井川慶のソースを表示

{{Infobox baseball player
|選手名             = 井川 慶
|所属球団           = オリックス・バファローズ
|背番号             = 29
|選手写真ファイル名 = OB-Kei-Igawa20120501.jpg
|国籍               = {{JPN}}
|出身地             = [[茨城県]][[東茨城郡]][[大洗町]]<ref>{{Cite web|url=http://www.mbs.jp/yumeoi/|title=Vol.38 井川慶（いがわけい）|publisher=夢追い紀行|accessdate=2013-05-24}}</ref>
|生年月日           = {{生年月日と年齢|1979|7|13}}
|没年月日           =
|身長               = 186
|体重               = 93
|利き腕             = 左
|打席               = 左
|守備位置           = [[投手]]
|プロ入り年度       = {{NPBドラフト|1997}}
|ドラフト順位       = ドラフト2位
|初出場             = NPB / 1999年5月2日<br />MLB / 2007年4月7日
|最終出場           =
|年俸               = 6,000万円（2014年）
|経歴               = <nowiki></nowiki>
* [[茨城県立水戸商業高等学校]]
* [[阪神タイガース]] (1998 - 2006)
* [[ニューヨーク・ヤンキース]] (2007 - 2008)
* [[オリックス・バファローズ]] (2012 -)
}}
'''井川 慶'''（いがわ けい、[[1979年]][[7月13日]] - ）は、[[オリックス・バファローズ]]所属の[[プロ野球選手]]（[[投手]]）。

== 経歴 ==
=== プロ入り前 ===
大洗野球スポーツ少年団で野球をはじめ、小学生までは右投げ。高校時代も体のバランスをとるために右投げの練習は続けていた。プロ入り後も、オフに帰郷するたび、自らの後輩である大洗の小中学生相手に野球教室を開いている<ref>{{Wayback |url=http://osaka.nikkansports.com/news/f-on-tp0-20070114-142322.html |title=ヤンキース井川が地元で野球教室開催|date=20070116142112 }} - 日刊スポーツ（2007年1月14日）</ref>。

[[茨城県立水戸商業高等学校|水戸商高]]3年春の県大会、対[[茨城県立竜ヶ崎第一高等学校|竜ヶ崎一高]]戦で、7回参考記録ながら18奪三振の[[完全試合]]を達成。しかし夏は[[腰痛]]のためほとんど登板機会がなかった。県大会決勝の対[[茨城県立茨城東高等学校|茨城東高]]戦（水戸市民球場）に痛み止め注射をして登板するも、自らのミスなどで4失点し敗退。

[[高校野球|甲子園]]出場はなかったが、「東のドクターK」として一部では名前が知られており、当時[[川口知哉]]・[[能見篤史]]と並んで「高校生左腕三羽ガラス」と呼ばれた。{{by|1997年}}の[[1997年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)|ドラフト]]2位で[[阪神タイガース]]に入団。この時は[[北海道日本ハムファイターズ|日本ハムファイターズ]]も指名を一時検討していたが、先述の腰痛を理由に見送った。高校では[[簿記]]2級・[[実用英語技能検定|英検]]3級の資格を取得している。

=== 阪神時代 ===
{{by|1999年}}5月2日の対[[広島東洋カープ]]戦（[[阪神甲子園球場]]）に中継ぎで一軍プロ初登板を果たした。5月7日の対[[横浜ベイスターズ]]戦（[[横浜スタジアム]]）で4回に[[波留敏夫]]から初奪三振、5月19日の対広島戦（[[米子市民球場]]）でプロ初先発登板し初勝利を挙げるが、なかなか一軍に定着できないシーズンが続いていた。

{{by|2001年}}は[[野村克也]]監督から[[先発ローテーション]]に抜擢され、4月24日の対[[読売ジャイアンツ]]戦（甲子園）でプロ入り後初完投勝利。監督推薦により[[2001年のオールスターゲーム (日本プロ野球)|オールスターゲーム]]の出場を果たす。最終的に[[防御率]]はリーグ2位の2.67と好成績を残したが、打線の援護がなく、チームも4年連続最下位で、9勝13敗と負け越した。防御率2位での負け越しは1991年の[[今中慎二]]以来であった。

{{by|2002年}}は監督が[[星野仙一]]に代わり、3月30日の対巨人戦（[[東京ドーム]]）で[[開幕投手]]を務め、3対1で完投、チーム12年ぶりの開幕戦勝利に貢献した。夏場に調子を落とすも、206奪三振で[[最多奪三振 (日本プロ野球)|最多奪三振]]のタイトルを獲得した。

{{by|2003年}}も開幕投手を任され、黒星を喫したものの、6月・7月に4戦連続完投勝利し、8月2日の勝利で12連勝を記録した。連勝中はゲンかつぎとして髪を切らなかったため、約3か月間も髪を伸ばしっぱなしになり[[アフロヘアー]]のような髪型になったという。最終的にセ・リーグでは1999年の[[上原浩治]]以来の20勝投手となり、阪神を18年ぶりのリーグ優勝に導いた。同年オフまで快適という理由で長らく寮生活を続けていたが、退寮指令を受け、[[梅本正之]]寮長の定年を節目に退寮。寮では模範生で、途中からは若手の講師役にも指名されていた。

{{by|2004年}}10月4日の対広島戦（広島市民球場）でプロ野球史上71人目となる[[ノーヒットノーラン]]を達成した。同年オフに[[ポスティングシステム]]での[[日本人選手のメジャーリーグ挑戦|メジャー移籍]]を希望するが、球団との交渉が決裂。自費キャンプとなり、否定的な報道や一部世論の反発に遭った<ref>{{Cite web|url=http://number.bunshun.jp/articles/-/10398 |title=NUMBER EYES 上原と井川のポスティング要求は、わがままだろうか。|author=阿部珠樹|publisher=[[Sports Graphic Number|Number web]] |accessdate=2013年5月24日 }}</ref>。以降毎年オフに球団に対しポスティングによるメジャー移籍を希望することになった。

{{by|2005年}}8月23日の対広島戦（広島市民球場）で1,000投球回を達成。このとき井川が連続三振を奪った勢いで捕手の[[矢野燿大|矢野輝弘]]が記念ボールをスタンドに投げ込んでしまい、ベンチ前にほとんどの選手とコーチが出て受け取ったファンに頭を下げ、記念ボールを返してもらった<ref>{{Wayback |url=http://osaka.nikkansports.com/otr/p-ot-tp1-050824-0012.html |title=矢野しまった!?記念のボールを無意識に…|date=20051129113148 }} - [[日刊スポーツ]]（2005年8月24日）</ref>。

{{by|2006年}}には5年連続2桁勝利を達成。球団はそれまでの貢献を考慮し3年越しの希望であったメジャー移籍を容認し、11月10日にポスティングによるメジャー挑戦を表明。11月29日に[[ニューヨーク・ヤンキース]]が2,600万194[[アメリカ合衆国ドル|ドル]]（当時のレートで約30億円）で独占交渉権を得て落札し、[[アーン・テレム]]を代理人として、12月27日に5年2,000万ドル（2011年まで毎年400万ドル）＋出来高で契約。

=== ヤンキース時代 ===
[[file:Kei Igawa.jpg|200px|thumb|MLB]]
{{by|2007年}}2月に結婚を発表。4月7日の[[ボルチモア・オリオールズ]]戦（[[ヤンキー・スタジアム (1923年)|ヤンキー・スタジアム]]）でメジャー初登板。5回8安打4四死球2本塁打7失点で降板したが、その後ヤンキースが逆転したため勝ち負けはつかなかった。4月18日の[[クリーブランド・インディアンス]]戦（ヤンキー・スタジアム）で、6回5安打5奪三振2失点でメジャー初勝利を挙げるが、その後も投球フォームや制球が安定せず中継ぎへ降格。4月28日の[[ボストン・レッドソックス]]戦では、先発投手が負傷降板した後、緊急登板ながら6回無失点と好[[リリーフ]]し、メジャー2勝目を挙げた。この好投が認められ、先発復帰するも、5月7日に[[マイナーリーグ|マイナー]]に降格。6月22日の試合でメジャー復帰したが、7月28日に2度目のマイナー降格。9月22日の試合でメジャー再復帰し中継ぎとして登板。25日には昇格後初めて先発し5回を0点に抑えたが、勝ち星はつかなかった。結局この年は2勝3敗、防御率6.25、[[WHIP]]1.67と不振に終わったが、実力を評価する声は多く、「ヤンキース以外なら活躍できる投手」<ref name="igawa2008">{{Cite book|和書|author=友成那智、村上雅則|year=2008|title=メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2008|publisher=廣済堂出版|pages=57頁|id=ISBN 978-4-331-51300-2}}</ref>、「ナ・リーグに行けば大化けする」との声も上がり<ref>[http://www00.spnavi.vip.ogk.yahoo.co.jp/baseball/mlb/column/200708/at00014237.html 井川、大逆転劇へのシナリオ シーズン途中での移籍は実現するのか] - 杉浦大介 sportsnavi（2007年8月14日）</ref>、[[サンディエゴ・パドレス]]が「年俸を全て引き継ぐ形で獲得したい」と積極的な姿勢を示したが、ヤンキースがポスティングの入札金の分担まで要求したため破談となった<ref name="igawa2008" />。

{{by|2008年}}は前年の不振により開幕前から先発としての構想には入っておらず、[[メジャーリーグベースボール#スプリングトレーニング|スプリングトレーニング]]では中継ぎとしての起用が続いた。若手起用のため、開幕はAAA級[[スクラントン・ウィルクスバリ・ヤンキース|スクラントン]]で迎えた。5月9日にメジャー昇格し、その日の[[デトロイト・タイガース]]戦に先発したが、3回を11安打6失点で敗戦投手となり、15日にマイナー降格。6月28日に再昇格し、[[ニューヨーク・メッツ]]戦の9回に登板し、1回を無失点に抑える。しかしその翌日に再びのマイナー降格を通告された上、7月26日にはメジャー契約を解除され、[[ロースター (MLB)|40人枠]]から外れた<ref>{{Cite web |url=http://www.nj.com/yankees/index.ssf/2008/07/yankees_take_igawa_off_40man_r.html |title=NY Yankees take Igawa off 40-man roster |author= |publisher=NJ.com  |accessdate=2008年7月27日 }}</ref>。本人は「メジャーリーグでローテーションを守れるピッチャーを目指して頑張りたい」と語ったが、結局この年はスクラントンで14勝6敗、防御率3.45、WHIP1.19の好成績を残すものの、メジャーリーグでの勝ち星を挙げることはできず、オフに過去の反省と今後のチーム編成について会見したGM[[ブライアン・キャッシュマン]]からは「井川の獲得は失敗だった」とコメントされるなど厳しい評価が続いた。

{{by|2009年}}はスプリングトレーニングに招待選手として参加し、15回3分の1を投げて1失点とまずまずの出来だったが与四球率5.35と四球が多く、3月23日にマイナー行きを通告され、2年連続で開幕をスクラントンで迎えた。スクラントンでは前半戦は9勝4敗、防御率4.04、WHIP1.24の成績を残していたが、後半戦は1勝4敗、防御率5.66、WHIP 1.70と不調に陥った。最終的にはチーム最多の10勝8敗、防御率4.15、WHIP1.41の成績を残したが、メジャーでの登板はなかった。12月には[[永住権#アメリカ合衆国|グリーンカード]]を申請中であることを明らかにした<ref>[http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2009/12/08/kiji/K20091208Z00000680.html 「まったく知らない」井川、グリーンカード申請中] - [[スポーツニッポン]]（2009年12月8日）</ref>。29日には地元紙の『[[ニューヨーク・ポスト]]』が掲載した「過去10年のニューヨークのプロスポーツ選手ワースト10」において1位に選ばれた<ref>[http://www.nypost.com/p/sports/more_sports/worst_players_of_the_decade_2SHyIksyHG6cY2KvTAwcgJ Worst New York players of the decade] - NEWYORK POST（2009年12月8日）</ref>。

{{by|2010年}}もスプリングトレーニングに招待選手として参加したが、中継ぎとして2回3分の2を投げて失点5, 防御率16.87、WHIP1.88と振るわず、3月13日にマイナーに降格<ref>[http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20100313&content_id=8783390&vkey=news_nyy&fext=.jsp&c_id=nyy&partnerId=rss_nyy Igawa among nine Yankees cuts] - yankees.com（2010年3月13日）</ref>。スクラントンでは先発として10試合に先発し防御率3.96、WHIP1.24の成績を残したが、リリーフでは12試合の登板で防御率5.00、WHIP1.65と結果を残せなかった。このシーズンもメジャーでの登板はなく、2年連続でメジャーの試合に出場することはなかった。オフには前年に申請していたグリーンカードを取得し、ヤンキースとの契約終了後もアメリカでのプレーを希望していることを明らかにした<ref>[http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/01/27/kiji/K20110127000131710.html 日本球界復帰は？井川「何もやっていない 結果を出したい」] - スポーツニッポン（2011年1月27日）</ref><ref>{{Wayback |url=http://sankei.jp.msn.com/sports/news/110127/mlb11012717410112-n1.htm |title=井川が自主トレ公開「来年以降も米国で」グリーンカードも取得|date=20110209070125 }} - 産経ニュース（2011年1月27日）</ref>。

{{by|2011年}}はキャンプからマイナーでスタート。3月14日には故郷の[[茨城県]][[大洗町]]が[[東日本大震災]]で被災したことで一時帰国するが20日に再渡米し、開幕はAA級[[トレントン・サンダー|トレントン]]で迎えた。4月21日にはスクラントンでAA級[[リーハイバレー・アイアンピッグズ|リーハイバレー]]戦に先発するも、その試合以外はトレントンで5先発を含む11試合に登板し、6月12日にスクラントンに昇格。その日のAAA級[[シラキュース・チーフス|シラキュース]]戦に先発し、球団史上最多タイ記録となる73先発を記録した<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20110614-790055.html 井川3Aで球団最多先発、73度目] - 日刊スポーツ（2011年6月14日）</ref>が、トレントンで故障者が続出したことに伴い17日にトレントンに再降格した<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20110618-791955.html 井川がわずか1試合で2Aに再降格] - 日刊スポーツ（2011年6月18日）</ref>。26日にはスクラントンに再昇格するも、2試合に先発した後に再降格し、左ひじの張りで[[故障者リスト]]入りする。8月中旬に復帰し、最終的にリリーフではマイナー通算10試合の登板で1勝0敗1セーブ、防御率1.90、WHIP1.01の成績を残したが、先発では同10試合の登板で2勝2敗、防御率4.72、WHIP1.57の成績に終わった。

アメリカで成績を残せなかった要因として、球団側からの信頼度の低さと獲得の際の調査不足により、数度の失敗でチャンスを失ったことを挙げている<ref name="sb">激白 原点回帰『週刊ベースボール』2012年24号、ベースボール・マガジン社、雑誌20441-6/4、6-10頁。</ref>。井川の獲得は当時のヤンキースGM補佐のビリー・エプラーの強い推薦により実現したが、1年目の[[スプリングトレーニング]]でブルペンに入った際、エプラーはブルペン捕手に「どうだい？ すごい球を投げるだろう」と聞いたところ、「故障をしているならわかるが とてもメジャーのレベルじゃない。制球は最悪だ」と返される場面があったという<ref>{{Cite book|和書|author=ジョー・トーリ、トム・ベルドゥーチ|year=2009|title=さらばヤンキース―我が監督時代|publisher=青志社|id=ISBN 978-4-9038-5-3567}}</ref>。しかし井川本人はアメリカでの5年間について「（失ったものは）ないですね。すべてが自分の血となり肉となってます」と語り、マイナー生活も悪いことばかりではなかったと語っている<ref name="sb"></ref>。上述の通り、2007年には[[サンディエゴ・パドレス]]がトレードでの獲得に積極的な姿勢を示したことがあった。また、2008年と2009年には日本の球団が獲得を打診したことがあり、その際にGMの[[ブライアン・キャッシュマン]]は井川に「君の能力はメジャーリーグには適応しないというのが我々の評価だ。日本の球団との取引はヤンキースの財政的な負担も軽くする。これは私たちの責任で私たちのミスだ。君のミスではない。しかし君がヤンキースにいたいのならこのトレードを断ることもできる」と直接話したが、2度ともトレードを拒否した<ref>[http://www.nytimes.com/2011/07/24/sports/baseball/kei-igawa-the-lost-yankee.html?_r=3&pagewanted=1&ref=sports&src=me Kei Igawa: The Lost Yankee] - The New York Times（2011年7月23日）</ref>。

=== オリックス時代 ===
{{by|2012年}}3月28日に[[オリックス・バファローズ]]への入団を自身のオフィシャルサイトにて発表し、6年振りに日本復帰が決まった<ref>[http://www.k-igawa.com/ksself/ オリックス入団が決まりました from Osaka] - 井川慶オフィシャルサイト（2012年3月28日）</ref><ref>[http://jp.reuters.com/article/sportsNews/idJPTYE82S00820120329 MLB=井川がオリックス入団、6年ぶりの日本球界復帰] - ロイター（2012年3月29日）</ref><ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNSSXKD0135_Y2A320C1000001/ オリックスが井川獲得、6年ぶり日本復帰] - 日本経済新聞（2012年3月28日）</ref>。背番号は阪神・メジャー時代と同じく'''29'''となった<ref>[http://www.47news.jp/CN/201203/CN2012032801001041.html 井川が6年ぶり日本球界 オリックス、背番号29] - 47NEWS、共同通信（2012年3月28日）</ref>。5月9日に一軍登録されると、同日の[[福岡ソフトバンクホークス|ソフトバンク]]戦（[[神戸総合運動公園野球場|ほっともっとフィールド神戸]]）に、先発投手として[[日本プロ野球|NPB]]の一軍公式戦へ2032日振りに登板した。しかし、4回表に[[江川智晃]]へ2球目を投じたところ、右太股の違和感（[[痙攣]]）を訴えて62球で降板。3回2/3を1失点という内容ながら敗戦投手になった<ref>{{Wayback |url=http://www.sanspo.com/baseball/news/20120509/buf12050919180001-n1.html |title=オリ・井川、6年ぶり登板も4回負傷降板|date=20120512041853 }} - サンケイスポーツ（2012年5月9日）</ref>。7月11日の対[[東北楽天ゴールデンイーグルス|楽天]]戦で8回3安打1失点に抑え、2006年10月16日以来2095日ぶりに日本で白星を挙げた<ref>{{Cite news|url=http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20120712-981857.html|title=井川8回1失点で6年ぶり日本1勝|date=2012-07-12|accessdate=2012-07-12|newspaper=日刊スポーツ}}</ref>。7月26日の対楽天戦でも7回1失点の好投で勝利投手となり、続く8月2日の対西武戦でも7回無失点の好投をするが、この時に左脇腹を痛めてしまった。阪神時代には球速140km/h後半を記録していたが、この年は平均球速137km/h<ref>{{Cite book|和書|author=|year=2013|title=2013 プロ野球オール写真選手名鑑|publisher=日本スポーツ企画出版社|pages=191頁|id=ISBN 978-4-905411-11-6}}</ref>と球速が出ず、苦しいピッチングを強いられる。その後は2試合連続で8失点KOとなり、8月16日に登録抹消<ref>{{cite news |title=井川、脇痛で登録抹消も軽症を強調「調整するだけ」 |newspaper=スポーツニッポン |date=2012-08-16 |url=http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/08/16/kiji/K20120816003917190.html|accessdate=2012-10-10}}</ref>。8月31日に一軍復帰すると、2試合連続でQS達成するも敗戦投手となり、9月14日の対楽天戦で先発するも、左脇腹痛をぶり返して<ref>{{cite news |title=井川が登録抹消　星野コーチ「もう治療に専念させる」 |newspaper=スポーツニッポン |date=2012-09-15 |url=http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/09/15/kiji/K20120915004122790.html|accessdate=2012-10-10}}</ref>1回限りで降板し、そのままシーズン終了となった。結局、日本球界復帰初年度は12試合の先発で2勝7敗、防御率4.65に終わった。10月30日にはオリックス移籍前から違和感を持っていた左肘の遊離軟骨と骨棘の除去手術を受けた。

{{by|2013年}}は9試合に先発し、防御率2.59の成績だった。

== プレースタイル ==
[[オーバースロー]]から投げるストレートはかつて最速151km/hを記録していたが近年は140km/hに満たない事が多い。[[フォークボール]]のように落ちる[[チェンジアップ]]<ref>{{Cite book|和書|author=友成那智、村上雅則|year=2007|title=メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2007|publisher=廣済堂出版|pages=35頁|id=ISBN 978-4-331-51213-5}}</ref>、[[スライダー (球種)|スライダー]]が武器。ヤンキース移籍後は[[カット・ファストボール|カットボール]]や[[ツーシーム・ファストボール|ツーシーム]]も投げるようになった<ref>[http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/baseball/mlb/2012/columndtl/201009090001-spnavi 井川慶、4年目の現状 マイナーでのレギュラーシーズンを終えて] - カルロス山崎 sportsnavi（2010年9月9日）</ref>。ボールの威力自体はメジャーでもトップクラスとの評価を受けており、2007年には「芯でとらえられる率（ハードヒット・アベレージ）」の低さが[[マリアノ・リベラ]]に次ぐチーム2位の.196をマークした<ref name="igawa2008" />。

スクラントンでのチームメイトらは「ケイはビッグリーグで投げるべきピッチャー」<ref>[http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/baseball/mlb/2009/columndtl/200905210001-spnavi 井川慶の現状 “見えない壁”の前で] - カルロス山崎 sportsnavi（2009年5月21日）</ref>、「[[シェリー・ダンカン]]やケイのように、上でやれる力はあっても、そういう機会に恵まれないことだってある」と語っていた<ref>[http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/baseball/mlb/2012/columndtl/200906240002-spnavi 減量でキレの戻った井川 昇格には他力本願な要素も] - カルロス山崎 sportsnavi（2009年6月24日）</ref>が、[[フランク・トーマス]]から「（井川は）間違いなくメジャー級の球を持っているよ。特にチェンジアップはいいね。ただ、どんないい球でも投げるコースを間違えてしまえば、このリーグではその報いを受けることになっているんだ。井川の場合も、四球が多いといった制球力の問題よりも、コースが甘くなることが最大の問題だよ」と言われ<ref>[http://www00.spnavi.vip.ogk.yahoo.co.jp/baseball/mlb/column/200707/at00013916.html 井川は“イラブ”の二の舞か!? メジャーで結果が残せない理由] - 杉浦大輔 sportsnavi（2007年7月17日）</ref>、[[ジョー・トーリ]]からも「球は悪くない。問題は制球力」と言われる<ref>『月刊スラッガー』2007年7月号、日本スポーツ企画出版社、雑誌15509-7, 75頁。</ref>ように、コマンド（狙ったスポットに投げる能力）の不足や日本時代から高かった被本塁打率の高さなどによりメジャー昇格を果たせなかった<ref>[http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/baseball/mlb/2012/columndtl/200909240004-spnavi 井川慶、マイナーで過ごした渡米3年目 来シーズンへの決意とは!?] - カルロス山崎 sportsnavi（2009年9月24日）</ref>。

デーゲームを苦手としており、登板時はサングラスを着用する。

== 人物 ==
{{スポーツ選手の出典明記|人物像|section=1|date=2011年6月}}
* 愛称は出身地の方言にちなんだ「ダッペ」「イギー」「エース井川」。
* 西武・巨人でプレーした[[大久保博元]]とは実家が近く、小学校・中学校・高校すべて同じである<ref>{{Cite news|url=http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20120711-981624.html|title=【楽天】悪魔のデーブ、打倒後輩井川|date=2012-07-11|accessdate=2012-07-12|newspaper=日刊スポーツ}}</ref>。
* 経済的にしっかりしており、阪神時代には新幹線で移動の際に球団が用意する「[[のぞみ (列車)|のぞみ]]」[[グリーン車]]のチケットをわざわざ「[[ひかり (列車)|ひかり]]」の[[自由席]]に自分で変更し、差額を貯金していたほど。この点について[[金本知憲]]が井川に直接確認したところ「当然じゃないですか」と答えたという<ref>[[J SPORTS]]『[[ガンバレ日本プロ野球!?]]』2010年シーズン・第2回</ref>。『[[週刊トラトラタイガース]]』で、[[藪恵壹]]と一緒にゲスト出演したとき、藪に「月に1万円しか使わないケチ」といわれたことがある。

=== 野球に対して ===
* [[ダーツ]]の腕前はかなりのものであり、コントロールが悪かった新人時代、当時の監督である野村より「[[ダーツ]]の的に当てるイメージで投げろ」とアドバイスを受けたことがある<ref>[http://www.pancrase.co.jp/tourarchive/2007/0530/rls/0524.html 大石幸史、川村亮選手公開練習] - パンクラス オフィシャルサイト（2007年5月30日）</ref>。自らも2万円のダーツボードを購入している。
* 体のケアには敏感である。入団当初からオフには添田専属トレーナーとトレーニングをしている。毎試合後[[アイシング (冷却)|アイシング]]などを深夜まで入念に行う。食事はコンディションを保つため専属の料理人に作ってもらっていた。また、[[タバコ]]は吸わず、[[コーヒー]]、[[炭酸飲料]]も飲まない。[[下戸]]であるため[[アルコール]]類も口にしない。2003年のリーグ優勝の時には、翌日が先発だったため、[[ビールかけ]]に参加しなかった。ただし、この件に関してはチームの和を乱すとして当時の星野監督から叱責を受けた。2005年のリーグ優勝の際のビールかけには参加したものの、途中でダウンしてしまった。

=== 趣味嗜好 ===
* 茨城県出身だが[[納豆]]が苦手である。
* 中学時代は、[[サッカー]]部があれば野球部に入っていなかったかもしれないほど、昔からサッカーが好きだった。2003年の優勝旅行の行き先に[[UEFAチャンピオンズリーグ|チャンピオンズリーグ]]が見たいがために欧州を希望したほどである。入団前は井川の実家のある茨城県をホームタウンとする[[鹿島アントラーズ]]のファンだったが、阪神入団後は[[ガンバ大阪]]のファンとなり、2006年新春に[[宮本恒靖]]と特別番組で対談した。
* [[将棋]]、[[TVゲーム]]をはじめ、漫画やアニメ、ラジコンなど趣味が多い。漫画・アニメは[[犬夜叉]]、[[名探偵コナン]]など、特に移動日の月曜日に放送するアニメを好んで視聴していた。また渡米する際にはコナンの単行本とアニメのDVDを持参するほどのファンである。
* [[将棋]]は初段でチーム内外（[[今岡誠]]、[[古田敦也]]、[[吉野誠]]、[[広澤克実]]、[[桧山進次郎]]、[[安藤優也]]など）で対局、ピッチャーでリーグを作ったり、登板前に気持ちを落ち着かせるためロッカーで[[詰将棋]]をしていた。2006年のオフには[[棋王戦]]の本戦準決勝（[[羽生善治]]-[[深浦康市]]）を観戦。番組企画で[[投了]]図からのかなりのハンデ戦であるが[[森内俊之]]名人に勝利。2007年1月、[[日本将棋連盟]]は日本国外での将棋普及のため「将棋親善大使」に任命、初段の免状と委嘱状を贈呈した。
* [[ゲーマー]]の一面もあり、2012年現在はトレーニング中の気分転換として[[セガ]]の『[[WORLD CLUB Champion Football]]』（WCCF）をプレイすることが多い。2012年にはWCCFの第16回 JAPAN WINNER'S CHAMPIONSHIPで関東ブロック（東京・神奈川は別ブロック）のエリア大会を勝ち抜き全国大会に進出したほど<ref>[http://www.k-igawa.com/ksself/index.cgi?year=2012&mon=3&day=12 準備できています　from Mito] - K's self（2012年3月12日）</ref>。

== 詳細情報 ==
=== 年度別投手成績 ===
{| {{投手成績}}
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1999}}
|rowspan="8" style="text-align:center;"|[[阪神タイガース|阪神]]
|7||3||0||0||0||1||1||0||--||.500||80||15.1||23||1||13||0||1||14||0||0||11||11||6.46||2.35
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2000}}
|9||5||0||0||0||1||3||0||--||.250||172||39.1||36||5||19||1||0||37||7||0||19||19||4.35||1.40
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2001}}
|29||'''28'''||3||2||0||9||'''13'''||0||--||.409||'''829'''||192.0||174||11||'''89'''||6||3||171||6||0||76||57||2.67||1.37
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2002}}
|31||29||'''8'''||'''4'''||2||14||9||1||--||.609||830||'''209.2'''||163||15||53||1||7||'''206'''||8||0||63||58||2.49||1.03
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2003}}
|29||29||8||'''2'''||3||'''20'''||5||0||--||'''.800'''||'''839'''||206.0||184||15||58||3||3||179||5||0||72||64||'''2.80'''||1.17
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2004}}
|29||'''29'''||6||'''3'''||1||14||11||0||--||.560||'''840'''||'''200.1'''||190||'''29'''||54||0||6||'''228'''||5||0||'''95'''||'''83'''||3.73||1.22
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2005}}
|27||27||2||1||1||13||9||0||0||.591||749||172.1||'''199'''||23||60||0||1||145||4||0||91||74||3.86||1.50
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2006}}
|29||29||8||'''3'''||2||14||9||0||0||.609||844||209.0||180||17||49||3||6||'''194'''||4||0||77||69||2.97||1.10
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2007}}
|rowspan="2" style="text-align:center;"|[[ニューヨーク・ヤンキース|NYY]]
|14||12||0||0||0||2||3||0||0||.400||313||67.2||76||15||37||1||4||53||5||1||48||47||6.25||1.67
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2008}}
|2||1||0||0||0||0||1||0||0||.000||24||4.0||13||0||0||0||0||0||0||0||6||6||13.50||3.25
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2012}}
|rowspan="2" style="text-align:center; white-space:nowrap;"|[[オリックス・バファローズ|オリックス]]
||12||12||0||0||0||2||7||0||0||.222||278||62.0||64||5||31||0||2||36||3||1||35||32||4.65||1.53
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2013}}
|9||9||0||0||0||3||3||0||0||.500||205||48.2||48||2||15||0||2||41||2||0||15||14||2.59||1.34
|-
!colspan="2"|[[日本プロ野球|NPB]]：10年
|211||200||35||15||9||91||70||1||0||.565||5666||1354.2||1261||123||441||14||31||1251||44||1||554||481||3.20||1.25
|-
!colspan="2"|[[メジャーリーグベースボール|MLB]]：2年
|16||13||0||0||0||2||4||0||0||.333||337||71.2||89||15||37||1||4||53||5||1||54||53||6.66||1.76
|}
* 2013年度シーズン終了時
* 各年度の'''太字'''はリーグ最高

=== タイトル ===
; NPB
* [[最多勝利|最多勝]]：1回 （2003年）
* [[最優秀防御率 (日本プロ野球)|最優秀防御率]]：1回 （2003年）
* [[最多奪三振 (日本プロ野球)|最多奪三振]]：3回 （2002年、2004年、2006年）

=== 表彰 ===
; NPB
* [[最優秀選手 (野球)|MVP]]：1回 （2003年）
* [[沢村栄治賞|沢村賞]]：1回 （2003年）
* [[最優秀投手]]：1回 （2003年）
* [[ベストナイン (日本プロ野球)|ベストナイン]]：1回 （2003年）
* [[月間MVP (日本プロ野球)|月間MVP]]：3回 （2002年4月、2003年6月、2003年7月）
* [[最優秀バッテリー賞]]：1回 （2003年、捕手：[[矢野輝弘]]）
* 優秀[[JCB・MEP賞]]：1回 （2001年）

=== 記録 ===
; NPB投手記録
* 初登板：1999年5月2日、対[[広島東洋カープ]]6回戦（[[阪神甲子園球場]]）、5回表に2番手で救援登板、1安打2四球1死球3失点で降板
* 初奪三振：1999年5月7日、対[[横浜DeNAベイスターズ|横浜ベイスターズ]]6回戦（[[横浜スタジアム]]）、4回裏に[[波留敏夫]]から
* 初先発・初勝利：1999年5月19日、対広島東洋カープ8回戦（[[米子市民球場]]）、6回0/3を2失点
* 初完投勝利：2001年4月24日、対[[読売ジャイアンツ]]4回戦（[[阪神甲子園球場]]）、9回1失点
* 初完封勝利：2001年8月17日、対横浜ベイスターズ20回戦（横浜スタジアム）
* 初セーブ：2002年10月12日、対広島東洋カープ28回戦（[[広島市民球場 (初代)|広島市民球場]]）、8回裏に3番手で救援登板・完了、2回無失点
* 1000投球回数：2005年8月23日、対広島東洋カープ14回戦（広島市民球場）、7回裏3死目に[[前田智徳]]を空振り三振で達成 ※史上304人目
* 1000奪三振：2006年4月14日、対広島東洋カープ3回戦（阪神甲子園球場）、9回表に[[梵英心]]から ※史上119人目
; NPB打撃記録
* 初安打：1999年6月1日、対横浜ベイスターズ9回戦（阪神甲子園球場）、3回裏に[[福盛和男]]から左翼へ二塁打
* 初打点：2001年5月10日、対横浜ベイスターズ7回戦（横浜スタジアム）、7回表に[[米正秀]]から投手前スクイズ
; NPBその他の記録
* [[ノーヒットノーラン]]：2004年10月4日、対広島東洋カープ28回戦（広島市民球場）　※史上71人目
* [[オールスターゲーム (日本プロ野球)|オールスターゲーム]]出場：3回 （2001年 - 2003年）

=== 背番号 ===
* '''29''' （1998年 - 2008年、2012年 - ）

=== 登場曲 ===
*「[[君のいちばんに…]]」[[LINDBERG]]

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
* [[茨城県出身の人物一覧]]
* [[阪神タイガースの選手一覧]]
* [[オリックス・バファローズの選手一覧]]
* [[日本人メジャーリーグ選手一覧]]
* [[日本人のマイナーリーグ選手一覧]]
* [[ノーヒットノーラン達成者一覧]]

== 外部リンク ==
{{Commonscat|Kei Igawa}}
* [http://www.k-igawa.com/ KEI IGAWA OFFICIAL WEB SITE - KQUEST -]
{{MLBstats |mlb= 506432 |espn= 28633 |br= i/igawake01 |fangraphs= 7794 |cube= i/kei-igawa}}

{{オリックス・バファローズ}}
{{Navboxes|title=業績
|list1=
</span>
{{沢村栄治賞}}
{{セントラル・リーグMVP}}
{{セントラル・リーグ最多勝投手}}
{{セントラル・リーグ最優秀防御率}}
{{セントラル・リーグ最優秀勝率投手}}
{{セントラル・リーグ最多奪三振}}
{{セントラル・リーグ最優秀投手}}
{{セントラル・リーグ ベストナイン (投手)}}
{{日本シリーズ第1戦先発投手 (セ・リーグ)}}
}}
{{阪神タイガース開幕投手|阪神タイガース}}
{{阪神タイガース1997年ドラフト指名選手}}

{{デフォルトソート:いかわ けい}}
[[Category:日本の野球選手]]
[[Category:阪神タイガース及びその前身球団の選手]]
[[Category:最優秀防御率 (NPB)]]
[[Category:最多勝利 (NPB)]]
[[Category:最多奪三振 (NPB)]]
[[Category:最優秀選手 (NPB)]]
[[Category:沢村栄治賞]]
[[Category:MLBの日本人選手]]
[[Category:ニューヨーク・ヤンキースの選手]]
[[Category:オリックス・バファローズ及びその前身球団の選手]]
[[Category:茨城県出身の人物]]
[[Category:1979年生]]
[[Category:存命人物]]