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{{生物分類表 |名称 = ロバ |画像 = [[ファイル:Donkey 1 arp 750px.jpg|250px]] |画像キャプション = ロバ |省略=哺乳綱 |目 = [[ウマ目|奇蹄目]] [[w:Odd-toed ungulate|Perissodactyla]] |科 = [[ウマ科]] [[w:Equidae|Equidae]] |属 = [[ウマ属]] ''[[w:Equus|Equus]]'' |亜属 = ロバ亜属 ''[[w:Asinus|Asinus]]'' |種 = '''ロバ''' ''E. asinus'' |学名 = ''Equus asinus''<br />{{AU|[[カール・フォン・リンネ|Linnaeus]], [[1758年|1758]]}} }} '''ロバ'''('''驢馬'''、馿馬)は[[哺乳綱]][[ウマ目|奇蹄目]][[ウマ科]][[ウマ属]]ロバ亜属 (''Asinus'') の総称、もしくは、その1種 ''Equus asinus''。以下では主に ''Equus asinus'' について述べる。 別名うさぎうま(兎馬)。[[漢語]]では'''驢'''(ろ)。古代より[[家畜]]として使用される。現生ウマ科の中で一番小型だが、力は強く、記憶力も良い。学名''Equus asinus''(エクウス・アシヌス)は、ラテン語で「馬・ロバ」の意。 == ロバ亜属 == * '''ロバ''' ''Equus asinus'' * [[アフリカノロバ]] ''Equus africanus'' - 家畜ロバの原種であり、家畜ロバはしばしば本種の亜種 ''Equus africanus asinus'' とされる * [[アジアノロバ]](オナガー) ''Equus hemionus'' * [[キャン]] ''Equus kiang'' == 生態 == 家畜としては、比較的少ない餌で維持できる。[[寿命]]は長く、飼育環境によっては30年以上生きることがある。 == 益獣としての使用 == === 家畜化 === [[ファイル:Maler der Grabkammer des Panehsi 001.jpg|thumb|紀元前13世紀のエジプトの壁画]] [[ファイル:Omo River Valley IMG 9548.jpg|thumb|家畜化]] 最初に家畜として飼われ始めたのは、約5000年前に野生種であるアフリカノロバを飼育したものとされる。野生種の中で現存するのは、ソマリノロバ (''Equus africanus somaliensis'') のみであり、[[ソマリア]]と[[エジプト]]の国境地帯に見られたが、[[ソマリア内戦]]の影響で激減したため、現在はその大部分がイスラエルの野生保護区で飼育されている。また[[ハワイ島]]には野生化したロバが多数生息している。古代から乗用、荷物の運搬などの使役に重用されたが、ウマに比べると、従順でない性質があり、小型でもあることが使役用の家畜として劣る点であった。逆にウマよりも優れていたのが非常に強健で粗食に耐え、管理が楽な点であった。 === ユダヤ人との関係 === 荒涼としたステップ地帯、砂漠地帯、あるいは山岳地帯などを放浪していたユダヤ人は、ロバを知る古い民族のひとつであり、そのため彼らの伝承や戒律などにもロバに関わるものが少なからずある。 古代、[[ユダヤ人]]たちの間では、ロバに乗ることを禁じた日があった。[[イエス・キリスト|イエス]]が[[キリスト]]([[ユダヤ]]の王)として、ロバに乗って[[過越|過ぎ越し]]の日に[[エルサレム]]に入る記述が聖書にある。 前近代のイスラム社会では、時の施政者次第でユダヤ教徒やキリスト教徒への迫害が行われることがあったが、その際にはロバ以外への騎乗を禁じられることもあった。 === 食用 === [[中華人民共和国|中国]]の、特に華北においては、ロバは一般的な食材のひとつとなっている。多くの場合、老いて輸送などの労務が難しくなったものが食用にされる。このため、単に炒めるだけの料理では食べづらく、煮込み料理か[[餃子]]や[[肉まん]]の具や[[ミートボール|肉団子]]のようなミンチ肉料理にされることが多い。そのままではある程度の臭みがあるが、下ごしらえをうまくすることで中国で「上有龍肉、下有驢肉」(天には竜の肉があり、地上にはロバの肉がある)と言われるほどの美味に仕上げることができる。 ; 臘驢肉(ラーリューロウ {{unicode|làlǘròu}}) : 中国[[山西省]][[長治市]]の名物食材で、ロバ肉の塩漬けを燻製にしたもの。 ; 驢肉火燒(リューロウフオシャオ {{unicode|lǘròu huǒshāo}}) : 中国[[河北省]][[保定市]]の名物料理で、ロバ肉を使った棒[[餃子]]。 ; 肴驢肉(ヤオリューロウ {{unicode|yáolǘròu}}) : 中国[[山東省]][[広饒県]]などの名物料理で、ロバ肉を煮込んで、[[ゼラチン]]質と共に冷やし固め、スライスしてたべる、[[アスピック]]([[煮こごり]])のような[[前菜]]料理。 === 薬用 === ロバの[[皮]]から毛を取り、煮つめて取る[[膠]](にかわ)は、[[漢方]]で「[[阿膠]]」(あきょう)といい、主成分は[[コラーゲン]]で、血を作り、止血する作用があると考えられている。このため、出血を伴う症状や、[[貧血]]、産後の栄養補給、強壮、[[皮膚]]の改善などの目的で、服用、配合される。阿膠は薬用以外に、これを加えた[[飴]]なども作られている。 == 文化におけるロバの表象 == === 東洋 === ==== 日本 ==== 中国には、全世界で飼育されているロバの3分の1に相当する頭数が飼われているにもかかわらず、古代から中国の影響を受けてきた日本では、時代を問わず、ほとんど飼育されていない。現在の日本のロバは200頭という説も有るくらい少ないが、実際は多くとも数百頭であろう。極暑地から冷地の環境にまで適応し、粗食にも耐える便利な家畜であるロバは、日本でも古くから存在が知られていた。しかし、馬や牛と異なり、日本では家畜としては全く普及せず、何故普及しなかったのかは原因がわかっていない。日本畜産史の謎とまでいわれることがある。 日本にロバが移入された最古の記録は、日本書紀に[[599年]]、[[百済]]から[[ラクダ]]、[[ヒツジ|羊]]、[[キジ|雉]]と一緒に贈られたとするものである。この時は、「ウサギウマ」1疋が贈られたとされ、これがロバのことを指していると考えられている。また、[[平安時代]]に入ってからも、幾つか日本に入ったとする記録が見られる。時代が下って[[江戸時代]]にも、中国やオランダから移入された記録がある。また、別称として「ばち馬」という呼び名も記されている。 [[20世紀]]の日本でロバと言えば、「[[ロバのパン屋]]」が最も広い地域で知られる存在であった。ただ、昭和10年代に札幌で始まり、戦争をはさんで、昭和20年代末に広まったその移動販売が最盛期を迎えたのは、昭和30年代であった。が、早くも昭和30年代末から40年代初頭にかけての頃には、急速な[[モータリゼーション]]の浸透によって、日本の道路は[[自動車]]のものとなり、スピードの遅い馬車は、邪魔者となって早くも姿を消し、自動車による販売にとって代わられ、それに伴って販売の規模も急激に縮小の方向に向かった。なお、最も著名な「パン売りのロバさん」という曲を流しながら販売を行なったビタミンパン連鎖店本部が使用していたのは、ロバではなく[[木曽馬]]を中心とした小型馬([[ポニー]])であった。にもかかわらず、「ロバのパン」を看板にして大々的に販売を行なったため、当時の人々に対して、ロバに対するイメージへの誤解を与えた面は否めない。 === 西洋 === 西洋においてはロバは愚鈍さの象徴としてしばしば用いられる。キリスト教化された中世以降の[[ヨーロッパ]]でもその傾向は変わらずに残る。現在でも各国語において「ロバ」に相当する言葉は「馬鹿」「愚か者」の[[換喩]]として用いられる。 元来、西洋においてはロバは良く使われた家畜であるのにこういったイメージが付いたのは、乏しい餌でも育つ頑丈なロバは貧農が育てるものであり、富農は牛馬を育てていたため、また軍隊とくに[[騎士]]が馬に騎乗していたためであろう。さらに、頑固で気分次第で動かなくなる融通の利かないロバを良く観察している(すなわちそれだけ身近であった) とも言えよう。 [[ファイル:Delaroche - Bonaparte franchissant les Alpes.jpg|thumb|[[ポール・ドラローシュ]]『アルプス越えのナポレオン』]] [[ナポレオン・ボナパルト]]がアルプス越えに際して乗ったのは愛馬[[マレンゴ]]であると思われがちだが、これは[[ジャック=ルイ・ダヴィッド|ダヴィッド]]の絵によって創作されたものである。実際にはロバに乗っていた。 ==== 古代 ==== 古代[[ギリシア神話]]において最もよく知られるロバに関する逸話は[[フリュギア]]の[[ミダス]]王に関するものである。この逸話は現代では「[[王様の耳はロバの耳]]」として親しまれている。 ==== 中世 ==== 愚か者としてのロバの姿は[[西洋中世文学|中世文学]]にも見出される。12世紀の風刺集『[[愚者の鏡]]』にでてくる「[[ブルネルス]]の物語」はその好例である。この逸話は『愚者の鏡』のなかでも有名なもののひとつであり、国によってはこの挿話をもって本の名とする地域もあった。たとえば[[ジェフリー・チョーサー]]の『[[カンタベリー物語]]』ではこの風刺集は『愚者ブルネル卿』(ブルネルはブルネルスの英語形)と呼ばれている。 ==== 近代 ==== [[ファイル:Democraticjackass.jpg|thumb|1870年の政治風刺画]] [[アメリカ合衆国]]の[[民主党 (アメリカ)|民主党]]はロバを党のシンボルとしている。これはもともと、[[共和党 (アメリカ)|共和党]]側によって「jackass」(雄ロバまたは「馬鹿」の意)と揶揄された民主党の大統領候補[[アンドリュー・ジャクソン]](後の第7代アメリカ大統領)が揶揄を逆用したことに起源を有する。 2004年11月の[[2004年アメリカ合衆国大統領選挙|大統領選]]にむけた、同8月の民主党党大会ではロバの「[[スウィフティ君]]」がケリー候補の応援にかけつけたが、[[アメリカ同時多発テロ事件|同時多発テロ]]後からの厳戒態勢の中、スタッフオンリーの壇上にあがることがかなわなかったという珍事があった。 アメリカで行われた[[プロレス]]の試合形式に、「敗者はロバに乗る」というものがあった。[http://www.showapuroresu.com/death/donkey.htm] == 文献 == * 驢と騾 昭和18年出版 出版社 養賢堂 著者 陸軍技師 農学士 兼松満造 日本で唯一驢馬と騾馬について書かれた学術書。 == 作品 == ロバが主題となっている作品には下記がある。 === 文学 === * [[ピノキオ]] - ロバを中心に題材としたものではないが、ピノキオが怠け者国でロバに変身させられる。 * [[ブレーメンの音楽隊]] - ロバ、[[イヌ]]、[[ネコ]]、[[ニワトリ]]が主人公の[[グリム童話]]。 * [[世説新語]] - 中国[[南北朝時代 (中国)|南北朝時代]]の説話集。王なにがしと諸葛なにがしが家系の優劣を争った時に、「王・葛と世間では言う。葛・王とは言わないじゃないか」と言われた諸葛なにがしが「驢・馬と世間では言って、馬・驢とは言わないようだね」と答えたという話や、[[諸葛瑾]]の顔がロバに似ているので主君の[[孫権]]にからかわれたという話など、ロバにまつわるエピソードを数話載せている。 * [[王様の耳はロバの耳]] - [[イソップ寓話]]。旧[[ユーゴスラビア]]の[[民話]]。 * [[ロバになった旅人]] - [[中国]]の民話。 === 音楽 === * 「ロバちょっとすねた」 - [[日本放送協会|NHK]][[みんなのうた]]で[[アグネス・チャン]]が歌った歌 * 「[[ロバのパン屋|パン売りのロバさん]]」 作詞:[[矢野亮]] 作曲:豊田稔 歌手:近藤圭子 昭和30年[[キングレコード]]。 * 「走れドンキー」 作詞:安井かずみ 作曲:弾厚作([[加山雄三]]) 唄:加山雄三 1966年6月東芝EMI 映画『[[アルプスの若大将]]』劇中歌 === 映画 === * 「バルタザールどこへ行く (Au Hasard Balthazar)」 - [[ロベール・ブレッソン]](Robert Bresson)監督 1966年 フランス=スウェーデン === ドラマ === * 「[[それ行け!カッチン]]」-主人公カッチンの友達がロバのシミジミ。 === アニメ === * [[ペリーヌ物語]] - [[世界名作劇場|カルピス名作劇場]]。主人公ペリーヌと母の旅にロバ「パリカール」が大きく貢献。 * [[母をたずねて三千里]] - 主人公マルコが母を訪ねたアルゼンチンで牛車隊から別れたときにロバ「ばあさま」を足としてもらうが、途中でロバ「ばあさま」は寿命のため死亡。 * [[家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ]] - 遭難した船から連れ出したロバが登場。主人公フローネたち一家の脱出に大きく貢献した。しかし、特に名前は付けられていなかった。 * [[ラ・セーヌの星]] - 花屋をいとなむ主人公シモーヌの暮らしを支えるのがロバのタンタン。 == 関連項目 == * [[ラバ]] * [[ウマ]] * [[ビュリダンのロバ]] * [[ロシナンテ]] == 外部リンク == {{Commonscat|Equus asinus}} {{Wikispecies|Equus asinus|ロバ ''Equus asinus''}} *[http://www.adada-assos.org/index.php A.D.A.D.A - Association Nationale des Amis des Anes] フランスの公益ロバ愛護団体 {{デフォルトソート:ろは}} [[Category:ウマ科]] [[Category:家畜]] [[Category:生薬]] {{animal-stub}} {{Link GA|lv}}
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