新富士駅 (静岡県)|新富士駅]]より[[東海道新幹線]]を利用するのが一般的である。道路では[[国道52号線]]を南進し、[[新清水インターチェンジ]]より[[新東名高速道路]]を利用するのが一般的となっている。これは南部町自体が県内でも最も南に位置しているなどの地理的条件もあるといえる。

== 平成・南部藩 ==
{{see|平成・南部藩}}
南部首長会議を前身として当地発祥の南部氏に関連する山梨県、青森県、[[岩手県]]の9市町が、バーチャル合併により設立した架空の自治体。南部氏のえにしを大切に思い、情報発信していくとともに、交流を通したまちづくりに取り組む。

== (旧)南部町のデータ ==
{{日本の町村 (廃止)
|廃止日=2003年3月1日
|廃止理由=新設合併
|廃止詳細='''南部町(旧)''' 、[[富沢町]] → 南部町 (新)
|現在の自治体=南部町 (新)
|自治体名=南部町
|区分=町
|都道府県=山梨県
|支庁=
|郡=[[南巨摩郡]]
|コード=19366-6
|面積=112.34
|境界未定=なし
|人口=6,489
|人口の時点=2003年3月1日
|隣接自治体=山梨県：[[富沢町]]、[[身延町]]<br>[[静岡県]]：[[静岡市]]、[[富士宮市]]、[[芝川町]]
|木=[[ヒノキ]]
|花=[[ツツジ|ヨウラクツツジ]]
|シンボル名=他のシンボル
|鳥など=町の鳥：[[メジロ]]
|郵便番号=409-2305
|所在地=南巨摩郡南部町内船4473番地1
|外部リンク=
|緯度=
|経度=
|位置画像=[[ファイル:FormerNambuTown-YamanashiPref.png|270px]]
|特記事項=
|}}

'''南部町 (-2003年2月28日)''' は、山梨県南巨摩郡の南部に位置する町。[[2003年]][[3月1日]]に、南巨摩郡[[富沢町]]との新設合併により、新南部町 (2003年3月1日-) の一部となった。

=== 合併前後での違い ===
現在の南部町（新南部町）は新設合併によって設置された自治体であり、それ以前に存在した南部町（旧南部町）は廃止されている。新南部町（2003年3月1日以降）と旧南部町（2003年2月28日以前）は同名別人の自治体であり、[[国勢調査]]などのデータは、合併前と合併後とでは別々のものとして扱われている。

旧南部町の町役場は改築の上、南部分庁舎として使用されている。

=== 南部町 (旧) の歴史 ===
* [[1180年]]（[[治承]]4年）:[[南部光行]]が[[源頼朝]]より南部牧を与えられ[[1189年]]までこの地に住む。
* [[1274年]]（[[文永]]11年）:[[日蓮]]が[[身延山]]へ赴く際、同地の妙浄寺に1泊する。
* [[1889年]]（[[明治]]22年）:この頃までに富士川西岸の睦合地区6村が合併し南巨摩郡睦合村が，富士川東岸の栄地区5村が合併し[[西八代郡]]栄村ができる。
* [[1918年]]（[[大正]]7年）:[[身延線]]が[[十島駅]]、その後[[内船駅]]まで開通。
* [[1952年]]（[[昭和]]27年）:佐野地域に[[日本軽金属]]が建設した[[水力発電所]]である'''柿本ダム'''が竣工。
* [[1955年]]（昭和30年）:[[睦合村 (山梨県)|睦合村]]と[[栄村 (山梨県)|栄村]]が合併し町制施行。
* [[1964年]]（昭和39年）:旧睦合村役場跡地に'''南部町立南部中学校'''が完成、睦合中学校と栄中学校を統合する形で開校。
* [[1982年]]（昭和57年）:'''南部バイパス'''が開通し、[[国道52号]]のルートが変更される。
* [[1986年]]（昭和61年）:[[第41回国民体育大会|かいじ国体]]が開催され、同地では少年男子[[ソフトボール]]が行なわれた。
* [[1994年]]（[[平成]]6年）:[[アルカディア南部総合公園]]が完成する。
* [[2003年]]（[[平成]]15年）:富沢町と合併し消滅。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
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== 外部リンク ==
{{commonscat|Nanbu, Yamanashi}}
* [http://www.town.nanbu.yamanashi.jp/ 南部町]
* [http://www.shokokai-yamanashi.or.jp/~nanbu/ 南部町商工会]

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{{山梨県の自治体}}
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[[Category:南巨摩郡]]
[[Category:山梨県の市町村]]
[[Category:南部町 (山梨県)|*]]