ヴァレリー・ジスカール・デスタンのソースを表示

{{大統領
| 人名       = ヴァレリー・ジスカールデスタン
| 各国語表記 = Valéry Marie René Georges Giscard d'Estaing
| 画像       = Valéry Giscard d’Estaing 1978.jpg
| 画像サイズ = 
| 国名       = {{flagicon|FRA}} [[フランス|フランス共和国]]
| 代数       = 第20
| 職名       = [[フランスの大統領|大統領]]
| 就任日     = [[1974年]][[5月19日]]
| 退任日     = [[1981年]][[5月10日]]
| 副大統領   = 
| 元首       = 
<!-- ↓省略可↓ -->
| 国名2      = 
| 代数2      = 
| 職名2      = 
| 就任日2    = 
| 退任日2    = 
| 副大統領2  = 
| 元首2      = 
| 国名3      = 
| 代数3      = 
| 職名3      = 
| 就任日3    = 
| 退任日3    = 
| 副大統領3  = 
| 元首3      = 
<!-- ↑省略可↑ -->
| 出生日     = {{生年月日と年齢|1926|2|2}}
| 生地       = {{DEU1919}} [[ラインラント＝プファルツ州]][[コブレンツ]]
| 死亡日     = 
| 没地       = 
| 配偶者     = 
| 政党       = [[フランス民主連合]]（- 2002年）<br />[[国民運動連合]]（2002年 - ）
| サイン     = 
}}

'''ヴァレリー・マリー・ルネ・ジョルジュ・ジスカールデスタン'''（Valéry Marie René Georges Giscard d'Estaing、{{IPA-fr|valeʁi maʁi ʁəne ʒɔʁʒ ʒiskaʁ dɛstɛ̃}}、[[1926年]][[2月2日]] - ）は、[[フランス]]の[[政治家]]。第20代フランス[[共和国大統領 (フランス)|大統領]]([[フランス第五共和政]])（在任[[1974年]] - [[1981年]]）[[フランス語]]における[[愛称]]は「VGE<ref>{{IPA-fr|ve ʒe ə}}（ヴェ・ジェ・ウ）</ref>」。なお、「ジスカール・デスタン（Giscard d'Estaing）」はハイフンでつながってはいないものの一つの[[姓]]（複合姓）である。[[2003年]]より[[アカデミー・フランセーズ]]会員。

== 略歴 ==
=== 生い立ち ===
[[ヴァイマル共和政|ドイツ]]の[[コブレンツ]]で、フランス人[[官吏]]エドモン・ジスカールデスタンの子として生まれる。エドモンは元々「ジスカール」が姓であり、妻が[[中世]]以来の名門[[貴族]]である{{仮リンク|デスタン家|fr|Famille d'Estaing}}出身であった事以外はごく普通の役人であった。

ところが、[[1922年]]に妻の実家であるデスタン家の男系が断絶してしまう。この頃のフランスでは、[[フランス革命]]当時と違い[[共和制]]を支持する貴族の家系に対してはむしろ保護が与えられるべきとの考えが強まっていた。このため、議会はデスタン家嫡流に近い女性を妻としていたエドモンに対してデスタン家の継承を要請、これによって旧来の「ジスカール」に妻の実家である「デスタン」を重ねて、以後「ジスカールデスタン」と名乗るようになったのである。ヴァレリーの誕生はその4年後の事である。

[[第二次世界大戦]]後に[[パリ]]の[[理工科学校]]（エコール・ポリテクニーク）と[[フランス国立行政学院|国立行政学院]]（エコール・ナシオナル・ダドミニストラシオン）に学んだ。

=== 政界進出 ===
行政学院を卒業後に内国歳入庁勤務を経て、[[エドガール・フォール]][[首相]]の許で政策スタッフとなる。[[1956年]]の総選挙で[[アントワーヌ・ピネー]]率いる[[独立農民派]](CNI)から国会議員に当選、[[フランス第五共和政|第五共和政]]の成立でピネーが経済財務相として入閣すると、金融担当の秘書官となった。

[[1962年]]に[[ミシェル・ドブレ]]内閣の改造人事で、経済財政相として初入閣。この時欧州政策をめぐって独立農民派主流と対立し、同党を脱退。新たに[[独立共和派]](RI)を結成した。[[ジョルジュ・ポンピドゥ]]内閣でも閣内にとどまったものの、[[1966年]]に罷免。それでも与党傍流として活動を続け、[[1969年]]から[[1974年]]まで再度経済財務大臣を務めた。

大統領だったポンピドゥーが急死すると、ドゴール派主流の[[ジャック・シャバン＝デルマス]]に対抗して[[1974年フランス大統領選挙|大統領選挙]]に出馬。独立共和派は元より中道派野党の[[急進社会党]]や民主中道派・民主進歩中道派、更にはドゴール派の中でもシャバン＝デルマスと対立していた[[ジャック・シラク]]の支持まで取り付け、第1回投票では左翼統一候補だった[[フランソワ・ミッテラン]]に後れを取ったもののシャバン＝デルマスを上回る得票を獲得。決選投票でミッテランを破り、大統領に当選した。

=== 大統領 ===

[[ファイル:G7 leaders 1978.jpg|thumb|180px|[[1978年]]、[[第4回先進国首脳会議|ボンサミット]]に出席]]
1974年から1981年までの7年間にわたってフランスの大統領をつとめた。48歳での大統領就任は、フランスの歴史上3番目の若さであった。

外交上の代表的な業績としては、大統領在任中に[[サミット]]（先進国首脳会議）を[[西ドイツ]]や[[イタリア]]、[[日本]]、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]などの西側主要各国の首脳に提案し、1975年に、[[イル＝ド＝フランス地域圏]][[イヴリーヌ県]]の[[ランブイエ]]で第1回サミットを開催に導いたことが挙げられる。

このサミットにおいて、[[1970年代]]に西側諸国を襲った[[オイルショック|石油危機]]への対応などが話し合われ、一定の成果を収めた他、[[冷戦]]下において西側先進国の結束を高めることに貢献したことや、石油危機以外にも経済面や金融面から一定の成果を収めたことなどから、その後も現在に至るまでサミットが毎年開催されることとなっている。

内政においては、参選権の21歳から18歳への引き下げや[[TGV]]建設の推進などを行った。また、大統領与党として[[1978年]]に中道右派政党[[フランス民主連合]]を結成したが、一方でシラクの離反を招き、次の大統領選挙で[[社会党 (フランス)|社会党]]の[[フランソワ・ミッテラン]]に敗れ大統領の座を去った。

=== その後 ===
大統領の座から去った後は、回顧録を出版し高い評価を得るなど、社会党政権下での中道右派の論客として存在感を示すとともに、主に外交面でその手腕を発揮した。また、2003年にはアカデミー・フランセーズの会員に選出された。

=== 「欧州の将来に関する協議会」議長 ===
[[2002年]]2月に設置された「欧州の将来に関する協議会」の議長に推され、[[2004年]]の[[欧州連合]]（EU）拡大を前に、EUの将来像に関する諸国間の協議をまとめ、また[[欧州憲法条約]]の起草を担うなどの重責を果たしたが、一方で欧州大統領制・欧州合衆国を提唱し、[[東ヨーロッパ|東欧]]への性急な[[欧州連合の拡大|EU拡大]]や[[トルコ]]のEU加盟の可能性について批判したことで物議をかもしたといわれている。

== 備忘録 ==
[[中央アフリカ帝国]]の[[ボカサ1世]]は旧宗主国フランスから支持と援助を取り付けるため、当時のフランス大統領だったジスカールデスタンに莫大な贈賄工作をしたことを後に告白している。その工作が功を奏したためか、フランスからは皇帝として承認され、経済的支援も受けることに成功した。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
{{commons|Valéry Giscard d'Estaing}}
* [[貴族]]
* [[サミット]]

== 外部リンク ==
いずれもフランス語：
*[http://vge-europe.eu/ ブログ]：本人のブログ
*[http://www.assemblee-nationale.fr/11/tribun/fiches_id/1494.asp 履歴書]： [[国民議会 (フランス)|フランス下院]]収録のジスカールデスタン公式履歴書
*[http://www.alyon.org/generale/histoire/france/election_presidentielle_1965.html 選挙結果]： 第五共和制下の各大統領選挙における各候補の得票率

{{start box}}
{{s-off}}
  {{Succession box
    | title  = {{flagicon|FRA}} [[フランスの大統領|フランス共和国大統領]]
    | years  = 第20代：1974 - 1981
    | before = [[ジョルジュ・ポンピドゥ]]
    | after  = [[フランソワ・ミッテラン]]
  }}
  {{Succession box
    | title  = {{flagicon|FRA}} [[フランス経済・財政・産業省|フランス共和国経済財務大臣]]
    | years  = 第26代：1962 - 1966<br />第30代：1969 - 1974
    | before = Wilfrid Baumgartner ([[:fr:Wilfrid Baumgartner|fr]])<br />[[ミシェル・ドブレ]]
    | after  = [[フランソワ＝グザヴィエ・オルトリ]]<br />Jean-Pierre Fourcade ([[:fr:Jean-Pierre Fourcade|fr]])
  }}
{{s-ppo}}
  {{Succession box
    | title  = [[フランス民主連合]]党首
    | years  = 1988 - 1996
    | before = Jean Lecanuet ([[:en:Jean Lecanuet|en]])
    | after  = [[フランソワ・レオタール]]
  }}
  {{Succession box
    | title  = [[フランス民主連合]]大統領選候補者
    | years  = 1974、1981
    | before = （結党）
    | after  = [[レイモン・バール]]
  }}
  {{Succession box
    | title  = [[自由民主党 (フランス)|自由民主党]][[独立共和派]]代表
    | years  = 初代：1966 - 1974
    | before = （結党）
    | after  = Michel Poniatowski ([[:en:Michel Poniatowski|en]])
  }}
{{s-reg}}
  {{Succession box
    | title  = {{flagicon|AND}} [[アンドラ|アンドラ公国]]共同大公
    | titlenote  = [[:en:Joan Martí i Alanis|Joan Martí Alanis]]と共同
    | years  = 初代：1974 - 1981
    | before = [[アラン・ポエール]]
    | beforenote = （代行）
    | after  = [[フランソワ・ミッテラン]]
  }}
{{s-dip}}
  {{Succession box
    | title  = [[先進国首脳会議]]議長
    | years  = 初代：1975
    | before = （創設）
    | after  = [[ジェラルド・R・フォード]]
    | afternote = アメリカ
  }}
{{s-culture}}
  {{Succession box
    | title  = [[アカデミー・フランセーズ|アカデミー・フランセーズ]][[アカデミー・フランセーズの会員の一覧#座席番号16|席次16]]
    | years  = 第19代：2003 - 
    | before = [[レオポール・セダール・サンゴール]]
    | after  = （現職）
  }}
{{end box}}
{{フランスの大統領}}

{{DEFAULTSORT:しすかるてすたん うあれり}}
[[Category:アカデミー・フランセーズ]]
[[Category:フランスの大統領]]
[[Category:フランスの政治家]]
[[Category:インターアクション・カウンシルの人物]]
[[Category:反共主義者]]
[[Category:コブレンツ出身の人物]]
[[Category:1926年生]]
[[Category:存命人物]]