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'''十二直'''(じゅうにちょく)とは[[暦注]]の一つで、'''建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉'''のことである。

暦の中段に記載されているため、「中段」「中段十二直」とも呼ばれる。「直」には「当たる」という意味があり、よく当たる暦注だと信じられていたと考えられる。

==由来==
[[北斗七星]]は古代から畏敬の念を持って見られた星座の一つであるが、この星の動きを吉凶判断に用いたのが'''十二直'''である。

昭和初期までは、'''十二直'''が暦注の中でも最重視されていたが、最近では[[六曜]]や[[九星]]を重視する人が多くなり、以前ほどは使われなくなっている。

==配当==
柄杓の形をした北斗七星の柄に当たる部分(斗柄)が[[北極星]]を中心にして天球上を回転することから、これに[[十二支]]による方位と組み合せて十二直を配当する。

十二直に用いる月は[[節月]]である。節月ごとに、その月の夕刻に斗柄が向いている方位の十二支と、日の十二支とが同じになる日が「建」になるように配当する。実際には、節月の始まりの日に、その前の日の十二直を繰り返す。

冬至の頃には斗柄が北(子)を指す(建(おざ)す)ので、冬至を含む月を「建子の月」という。

==運勢==
それぞれの十二直の意味と、一般的に言われているその日の運勢を示す。なお、最近の運勢暦では、十二直はひらがなで書かれることが多い。
<table border>
<tr>
<th colspan="2">十二直</th>
<th>意味</th>
<th>運勢</th>
</tr>
<tr>
<td>建</td>
<td>たつ</td>
<td>万物を建て生じる日</td>
<td>よろず大吉の日。但し動土・蔵開きは凶</td>
</tr>
<tr>
<td>除</td>
<td>のぞく</td>
<td>障害を取り除く日</td>
<td>井戸掘り・治療開始・祭祀などは吉。結婚・動土は凶</td>
</tr>
<tr>
<td>満</td>
<td>みつ</td>
<td>全てが満たされる日</td>
<td>新規事・移転・結婚などは吉。動土・服薬は凶</td>
</tr>
<tr>
<td>平</td>
<td>たいら</td>
<td>物事が平らかになる日</td>
<td>旅行・結婚・道路修理などは吉。穴堀り・種まきは凶</td>
</tr>
<tr>
<td>定</td>
<td>さだん</td>
<td>善悪が定まる日</td>
<td>開店・結婚・移転・種まきは吉。旅行・訴訟は凶</td>
</tr>
<tr>
<td>執</td>
<td>とる</td>
<td>執り行う日</td>
<td>祭祀・祝い事・造作・種まきは吉。金銭の出入りは凶</td>
</tr>
<tr>
<td>破</td>
<td>やぶる</td>
<td>物事を突破する日</td>
<td>訴訟・出陣・漁猟・服薬は吉。祝い事・契約事は凶</td>
</tr>
<tr>
<td>危</td>
<td>あやぶ</td>
<td>物事を危惧する日</td>
<td>万事控えめに</td>
</tr>
<tr>
<td>成</td>
<td>なる</td>
<td>物事が成就する日</td>
<td>新規事・建築・開店は吉。訴訟・談判は凶</td>
</tr>
<tr>
<td>納</td>
<td>おさん</td>
<td>物事を納め入れる日</td>
<td>収穫・商品購入は吉。結婚・見合いは凶</td>
</tr>
<tr>
<td>開</td>
<td>ひらく</td>
<td>開き通じる日</td>
<td>建築・移転・結婚等は吉。葬式は凶</td>
</tr>
<tr>
<td>閉</td>
<td>とづ</td>
<td>閉じ込める日</td>
<td>金銭出納・建墓は吉。棟上げ・結婚・開店は凶</td>
</tr>
</table>

[[category:暦注|しゆうにちよく]]
[[Category:名数12|ちよく]]