レオポルド2世 (トスカーナ大公)のソースを表示

[[ファイル:Leopold II of Tuscany.jpg|thumb|レオポルド2世、[[ピエトロ・ベンヴェヌーティ]]画、1828年]]
[[ファイル:Carl Christian Vogel von Vogelstein - Leopold II (Toskana).jpg|thumb|レオポルド2世、[[カール・クリスティアン・フォーゲル・フォン・フォーゲルシュタイン|カール・クリスティアン・フォーゲル]]画、1842年]]
[[ファイル:Grand Duke Leopold II of Tuscany with the insignia of the Order of Saint Stephen.jpg|thumb|聖ステファノ騎士団の制服を着けたレオポルド2世、[[ジュゼッぺ・ベッツォーリ]]画、1840年頃]]
[[ファイル:JohannOrth LudwigSalvator Ferdinand4 KarlSalvator HabsburgToscana photo.jpg|thumb|レオポルド2世の4人の息子たち、長男フェルディナント（前列左）、次男カール（前列右）、四男ルートヴィヒ（後列右）、五男ヨハン（後列左）]]
'''レオポルド2世'''（'''Leopoldo II, Granduca di Toscana''', [[1797年]][[10月3日]] [[フィレンツェ]] - [[1870年]][[1月29日]] [[ローマ]]）は、[[イタリア]]の[[トスカーナ大公国|トスカーナ]][[トスカーナの支配者一覧|大公]]（在位:[[1824年]] - [[1859年]]）。全名はレオポルド・ジョヴァンニ・ジュゼッぺ・フランチェスコ・フェルディナンド・カルロ（''Leopoldo Giovanni Giuseppe Francesco Ferdinando Carlo''）。[[ハプスブルク＝ロートリンゲン家|オーストリア皇帝家]]の一員であり、[[オーストリア大公|オーストリア大公（''Erzherzog''）]]の称号も有した。

== 生涯 ==
トスカーナ大公[[フェルディナンド3世 (トスカーナ大公)|フェルディナンド3世]]と、その妻で両シチリア王[[フェルディナンド1世 (両シチリア王)|フェルディナンド1世]]の娘である[[ルイーザ・マリア・ディ・ボルボーネ＝ドゥエ・シチリエ|ルイーザ・マリア]]の間の次男として生まれた。1799年に[[第二次対仏大同盟|フランス軍の侵略]]によってトスカーナ地方が占領されると、父に連れられて本家の[[ウィーン]]宮廷に逃れ、[[ザルツブルク]]や[[ヴュルツブルク]]を転々としたのち、1814年になってトスカーナに帰国した。

1817年にザクセン王女[[マリア・アンナ・カロリーナ・ディ・サッソニア|マリア・アンナ]]を妻に迎え、1824年には父の死に伴って大公位を継いだ。レオポルドは1832年に深く愛していた妻マリア・アンナを失うと、翌1833年に母方の従妹にあたる両シチリア王女[[マリア・アントニア・ディ・ボルボーネ＝ドゥエ・シチリエ|マリーア・アントーニア（アントニエッタ）]]と再婚した。アントニエッタは10人の子供を産み、うち4男2女の6人の子供が成育したため、トスカーナ大公家の血統存続は安泰となった。

1847年頃から[[イタリア統一運動|イタリアの再統合（リソルジメント）]]を求める革命運動が激化すると、レオポルド2世は1848年2月15日に大公国の憲法を公布して自由主義に宥和姿勢を見せた。しかしこの憲法は、オーストリア支配からの完全な脱却を求める急進的な住民たちを満足させるには不十分な内容だった。

1849年2月にトスカーナで臨時の共和国政府が樹立されると、レオポルド2世は国外に退去した。トスカーナの共和政府は、同じ月に[[教皇領]]の革命勢力が樹立し、約5カ月に渡って存立した[[ローマ共和国 (19世紀)|ローマ共和国]]政府と同盟を結んだ。同年4月、トスカーナにおける民主共和制の政治実験はオーストリア軍の主導による反革命運動によって鎮圧され、レオポルド2世は再び帰国することが出来た。

1859年4月、[[サルデーニャ王国|ピエモンテ＝サルデーニャ]]がオーストリア支配に抵抗して[[第2次イタリア独立戦争|独立戦争]]を始めると、民族意識を刺激された大公国の住民はレオポルド2世に対し、サルデーニャに同調してオーストリアと戦うよう強く要求した。しかしレオポルド2世はオーストリアとの間ですでに中立協定を結んでおり、4月27日には家族を連れて最終的に国外へ退去し、大公位を退いて長男の[[フェルディナンド4世 (トスカーナ大公)|フェルディナンド4世]]に譲位すると表明した。

レオポルド2世とその妻子はイタリアを離れ、[[ボヘミア]]のシュラッケンヴァルト（現[[チェコ]]領[[カルロヴィ・ヴァリ州]][[オストロフ・ナド・オフジー]]）の城に落ち着いた。レオポルドは翌1860年、ブランダイス（現チェコ領[[中央ボヘミア州]][[ブランディース・ナド・ラベン＝スタラー・ボレスラフ]]）の城と荘園を競り落とし、ブランダイス城で極端に人目を避けて暮らした。地域住民はレオポルドに大きな畏敬と尊敬を抱いており、その気があればシュラッケンヴァルトの町長になってほしいと嘆願しに来たこともあった。

イタリアの政治情勢がある程度落ち着いてくると、レオポルトは1869年11月に妻を連れて[[ローマ]]に移り、翌1870年の年明けに死去した。遺骸はウィーンの[[カプツィーナー納骨堂]]の中の、トスカーナ大公家霊廟に安置された。

== 子女 ==
1817年に、ザクセン王子[[マクシミリアン・フォン・ザクセン (1759-1838)|マクシミリアン]]の娘[[マリア・アンナ・カロリーナ・ディ・サッソニア|マリア・アンナ]]（1799年 - 1832年）と最初の結婚をした。2人の間には3人の娘が生まれたが、マリア・アンナは1832年に死去した。
* マリーア・'''カロリーナ・アウグスタ'''・エリザベータ・ヴィンチェンティア・ジョヴァンナ・ジュゼッパ（1822年 - 1841年）
* [[アウグステ・フェルディナンデ・フォン・エスターライヒ＝トスカーナ|'''アウグスタ・フェルディナンダ'''・ルイーザ・マリーア・ジョヴァンナ・ジュゼッパ]]（1825年 - 1864年） - 1844年、バイエルン王子[[ルイトポルト・フォン・バイエルン|ルイトポルト]]と結婚
* '''マリーア・マッシミリアーナ'''・テクラ（1827年 - 1834年）

1833年に両シチリア王[[フランチェスコ1世 (両シチリア王)|フランチェスコ1世]]の娘で従妹にあたる[[マリア・アントニア・ディ・ボルボーネ＝ドゥエ・シチリエ|アントニエッタ]]（1814年 - 1898年）と再婚し、間に5男5女の10人の子女をもうけた。
* [[マリーア・イザベッラ・ダズブルゴ＝トスカーナ|'''マリーア・イザベッラ'''・アンヌンツィアータ・ジョヴァンナ・ジュゼッパ・ウミルタ・アポローニア・フィロメーナ・ヴィルジーニア・ガブリエーラ]]（1834年 - 1901年） - 1850年、トラーパニ伯[[フランチェスコ・ディ・ボルボーネ＝ドゥエ・シチリエ|フランチェスコ]]と結婚
* [[フェルディナンド4世 (トスカーナ大公)|'''フェルディナンド・サルヴァトーレ'''・マリア・ジュゼッぺ・ジョヴァンニ・バティスタ・フランチェスコ・ロドヴィーコ・ゴンザーガ・ラファエーレ・ラニエーロ・ジェンナーロ]]（1835年 - 1908年） - トスカーナ大公
* '''マリーア・テレーザ'''・アンヌンツィアータ・ジョヴァンナ・ジュゼッパ・ルイーザ・ヴィルジーニア・アポローニア・フィロメーナ（1836年 - 1838年）
* '''マリーア・クリスティーナ'''・アンヌンツィアータ・ルイーザ・アンナ・ジョヴァンナ・ジュゼッパ・アガタ・ドロテア・フィロメーナ（1838年 - 1849年）
* [[カルロ・サルヴァトーレ・ダズブルゴ＝トスカーナ|'''カルロ・サルヴァトーレ'''・マリーア・ジュゼッぺ・ジョヴァンニ・バティスタ・フィリッポ・ヤーコポ・ジェンナーロ・ロドヴィーコ・ゴンザーガ・ラニエーロ]]（1839年 - 1892年）
* '''マリーア・アンナ'''・カロリーナ・アンヌンツィアータ・ジョヴァンナ・ジュゼッパ・ガブリエーラ・テレーザ・マルゲリータ・フィロメーナ（1840年 - 1841年）
* '''ラニエーリ・サルヴァトーレ'''・マリーア・ガエターノ・ジュゼッぺ・ジョヴァンニ・フィリッポ・ヤーコポ・アントニウス・ザノービ・ロドヴィーコ・ゴンザーガ（1842年 - 1844年）
* '''マリーア・ルイーザ'''・アンヌンツィアータ・アンナ・ジョヴァンナ・ジュゼッパ・アントニエッタ・フィロメーナ・アポローニア・トマーザ（1845年 - 1917年） - 1865年、イーゼンブルク＝ビルシュタイン侯カール2世と結婚
* [[ルートヴィヒ・ザルヴァトール・フォン・エスターライヒ＝トスカーナ|'''ルイージ・サルヴァトーレ'''・マリア・ジュゼッぺ・ジョヴァンニ・バティスタ・ドミニコ・ラニエーリ・フェルディナンド・カール・ゼノビウス・アントニン]]（1847年 - 1915年）
* [[ヨハン・ザルヴァトール・フォン・エスターライヒ＝トスカーナ|'''ジョヴァンニ'''・ネポムチェノ・'''サルヴァトーレ'''・マリーア・ジュゼッぺ・ジョヴァンニ・フェルディナンド・バルダッサーレ・ロドヴィーコ・カール・ゼノビウス・アントニン]]（1852年 - 1890年）

== 参考文献 ==
* {{NDB|14|298|299|Leopold II.|Richard Blaas}}

== 外部リンク ==
{{Commonscat-inline|Leopold II, Grand Duke of Tuscany|Leopoldo II di Toscana}}

{{先代次代|[[トスカーナ大公国|トスカーナ]][[トスカーナの支配者一覧|大公]]|1824年 - 1859年|[[フェルディナンド3世 (トスカーナ大公)|フェルディナンド3世]]|[[フェルディナンド4世 (トスカーナ大公)|フェルディナンド4世]]}}

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