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'''分子篩'''(ぶんしふるい、molecular sieve)とは、対象とする各物質の[[分子]]の大きさ([[分子量]])に応じてそれら物質を分離する性質を持った物質の総称である。1932年にマクベイン (J. W. McBain) が命名した。 またその効果を分子篩効果と呼ぶが、実際には[[吸着]]など他の効果と組み合わせて利用されることも多い。状態としては[[固体]]、[[ゲル]]、[[高分子]]の[[溶液]]がある。物質の分離([[単離]])と[[分析化学|分析]]に応用される。応用は次のように分類される。 *[[ろ過]] - ろ過は一般に[[液体]]中に存在するある大きさ以上の粒子を濾し取る方法であるが、高分子製の細孔を有する膜(分子篩)を用いるとある分子量以上の物質を除去する(それ以下の物質は通す)ことができ、工業的な分離に用いられている。 *[[電気泳動]] - 担体(固体、ゲル、あるいは高分子の溶質)の中で[[電位]]をかけ対象物質の分子を移動させると、分子の大きい物質ほど担体に遮られて移動しにくくなる。この方法で特に[[タンパク質]]、[[核酸]]などの生体高分子を分離・分析することができる。 *[[クロマトグラフィー#分子排斥クロマトグラフィー|分子排斥クロマトグラフィー]] - 上の2方法は大きい分子が遮られて移動しにくくなる原理を利用したものであるが、分子排斥クロマトグラフィーは逆に、液体を担体(固体、ゲル)の間に流してやると、液体中の小さい分子が担体にある微小な孔に[[拡散]]して、マクロに見れば流速が落ちる(大きい分子はそのまま流れる)という原理を利用している。つまり大きい分子の方が先に出ることになる。生体高分子を対象とする場合には「ゲルろ過」という名でも呼ばれるが、ろ過とは異なる。 また[[モレキュラーシーブ]](molecular sieve, molecular は分子、sieve は篩のこと)という商品名の物質があるが、これは合成[[ゼオライト]]の一種で、分子篩効果を生じる微小な孔もあるが、実用的には[[極性]]の高い物質を吸着させて除去し(たとえば[[化学反応]]のために[[有機溶媒]]から[[水]]などを除去する)、あるいは[[触媒]]として用いることも多い。 {{DEFAULTSORT:ふんしふるい}} [[Category:物質]] [[Category:化学]]
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