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保存食
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{{Otheruses|長期間の保存に適するように加工・処理した食品|食品衛生上の観点から保存される検査用保存食|検食}} '''保存食'''(ほぞんしょく)とは、比較的長期間(数か月から長いもので数年程度)にわたって貯蔵するため、[[腐敗]]を抑制する加工や処理がされた[[食品]]をいう。 == 概要 == 保存食の多くは、[[気候]]や[[風土]]の関係で[[冬|冬季]]や[[乾季]]など、長期にわたり食料の確保に困難を抱える地方や、遠洋航海や戦争などの食料の確保や輸送、あるいは貯蔵・調理に大きな制約をうける状況下で、その代案として工夫されてきた生活の知恵である。また、[[災害]]や[[飢饉]]の際の[[非常食]]としての役目もあり、現代社会においても備蓄用など需要がある。近年では、調理の不要な[[インスタント食品]]としての需要も大きい。 これらは長期間食べられる状態で保存する必要性から、[[腐敗]]はもちろん、[[昆虫]]や[[カビ]]など他の動植物に消費され難くするための保管方法も求められた。人間が文明を獲得し発展させる段階で、安定的に食料を得ようという欲求があった訳だが、保存食もそういった必要性の中で発明され利用されてきた。 保存食は、原料や保存方法ともに多岐にわたる。[[海産物]]なら[[コンブ|昆布]]、魚の[[干物]]・[[燻製]]、[[塩漬け]]、[[酢漬け]]などがあり、[[農産物]]なら野菜の[[漬物]]や[[寒干し]]から、[[高野豆腐]]などの[[大豆]][[加工食品]]、果物の[[ジャム]]まで千差万別である。地域で得られる産品を、より遠隔地に輸送するためにも利用されており、名産品として広い地域で親しまれた食品の中にも、この保存食が見出せる。 保存の手法も様々であるが、容器による密閉([[缶詰]]や[[瓶詰め]])をはじめ、いずれも[[雑菌|腐敗菌]]の繁殖を抑え、長期間の保存を可能にする工夫がみられる。通常であれば食品に一定の加工を施すが、[[蜂蜜]]や[[種実類|ナッツ]]類等、そのままで長期の保存性を持つ食品もある。保存食とは、通常、常温で長期保存ができる食品をいうが、広義では[[冷凍食品]]等も含める。 食品の多くは、常温で保管すると急速に鮮度が低下し腐敗する。[[冷凍]]や[[冷蔵|冷蔵技術]]の発達により、近年では多くの[[生鮮食品]]が比較的長期間、新鮮な状態のまま貯蔵できるようになった。しかし、一般家庭に[[冷蔵庫]]が普及したのは[[1930年代|1930]]-[[1950年代|50年代]]であり、それ以前は生鮮食品を長期保存することは困難であった。 多くの食品(特に野菜、果物や[[魚介類]])にはいわゆる[[旬]]があり、決まった時期にしか手に入らなかった。季節を問わず野菜や果物類が手に入るようになったのは、最近のことである。このため生鮮食品を加工し、常温での保存性を高める工夫が行われてきた。 ==あり方の変化== 保存食の歴史を考える場合、その発明から現代に至るまで少なくとも2つの大きな転換点がある。[[缶詰]]の発明と、[[冷蔵]]([[冷凍]])技術の発達である。 保存食のはじめは、手作業・手作りの時代である。この時代の保存食は、天然の素材と自然界にある様々な現象を最大限に利用して、保存しやすくするような工夫がされていた。[[塩蔵]]、[[糖蔵]]、[[乾燥]]、[[燻製]]、[[発酵]]などである。保存のための技法により、良い意味でも悪い意味でも食品の性質は大きく変化してしまう。また、加工後の食品を食べるには特殊な調理が必要となる場合も多い。このため保存方法それぞれに特化した調理法や食文化を発生させており、後述の食品保存技術の発達した現在では、これらの伝統的保存食は保存目的よりも食文化の一環として存続している。 次は、缶詰の時代である。[[1804年]]に[[フランス]]で広口ビンに食品を詰める「ビン詰め」が発明され、[[1810年]]金属容器が発明されて「缶詰」が生まれる。これらは[[レーション|軍用食]]という需要があって開発された技術だが、これの[[加熱殺菌]]と密封によって、食品の風味をあまり損なわない長期保存が可能となった。しかもこれらは調理済みであるため、容器を開ければ、そのまま食べることが出来る。当初は軍用食として開発された缶詰であったが、その有用性・利便性が知れ渡り[[19世紀]]の中頃より現在に至るまで、一般でも広く量産され続けている。 最後は、冷凍保存の時代である。低温で[[雑菌|腐敗菌]]の繁殖を抑え長期の保存を可能にした。調理済みのもの、半調理済みの素材、生の素材(食品による)、いずれも冷凍により保存が可能である。缶詰よりも更に食品の性質変化は少なくなった。 この変化以降にも、缶詰の技術を応用し[[合成樹脂]]の[[フィルム]]に密封した[[レトルト食品]]や、[[乾物]]([[凍結乾燥]])の技術を発展させた[[フリーズドライ]]も保存食の歴史を変える大きな技術革新であった。こういった変化は、人間の社会のありようが変化して行く中で、そこに生活する者の食料を保存・輸送し安定して供給する上で役立っており、一般から[[宇宙開発]]など先端の分野([[宇宙食]])まで、幅広い分野で利用されている。 == 保存方法 == *[[塩蔵]]-[[新巻鮭]]、[[塩豚]] *[[乾燥]]([[乾物]]・[[干物]])-[[干し椎茸]]、干し魚([[棒鱈]]など)、[[乾麺]]、[[アルファ化米|糒]] ** [[乾燥剤]] ** [[フリーズドライ|凍結乾燥]]-[[高野豆腐]]([[凍り豆腐]])、[[凍みこんにゃく]]、[[氷餅]]、[[凍み大根]] *[[燻煙]]-[[燻製]] *[[発酵]]([[発酵食品]]/[[醸造]])-[[チーズ]]、[[塩辛]]、[[ザワークラウト]] *[[糖蔵]]-[[ジャム]]、[[コンポート]]、[[ドライフルーツ|砂糖漬け]] *[[酢]]漬け-[[ピクルス]]、[[きずし|しめさば]] *[[アルコール]]漬け - [[焼酎]]漬け、[[酒粕]]漬け ** [[アルコール製剤]] *[[香辛料]]の添加 - [[ワサビ]]漬け ** [[天然抗菌剤]] *[[コンフィ]] *[[脱気]](ガスバリア性の高い包装及び[[脱酸素剤]]の利用) * [[窒素ガス]]封入 * [[炭酸ガス]]封入 *[[食品添加物]]([[保存料]]の添加) *[[缶詰]] *[[瓶詰|瓶詰め]] *[[レトルトパウチ食品]]([[レトルト食品]]) *[[冷凍]]([[冷凍食品]]) *保存食の利用内容による区分け **[[非常食]] **[[レーション]](軍用食) **[[宇宙食]] *[[氷室]] (雪室) *[[土穴]] ([[土中保存]]) - 根菜類、芋類 == 関連項目 == *[[フリーズドライ]] == 参考文献 == {{commonscat|Food preservation}} * [[スー・シェパード]] 『[[保存食品開発物語]]』 [[赤根洋子]]訳 ISBN 4167651157 {{DEFAULTSORT:うちゆうしよく}} [[Category:保存食|*]] [[Category:食事]]
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