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'''初切'''、'''初っ切り'''(しょっきり)とは[[相撲]]の[[禁手|禁じ手]]を面白おかしく紹介する見世物。相撲の[[取組]]の前に[[決まり手]][[四十八手]]や禁じ手を紹介するために[[江戸時代]]から行われていたが、現在では[[大相撲]]の[[花相撲]]や[[巡業]]などで見ることができる。 == 解説 == [[幕下]]以下の[[力士]]二人と[[行司]]が[[土俵]]にあがり、対戦形式で禁じ手を紹介する。例えば相手を蹴り倒したり、[[力水 (相撲)|力水]]を吹き掛けたり、現代のものでは他の[[格闘技]]の技を見せたりもする。笑いを取るために[[プロレス]]を真似て、[[ピンフォール]]の3カウントを行司が取ってしまったり、ドサクサに行司をノックアウトしてみたり、あるいは[[ザ・ドリフターズ]]のコントよろしく[[一斗缶]](土俵下に飛び降りて一斗缶を取り、土俵に飛び戻って缶で相手の頭を殴る)などの[[小道具]]が出てくることもある。 巡業という興行全体から見れば一種の余興であるが、演じる本人たちはかなり真剣に筋書きを練っており、力士・行司共に身体を張った芸を見せることが多い。元[[横綱審議委員会]]委員長の[[酒井忠正]](元[[伯爵]])が[[学習院]]時代の相撲大会で友人と初っ切りをやった際に、謹厳で知られた[[乃木希典]]学習院院長から終了後に呼び出されたのでおそるおそる出頭すると「あれはちょっとやそっとの稽古ではあるまい、よく頑張った」と褒められたという逸話を[[半藤一利]]が紹介している。 禁じ手を用いているが、初っ切りに限り[[反則行為|反則負け]]はなく、勝負はなかなか着かない。これは、オチがつくまで行司が「本来なら反則負けのところを、格別の情けをもって」と宣言を繰り返し行い、取り直しにするためである。普段の取組では見られない滑稽さから人気が高く、これを見たさに早い時間から巡業先に足を運ぶ人もいるほどである。 蛇足ではあるが[[弓取式]]同様に、この初切を務めた力士は出世できないという[[ジンクス]]が存在する(統計を取ったわけではなく、あくまで俗説)。ただし過去には[[栃錦清隆]]が[[横綱]]に、[[出羽錦忠雄]]が[[関脇]]に昇進しており、これで破られたと考える者がいる一方、現在でも相撲界のジンクスを語るときにはかなりの割合で出てくるものである。 [[幕下]]以下の力士でも初切では[[大銀杏]]を結うことが許されている(これは弓取りと同様)。 == 定番のパフォーマンス == * 土俵に上がる際に踏み段を踏み外して転ぶ。 * 仕切りの際、準備運動に見せかけて相手力士に[[ラリアット]]を仕掛ける。相手力士はそれを避け、抗議の動作をしたり、「危ないだろう!」と[[ツッコミ]]を入れたりする。 * 普通は一掴みだけ取って撒く[[塩]]を、掌に余る位大量に掬い取って持ち、盛大に振り撒く。敢えて撒かず、塊のまま足元に落とすだけのパターンもある。これを見かねた[[行司]]が「塩だってタダじゃないんだぞ!」と注意をする。相手が対抗して、箱ごと持って盛大に撒くフリをして、その実、一つまみしか撒かないボケを噛ますパターンもある。 * 仕切り線を大きく越え、相手力士と肩が触れるほどの位置に腰を落とす。相手力士が「おい、近いだろう!」とツッコミを入れ土俵際まで後退させ、そこに腰を落とさせるパターンもある。 * 禁じ手である蹴り技を用いる。力士は技の是非について行司と言い争いをした後、仕切り直しの取組で相手力士にスリッパで叩かれ、「手より足のほうが長いから、足で突っ張っただけ」と言い訳をした後蹴り技で土俵下に突き落とされる。自分が同じことをやったわけだから文句は言えない。その後行司の足に塩を投げつけるパターンもある。 * [[立合い]]の際、仕切り線に手を着き、[[ネコ]]のように後ろ足を蹴り上げ砂を巻き上げる。 * 相手力士に砂をかけられたことに腹を立て、右足に蹴りを入れる。蹴られた相手力士の右足が[[痙攣]]する。おぼつかない足取りで[[四股]]を踏もうにもバランスを崩して倒れる。何とか仕切りの体制に持っていくが、やはり四股が踏めずバランスを崩し相手力士に接触してしまう。すると痙攣を起こした力士は回復するが、今度は接触した力士が痙攣を引き起こし、さらに痙攣が腰にまで及ぶ。さらに行司にも痙攣がうつるパターンもある。柄杓を痙攣箇所に数回叩けば治り、痙攣が収まった力士は回復を飛び跳ねて見せつける。痙攣箇所の前に頭や股間を叩くパターンもある。 * 四つに組むが相手の位置が気に食わず、マゲを掴んで強引に変え、これを複数回繰り返した後にマゲを掴んで引き落とす。掴んだままもう1度土俵へ叩きつけなおすパターンもある。 * 行司から[[軍配]]を奪い[[うちわ]]の様にあおぐ。奪い損ねるパターンもある。 * [[力水 (相撲)|力水]]を吐き出さず、相手力士をスリッパで叩き、マゲを掴んで引き落とされたことを身振り手振りだけで抗議し、取っ組み合いで相手力士の顔に吹き掛ける。この後に相手も対抗して大量の水([[柄杓]]で何杯も飲んだ後、桶ごと口に運ぶなどエスカレートする)を口に含む。2回目以降、しゃがんで攻撃をかわしたり、或いは攻撃側も同時にしゃがみこみ、結局吹き掛けられてしまうパターンや、立合いの際にいきなり吹き掛けられるパターンもある。 * 反則技への抗議から[[張り手]]の応酬になり、互いにファイティングポーズを取って[[ボクシング]]や[[プロレス]]のような形態になる(もちろん殴り合いを演じたりプロレス技まで出て来る)。これを見かねた行司が「相撲は平手!」と注意する。 * 土俵下の[[呼出]]から柄杓を受け取り、負けを認めない相手の頭を叩く。 * 観客を巻き込むこともあり、勢いあまって観客席に突っ込んでいったり、塩を席まで飛ばしたり、巡業先の場合は観客の食事を拝借したりするパターンもある。このパターンでは力士2人が揃って飲食をし、行司から土俵に戻るよう促されて力士は土俵へ戻るが、土俵へ戻る隙に行司まで飲食する事が多い。 * 演目上負けた力士は、腹いせに、勝ち名乗りを上げる行司の[[烏帽子]]をはたき落とす。 == 初っ切りを演じる主な力士 == * [[琴大信大悟|琴大信]]([[佐渡ヶ嶽部屋]]) * [[琴鳳圭史|琴鳳]](佐渡ヶ嶽部屋) * [[若山聡|若山]]([[阿武松部屋]]) * [[篠原開|篠原]](阿武松部屋) * [[高三郷勝義|高三郷]]([[東関部屋]]) * [[勝武士幹士|勝武士]]([[高田川部屋]]) == 関連項目 == *[[相撲用語一覧]] {{相撲}} {{DEFAULTSORT:しよつきり}} [[Category:大相撲]] {{Sumo-stub}}
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