リーマン予想のソースを表示

[[ファイル:RiemannCriticalLine.svg|thumb|360px|リーマンのゼータ関数 ''ζ''({{sfrac|1|2}} + ''ix'') の実部（赤色）と虚部（青色）を表したもの。自明でない[[零点]]が ''x'' = ±14.135, ±21.022, ±25.011 に現れる。]]
'''リーマン予想'''（リーマンよそう、Riemann Hypothesis）とは、[[ドイツ]]の数学者[[ベルンハルト・リーマン]]によって提唱された、[[リーマンゼータ関数|ゼータ関数]]の[[零点]]の分布に関する予想である。英語表記 Riemann Hypothesis の直訳である'''リーマン仮説'''と表記したり、'''RH''' と略したりすることもある。[[数学上の未解決問題]]の一つであり、[[クレイ数学研究所]]は[[ミレニアム懸賞問題]]の一つとしてリーマン予想の解決者に対して100万ドルの懸賞金を支払うことを約束している。

== 概要 ==
[[ベルンハルト・リーマン|リーマン]]は[[素数]]の分布に関する研究を行っている際に[[レオンハルト・オイラー|オイラー]]が研究していた以下の級数をゼータ関数と名づけ、[[解析接続]]を用いて[[複素数]]全体への拡張を行った。

ゼータ関数を次のように定義する。
:<math>\zeta (s)=1+\frac{1}{2^s} +\frac{1}{3^s} +\frac{1}{4^s} + ... =\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^s}</math>
[[1859年]]にリーマンは自身の[[与えられた数より小さい素数の個数について|論文]]の中で、複素数全体 (''s'' ≠ 1) へゼータ関数を拡張した場合、
<blockquote style="padding:1ex;border:2px solid #808080;background:#ffffff">
ζ(''s'') の自明でない零点 ''s'' は、全て実部が {{sfrac|1|2}} の直線上に存在する。
</blockquote>
と予想した。ここに、自明な零点とは負の偶数 (&minus;2, &minus;4, &minus;6, …) のことである。自明でない零点は0 < Re ''s'' < 1<ref>Re は複素数の実部を示す記号</ref>の範囲にしか存在しないことが知られており（下記の歴史を参照）、この範囲をクリティカル・ストリップという。

なお[[素数定理]]はリーマン予想と同値な近似公式<ref>素数の個数関数 {{π}}(''x'') の[[対数積分]]による近似公式を指す。同値命題の節の第一の命題を参照。[[リーマンの素数公式]]より、{{π}}(''x'') の対数積分による近似の誤差項はゼータ関数の零点がクリティカル・ストリップの両端から遠ければ遠いほど小さくなることが分かる。この距離が最大限に遠いということ、即ち全てのゼータ零点がクリティカル・ストリップの中心線上に整列しており、近似の誤差がその方針で考え得る限り最も小さくなるだろうということがリーマン予想のそもそもの意味である。</ref>からの帰結であるが、素数定理自体はリーマン予想がなくとも証明できる。この注意は歴史的には重要なことで、実際リーマンがはっきりとは素数定理を証明できなかった理由はリーマン予想の正否にこだわっていたためであると思われている（素数分布とのゼータ関数との関係は[[ゼータ関数]]や[[素数定理]]、[[リーマンの素数公式]]の項を参照のこと）。

現在もリーマン予想は解かれていない。数学における最も重要な未解決問題の一つである。リーマンのゼータ関数を特殊な場合に含む[[L関数]]に対しても同様の予想を考えることができ、これを[[一般化されたリーマン予想]]（Generalised Riemann Hypothesis : GRH と略される）と呼んでいる。

最近では、虚部が小さい方から10兆個 (X. Gourdon and P. Demichel, 2004) までの複素零点は全てリーマン予想を満たすことが計算されており、現在までにまだ反例は知られていない。現在では多くの数学者が（当然のことだが、はっきりした根拠を持たずに）リーマン予想は正しいと考えているようである。しかし無限にある零点から見ればたかだか有限の数表などは零点分布の全容を明らかにするには至らないとして、この数値計算の結果に対して慎重な数学者もいる。歴史上有名な数学者の中でもリーマン予想を疑っていた数学者はいる<ref>{{harvtxt|ダービーシャー|2004|pp=309, 411}}.</ref>。

数値計算手法がいくら進歩しても、その有限個の数値解の裏付けとして解析的に厳密な証明を与える必要があることには変わりない。

== リーマン予想の歴史 ==
*[[1859年]]にリーマンは論文「[[与えられた数より小さい素数の個数について]]」を発表し、その中でリーマン予想を提示した。リーマン自身はその証明を試みて成功しなかったことを認めているが、中間的な結果として[[ゼータ関数]]の自明でない零点の実数部が {{sfrac|1|2}} について対称であり、かつ 0 から 1 の間（境界を含む）にしか存在しないことを示していた。
*[[1896年]]に[[ド・ラ・ヴァレ・プーサン]]と[[ジャック・アダマール|アダマール]]が独立に[[素数定理]]を証明したが、それは[[ゼータ関数]]の自明でない零点の実数部が 1 になりえないことの証明によるものだった。よって自明でない零点の実数部の範囲は、境界を含まないところまで狭められた。
*[[1900年]]にパリで開かれた第2回[[国際数学者会議]]で[[ヒルベルト]]は数学上の未解決の問題23題（[[ヒルベルトの23の問題]]）を提起した。リーマン予想はこの内、素数の分布に関する8番目の問題に含まれている。
*[[1914年]]、[[ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディ|ハーディ]]と[[ジョン・エデンサー・リトルウッド|リトルウッド]]は Re ''s'' = {{sfrac|1|2}} 上に零点が無限に存在することを示した。ただし、この他に零点が存在する可能性は排除できていない。
*[[1972年]]、[[ヒュー・モンゴメリー]]と物理学者[[フリーマン・ダイソン]]が、ゼータ関数上の零点の分布の数式が、[[原子核]]のエネルギー間隔を表す式と一致することを示し、素数と[[核物理]]現象との関連性が示唆された。以降物理学者も含めてリーマン予想の研究が活発化する。
*[[1996年]]、[[シアトル]]で第1回'''世界リーマン予想会議'''が開催される。この中で[[アラン・コンヌ]]が素数問題と[[非可換幾何]]との関係性を示した。
*[[2000年]]に[[クレイ数学研究所]]は、リーマン予想の証明を含む数学の未解決問題7問に対してそれぞれ100万ドルの賞金を懸けた（[[ミレニアム懸賞問題]]）。

== リーマン予想から帰結する命題と同値命題 ==
リーマン予想を実際に使うに当たり、リーマン予想が成立すれば正しいことが知られている命題や、リーマン予想と同値であることが知られている性質を記載する。

=== 同値な命題 ===
*十分大きな任意の x に対し、
<p style="margin-left:2em"><math>|\pi(x)-\operatorname{li} x|\leq C\, \sqrt{x} \, \ln x</math></p>
が成り立つような定数 C が存在すること ([[#CITEREFvon Koch1901|Von Koch (1901)]])。ここに li x は[[対数積分]]を表す。これは
<p style="margin-left:2em"><math>\pi (x)=\operatorname{li} x+O(x^{\frac{1}{2}+\varepsilon} )</math></p>
と表現しても同じことである。ただし、O は[[ランダウの記号]]である。
*自然数 n の正の約数の和を σ(n)（[[約数函数]]）で表すとき、n > 5040 に対して
<p style="margin-left:2em"><math>\sigma (n)<e^\gamma n\ln \ln n</math></p>が成り立つこと {{harv|Robin|1984}}。ここに γ は[[オイラー定数]]を表す。
*任意の自然数 n に対して
<p style="margin-left:2em"><math>\sigma (n)\le H_n +e^{H_n} \ln H_n</math></p>
が成り立つこと {{harv|Lagarias|Jeffrey|2002}}。ここに H<sub>n</sub> は n 番目の[[調和数]]、すなわち<p style="margin-left:2em"><math>H_n =\sum_{k=1}^n \frac{1}{k}</math></p>で定義される有理数である。

=== 素数分布 ===
リーマンゼータ函数の零点を渡る項での[[素数定理|与えられた数よりも小さい素数の個数]]の[[リーマンの素数公式|リーマンの明示公式]]は、素数の期待値の周りの振動の大きさはゼータ函数の零点の実数部分により制御されるということになる。特に、[[素数定理]]のエラー項は零点の位置に密接に関連している。例えば、零点の実部の上限は、誤差が O(x<sup>β</sup>) となるような数 β の下限である {{harv|Ingham|1932}}。

[[#CITEREFvon Koch1901|Von Koch (1901)]] はリーマン予想と素数定理のエラーの「最もありうる」境界点が同値であることを証明した。
<!---=== Distribution of prime numbers ===
[[Riemann's explicit formula]] for [[prime counting function|the number of primes less than a given number]] in terms of a sum over the zeros of the Riemann zeta function says that the magnitude of the oscillations of primes around their expected position is controlled by the real parts of the zeros of the zeta function. In particular the error term in the [[prime number theorem]] is closely related to the position of the zeros: for example, the [[supremum]] of real parts of the zeros is the [[infimum]] of numbers β such that the error is O(''x''<sup>β</sup>){{harv|Ingham|1932}}.

[[#CITEREFvon Koch1901|Von Koch (1901)]] proved that the Riemann hypothesis is equivalent to the "best possible" bound for the error of the prime number theorem.-->
{{harvtxt|Schoenfeld|1976}}による、コッホの結果の詳細バージョンは、リーマン予想と次が同値であることを言っている。全ての x ≥ 2657 に対し、
:<math>|\pi (x)-\operatorname{Li} x|<\frac{1}{8\pi} \sqrt{x} \log x</math>
{{harvtxt|Schoenfeld|1976}} では、リーマン予想と次が同値であることも示されている。全ての x ≥ 73.2 に対して、
:<math>|\psi (x)-x|<\frac{1}{8\pi} \sqrt{x} (\log x)^2</math>
が成り立つ。ここに、ψ(x) は[[チェビシェフ関数|第二チェビシェフ函数]]である。
<!---A precise version of Koch's result, due to {{harvtxt|Schoenfeld|1976}}, says that the Riemann hypothesis is equivalent to
:<math>|\pi(x) - \operatorname{Li}(x)| < \frac{1}{8\pi} \sqrt{x} \log(x), \qquad \text{for all } x \ge 2657. </math>
{{harvtxt|Schoenfeld|1976}} also showed that the Riemann hypothesis is equivalent to
:<math>|\psi(x) - x| < \frac{1}{8\pi} \sqrt{x} \log^2(x), \qquad \text{for all } x \ge 73.2, </math>

where ''&psi;''(''x'') is [[Chebyshev function|Chebyshev's second function]].-->

=== 数論的函数の増加度 ===
リーマン予想は多くの他の数論函数と、上記の素数計数函数の増加度への強い境界制限を意味する。

一つ例を挙げると、[[メビウス関数|メビウス函数]] μ がある。実部が {{sfrac|1|2}} より大きな全ての s に対して、
:<math>\frac{1}{\zeta(s)} =\sum_{n=1}^\infty \frac{\mu(n)}{n^s}</math>
が成り立ち、右辺が収束することは、リーマン予想と同値である。このことから、もし{{仮リンク|メルテンス函数|en|Mertens function}}が、
:<math>M(x)=\sum_{n\le x} \mu (n)</math>
により定義されていると、全ての ε > 0 に対して、
:<math>M(x)=O(x^{\frac{1}{2}+\varepsilon})</math>
となることと、リーマン予想は同値である {{harv|Titchmarsh|1986}} と結論できる。（これらの記号の意味は、[[ランダウの記号]]を参照。）オーダー n の{{仮リンク|レッドヘファー行列|en|Redheffer matrix}}の行列式は M(n) に等しいので、リーマン予想はこの行列式の増加の条件として記述することができる。{{harvtxt|Odlyzko|te Riele|1985}} は、少し弱い{{仮リンク|メルテンス予想|en|Mertens conjecture}}が誤っていることを逆証明したので、リーマン予想は、M の増加の境界をより厳しく取っている。
:<math>|M(x)|\le \sqrt{x}</math>
<!---=== Growth of arithmetic functions ===
The Riemann hypothesis implies strong bounds on the growth of many other arithmetic functions, in addition to the primes counting function above.

One example involves the [[Möbius function]] μ. The statement that the equation

:<math>\frac{1}{\zeta(s)} = \sum_{n=1}^\infty \frac{\mu(n)}{n^s}</math>

is valid for every ''s'' with real part greater than 1/2, with the sum on the right hand side converging, is equivalent to the Riemann hypothesis. From this we can also conclude that if the [[Mertens function]] is defined by

:<math>M(x) = \sum_{n \le x} \mu(n)</math>

then the claim that

:<math>M(x) = O(x^{\frac{1}{2}+\varepsilon})</math>

for every positive ε is equivalent to the Riemann hypothesis {{harv|Titchmarsh|1986}}. (For the meaning of these symbols, see [[Big O notation]].) The determinant of the order ''n'' [[Redheffer matrix]] is equal to ''M''(''n''), so the Riemann hypothesis can also be stated as a condition on the growth of these determinants. The Riemann hypothesis puts a rather tight bound on the growth of ''M'', since {{harvtxt|Odlyzko|te Riele|1985}} disproved the slightly stronger [[Mertens conjecture]]

:<math>|M(x)| \le \sqrt x.</math>-->

リーマン予想は、μ(n) 以外の数論的函数の増加度についての多く予想と同値である。典型的な例として、ロビンの定理 ([[:en:Robin's theorem|Robin's theorem]]) {{harv|Robin|1984}} があり、この定理は、[[約数函数]] σ :
:<math>\sigma (n)=\sum_{d\mid n} d</math>
が与えられると、全ての n > 5040 について 
:<math>\sigma (n)<e^\gamma n\log \log n</math>
が成立することと、リーマン予想が正しいことと同値である。ここに γ は[[オイラーの定数]]である。

ほかにも、{{仮リンク|ジェローム・フラネル|en|Jérôme Franel}}による例と、[[エドムンド・ランダウ]]による拡張がある（{{harvtxt|Franel|Landau|1924}} を参照）。リーマン予想は、[[ファレイ数列]]の項が正規であることを示すいくつかの記述と同値である。そのような同値のうちの1つが次である。
:F<sub>n</sub> を自然数 n に対応するファレイ数列 ({{sfrac|1|n}}, …, {{sfrac|1|1}}) とすると、全ての ε > 0 に対し
::<math>\sum_{i=1}^m |F_n (i)-\tfrac{i}{m} |=O(n^{\frac{1}{2}+\epsilon})</math>
:であることと、リーマン予想は同値である。ここに、
::<math>m=\sum_{i=1}^n \phi (i)</math>
:は、n に対応するファレイ数列の項数とする。
群論の例としては、g(n) を n 次[[対称群]] S<sub>n</sub> の元の最大位数により与えられる{{仮リンク|ランダウ函数|en|Landau's function}}とすると、{{harvtxt|Massias|Nicolas|Robin|1988}} によると、リーマン予想は十分に大きい n に対する境界
:<math>\log g(n)<\sqrt{\operatorname{Li}^{-1} n}</math> 
に同値である。
<!---The Riemann hypothesis is equivalent to many other conjectures about the rate of growth of other arithmetic functions aside from μ(''n''). A typical example is [[Robin's theorem]] {{harv|Robin|1984}}, which states that if σ(''n'') is the [[divisor function]], given by
:<math>\sigma(n) = \sum_{d\mid n} d</math>
then
:<math>\sigma(n) < e^\gamma n \log \log n</math>
for all ''n'' > 5040 if and only if the Riemann hypothesis is true, where γ is the [[Euler–Mascheroni constant]].

Another example was found by [[Jérôme Franel]], and extended by [[Edmund Landau|Landau]] (see {{harvtxt|Franel|Landau|1924}}). The Riemann hypothesis is equivalent to several statements showing that the terms of the [[Farey sequence]] are fairly regular. One such equivalence is as follows: if ''F''<sub>''n''</sub> is the Farey sequence of order ''n'', beginning with 1/''n'' and up to 1/1, then the claim that for all ε > 0
:<math>\sum_{i=1}^m|F_n(i) - \tfrac{i}{m}| = O(n^{\frac{1}{2}+\epsilon})</math>
is equivalent to the Riemann hypothesis. Here 
:<math>m = \sum_{i=1}^n\phi(i)</math>
is the number of terms in the Farey sequence of order ''n''.

For an example from group theory, if ''g''(''n'') is [[Landau's function]] given by the maximal order of elements of the [[symmetric group]] ''S''<sub>''n''</sub> of degree ''n'', then {{harvtxt|Massias|Nicolas|Robin|1988}} showed that the Riemann hypothesis is equivalent to the bound
:<math>\log g(n) < \sqrt{\operatorname{Li}^{-1}(n)}</math> 
for all sufficiently large ''n''.-->

=== リンデロフ予想とゼータ函数の増加 ===
リーマン予想はリーマン予想よりも弱い結論を持っている。その一つがクリティカルライン上のゼータ函数の増加率についての'''{{仮リンク|リンデロフ予想|en|Lindelöf hypothesis}}'''である。任意の ε > 0 に対して、t → ∞ では
:<math>\zeta \left( \frac{1}{2} +it\right) =O(t^\varepsilon )</math>
となる。

リーマン予想はまた、他の帯状臨界領域でのゼータ函数の増加率の非常に鋭い境界を意味する。例えば、このことは、
:<math> e^\gamma \le \limsup_{t\rightarrow +\infty}\frac{|\zeta (1+it)|}{\log \log t} \le 2e^\gamma</math>
:<math>\frac{6}{\pi^2} e^\gamma \le \limsup_{t\rightarrow +\infty} \frac{1/|\zeta (1+it)|}{\log \log t} \le \frac{12}{\pi^2} e^\gamma</math>
を意味するので、ζ(1 + it) の増加率とその逆数は、2つの要素を除き知られている {{harv|Titchmarsh|1986}}。
<!---=== Lindelöf hypothesis and growth of the zeta function ===
The Riemann hypothesis has various weaker consequences as well; one is the '''[[Lindelöf hypothesis]]''' on the rate of growth of the zeta function on the critical line, which says that, for any ''ε'' > 0,
:<math>\zeta\left(\frac{1}{2} + it\right) = O(t^\varepsilon),</math>
as ''t'' → ∞.

The Riemann hypothesis also implies quite sharp bounds for the growth rate of the zeta function in other regions of the critical strip. For example, it implies that
:<math> e^\gamma\le \limsup_{t\rightarrow +\infty}\frac{|\zeta(1+it)|}{\log\log t}\le 2e^\gamma</math>
:<math> \frac{6}{\pi^2}e^\gamma\le \limsup_{t\rightarrow +\infty}\frac{1/|\zeta(1+it)|}{\log\log t}\le \frac{12}{\pi^2}e^\gamma</math>

so the growth rate of ζ(1+''it'') and its inverse would be known up to a factor of 2 {{harv|Titchmarsh|1986}}.-->

=== 大きな素数ギャップ予想 ===
素数定理は、平均すると、素数 p とそれより大きな素数の間の{{仮リンク|素数ギャップ|label=差|en|prime gap}}は log p であることを意味している。しかし、素数の間の差異は、平均よりも非常に大きいことがあるかもしれず、[[ハラルド・クラメール]](Harald Cramér)は、リーマン予想を前提とすると、全ての差異が <math>\mathcal{O}(\sqrt{p} \log{p})</math> であることを示した。この場合は、リーマン予想を使って証明できる最もよい境界を選んでも、正しいと思えるものよりも非常に弱い。{{仮リンク|クラメール予想|en|Cramér's conjecture}}は、全てのギャップは <math>\mathcal{O}((\log p)^2)</math> であり、このことは平均ギャップが大きくなる一方で、リーマン予想の意味するように境界は非常により小さくなることを意味している。数値的な根拠がクラメール予想を支持している {{harv|Nicely|1999}}。
<!---=== Large prime gap conjecture ===
The prime number theorem implies that on average, the [[prime gap|gap]] between the prime ''p'' and its successor is log&nbsp;''p''. However, some gaps between primes may be much larger than the average. [[Harald Cramér|Cramér]] proved that, assuming the Riemann hypothesis, every gap is ''O''(√''p''&nbsp;log&nbsp;''p''). This is a case in which even the best bound that can be proved using the Riemann Hypothesis is far weaker than what seems to be true: [[Cramér's conjecture]] implies that every gap is ''O''((log&nbsp;''p'')<sup>2</sup>) which, while larger than the average gap, is far smaller than the bound implied by the Riemann hypothesis. Numerical evidence supports Cramér's conjecture {{harv|Nicely|1999}}.-->

=== リーマン予想と同値な評価条件 ===
リーマン予想に同値な多くの命題が見つかっていて、今までそれらの内でどれも証明される（あるいは、誤りが証明される）ことへ向けての大きな前進はない。いくつかの典型的な例は下記のようになる。（他は、約数函数の漸近増加率 ([[:en:Divisor_function#Approximate_growth_rate|approximate growth rate of divisor function]]) σ(n) を含んでいる。）

{{仮リンク|リースの評価条件|en|Riesz criterion}}は、{{harvtxt|Riesz|1916}} で提出され、次の式の境界が全ての ε > 0 に対して成立することと、リーマン予想が成立することと同値であることを示した。
:<math>-\sum_{k=1}^\infty \frac{(-x)^k}{(k-1)! \zeta(2k)} = O\left( x^{\frac{1}{4}+\epsilon}\right)</math><!---

=== Criteria equivalent to the Riemann hypothesis= ==
Many statements equivalent to the Riemann hypothesis have been found, though so far none of them have led to much progress in proving (or disproving) it. Some typical examples are as follows. (Others involve the [[Divisor_function#Approximate_growth_rate|divisor function]] σ(''n'').)

The [[Riesz criterion]] was given by {{harvtxt|Riesz|1916}}, to the effect that the bound

:<math>-\sum_{k=1}^\infty \frac{(-x)^k}{(k-1)! \zeta(2k)}= O\left(x^{\frac{1}{4}+\epsilon}\right)</math>

holds for all ε > 0 if and only if the Riemann hypothesis holds.-->

{{harvtxt|Nyman|1950}} は、リーマン予想が成り立つことと、次の形の函数空間が単位区間上で二乗可積分函数のヒルベルト空間 L{{sup|2}}(0, 1) で稠密であることとが同値であることを示した。
:<math>f(x)=\sum_{\nu=1}^nc_\nu \rho \left( \frac{\theta_\nu} {x} \right)</math>
ここに ρ(z) は z のフラクタル部分で 0 ≤ θ{{sub|ν}} ≤ 1 であり、
:<math>\sum_{\nu =1}^nc_\nu \theta_\nu =0</math>
とする。{{harvtxt|Beurling|1955}} はこの結果を、ゼータ函数は実部が {{sfrac|1|p}} より大きな零点を持たないことと、この函数空間が L<sup>p</sup>(0, 1) の中で稠密であることを示すことで拡張した。

{{harvtxt|Salem|1953}} はリーマン予想が成立することと、{{sfrac|1|2}} < σ < 1 に対して、積分方程式
:<math>\int_0^\infty \frac{z^{-\sigma -1} \phi (z)\, dz}{{e^{x/z}} +1}=0</math>
が非自明な有界な解 φ を持たないことが同値であることを証明した。
<!---{{harvtxt|Nyman|1950}} proved that the Riemann Hypothesis is true if and only if the space of functions of the form
:<math>f(x) = \sum_{\nu=1}^nc_\nu\rho \left(\frac{\theta_\nu}{x} \right)</math>
where ρ(''z'') is the fractional part of ''z'', {{nowrap|0 ≤ θ<sub>ν</sub> ≤ 1}}, and
:<math>\sum_{\nu=1}^nc_\nu\theta_\nu=0</math>,
is dense in the Hilbert space ''L''<sup>2</sup>(0,1) of square-integrable functions on the unit interval.{{harvtxt|Beurling|1955}} extended this by showing that the zeta function has no zeros with real part greater than 1/''p'' if and only if this function space is dense in ''L<sup>p</sup>''(0,1)

{{harvtxt|Salem|1953}} showed that the Riemann hypothesis is true if and only if the integral equation
:<math>\int_{0}^\infty\frac{z^{-\sigma-1}\phi(z)\,dz}{{e^{x/z}}+1}=0 </math>
has no non-trivial bounded solutions <math>\phi</math> for <math>1/2<\sigma <1</math>.-->

{{仮リンク|ヴェイユの評価条件|en|Weil's criterion}}は、ある函数の正値性がリーマン予想と同値であることを言っている。{{仮リンク|リの評価条件|en|Li's criterion}}では、ある数列の正値性がリーマン予想と同値であることを言っている。

{{harvtxt|Speiser|1934}} では、リーマン予想と ζ(s) の導函数 ζ'(s) が次の帯状領域の中に零点を持たないことと同値であることを証明した。
:<math>0<\operatorname{Re} s<\frac12</math>
ζ が直線 Re s = {{sfrac|1|2}} 上にしか零点を持たないことは、（定義により）その導函数 ζ' が直線 Re s = {{sfrac|1|2}} 上に零点を持たないことと同値である。
<!--[[Weil's criterion]] is the statement that the positivity of a certain function is equivalent to the Riemann hypothesis. Related is [[Li's criterion]], a statement that the positivity of a certain sequence of numbers is equivalent to the Riemann hypothesis.

{{harvtxt|Speiser|1934}} proved that the Riemann hypothesis is equivalent to the statement that <math>\zeta'(s)</math>, the derivative of ζ(''s''), has no zeros in the strip
:<math>0 < \Re(s) < \frac12.</math>
That ζ has only simple zeros on the critical line is equivalent (by definition) to its derivative having no zeros on the critical line.-->

=== 一般化されたリーマン予想の結果 ===
応用として、リーマン予想というよりも数体のゼータ函数やディリクレのL-級数の[[一般化されたリーマン予想]]を使うものがある。リーマンゼータ函数の多くほ基本的性質は、容易にディリクレのL-級数全てへ一般化することができるので、リーマンのゼータ函数に対して証明された方法がディリクレのL-級数の一般化されたリーマン予想として活用できる。まず、一般化されたリーマン予想を使い証明されたいくつかの結果が、本来非常に難しかったのだが、リーマン予想を使わずに証明が後日与えられた。次のリストに記載した結果の多くは、{{harvtxt|Conrad|2010}} から取っている。
*1913年、グロンウォールは、一般化されたリーマン予想がガウスの[[類数問題|類数 1 の虚二次体のリスト]]が完全である。ベイカー、スタークやヒーグナーにより後日、一般化されたリーマン予想を使うことなしにこれを伝統とは違う方法で示した。
*1917年、ハーディとリトルウッドは、一般化されたリーマン予想がチェビシェフの予想
::<math>\lim_{x\to 1^-}\sum_{p>2} (-1)^{\frac{p+1}{2}} x^p =+\infty</math>
:を含んでいることを示した。この予想は、ある意味で、素数 3 mod 4 だけではなく、素数 1 mod 4 でも成立することを言っている。
*1923年、ハーディとリトルウッドは、一般化されたリーマン予想が奇素数に対する[[弱いゴールドバッハ予想|弱い形のゴルドバッハ予想]]を含んでいることを示した。全ての十分に大きな奇素数は、3つの素数の和で表される。1937年、ヴィノグラードフは（一般化されたリーマン予想を前提にしない）伝統的ではない方法で証明した。 1997年、{{仮リンク|ジャン・マーク・デショーラー|en|Jean-Marc Deshouillers}}、エフィンガー、テ・リエールとジノヴィエフは一般化されたリーマン予想が 5 よりも大きな全ての奇数が 3つの素数の和で記述されることを含んでいることを証明した。
*1934年、チョーラは、一般化されたリーマン予想が数論的数列 a mod m の第一の素数に対して、固定された定数 K が存在して、多くとも Km<sup>2</sup> log(m)<sup>2</sup> となることを示した。
*1967年、フーリィは、一般化されたリーマン予想が{{仮リンク|アルティンの原始根の予想|en|Artin's conjecture on primitive roots}}を含んでいることを証明した。
*1973年、ワインバーガーは、一般化されたリーマン予想が{{仮リンク|イドニール数|en|idoneal number}}のオイラーによるリストが完全であることを示した。
*{{harvtxt|Weinberger|1973}} は、代数的数体全てのゼータ函数の一般化されたリーマン予想が類数 1 の任意の数体が[[ユークリッド環]]であるか、判別式が &minus;19, &minus;43, &minus;67, もしくは &minus;163 である虚二次体であることを含んでいることを示した。
*1976年、G. ミラーは、一般化されたリーマン予想が[[ミラー-ラビン素数判定法]]により多項式倍での[[素数判定]]が可能であることを示した。2002年、マニンドラ・アグラワル、ニーラッジ・カヤル、ニティン・サクセーナはこの結果を伝統的な方法ではなく、[[AKS素数判定法]]を使い証明した。
*{{harvtxt|Odlyzko|1990}} は、どのように一般化されたリーマン予想を使い、数体の判別式と類数の見積もりをより改善することができるかを議論している。
*{{harvtxt|Ono|Soundararajan|1997}} は、一般化されたリーマン予想が{{仮リンク|ラマヌジャンの三項の二次形式|en|Ramanujan's ternary quadratic form}} x<sup>2</sup> + y<sup>2</sup> + 10z<sup>2</sup> が、18 だけを除き、全ての整数を表すことができることを意味することを示した。
<!--=== Consequences of the generalized Riemann hypothesis ===
Several applications use the generalized Riemann hypothesis for Dirichlet L-series or zeta functions of number fields rather than just the Riemann hypothesis. Many basic properties of the Riemann zeta function can easily be generalized to all Dirichlet L-series, so it is plausible that a method that proves the Riemann hypothesis for the Riemann zeta function would also work for the generalized Riemann hypothesis for Dirichlet L-functions. Several results first proved using the generalized Riemann hypothesis were later given unconditional proofs without using it, though these were usually much harder. Many of the consequences on the following list are taken from {{harvtxt|Conrad|2010}}.
*In 1913, Gronwall showed that the generalized Riemann hypothesis implies that Gauss's [[class number problem|list of imaginary quadratic fields with class number 1]] is complete, though Baker, Stark and Heegner later gave unconditional proofs of this without using the generalized Riemann hypothesis.
*In 1917, Hardy and Littlewood showed that the generalized Riemann hypothesis implies a conjecture of Chebyshev that
::<math>\lim_{x\to 1^-}\sum_{p>2}(-1)^{(p+1)/2}x^p=+\infty,</math>
:which says that in some sense primes 3 mod 4 are more common than primes 1 mod 4.
*In 1923 Hardy and Littlewood showed that the generalized Riemann hypothesis implies a weak form of the [[Goldbach conjecture]] for odd numbers: that every sufficiently large odd number is the sum of three primes, though in 1937 Vinogradov gave an unconditional proof. In 1997 [[Jean-Marc Deshouillers|Deshouillers]], Effinger, te Riele, and Zinoviev showed that the generalized Riemann hypothesis implies that every odd number greater than 5 is the sum of three primes.
*In 1934, Chowla showed that the generalized Riemann hypothesis implies that the first prime in the arithmetic progression ''a'' mod ''m'' is at most ''Km''<sup>2</sup>log(''m'')<sup>2</sup> for some fixed constant ''K''.
*In 1967, Hooley showed that the generalized Riemann hypothesis implies [[Artin's conjecture on primitive roots]].
*In 1973, Weinberger showed that the generalized Riemann hypothesis implies that Euler's list of [[idoneal number]]s is complete.
*{{harvtxt|Weinberger|1973}} showed that the generalized Riemann hypothesis for the zeta functions of all algebraic number fields implies that any number field with class number 1 is either [[Euclidean domain|Euclidean]] or an imaginary quadratic number field of discriminant −19, −43, −67, or −163.
*In 1976, G. Miller showed that the generalized Riemann hypothesis implies that one can [[primality test|test if a number is prime]] in polynomial time via the [[Miller–Rabin primality test|Miller test]]. In 2002, Manindra Agrawal, Neeraj Kayal and Nitin Saxena proved this result unconditionally using the [[AKS primality test]].
*{{harvtxt|Odlyzko|1990}} discussed how the generalized Riemann hypothesis can be used to give sharper estimates for discriminants and class numbers of number fields.
*{{harvtxt|Ono|Soundararajan|1997}} showed that the generalized Riemann hypothesis implies that [[Ramanujan's ternary quadratic form|Ramanujan's integral quadratic form]] ''x''<sup>2</sup> +''y''<sup>2</sup> + 10''z''<sup>2</sup> represents all integers that it represents locally, with exactly 18 exceptions.-->

=== 排中律 ===
リーマン予想の結果の中には、リーマン予想を否定して矛盾を導くことで結果とするものもあり、これが定理となっている。[[#ガウスの類数予想|ヘッケ(Hecke)、ドイリング(Deuring)、モルデル(Mordell)、ヘイルブロン(Heilbronn)の定理]]の議論の中で、{{harv|Ireland|Rosen|1990|p=359}} は次のように言っている。

<blockquote>ここの証明の方法は本当に驚くべきものである。もし一般化されたリーマン予想が正しいならば、この定理は正しい。もし一般化されたリーマン予想が誤りでも、この定理は正しい。従って、この定理は正しい！！ &nbsp; &nbsp;（オリジナルでの句読点）</blockquote>

一般化されたリーマン予想が誤っているということの意味を理解するには注意を要する。正確にどのディリクレ級数のクラスが反例となるかを特定する必要がある。
<!---===Excluded middle===
Some consequences of the RH are also consequences of its negation, and are thus theorems. In their discussion of the [[#Gauss's class number conjecture|Hecke, Deuring, Mordell, Heilbronn theorem]], {{harv|Ireland|Rosen|1990|p=359}} say

<blockquote>The method of proof here is truly amazing. If the generalized Riemann  hypothesis is true, then the theorem is true. If the generalized Riemann  hypothesis is false, then the theorem is true. Thus, the theorem is true!! &nbsp; &nbsp; (punctuation in original)</blockquote>

Care should be taken to understand what is meant by saying the generalized Riemann hypothesis is false: one should specify exactly which class of Dirichlet series has a counterexample.-->

==== リトルウッドの定理 ====
これは[[素数定理]]のエラー符号に関係している。全ての x ≤ 10<sup>23</sup> に対し π(x) < Li(x) であることが計算されており、x の値は π(x) > Li(x) ではないことが知られている。[[:en:Prime_number_theorem#Table_of_.CF.80.28x.29.2C_x_.2F_ln_x.2C_and_li.28x.29|π(x), x/ln x, li(x)の一覧表]]を参照。

しかしながら、1914年、リトルウッドは任意の大きな x に対し
:<math>\pi (x)>\operatorname{Li} x+\frac13 \frac{\sqrt x}{\log x} \log \log \log x</math>
となり、任意の大きな x に対し
:<math>\pi (x)<\operatorname{Li} x-\frac13 \frac{\sqrt x}{\log x} \log\log\log x</math>
となりうることを証明した。従って、π(x) &minus; Li x の差異は無限回にわたり符号を変える。[[スキューズ数]]は、最初に符号を変えることに対応する x の値の見積もりである。

リトルウッドの証明は 2つの場合に分かれ、一つはリーマン予想を前提とすることは誤りであり（ {{harvnb|Ingham|1932|loc=Chapt. V}}のページのおよそ半分）、もう一つはリーマン予想を前提とすると正しい（およそ10ページ）となっている。
<!---==== Littlewood's theorem ====
This concerns the sign of the error in the [[prime number theorem]].
It has been computed that π(''x'') < Li(''x'') for all ''x'' ≤ 10<sup>23</sup>, and no value of ''x'' is known for which π(''x'') > Li(''x''). See this [[Prime_number_theorem#Table_of_.CF.80.28x.29.2C_x_.2F_ln_x.2C_and_li.28x.29|table]].

In 1914 Littlewood proved that there are arbitrarily large values of ''x'' for which
:<math>\pi(x)>\operatorname{Li}(x) +\frac13\frac{\sqrt x}{\log x}\log\log\log x,</math>
and that there are also arbitrarily large values of ''x'' for which
:<math>\pi(x)<\operatorname{Li}(x) -\frac13\frac{\sqrt x}{\log x}\log\log\log x.</math>
Thus the difference π(''x'') − Li(''x'') changes sign infinitely many times. [[Skewes' number]] is an estimate of the value of ''x'' corresponding to the first sign change.

Littlewood's proof is divided into two cases: the RH is assumed to be false (about half a page of {{harvnb|Ingham|1932|loc=Chapt. V}}), and the RH is assumed to be true (about a dozen pages).-->

==== ガウスの類数予想 ====
{{main|類数問題}}
これは、[[類数問題]](Class number problem)という予想であり（最初に言及したのはガウスの [[Disquisitiones Arithmeticae]] の記事 303 である）、そこには与えられた類数をもつ虚二次体の数は有限でしかないことが記載されている。このことを証明する方法の一つは、判別式が D →  −∞ となるときに、類数 h(D) →  ∞ となるであろうことが示されている。

リーマン予想も含めて、一連の定理は、{{Harvnb|Ireland|Rosen|1990|pp=358–361}}に記載されている。引用すると、

<blockquote>'''定理（ヘッケ (Hecke); 1918）．''' D < 0 を虚二次体 K の判別式とする。全ての虚二次体のディリクレ指標のL-函数についての一般化されたリーマン予想を前提とすると、ある定数 C が存在して、
:<math>h(D)>C\frac{\sqrt{|D|}}{\log |D|}</math>
となる。</blockquote>

<blockquote>'''定理 (ドイリング (Deuring); 1933)．''' リーマン予想を偽と仮定すると、|D| が十分に大きいと h(D) > 1 である。</blockquote>
<blockquote>'''定理 (モルデル (Mordell); 1934)．''' リーマン予想を偽と仮定すると、h(D)  → ∞ となるとき、D →  −∞ となる。</blockquote>
<blockquote>'''定理 (ハイルブロン (Heilbronn); 1934)．''' 一般化されたリーマン予想が偽であると仮定すると、ある虚二次体のディリクレ指標のL-函数に対して、h(D) →  ∞ であるときに、D →  −∞ となる。</blockquote>

（ヘッケとハイルブロンの仕事の中では、 L-函数は虚二次体の指標についてのL-函数だけであり、一般化されたリーマン予想が正しいか、誤っているかを問題としている。厳密には、3次のディリクレ指標のL-函数についての一般化されたリーマン予想が誤っているということは、一般化されたリーマン予想が誤りであることを意味する。しかし、ヘイルブロンの考えの中での一般化されたリーマン予想が誤っているということの一つではないので、彼の前提は単純な「一般化されたリーマン予想の誤り」というよりも限定されたものであった。）

1935年、[[カール・ジーゲル]]は、リーマン予想や一般化されたリーマン予想を使わずにより強い結果を示した。
<!---==== Gauss's class number conjecture ====
This is the [[Class number problem|conjecture]] (first stated in article 303 of Gauss's [[Disquisitiones Arithmeticae]])  that there are only a finite number of imaginary quadratic fields with a given class number. One way to prove it would be to show that as the discriminant ''D'' → −∞ the class number ''h''(''D'') →  ∞. 

The following sequence of theorems involving the Riemann hypothesis is described in {{Harvnb|Ireland|Rosen|1990|pp=358–361}}:

<blockquote>'''Theorem (Hecke; 1918).''' Let ''D'' < 0 be the discriminant of an imaginary quadratic number field ''K''. Assume the generalized Riemann hypothesis for ''L''-functions of all imaginary quadratic Dirichlet characters. Then there is an absolute constant ''C'' such that
:<math>h(D) > C\frac{\sqrt{|D|}}{\log |D|}.</math></blockquote>

<blockquote>'''Theorem (Deuring; 1933).''' If the RH is false then ''h''(''D'') > 1 if |''D''| is sufficiently large.</blockquote>
<blockquote>'''Theorem (Mordell; 1934).''' If the RH is false then ''h''(''D'') → ∞ as ''D'' → −∞.</blockquote>

<blockquote>'''Theorem (Heilbronn; 1934).''' If the generalized RH is false for the ''L''-function of some imaginary quadratic Dirichlet character then ''h''(''D'') → ∞ as ''D'' → −∞.</blockquote>

(In the work of Hecke and Heilbronn, the only ''L''-functions that occur are those attached to imaginary quadratic characters, and it is only for those ''L''-functions that ''GRH is true'' or ''GRH is false'' is intended; a failure of GRH for the ''L''-function of a cubic Dirichlet character would, strictly speaking, mean GRH is false, but that was not the kind of failure of GRH that Heilbronn had in mind, so his assumption was more restricted than simply ''GRH is false''.) 

In 1935, [[Carl Siegel]] later strengthened the result without using RH or GRH in any way.-->

==== オイラーのトーシェント函数 ====
1983年、J. L. ニコラスは {{harv|Ribenboim|1996|p=320}} で、無限に多くの n に対し、
:<math>\varphi(n) < e^{-\gamma}\frac {n} {\log \log n} </math>
となることを証明した。ここに <math>\varphi(n)</math> は[[オイラーのφ関数|オイラーの（トーシェント）函数]]であり、γ は[[オイラーの定数]]である。

リーベンボイムは次のように注意している。
<blockquote>証明の方法が興味深く、不等式はまずはリーマン予想が正しいことを前提として示され、次にはリーマン予想が誤りであることを前提にしている。
</blockquote>
<!---==== Growth of Euler's totient ====
In 1983 J. L. Nicolas proved {{harv|Ribenboim|1996|p=320}} that

:<math>\phi(n) < e^{-\gamma}\frac  {n} {\log \log n} </math>

for infinitely many ''n'', where φ(''n'') is [[Euler's totient function]] and γ is [[Euler's constant]].
 
Ribenboim remarks that:
 
<blockquote>The method of proof is interesting, in that the inequality is shown first under the assumption that the Riemann hypothesis is true, secondly under the contrary assumption.
</blockquote>-->

== リーマン予想の一般化と類似する予想 ==
=== ディリクレのL-級数と他の数体 ===
リーマン予想は、リーマンのゼータ函数を形式的には似ているが非常に一般的な[[L-函数]]に置き換えることで一般化することができる。この幅広い設定では、一般的なL-函数の非自明なゼロ点が、実部が 1/2 を持っていることを期待できる。単にリーマンのゼータ函数に対する古典的なリーマン予想というよりも、これらの一般化されたリーマン予想が数学で真の重要性を持っていると考えられている。

[[一般化されたリーマン予想]] (generalized Riemann hypothesis) は、全ての[[ディリクレのL関数|ディリクレのL-函数]]へリーマン予想が拡張される。特に、このことは{{仮リンク|ジーゲルの零点|en|Siegel zero}} (Siegel zero) の実部が {{sfrac|1|2}} と 1 の間に存在しないという予想を意味している。

[[一般化されたリーマン予想#拡張されたリーマン予想|拡張されたリーマン予想]](extended Riemann hypothesis)は、リーマン予想を[[代数体]]の全ての[[デデキントゼータ函数|デデキントのゼータ函数]]へと拡張したものである。有理数の可換拡大の拡張されたリーマン予想は、一般化されたリーマン予想と同値である。リーマン予想は数体の[[ヘッケ指標]](Hecke character) のL-函数へ拡張することもできる。

{{仮リンク|大リーマン予想|en|grand Riemann hypothesis}}は、{{仮リンク|ヘッケ固有形式|en|Hecke eigenform}} (Hecke eigenform) の[[メリン変換]]のように、全ての[[保型形式のL-函数|保型形式のゼータ函数]]へリーマン予想を拡張したものである。
<!---The Riemann hypothesis can be generalized by replacing the Riemann zeta function by the formally similar, but much more general, global [[L-function]]s. In this broader setting, one expects the non-trivial zeros of the global ''L''-functions to have real part 1/2. It is these conjectures, rather than the classical Riemann hypothesis only for the single Riemann zeta function, which accounts for the true importance of the Riemann hypothesis in mathematics.

The [[generalized Riemann hypothesis]] extends the Riemann hypothesis to all [[Dirichlet L-function]]s. In particular it implies the conjecture that [[Siegel zero]]s (zeros of ''L''-functions between 1/2 and 1) do not exist.

The [[extended Riemann hypothesis]] extends the Riemann hypothesis to all [[Dedekind zeta function]]s of [[algebraic number field]]s. The extended Riemann hypothesis for abelian extension of the rationals is equivalent to the generalized Riemann hypothesis. The Riemann hypothesis can also be extended to the ''L''-functions of [[Hecke character]]s of number fields.

The [[grand Riemann hypothesis]] extends it to all automorphic zeta functions, such as [[Mellin transform]]s of [[Hecke eigenform]]s.-->

=== 有限体上の多様体の函数体とゼータ函数 ===
{{harvtxt|Artin|1924}} では、（4次の）[[代数多様体の函数体]]のゼータ函数が導入され、これらに対するリーマン予想に類似することが予想され、Hasse によって種数が 1 のときに証明され、{{harvtxt|Weil|1948}} で一般的に証明された。例えば、[[ガウス和]]のサイズが q（ q が奇数）の[[有限体]]の二次指標は絶対値を持っている。
:<math>\sqrt{q}</math>
は、函数体の設定でのリーマン予想の例となっている。このから、{{harvtxt|Weil|1949}} の中では、全ての[[代数多様体]]に対する類似の予想を導いた。その結果である[[ヴェイユ予想]]は、{{harvs|txt|first=Pierre|last=Deligne|authorlink=Pierre Deligne|year1=1974|year2=1980}} により証明された。

=== 数論的スキームとそれらのL-因子の数論的ゼータ函数 ===
[[数論的ゼータ函数]]は、有限体上の多様体のゼータ函数を任意の数論的スキーム（概型）や整数上の有限型のスキームへ拡張したように、リーマンのゼータ函数やデデキントのゼータ関数を一般化したものである。正規連結なクロネッカー次元 ''n'' と等次元の数論的ゼータ函数は適切に定義されたL-因子 (L-factor) と任意の因子との積へ分解できる {{harvs|txt|first=Jean-Pierre|last=Serre|authorlink=J.-P. Serre|year1=1970}}。函数等式と解析接続を仮定すると、L-因子に対する一般化されたリーマン予想は、その零点が帯状臨界領域 <math>\operatorname{Re} s\in (0,n)</math> の中心線上にあることを言っている。対応して、背式連結等次元な数論的スキームの一般化されたリーマン予想は、その零点が帯状臨界領域の垂直線 Re ''s'' = {{sfrac|1|2}}, {{sfrac|3|2}}, …, ''n'' &minus; {{sfrac|1|2}} の上にあり、その[[極 (複素解析)|極]]が垂直線 Re ''s'' = 1, 2, …, ''n'' &minus; 1 上の帯状臨界領域の内側にあることを言っている。正の標数のスキームに対してこれは知られていて、このことは {{harvs|txt|first=Pierre|last=Deligne|authorlink=Pierre Deligne|year1=1974|year2=1980}} から得られるが、しかし、標数 0 の場合は分かっていない。

===セルバーグのゼータ函数===
{{harvtxt|Selberg|1956}} では、リーマン面の[[セルバーグゼータ函数|セルバーグのゼータ函数]]が導入された。これらはリーマンのゼータ函数に似ていて、函数等式をもち、素数を渡るというよりも閉測地線を渡るオイラー積に似た無限積を持っている。[[セルバーグ跡公式]]は素数の理論の[[明示公式]]の類似物である。セルバーグは、セルバーグのゼータ函数が、リーマン面の[[ラプラス作用素|ラプラシアン]]の固有値に関係するゼロ点の虚部について、リーマン予想の類似を満たすことを証明した。

===伊原ゼータ函数===
有限グラフの{{仮リンク|伊原ゼータ函数|en|Ihara zeta function}}は、セルバーグゼータ函数の類似で、伊原康隆により導入された。正規な有限グラフは、{{仮リンク|ラマヌジャングラフ|en|Ramanujan graph}}で、有効な通信ネットワークの数学的モデルであることと、[[砂田利一]]が指摘しているように、伊原ゼータ函数がリーマン予想の類似を満たすことと同値である。
<!---=== Ihara zeta functions ===
The [[Ihara zeta function]] of a finite graph is an analogue of the Selberg zeta function introduced by Yasutaka Ihara. A regular finite graph is a [[Ramanujan graph]], a mathematical model of efficient communication networks, if and only if its Ihara zeta function satisfies the analogue of the Riemann hypothesis as was pointed out by [[Toshikazu Sunada|T. Sunada]].-->

=== モンゴメリーのペア相関予想 ===
{{harvtxt|Montgomery|1973}} では、[[モンゴメリー・オドリズコ予想|ペア相関予想]]が示唆されている。この予想は、ゼータ函数の（適切に正規化された）ゼロ点の相関函数は、[[ガウス型アンサンブル|GUEエルミート行列]]の固有値に相関函数と同じではないかという予想である。{{harvtxt|Odlyzko|1987}} は、これらの相関函数がこれが大きなスケールの数の計算により（この予想が）支持されていることを示した。

モンゴメリは（リーマン予想を前提とすると）少なくとも全体の零点の {{sfrac|2|3}} は単純であることを示し、関連する予想はゼータ函数の全ての零点は単純であろう（もしくは、もっと一般的には、それらの虚数部の間には非自明な整数の線型関係はないであろう）というものである。代数体の[[デデキントゼータ函数]]は、リーマンのゼータ函数を一般化したものであるが、ときには重複したゼロ点を持つ。{{citation needed|date=March 2011}} この理由は、デデキントゼータ函数が、[[アルティンのL-函数]]のベキの積として分解することにあり、従って、アルティンのL-函数のゼロ点はしばしばデデキントのゼータ函数の重複したゼロ点となる。重複したゼロ点を持つゼータ函数の別な例として、ある[[楕円曲線]]のL-函数がある。これらのことは、クリティカルラインの実際の点での重複したゼロ点を持つことができる。[[バーチ・スウィンナートン＝ダイアー予想]]は、このゼロ点の多重度が楕円曲線のランクであることを予想している。
<!---{{harvtxt|Montgomery|1973}} suggested the [[pair correlation conjecture]] that the correlation functions of the (suitably normalized) zeros of the zeta function should be the same as those of the eigenvalues of a [[Gaussian unitary ensemble|random hermitian matrix]]. {{harvtxt|Odlyzko|1987}} showed that this is supported by large scale numerical calculations of these correlation functions.

Montgomery showed that (assuming the Riemann hypothesis) at least 2/3 of all zeros are simple, and a related conjecture is that all zeros of the zeta function are simple (or more generally have no non-trivial integer linear relations between their imaginary parts). [[Dedekind zeta function]]s of algebraic number fields, which generalize the Riemann zeta function, often do have multiple complex zeros.{{citation needed|date=March 2011}} This is because the Dedekind zeta functions factorize as a product of powers of [[Artin L-function]]s, so zeros of Artin L-functions sometimes give rise to multiple zeros of Dedekind zeta functions. Other examples of zeta functions with multiple zeros are the L-functions of some [[elliptic curve]]s: these can have multiple zeros at the real point of their critical line; the [[Birch-Swinnerton-Dyer conjecture]] predicts that the multiplicity of this zero is the rank of the elliptic curve.-->

=== その他のゼータ函数 ===
リーマン予想の類似は他の[[ゼータ函数]]にも多くの例があり、それらのうちのいくつかは既に証明されている。函数体の{{仮リンク|ゴスのゼータ函数|en|Goss zeta function}} (Goss zeta function) にもリーマン予想があり、{{harvtxt|Sheats|1998}} で証明された。[[バリー・メイザー]] (Barry Mazur) と[[アンドリュー・ワイルズ]] (Andrew Wiles) によって[[円分体]]に対して証明され、ワイルズにより[[代数体#共役体|総実体]]に対して証明された[[岩澤理論]]の[[岩澤理論#岩澤主予想|主予想]]は、作用素の固有値を持つ {{仮リンク|p-進 L-函数|en|p-adic L-function}}の零点と一致し、従って p-進 L-函数に対する[[ヒルベルト・ポリア予想]]の類似物と考えることができる {{harv|Wiles|2000}}。
<!--There are [[zeta function|many other examples]] of zeta functions with analogues of the Riemann hypothesis, some of which have been proved. [[Goss zeta function]]s of function fields have a Riemann hypothesis, proved by {{harvtxt|Sheats|1998}}. The main conjecture of [[Iwasawa theory]], proved by [[Barry Mazur]] and [[Andrew Wiles]] for [[cyclotomic field]]s, and Wiles for [[totally real number field|totally real fields]], identifies the zeros of a ''p''-adic ''L''-function with the eigenvalues of an operator, so can be thought of as an analogue of the [[Hilbert–Pólya conjecture]] for [[p-adic L-function|''p''-adic ''L''-functions]] {{harv|Wiles|2000}}.-->

== リーマン予想の証明への試み==
何人かの数学者がリーマン予想を解こうとしたが、未だに誰も正しい解として受け入れられたものはない。{{harvtxt|Watkins|2007}} にはいくつかの誤った解がリストアップされていて、さらに [http://arxiv.org/find/grp_math/1/AND+ti:+AND+Riemann+hypothesis+subj:+AND+General+mathematics/0/1/0/all/0/1 frequently announced] には、リーマン予想についてリストが常に更新されている。

=== 作用素理論 ===
{{main|ヒルベルト・ポリア予想}}
ヒルベルトとポリヤは、リーマン予想の証明はある[[エルミート作用素|自己随伴作用素]](self-adjoint operator)を見つけることにより得られるのではないかと示唆した。自己随伴作用素の存在からは、''ζ''(''s'') のゼロ点の実部が一直線になるということは、（自己随伴作用素の）実数の[[固有値]]への条件を与えることから導ける。ある作用素の固有値に対応する零点を持つリーマンゼータ函数の類似の例は、このアイデアを支持する。有限体上の代数多様体のゼータ函数（合同ゼータ函数）の零点は、[[エタール・コホモロジー]]群上の[[フロベニウス元]]に対応し、[[セルバーグゼータ函数]]の零点は、[[リーマン面]]の[[ラプラス作用素]]の固有値であり、{{仮リンク|p-進ゼータ函数|en|P-adic L-function}}の零点は、[[イデアル類群]]上のガロア作用の固有ベクトルに対応する。
<!---Hilbert and Polya suggested that one way to derive the Riemann hypothesis would be to find a [[self-adjoint operator]], from the existence of which the statement on the real parts of the zeros of ζ(''s'') would follow when one applies the criterion on real [[eigenvalue]]s. Some support for this idea comes from several analogues of the Riemann zeta functions whose zeros correspond to eigenvalues of some operator: the zeros of a zeta function of a variety over a finite field correspond to eigenvalues of a [[Frobenius element]] on an [[étale cohomology]] group, the zeros of a [[Selberg zeta function]] are eigenvalues of a [[Laplacian operator]] of a Riemann surface, and the zeros of a [[p-adic zeta function]] correspond to eigenvectors of a Galois action on [[ideal class group]]s.-->

{{harvtxt|Odlyzko|1987}}は、[[ガウス型アンサンブル|ガウス型ユニタリアンサンブル]]の[[ランダム行列]]の固有値を持つという統計的性質を、リーマンゼータ函数のゼロ点の分布が持っていることを示した。このことは[[ヒルベルト・ポリア予想]]を支持している。
<!---{{harvtxt|Odlyzko|1987}} showed that the distribution of the zeros of the Riemann zeta function shares some statistical properties with the eigenvalues of [[random matrices]] drawn from the [[Gaussian unitary ensemble]]. This gives some support to the Hilbert–Pólya conjecture.-->

1999年、[[マイケル・ベリー]](Michael Berry)と{{仮リンク|ジョン・キーティング|en|Jon Keating}} (Jon Keating) は、未だに知られていない古典的ハミルトニアン H = xp の量子化 <math>\hat H</math> で、
:<math>\zeta (\frac{1}{2} +i\hat H )=0</math>
となっているものが存在するのではと予想した。さらに強く、リーマンのゼロ点は作用素 <math>\frac{1}{2} +i\hat H</math> のスペクトルに一致するのではと予想した。このことは、ハイゼンベルグ[[不確定性原理]] <math>[x,p]=\frac{1}{2}</math> と{{仮リンク|量子調和振動子|en|quantum harmonic oscillator}}のスペクトルとしての[[自然数]]を導く[[正準量子化]]と比較される。ここで決定的に重要な点は、ハミルトニアンは自己随伴作用素であり、量子化がヒルベルト・ポリヤのプログラムの実現になることである。量子力学との関係で、ベリーとコンヌは、ハミルトニアンのポテンシャルの逆が次の函数から導かれるものに関連しているのではないかと提案している。
:<math> N(s)=\frac{1}{\pi} \operatorname{Arg} \xi (\frac{1}{2} +i\sqrt s)</math> 
ベリーとコンヌの近似は、
:<math>V^{-1}(x)=\sqrt{4\pi} \frac{d^{\frac{1}{2}}N(x)}{dx^{\frac{1}{2}}}</math> 
{{harv|Connes|1999}} である。このことは、リーマンのゼロの虚部の[[自乗|2乗]]が固有値であるようなハミルトニアンがあり、ハミルトニアン作用素の汎函数の行列式がまさに[[リーマンゼータ函数]]であることを主張している。事実、リーマンのゼータ函数は、次のアダマール積 (Hadamard product) に比例していることになる。
:<math>\det(H+\frac{1}{4} +s(s-1))</math> 
これはコンヌや他の人により証明され、このアプローチでは
:<math>\frac{\xi (s)}{\xi (0)} =\frac{\det (H+s(s-1)+\frac{1}{4})}{\det (H+\frac{1}{4})}</math>.
となる。
<!--In 1999, [[Michael Berry (physicist)|Michael Berry]] and [[Jon Keating]] conjectured that there is some unknown quantization <math>\hat H</math> of the classical Hamiltonian ''H'' = ''xp'' so that
:<math>\zeta (1/2+i\hat H)=0</math>
and even more strongly, that the Riemann zeros coincide with the spectrum of the operator <math>1/2 + i \hat H</math>. This is to be contrasted to [[canonical quantization]] which leads to the [[Heisenberg uncertainty principle]] <math>[x,p]=1/2</math> and the [[natural numbers]] as spectrum of the [[quantum harmonic oscillator]]. The crucial point is that the Hamiltonian should be a self-adjoint operator so that the quantization would be a realization of the Hilbert–Pólya program. In a connection with this quantum mechanical problem Berry and Connes had proposed that the inverse of the potential of the Hamiltonian is connected to the half-derivative of the function 
:<math> N(s)= \frac{1}{\pi}\operatorname{Arg}\xi(1/2+i\sqrt s)</math> 
then, in Berry–Connes approach 
:<math> V^{-1}(x) = \sqrt{4\pi} \frac{d^{1/2}N(x)}{dx^{1/2}} </math> 

{{harv|Connes|1999}}. This yields to a Hamiltonian whose eigenvalues are the square of the imaginary part of the Riemann zeros, and also the functional determinant of this Hamiltonian operator is just the [[Riemann Xi function]]. In fact the Riemann Xi function would be proportional to the functional determinant (Hadamard product) 
:<math> \det(H+1/4+s(s-1)) </math> 
as proven by Connes and others, in this approach 
:<math> \frac{\xi (s)}{\xi (0)}=\frac{\det (H+s(s-1)+\frac{1}{4})}{\det (H+\frac{1}{4})}</math>.-->
有限体上のリーマン予想の類似物は、零点に対応する連続固有ベクトルを持つヒルベルト空間は、整数の[[環のスペクトル|スペクトル]]の第一コホモロジーの一種かもしれない {{harvtxt|Deninger|1998}} ので、そのようなコホモロジー理論を見つけようとする試みから記述される {{harv|Leichtnam|2005}}。
<!--The analogy with the Riemann hypothesis over finite fields suggests that the Hilbert space containing eigenvectors corresponding to the zeros might be some sort of first cohomology group of the [[spectrum of a ring|spectrum]] Spec('''Z''') of the integers. {{harvtxt|Deninger|1998}} described some of the attempts to find such a cohomology theory {{harv|Leichtnam|2005}}.-->

{{harvtxt|Zagier|1981}} は、リーマンゼータ函数のゼロ点に対応する[[ラプラス作用素|ラプラシアン]]の下の固有値を持つ上半平面上の不変函数の自然な空間を構成し、この空間はリーマン予想が帰結するであろう半正定値内積の存在を示すことができるのではないかという注意をした。<!---{{harvtxt|Cartier|1982}} はこのことと関連する事例を、同じラプラシアンの作用素の固有値としてリーマンのゼータ函数の計算機でリストアップされたゼロ点が、奇妙なバグのためにあるのでないかと議論した。-->
<!--
{{harvtxt|Zagier|1983}} constructed a natural space of invariant functions on the upper half plane which has eigenvalues under the Laplacian operator corresponding to zeros of the Riemann zeta function, and remarked that in the unlikely event that one could show the existence of a suitable positive definite inner product on this space the Riemann hypothesis would follow. {{harvtxt|Cartier|1982}} discussed a related example, where due to a bizarre bug a computer program listed zeros of the Riemann zeta function as eigenvalues of the same Laplacian operator.-->

{{harvtxt|Schumayer|Hutchinson|2011}} のサーベイは、リーマンゼータ函数に関連する適当な物理的なモデルを構成するいくつかの試みについて記載されている。
<!--{{harvtxt|Schumayer|Hutchinson|2011}} surveyed some of the attempts to construct a suitable physical model related to the Riemann zeta function.-->

=== リー・ヤンの定理 ===
[[リー・ヤンの定理]]は、統計力学的なある分配函数の全ての零点が、実部が 0 の「臨界直線」上にあることを言っていて、これはリーマン予想との関係についてある見方を与える {{harv|Knauf|1999}}。

=== トゥラン (Turán) の結果===
<!--{{harvs|authorlink=Pál Turán|first=Pál |last=Turán|year=1948|txt}} showed that if the functions
:<math>\sum_{n=1}^N n^{-s}</math>
have no zeros when the real part of ''s'' is greater than one then
:<math>T(x)=\sum_{n\le x}\frac{\lambda(n)}{n}\ge 0\text{ for } x > 0,</math>
where λ(''n'') is the [[Liouville function]] given by (−1)<sup>''r''</sup> if ''n'' has ''r'' prime factors. He showed that this in turn would imply that the Riemann hypothesis is true. However {{harvtxt|Haselgrove|1958}} proved that ''T''(''x'') is negative for infinitely many ''x'' (and also disproved the closely related [[Pólya conjecture]]), and {{harvtxt|Borwein|Ferguson|Mossinghoff|2008}} showed that the smallest such ''x'' is {{gaps|72|185|376|951|205}}. {{harvtxt|Spira|1968}} showed by numerical calculation that the finite Dirichlet series above for ''N''=19 has a zero with real part greater than 1. Turán also showed that a somewhat weaker assumption, the nonexistence of zeros with real part greater than 1+''N''<sup>−1/2+ε</sup> for large ''N'' in the finite Dirichlet series above, would also imply the Riemann hypothesis, but {{harvtxt|Montgomery|1983}} showed that for all sufficiently large ''N'' these series have zeros with real part greater than {{nowrap|1 + (log log ''N'')/(4 log ''N'')}}. Therefore, Turán's result is [[vacuous truth|vacuously true]] and cannot be used to help prove the Riemann hypothesis.-->
{{harvs|authorlink=Pál Turán|first=Pál|last=Turán|year=1948|txt}} は、s の実部が 1 よりも大きい場合は、函数
:<math>\sum_{n=1}^N n^{-s}</math>
が零点を持たず、従って ''x'' > 0 に対し
:<math>T(x)=\sum_{n\le x} \frac{\lambda(n)}{n} \ge 0</math>
となる。ここに ''n'' が素数因子 ''r'' を持たないとき、''λ''(''n'') は、(&minus;1){{sup|''r''}} により与えられる{{仮リンク|リウヴィル函数|en|Liouville function}}<ref>リウヴィルのラムダ関数: <math>\lambda (n)=(-1)^{\Omega(n)}</math> で定義される完全乗法的な数論的函数</ref>である。彼はこのことがリーマン予想が正しいことを意味するのではないだろうかということを示した。しかし {{harvtxt|Haselgrove|1958}} は、無限に多い ''x'' に対し、''T''(''x'') が負となることを示し（また[[ヒルベルト・ポリヤ予想]]に密接には関係していないことを証明した）。さらに {{harvtxt|Borwein|Ferguson|Mossinghoff|2008}} は、そのような ''x'' の最小値が {{gaps|72|185|376|951|205}} であることを示した。{{harvtxt|Spira|1968}} は数値計算により、''N'' = 19 の上の有限個のディリクレ級数が、1 よりも大きな実部を持つ零点を持つことを示した。トゥランはまた、ある弱い仮定の下で、大きな ''N'' に対して上の有限個のディリクレ級数には、1 + ''N''{{sup|&minus;1/2+''ε''}} よりも大きな実部を持つ零点が存在しないことを示し、このことがリーマン予想に意味するのではないかということを示したが、{{harvtxt|Montgomery|1983}} は、全ての十分に大きな ''N'' に対して、これらの級数は {{nowrap|1 + (log log ''N'')/(4 log ''N'')}} よりも大きな実具を持つ零点を持っていることを示した。従って、トゥランの結果は{{仮リンク|無意味に正しく|en|vacuous truth}}(vacuously true)、リーマン予想を証明する手助けにはなりえない。

=== 非可換幾何学 ===
{{harvs|last=Connes|authorlink=Alain Connes|year1=1999|year2=2000|txt}} は、リーマン予想と[[非可換幾何学]]との関係を述べ、[[アデール環|アデール]]類の空間上の[[イデール類群]]の作用の[[セルバーグ跡公式]] (Selberg trace formula) の類似物が、リーマン予想を意味しているかもしれないことを示した。これらのアイデアは、{{harvtxt|Lapidus|2008}} に記載されている。

=== 整函数のヒルベルト空間 ===
{{harvs|txt||first =Louis|last=de Branges |year=1992}} はリーマン予想は[[整函数]]の作るあるヒルベルト空間の正値性から導けるのではないかということを示した。しかし {{harvtxt|Conrey|Li|2000}} は必要条件としての正値性条件は満たされないことを示した。

=== 準結晶 ===
リーマン予想は、ゼータ函数の零点が[[準結晶]]を形成するということを意味するのではないだろうか。このことの意味は、分布が離散的なサポートをもち、そのフーリエ変換も離散的なサポートを持つような分布を意味する。{{harvtxt|Dyson|2009}} は（準結晶の）分類、少なくとも1-次元の準結晶の研究によって、リーマン予想を証明しようとすることを示唆した。

=== 数体上の楕円曲線のモデルの数論的ゼータ函数 ===
{{main|数論的ゼータ函数}}
幾何学的次元 1 つまり代数数体から幾何学的次元 2 つまり数体上の[[楕円曲線]]の正規モデルへ行く場合は、モデルの[[数論的ゼータ函数]]の一般化されたリーマン予想の 2次元部分がゼータ函数の極を扱う。次元が 1 では、[[テイト論文|テイトの論文]]<ref>1950年の J.Tate の論文 {{harvs|last=Tate|year=1950}} を指している</ref>のゼータ積分の研究が、リーマン予想に対して新しい重要な情報をもたらさない。これに対し、テイト論文の 2次元への一般化で、{{仮リンク|イワン・フェセンコ|en|Ivan Fesenko}}(Ivan Fesenko)の 2次元の仕事は、ゼータ函数の整数表現がゼータ函数に密接に関係することを示した。この新しい状況の下、次元 1 では不可能であったゼータ函数の極がゼータ積分と付随するアデール群を通して研究することが可能となった。ゼータ積分に付随する境界函数の第 4次の微分の正値性について {{harvs|last=Fesenko|authorlink=Ivan Fesenko|year1=2010|txt}} に関連した予想は、本質的に一般化されたリーマン予想の極の部分を意味している。{{harvs|last=Suzuki|year1=2011|txt}} は、ある技術的な前提の下で、後者（一般化されたリーマン予想）がフェセンコの予想を含んでいることを証明した。

===多重ゼータ函数===
有限体上のリーマン予想のデリーニュによる証明は、多様体の積のゼータ函数を使い、元のゼータ函数の零点の実部の境界を求めた。多様体の積のゼータ函数の零点と極は、元のゼータ函数の零点と極の和に対応していた。この類似により、{{harvtxt|Kurokawa|1992}} はリーマンゼータ函数の零点と極の和に対応する零点と極を持つ多重ゼータ函数を導入した。級数が収束するためには、彼は零点と極の和を全ての非負な虚部を持つものへ制限した。今までは、多重ゼータ函数の零点と極の境界は、リーマンゼータの零点を見積もるに[[数論の有効な結果|有効]]な（計算可能な）情報を与えるほどは強くはない。

== 零点の軌跡 ==
=== 零点の数 ===
{{仮リンク|偏角原理|en|argument principle}}(argument principle) と結び付けた函数等式は、虚部が 0 と ''T'' の間にあるゼータ函数の零点の数が、''s'' = {{sfrac|1|2}} + ''iT'' に対して、次で与えられることを意味している。
:<math>N(T)=\frac{1}{\pi} \operatorname{Arg} \xi (s)=\frac{1}{\pi} \operatorname{Arg} (\Gamma(\tfrac{s}{2} )\pi^{-\frac{s}{2}} \zeta (s)\tfrac{s(s-1)}{2})</math>
ここに偏角は、偏角 0 の ∞ + ''iT'' から出発し Im ''s'' = ''T'' の直線に沿って連続的に変化させることで定義される。このことは、大きいが理解された項
:<math>\frac{1}{\pi} \operatorname{Arg} (\Gamma (\tfrac{s}{2} )\pi^{-s/2} \tfrac{s(s-1)}{2}) =\frac{T}{2\pi} \log \frac{T}{2\pi} -\frac{T}{2\pi} +\frac{7}{8} +O(\frac{1}{T})</math>
と小さいがミステリアスな項
:<math>S(T)=\frac{1}{\pi} \operatorname{Arg} (\zeta (\frac{1}{2} +iT))=O(\log T).</math>
の和として表される。従って、零点の虚部が ''T'' の近くの密度は、おおよそ log(''T'')/2{{π}} であり、函数 ''S'' は、これから派生したものとして記述される。<!---函数 S(t) は 1 づつ各々のゼータ函数のゼロ点でジャンプし、{{nowrap|''t'' ≥ 8}} に対して、単調に減少する。between zeros with derivative close to −log ''t''.-->
<!--==Location of the zeros==
===Number of zeros===
The functional equation combined with the [[argument principle]] implies that the number of zeros of the zeta function with imaginary part between 0 and ''T'' is given by
:<math>N(T)=\frac{1}{\pi}\mathop{\mathrm{Arg}}(\xi(s)) = \frac{1}{\pi}\mathop{\mathrm{Arg}}(\Gamma(\tfrac{s}{2})\pi^{-\frac{s}{2}}\zeta(s)s(s-1)/2)</math>
for ''s''=1/2+i''T'', where the argument is defined by varying it continuously along the line with Im(''s'')=''T'', starting with argument 0 at ∞+i''T''. This is the sum of a large but well understood term
:<math>\frac{1}{\pi}\mathop{\mathrm{Arg}}(\Gamma(\tfrac{s}{2})\pi^{-s/2}s(s-1)/2) = \frac{T}{2\pi}\log\frac{T}{2\pi}-\frac{T}{2\pi} +7/8+O(1/T) </math>
and a small but rather mysterious term
:<math>S(T) = \frac{1}{\pi}\mathop{\mathrm{Arg}}(\zeta(1/2+iT)) =O(\log(T)).</math>
So the density of zeros with imaginary part near ''T'' is about log(''T'')/2π, and the function ''S'' describes the small deviations from this. The function ''S''(''t'') jumps by 1 at each zero of the zeta function, and for {{nowrap|''t'' ≥ 8}} it decreases monotonically between zeros with derivative close to −log ''t''.-->
{{仮リンク|アナトリイ・アレクセイビッチ・カラツバ|label=カラツバ|en|Anatolii Alexeevitch Karatsuba}} (Anatolii Alexeevitch Karatsuba) は1996年、函数 ''S''(''t'') が符号を変えるとき <math>H \ge T^{\frac{27}{82}+\varepsilon}</math> に対し、全ての区間 (''T'', ''T'' + ''H''] は少なくとも
:<math> H(\ln T)^{\frac{1}{3}} e^{-c\sqrt{\ln\ln T}}</math>
個の点を持つことを証明した。

{{harvtxt|Selberg|1946}} は、''S'' の偶数べきの平均値が次の式で与えられることを示した。
:<math>\int_0^T |S(t)|^{2k} dt=\frac{(2k)!}{k!(2\pi)^{2k}} T(\log \log T)^k + O(T(\log \log T)^{k-1/2}).</math>

このことは、''S''(''T'')/(log log ''T''){{sup|1/2}} が平均 0 で分散 2{{π}}{{sup|2}} の[[正規分布|ガウス分布]]に似ていることを示唆した（この事実は、{{harvtxt|Ghosh|1983}}により証明された）。特に、|S(T)| は普通は (log log ''T''){{sup|1/2}} の近くにあるが、ときには非常に大きくなる。''S''(''T'') の増加度の正確なオーダーは知られていない。リーマン予想は少し小さな境界 ''S''(''T'') = ''O''(log ''T''/log log ''T'') {{harv|Titchmarsh|1986}}を意味しているにもかかわらず、リーマンの元来の境界である ''S''(''T'') = ''O''(log ''T'') を、条件の付けずに改善することはなされていない。増加度の正しいオーダーは、''S''(''T'') と同じ分布を持つランダム函数が log ''T''{{sup|1/2}} 程度のオーダーを持つ傾向があることから、これよりいくらか小さいかもしれない。別な方向としては、増加度が小さすぎることはないことが知られている。{{harvtxt|Selberg|1946}}では、{{nowrap|''S''(''T'') ≠ ''o''((log ''T''){{sup|1/3}}/(log log ''T''){{sup|7/3}})}} であることが示されていて、モンゴメリ(Montgomery) はリーマン予想を前提として、{{nowrap|''S''(''T'') ≠ ''o''((log ''T''){{sup|1/2}}/(log log ''T''){{sup|1/2}})}} を示した。

数値計算では、''S'' が非常にゆっくりと増加することが確かめられている。今まで、''T'' < 280 に対し |''S''(''T'')| < 1、''T'' < {{gaps|6|800|000}} に対し |''S''(''T'')| < 2 が示されていて、|''S''(''T'')| の最大値は 3 よりそれほど大きくないことが示されている{{harv|Odlyzko|2002}}。

リーマンの見積もり ''S''(''T'') = ''O''(log ''T'') は、零点の境界の間のギャップを意味していて、リトルウッド (Littlewood) は少しこれを改善して、それらの虚数部の間のギャップが 0 となることを示した。
<!--[[Anatolii Alexeevitch Karatsuba|Karatsuba]] (1996) proved that every interval (''T'', ''T''+''H''] for <math>H \ge T^{\frac{27}{82}+\varepsilon}</math> contains at least
:<math> H(\ln T)^{\frac{1}{3}}e^{-c\sqrt{\ln\ln T}} </math>
points where the function ''S''(''t'') changes sign.

{{harvtxt|Selberg|1946}} showed that the average moments of even powers of ''S'' are given by

:<math>\int_0^T|S(t)|^{2k}dt = \frac{(2k)!}{k!(2\pi)^{2k}}T(\log \log T)^k + O(T(\log \log T)^{k-1/2}).</math>

This suggests that ''S''(''T'')/(log log ''T'')<sup>1/2</sup> resembles a [[Gaussian random variable]] with mean 0 and variance 2π<sup>2</sup> ({{harvtxt|Ghosh|1983}} proved this fact).
In particular |''S''(''T'')| is usually somewhere around (log log ''T'')<sup>1/2</sup>, but occasionally much larger. The exact order of growth of ''S''(''T'') is not known. There has been no unconditional improvement to Riemann's original bound ''S''(''T'')=O(log ''T''), though the Riemann hypothesis implies the slightly smaller bound ''S''(''T'')=O(log ''T''/log log ''T'') {{harv|Titchmarsh|1985}}. The true order of magnitude may be somewhat less than this, as random functions with the same distribution as ''S''(''T'') tend to have growth of order about log(''T'')<sup>1/2</sup>. In the other direction it cannot be too small: {{harvtxt|Selberg|1946}} showed that {{nowrap|''S''(''T'') ≠ o((log ''T'')<sup>1/3</sup>/(log log ''T'')<sup>7/3</sup>)}}, and assuming the Riemann hypothesis Montgomery showed that {{nowrap|''S''(''T'') ≠ o((log ''T'')<sup>1/2</sup>/(log log ''T'')<sup>1/2</sup>)}}.

Numerical calculations confirm that ''S'' grows very slowly: |''S''(''T'')|&nbsp;&lt;&nbsp;1 for {{nowrap|''T'' < 280}}, |''S''(''T'')|&nbsp;&lt;&nbsp;2 for ''T''&nbsp;&lt;&nbsp;{{gaps|6|800|000}}, and the largest value of |''S''(''T'')| found so far is not much larger than 3 {{harv|Odlyzko|2002}}.

Riemann's estimate ''S''(''T'')&nbsp;=&nbsp;O(log ''T'') implies that the gaps between zeros are bounded, and Littlewood improved this slightly, showing that the gaps between their imaginary parts tends to 0.-->

=== アダマールとド・ラ・ヴァレ・プーサンの定理 ===
{{harvtxt|Hadamard|1896}} と {{harvtxt|de la Vallée-Poussin|1896}} は独立に、直線 Re(s) = 1 上にはゼロ点が存在しないことを証明した。函数等式と実部が 1 より大きなゼロ点は存在しないという事実の双方から、全ての非自明なゼロはクリティカルな帯状領域 {{nowrap|0 < Re(''s'') < 1}} にあるはずであることを示した。これが[[素数定理]]の重要な第一ステップとなった。

ゼータ函数は実数部が 1 のゼロ点を持たないことの二人のもともとの証明は非常に似ていて、もし ζ(1+it) がゼロであれば、ζ(1+2it) は特異点となり、これが不可能であるであるというものである。このための一つの方法は、次の不等式を使う方法であった。σ > 1 とし、t を実数として、σ → 1 の極限での値を見ると、
:<math>|\zeta(\sigma)^3\zeta(\sigma+it)^4\zeta(\sigma+2it)|\ge 1</math> 
となる。この不等式は、オイラー積の対数の実部をとることにより得られ、次のことがわかる。
:<math>|\zeta(\sigma+it)| = \exp\Re\sum_{p^n}\frac{p^{-n(\sigma+it)}}{n}=\exp\sum_{p^n}\frac{p^{-n\sigma}\cos(t\log p^n)}{n}</math>
ここに和は全ての素数べき p<sup>n</sup> を渡ることとする。従って、
:<math>|\zeta(\sigma)^3\zeta(\sigma+it)^4\zeta(\sigma+2it)| = \exp\sum_{p^n}p^{-n\sigma}\frac{3+4\cos(t\log p^n)+\cos(2t\log p^n)}{n}</math>
が成り立つ。和の全ての項は次の不等式のおかげで正であるので、この値は少なくとも 1 である。
:<math>3+4\cos(\theta)+\cos(2\theta) = 2 (1+\cos(\theta))^2\ge0.</math>
<!---===Theorem of Hadamard and de la Vallée-Poussin===
{{harvtxt|Hadamard|1896}} and {{harvtxt|de la Vallée-Poussin|1896}} independently proved that no zeros could lie on the line Re(''s'') = 1. Together with the functional equation and the fact that there are no zeros with real part greater than 1, this showed that all non-trivial zeros must lie in the interior of the critical strip {{nowrap|0 < Re(''s'') < 1}}. This was a key step in their first proofs of the [[prime number theorem]].

Both the original proofs that the zeta function has no zeros with real part 1 are similar, and depend on showing that if ζ(1+''it'') vanishes, then ζ(1+2''it'') is singular, which is not possible. One way of doing this is by using the inequality
:<math>|\zeta(\sigma)^3\zeta(\sigma+it)^4\zeta(\sigma+2it)|\ge 1</math> 
for σ > 1, ''t'' real, and looking at the limit as σ → 1. This inequality follows by taking the real part of the log of the Euler product to see that
:<math>|\zeta(\sigma+it)| = \exp\Re\sum_{p^n}\frac{p^{-n(\sigma+it)}}{n}=\exp\sum_{p^n}\frac{p^{-n\sigma}\cos(t\log p^n)}{n},</math>
where the sum is over all prime powers ''p''<sup>''n''</sup>, so that
:<math>|\zeta(\sigma)^3\zeta(\sigma+it)^4\zeta(\sigma+2it)| = \exp\sum_{p^n}p^{-n\sigma}\frac{3+4\cos(t\log p^n)+\cos(2t\log p^n)}{n}</math>
which is at least 1 because all the terms in the sum are positive, due to the inequality
:<math>3+4\cos(\theta)+\cos(2\theta) = 2 (1+\cos(\theta))^2\ge0.</math>-->

=== 零点の存在しない領域 ===
[[#CITEREFde la Vallée-Poussin1899–1900|De la Vallée-Poussin (1899–1900)]] は、σ + it がリーマンのゼータ函数の零点であれば、ある定数 C > 0 が存在して 1 − σ ≥ C/log t となることを証明した。言い換えると、零点は直線 σ = 1 に極度に近すぎては存在し得ず、この直線の近くには零点のない領域が存在する。この零点の存在しない領域は何人かによって拡張された。{{harvtxt|Ford|2002}} は明確な数値定数を持つバージョンを示した。|t| ≥ 3 であればいつも {{nowrap|ζ(σ + it) ≠ 0}} であり、さらに
:<math>\sigma\ge 1-\frac{1}{57.54(\log{|t|})^{2/3}(\log{\log{|t|}})^{1/3}}</math>
が成り立つことを示した。
<!---=== Zero-free regions ===
[[#CITEREFde la Vallée-Poussin1899–1900|De la Vallée-Poussin (1899–1900)]] proved that if {{nowrap|σ + ''i{{hsp}}t''}} is a zero of the Riemann zeta function, then {{nowrap|1 − σ ≥ <big>{{sfrac|''C''|log(''t'')}}</big>}} for some positive constant ''C''. In other words zeros cannot be too close to the line {{nowrap|σ {{=}} 1:}} there is a zero-free region close to this line. This zero-free region has been enlarged by several authors. {{harvtxt|Ford|2002}} gave a version with explicit numerical constants: {{nowrap|ζ(σ + ''i{{hsp}}t'') ≠ 0}} whenever {{nowrap|{{!}}{{hsp}}''t''{{hsp}}{{!}} ≥ 3}} and

:<math>\sigma\ge 1-\frac{1}{57.54(\log{|t|})^{2/3}(\log{\log{|t|}})^{1/3}}.</math>-->

==クリティカルライン上のゼロ点==
{{harvtxt|Hardy|1914}} と {{harvtxt|Hardy|Littlewood|1921}} は、クリティカルライン上に無限に多くのゼロ点が存在することを、ゼータ函数に関連するある函数を考えることにより示した。{{harvtxt|Selberg|1942}} は、少なくとも（小さな）値のゼロ点はライン上にあることを証明した。{{harvtxt|Levinson|1974}} は、この結果を改善し、ゼータ函数のゼロ点とゼータ函数の微分を関連付けることにより、ゼロ点の 1/3 はクリティカルライン上にあることを示し、{{harvtxt|Conrey|1989}} はさらにこれを 2/5 まで改善した。

ほとんどのゼロ点がクリティカルラインの近くにあることは、{{harvtxt|Bohr|Landau|1914}} が、任意の正の数 ε に対して無限に小さい率を除き全てのゼロ点がクリティカルラインから距離 ε 以内にあることを示した。{{harvtxt|Ivić|1985}}は、この結果の詳細を、'''ゼロ点密度'''(zero density estimates)と呼ばれる、虚部が T 以内で実部が 1/2+ε の領域の中のゼロ点の数の境界を与えた。
<!---==Zeros on the critical line==
{{harvtxt|Hardy|1914}} and {{harvtxt|Hardy|Littlewood|1921}} showed there are infinitely many zeros on the critical line, by considering moments of certain functions related to the zeta function. {{harvtxt|Selberg|1942}} proved that at least a (small) positive proportion of zeros lie on the line. {{harvtxt|Levinson|1974}} improved this to one-third of the zeros by relating the zeros of the zeta function to those of its derivative, and {{harvtxt|Conrey|1989}} improved this further to two-fifths.

Most zeros lie close to the critical line. More precisely, {{harvtxt|Bohr|Landau|1914}} showed that for any positive ε, all but an infinitely small proportion of zeros lie within a distance ε of the critical line. {{harvtxt|Ivić|1985}} gives several more precise versions of this result, called '''zero density estimates''', which bound the number of zeros in regions with imaginary part at most ''T'' and real part at least 1/2+ε.-->
=== ハーティとリトルウッドの予想 ===
1914年、[[ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディ|ハーディ]](G. H. Hardy)は <math>\zeta\left(\tfrac{1}{2}+it\right)</math> は無限に多くの実数のゼロ点が存在することを示した。

区間 (0, ''T''] の中にある実数のゼロ点全体の数を N(T) で、奇数オーダーのゼロ点の数全体を <math>N_0(T)</math> で表す。 
:<math>\zeta\left(\tfrac{1}{2}+it\right).</math> 

[[ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディ|ハーディ]]と[[ジョン・エデンサー・リトルウッド|リトルウッド]]の 2つの予想がある。十分に大きな T > 0 に対して、区間 (T, T+H] の中での <math>\zeta\left(\tfrac{1}{2}+it\right)</math> の実数のゼロ点の間の距離と <math>\zeta\left(\tfrac{1}{2}+it\right)</math> のゼロ点の密度の間の関係について、<math>H = T^{a + \varepsilon}</math> で、可能な限り a > 0 の値を小さくし、ε > 0 を任意に小さな数とするとき、リーマンゼータ函数の研究には新しい 2つの方向性がある。

'''1.''' 任意の ε > 0 に対して、<math>T_0 = T_0(\varepsilon) > 0</math> が存在して、<math>T \geq T_0</math> と <math>H=T^{0.25+\varepsilon}</math> に対し、区間 <math>(T,T+H]</math> は函数 <math>\zeta\bigl(\tfrac{1}{2}+it\bigr)</math> の奇数オーダーのゼロ点を含む。

'''2.''' 任意の ε > 0 に対して、<math>T_0 = T_0(\varepsilon) > 0</math> と c = c(ε) > 0 が存在し、<math>T \geq T_0</math> と <math>H=T^{0.5+\varepsilon}</math> に対し、不等式 <math>N_0(T+H)-N_0(T) \geq cH</math> が成り立つ。
<!---=== Hardy–Littlewood conjectures ===
In 1914 [[G. H. Hardy|Godfrey Harold Hardy]] proved that <math>\zeta\left(\tfrac{1}{2}+it\right)</math> has infinitely many real zeros.

Let ''N''(''T'') be the total number of real zeros, <math>N_0(T)</math> be the total number of zeros of odd order of the function 
:<math>\zeta\left(\tfrac{1}{2}+it\right),</math> 
lying on the interval (0, ''T''].

The next two conjectures of [[G. H. Hardy|Hardy]] and [[John Edensor Littlewood]] on the distance between real zeros of <math>\zeta\left(\tfrac{1}{2}+it\right)</math> and on the density of zeros of <math>\zeta\left(\tfrac{1}{2}+it\right)</math> on intervals (''T'', ''T''+''H''] for sufficiently large ''T'' > 0, <math>H = T^{a + \varepsilon}</math> and with as less as possible value of ''a'' > 0, where ε > 0 is an arbitrarily small number, open two new directions in the investigation of the Riemann zeta function:

'''1.''' for any ε > 0 there exists <math>T_0 = T_0(\varepsilon) > 0</math> such that for <math>T \geq T_0</math> and <math>H=T^{0.25+\varepsilon}</math> the interval <math>(T,T+H]</math> contains a zero of odd order of the function <math>\zeta\bigl(\tfrac{1}{2}+it\bigr)</math>.

'''2.''' for any ε > 0 there exist <math>T_0 = T_0(\varepsilon) > 0</math> and ''c'' = ''c''(ε) > 0, such that for <math>T \geq T_0</math> and <math>H=T^{0.5+\varepsilon}</math> the inequality <math>N_0(T+H)-N_0(T) \geq cH</math> is true.-->

=== セルバーグの予想 ===
:ここのセルバーグ予想は「[[:en:Selberg's zeta function conjecture|セルバーグのゼータ函数に対する予想]]」であり、「[[セルバーグの1/4予想]]」とは異なる。
セルバーグ {{harvs|first=Atle|last=Selberg|authorlink=Atle Selberg||year=1942|txt}} は、ハーディとリトルウッドの問題 '''2''' を研究し、任意の ε > 0 に対し、そのような <math>T_0 = T_0(\varepsilon) > 0</math> と c = c(ε) > 0 が存在し、<math>T \geq T_0</math> と <math>H=T^{0.5+\varepsilon}</math> に対して、不等式 <math>N(T+H)-N(T) \geq cH\log T</math> が成り立つことを証明した。セルバーグはこれを <math>H=T^{0.5}</math> まで厳密にできるであろうことを予想した。カラツバ {{harvs|first=A. A. |last=Karatsuba |year=1984a |year2=1984b |year3=1985 |txt |authorlink=Anatolii Alexeevitch Karatsuba}} は、条件 0 < ε < 0.001 を満たす固定した ε と十分に大きな T と <math>H = T^{a+\varepsilon}</math>、<math>a = \tfrac{27}{82} = \tfrac{1}{3} -\tfrac{1}{246}</math> に対して、区間 (T, T+H) は[[リーマンのゼータ函数]] <math>\zeta\left(\tfrac{1}{2}+it\right)</math> の少なくとも cH ln(T) 個のゼロ点を含み、従ってセルバーグの予想が正しいことを示した。このセルバーグとカラツバの見積もりは、T → ∞ のようにオーダーが増加するという点での改善はできない。
<!---=== Selberg conjecture ===
{{harvs|first=Atle|last=Selberg|authorlink=Atle Selberg||year=1942|txt}} investigated the problem of Hardy–Littlewood '''2''' and proved that for any ε > 0 there exists such <math>T_0 = T_0(\varepsilon) > 0</math> and ''c'' = ''c''(ε) > 0, such that for <math>T \geq T_0</math> and <math>H=T^{0.5+\varepsilon}</math> the inequality  <math>N(T+H)-N(T) \geq cH\log T</math> is true. Selberg conjectured that this could be tightened to <math>H=T^{0.5}</math>. {{harvs|first=A. A. |last=Karatsuba |year=1984a |year2=1984b |year3=1985 |txt |authorlink=Anatolii Alexeevitch Karatsuba}} proved that for a fixed ε satisfying the condition 0 < ε < 0.001, a sufficiently large ''T'' and <math>H = T^{a+\varepsilon}</math>, <math>a = \tfrac{27}{82} = \tfrac{1}{3} -\tfrac{1}{246}</math>, the interval (''T'', ''T''+''H'') contains at least ''cH''ln(''T'') real zeros of the [[Riemann zeta function]] <math>\zeta\left(\tfrac{1}{2}+it\right)</math> and therefore confirmed the Selberg conjecture. The estimates of Selberg and Karatsuba can not be improved in respect of the order of growth as ''T'' → ∞.-->

{{harvtxt|Karatsuba|1992}} は、ほとんど全ての区間 (T, T+H] についてセルバーグの予想の類似である、<math>H = T^{\varepsilon}</math> を証明した。ここに ε は任意に小さな固定された数値である。カラツバの方法は、クリティカルラインの「極端に短い」区間、つまり、たとえ T がどのように小さくとも長さ H がゆっくりと増加する区間 (T, T+H] の上でのリーマンのゼータ函数のゼロ点の研究を可能とした。特に、彼は、任意の与えられた数値 ε と条件 <math>0<\varepsilon, \varepsilon_{1}<1</math> を満たす <math>\varepsilon_1</math> に対し、<math>H\ge\exp{\{(\ln T)^{\varepsilon}\}}</math> のほとんどの区間 (T, T+H] は、函数 <math>\zeta\left(\tfrac{1}{2}+it\right)</math> の少なくとも <math>H(\ln T)^{1-\varepsilon_{1}}</math> 個のゼロ点を含むことを証明した。この見積もりは、リーマン予想に従う結果に極めて近い見積もりである。
<!---{{harvtxt|Karatsuba|1992}} proved that an analog of the Selberg conjecture holds for almost all intervals (''T'', ''T''+''H''], <math>H = T^{\varepsilon}</math>, where ε is an arbitrarily small fixed positive number. The Karatsuba method permits to investigate zeros of the Riemann zeta-function on "supershort" intervals of the critical line, that is, on the intervals (''T'', ''T''+''H''], the length ''H'' of which grows slower than any, even arbitrarily small degree ''T''. In particular, he proved that for any given numbers ε, <math>\varepsilon_1</math> satisfying the conditions <math>0<\varepsilon, \varepsilon_{1}<1</math> almost all intervals (''T'', ''T''+''H''] for <math>H\ge\exp{\{(\ln T)^{\varepsilon}\}}</math> contain at least <math>H(\ln T)^{1-\varepsilon_{1}}</math> zeros of the function <math>\zeta\left(\tfrac{1}{2}+it\right)</math>. This estimate is quite close to the one that follows from the Riemann hypothesis.-->

===数値計算===
[[File:Riemann zeta function absolute value.png|thumb|360px|ζ-函数の絶対値]]
函数

:<math>\pi^{-\frac{s}{2}}\Gamma(\tfrac{s}{2})\zeta(s)</math>

は、函数等式のおかげで、クリティカル帯域の中にゼータ函数と同じゼロ点を持っていて、クリティカルライン上に実部がある。従って、ゼ
ロ点の存在は、函数がこれらの点で反対の符号を持つことを数値的に検証することにより、ちょうど 2つの点の間の実線の上にあることを証明できる。通常は、

:<math>\zeta(\tfrac{1}{2} +it) = Z(t)e^{-i\theta(t)}</math>

と書く。ここにハーディの函数を {{仮リンク|Z函数|label=Z|en|Z function}} と{{仮リンク|リーマン・ジーゲルのテータ函数|en|Riemann–Siegel theta function}} θ は、これと θ(0)=0 である滑らかな実函数である条件により、一意に定義される。函数 Z 符号を変えるような多くの区間を探すことにより、クリティカルラインの上に多くのゼロ点が存在することを示すことができる。与えられた虚部 T に対しリーマン予想を評価するためには、この領域に直線の上にはないゼロ点が存在しないことをも検証せねばならない。これは、領域内のゼロ点の数全体を計算し、直線の上にあるゼロ点の数と同じであることを検証することで成し遂げるられる。これにより、要求された T の値に対するリーマン予想の計算機的な検証は可能となる（この領域のゼータ函数のゼロ点の全てが単純なゼロ点でクリティカルラインの上に存在していることを示すこととなる）。
<!---===Numerical calculations===
[[File:Riemann zeta function absolute value.png|thumb|250px|Absolute value of the ζ-function]]
The function

:<math>\pi^{-\frac{s}{2}}\Gamma(\tfrac{s}{2})\zeta(s)</math>

has the same zeros as the zeta function in the critical strip, and is real on the critical line because of the functional equation, so one can prove the existence of zeros exactly on the real line between two points by checking numerically that the function has opposite signs at these points. Usually one writes

:<math>\zeta(\tfrac{1}{2} +it) = Z(t)e^{-i\theta(t)}</math>

where Hardy's function [[Z function|''Z'']] and the [[Riemann–Siegel theta function]] θ are uniquely defined by this and the condition that they are smooth real functions with θ(0)=0.
By finding many intervals where the function ''Z'' changes sign one can show that there are many zeros on the critical line. To verify the Riemann hypothesis up to a given imaginary part ''T'' of the zeros, one also has to check that there are no further zeros off the line in this region. This can be done by calculating the total number of zeros in the region and checking that it is the same as the number of zeros found on the line. This allows one to verify the Riemann hypothesis computationally up to any desired value of ''T'' (provided all the zeros of the zeta function in this region are simple and on the critical line).-->

ゼータ函数のゼロ点計算結果のリストを以下に示す。今まで、検証された全てのゼロ点がクリティカルラインの上にあり、単純なゼロ点である。（多重なゼロ点は、ゼロ点を探すアルゴリズムに問題を引き起こすかもしれず、ゼロ点の間での符号の変化を探すことと独立なことである。）ゼロ点の表は、{{harvtxt|Haselgrove|Miller|1960}}あるいは、{{harvnb|Odlyzko}}を参照。
{| class="wikitable"
|-
!年
!ゼロ点の数
! 著者
|-
|1859?
|3
|B. リーマンは{{仮リンク|リーマン・ジーゲルの公式|en|Riemann–Siegel formula}}を使用（未発表であったが、{{harvnb|Siegel|1932}}で報告）.
|-
|1903
|15
|J. P. {{harvtxt|Gram|1903}} は[[オイラーの和公式|オイラー・マックローリンの和公式]]を使い、グラムの法則(Gram's law)を発見した。彼は虚部が多くとも 50 の中にある 10 個のゼロ点全てがクリティカルラインである実部 1/2 の上にあることを、発見した根の逆 10乗べきの和を計算することで示した。
|-
|1914
|79 (γ<sub>n</sub> ≤ 200)
|R. J. {{harvtxt|Backlund|1914}} {{citation needed|date=December 2013}} は、ゼータ函数の偏角(argument) S(T) を研究することで、点が直線上にあるにたいする全てのゼロ点の検証方法を改善した。
|-
|1925
|138 (γ<sub>n</sub> ≤ 300)
|J. I. {{harvtxt|Hutchinson|1925}} は、グラムの法則がグラムの点 g<sub>126</sub> で始めてうまくいかないことを発見した。
|-
|1935
|195
|E. C. {{harvtxt|Titchmarsh|1935}} は、オイラー・マックローリンの和公式よりも非常に早い、再発見された{{仮リンク|リーマン・ジーゲルの公式|en|Riemann–Siegel formula}}を使った。T よりも虚部が小さなゼロ点を検証する段階が、オイラー・マックローリンの和公式の方法は約 O(''T''<sup>2+ε</sup>) となることに対して、リーマン・ジーゲルの方法は O(''T''<sup>3/2+ε</sup>) となること示した。
|-
|1936
|1041
|E. C. {{harvtxt|Titchmarsh|1936}} は、コムリエ(L. J. Comrie)が手計算でのゼロ点の直近の発見者であることを発見した。
|-
|1953
|1104
|A. M. {{harvtxt|Turing|1953}} は、Z がグラムの点のいくつかで正しい符号を持っていることを検証し、S(T) が平均値 0 を持っているという事実を使い、全てのゼロ点がいくつかの点を除いて、クリティカルライン上にあることを考慮するより充分な方法を発見した。この方法は特別なことをほとんど要求しない。グラムの点での Z の符号はゼロ点を探しているときには既にわかっていて、普通の方法だからである。これが、デジタル計算機を使ってゼロ点を計算した最初であった。
|-
|1956
|{{gaps|15|000}}
|D. H. {{harvtxt|Lehmer|1956}} は、ゼータ函数がライン上に｢あるだけ｣のようないくつかのケースを発見した。ゼータ函数の 2つのゼロ点があまりに近すぎて、それらの間で符号の変化を発見することが異常に困難なな場合がある。これを｢レーマーの現象｣と呼び、最初に発生するのはゼロ点の呼ぶが 7005.063 と 7005.101 の間にあり、その差がたった .04 であり、そのときのこの点の近くの他のゼロ点との平均ギャップが約 1 である。
|-
|1956
|{{gaps|25|000}}
|D. H. Lehmer
|-
|1958
|{{gaps|35|337}}
|N. A. Meller
|-
|1966
|{{gaps|250|000}}
|R. S. Lehman
|-
|1968
|{{gaps|3|500|000}}
|{{harvtxt|Rosser|Yohe|Schoenfeld|1969}} はローサーの規則（以下に述べる）に言及した。
|-
|1977
|{{gaps|40|000|000}}
|[[Richard Brent (scientist)|R. P. Brent]]
|-
|1979
|{{gaps|81|000|001}}
|R. P. Brent
|-
|1982
|{{gaps|200|000|001}}
|R. P. Brent, [[Johan van de Lune|J. van de Lune]], [[Herman te Riele|H. J. J. te Riele]], D. T. Winter
|-
|1983
|{{gaps|300|000|001}}
|J. van de Lune, H. J. J. te Riele
|-
|1986
|{{gaps|1|500|000|001}}
|{{harvtxt|van de Lune|te Riele|Winter|1986}} はゼロ点の統計的なデータをとり、それが通常の振る舞いと異なる場所での Z のグラフをいくつか描いた。
|-
|1987
|高さ (~10<sup>12</sup>)
|{{harvs|txt|first=A. M. |last=Odlyzko|year1=1987}} は、非常に大きな高さ、約 10<sup>12</sup> よりもより小さなゼロ点の数を計算し、[[モンゴメリー・オドリズコ予想]]を非常に正確にチェックした。
|-
|1992
|高さ (~10<sup>20</sup>) より少し大きい
|{{harvs|txt|first=A. M. |last=Odlyzko|year1=1992}} は、高さがおよそ 10<sup>20</sup> と 2{{e|20}} のゼロ点を 1億7千5百万個計算し、それまでの結果の議論を拡張した。
|-
|1998
|高さ (~10<sup>21</sup>) を 10000個以上 
|{{harvs|txt|first=A. M. |last=Odlyzko|year1=1998}} は高さが約 10<sup>21</sup> のものを計算した。
|-
|2001
|{{gaps|10|000|000|000}}
|J. van de Lune (非公開)
|-
|2004
|{{gaps|900|000|000|000}}
|S. Wedeniwski ({{仮リンク|ゼータグリッド|en|ZetaGrid}}の計算)
|-
|2004
|{{gaps|10|000|000|000|000}} と高さ (up to ~10<sup>24</sup>) よりも大きい
|X. {{harvtxt|Gourdon|2004}} とパトリック・デミチェール(Patrick Demichel)は{{仮リンク|オドリツコ・シェーンハーゲのアルゴリズム|en|Odlyzko–Schönhage algorithm}}使い、高さたおよそ 10<sup>13</sup>, 10<sup>14</sup>, ..., 10<sup>24</sup> のゼロ点を200万個検証した。
|}
<!---Some calculations of zeros of the zeta function are listed below. So far all zeros that have been checked are on the critical line and are simple. (A multiple zero would cause problems for the zero finding algorithms, which depend on finding sign changes between zeros.) For tables of the zeros, see {{harvtxt|Haselgrove|Miller|1960}} or {{harvnb|Odlyzko}}.
{| class="wikitable"
|-
!Year
!Number of zeros
! Author
|-
|1859?
|3
|B. Riemann used the [[Riemann–Siegel formula]] (unpublished, but reported in {{harvnb|Siegel|1932}}).
|-
|1903
|15
|J. P. {{harvtxt|Gram|1903}} used [[Euler–Maclaurin summation]] and discovered Gram's law. He showed that all 10 zeros with imaginary part at most 50 range lie on the critical line with real part 1/2 by computing the sum of the inverse 10th powers of the roots he found.
|-
|1914
|79 (γ<sub>''n''</sub> ≤ 200)
|R. J. {{harvtxt|Backlund|1914}} introduced a better method of checking all the zeros up to that point are on the line, by studying the argument ''S''(''T'') of the zeta function.
|-
|1925
|138 (γ<sub>''n''</sub> ≤ 300)
|J. I. {{harvtxt|Hutchinson|1925}} found the first failure of Gram's law, at the Gram point ''g''<sub>126</sub>.
|-
|1935
|195
|E. C. {{harvtxt|Titchmarsh|1935}} used the recently rediscovered [[Riemann–Siegel formula]], which is much faster than Euler–Maclaurin summation. It takes about O(''T''<sup>3/2+ε</sup>) steps to check zeros with imaginary part less than ''T'', while the Euler–Maclaurin method takes about O(''T''<sup>2+ε</sup>) steps.
|-
|1936
|1041
|E. C. {{harvtxt|Titchmarsh|1936}} and L. J. Comrie were the last to find zeros by hand.
|-
|1953
|1104
|A. M. {{harvtxt|Turing|1953}} found a more efficient way to check that all zeros up to some point are accounted for by the zeros on the line, by checking that ''Z'' has the correct sign at several consecutive Gram points and using the fact that ''S''(''T'') has average value 0. This requires almost no extra work because the sign of ''Z'' at Gram points is already known from finding the zeros, and is still the usual method used. This was the first use of a digital computer to calculate the zeros.
|-
|1956
|{{gaps|15|000}}
|D. H. {{harvtxt|Lehmer|1956}} discovered a few cases where the zeta function has zeros that are "only just" on the line: two zeros of the zeta function are so close together that it is unusually difficult to find a sign change between them. This is called "Lehmer's phenomenon", and first occurs at the zeros with imaginary parts 7005.063 and 7005.101, which differ by only .04 while the average gap between other zeros near this point is about 1.
|-
|1956
|{{gaps|25|000}}
|D. H. Lehmer
|-
|1958
|{{gaps|35|337}}
|N. A. Meller
|-
|1966
|{{gaps|250|000}}
|R. S. Lehman
|-
|1968
|{{gaps|3|500|000}}
|{{harvtxt|Rosser|Yohe|Schoenfeld|1969}} stated Rosser's rule (described below).
|-
|1977
|{{gaps|40|000|000}}
|[[Richard Brent (scientist)|R. P. Brent]]
|-
|1979
|{{gaps|81|000|001}}
|R. P. Brent
|-
|1982
|{{gaps|200|000|001}}
|R. P. Brent, [[Johan van de Lune|J. van de Lune]], [[Herman te Riele|H. J. J. te Riele]], D. T. Winter
|-
|1983
|{{gaps|300|000|001}}
|J. van de Lune, H. J. J. te Riele
|-
|1986
|{{gaps|1|500|000|001}}
|{{harvtxt|van de Lune|te Riele|Winter|1986}} gave some statistical data about the zeros and give several graphs of ''Z'' at places where it has unusual behavior.
|-
|1987
|A few of large (~10<sup>12</sup>) height
|{{harvs|txt|first=A. M. |last=Odlyzko|year1=1987}} computed smaller numbers of zeros of much larger height, around 10<sup>12</sup>, to high precision to check [[Montgomery's pair correlation conjecture]].
|-
|1992
|A few of large (~10<sup>20</sup>) height
|{{harvs|txt|first=A. M. |last=Odlyzko|year1=1992}} computed a 175 million zeroes of heights around 10<sup>20</sup> and a few more of heights around 2{{e|20}}, and gave an extensive discussion of the results.
|-
|1998
|10000 of large (~10<sup>21</sup>) height
|{{harvs|txt|first=A. M. |last=Odlyzko|year1=1998}} computed some zeros of height about 10<sup>21</sup>
|-
|2001
|{{gaps|10|000|000|000}}
|J. van de Lune (unpublished)
|-
|2004
|{{gaps|900|000|000|000}}
|S. Wedeniwski ([[ZetaGrid]] distributed computing)
|-
|2004
|{{gaps|10|000|000|000|000}} and a few of large (up to ~10<sup>24</sup>) heights
|X. {{harvtxt|Gourdon|2004}} and Patrick Demichel used the [[Odlyzko–Schönhage algorithm]]. They also checked two billion zeros around heights 10<sup>13</sup>, 10<sup>14</sup>, ..., 10<sup>24</sup>.
|}-->

===グラムの点===
{{仮リンク|グラムの点|en|Gram point}}は、クリティカルライン 1/2&nbsp;+&nbsp; の上の点であり、ゼータ函数が実でゼロでない点をいう。ゼータ函数のこの表現を使うと、ζ(1/2&nbsp;+&nbsp;it) = Z(t)e<sup>&nbsp;−&nbsp;iθ(t)</sup> となり、ハーディの函数 {{仮リンク|Z函数|label=Z|en|Z function}} は実数の t に対し実数となり、θ は{{仮リンク|リーマン・ジーゲルのテータ函数|en|Riemann–Siegel theta function}}とすると、sin(θ(t)) = 0 のときに、ゼータ函数が実数となることがわかる。これは、θ(t) が π の正数倍で、このときに θ の公式の逆数をとることで、容易にグラムの・の位置を計算することが可能である。グラムの点は、普通、n = 0, 1, ..., に対して g<sub>n</sub> と書かれ、g<sub>n</sub> は θ(t) = nπ の一意の解である。

グラムは、しばしば 2つのグラムの点の間にゼータのゼロ点がひとつあることに気づいた。ハッチンソンはこの点を'''グラムの法則'''と言っている。他にもいくつかのグラムの法則と呼ばれることのある密接に関連するステートメントがある。例えば、 (−1)<sup>n</sup>Z(g<sub>n</sub>) は通常正であるか、もしくは Z(t) が通常、連続したグラムの点では反対の符号を持っている。最初のいくつかのゼロ点（青色の）の虚部 γ<sub>n</sub> と最初のいくつかのグラムの点 g<sub>n</sub> は次の表で与えられる。
<!---===Gram points===
A [[Gram point]] is a point on the critical line 1/2&nbsp;+&nbsp;''it'' where the zeta function is real and non-zero. Using the expression for the zeta function on the critical line, ζ(1/2&nbsp;+&nbsp;''it'') = ''Z''(''t'')e<sup>&nbsp;−&nbsp;''i''θ(''t'')</sup>, where Hardy's function, [[Z function|''Z'']], is real for real ''t'', and θ is the [[Riemann–Siegel theta function]], we see that zeta is real when sin(θ(''t'')) = 0. This implies that θ(''t'') is an integer multiple of π which allows for the location of Gram points to be calculated fairly easily by inverting the formula for θ. They are usually numbered as ''g''<sub>''n''</sub> for ''n'' = 0, 1, ..., where ''g''<sub>''n''</sub> is the unique solution of θ(''t'') = ''n''π.

Gram observed that there was often exactly one zero of the zeta function between any two Gram points; Hutchinson called this observation '''Gram's law'''. There are several other closely related statements that are also sometimes called Gram's law: for example, (−1)<sup>''n''</sup>''Z''(''g''<sub>''n''</sub>) is usually positive, or ''Z''(''t'') usually has opposite sign at consecutive Gram points. The imaginary parts γ<sub>''n''</sub> of the first few zeros (in blue) and the first few Gram points ''g''<sub>''n''</sub> are given in the following table-->
{| class="wikitable"
|-
|
|
|''g''<sub>−1</sub>
|style="background: #eef"|γ<sub>1</sub>
|''g''<sub>0</sub>
|style="background: #eef"|γ<sub>2</sub>
|''g''<sub>1</sub>
|style="background: #eef"|γ<sub>3</sub>
|''g''<sub>2</sub>
|style="background: #eef"|γ<sub>4</sub>
|''g''<sub>3</sub>
|style="background: #eef"|γ<sub>5</sub>
|''g''<sub>4</sub>
|style="background: #eef"|γ<sub>6</sub>
|''g''<sub>5</sub>
|-
|0.000
|3.436
|9.667
|style="background: #eef"|14.135
|17.846
|style="background: #eef"|21.022
|23.170
|style="background: #eef"|25.011
|27.670
|style="background: #eef"|30.425
|31.718
|style="background: #eef"|32.935
|35.467
|style="background: #eef"|37.586
|38.999
|}

[[File:Zeta polar.svg|thumb|320px|この図は、 0 ≤ t ≤ 34 の複素平面ないの ζ(1/2+it) の値を示している。(t=0 に対し、ζ(1/2) ≈ -1.460 は、赤い曲線の最も左の点に対応している。）ブラムの法則は、曲線が通常ゼロ点の間の実軸で一度交わることを言っている。]] グラムの法則がなりたたないことが、127番目のゼロ点、グラムの点 g<sub>126</sub> で発生し、このことを「悪い」秩序(in the "wrong" order)と言っている。
<!---[[File:Zeta polar.svg|thumb|This shows the values of ζ(1/2+it) in the complex plane for 0 ≤ t ≤ 34. (For t=0, ζ(1/2) ≈ -1.460 corresponds to the leftmost point of the red curve.) Gram's law states that the curve usually crosses the real axis once between zeros.]] The first failure of Gram's law occurs at the 127'th zero and the Gram point ''g''<sub>126</sub>, which are in the "wrong" order.-->

{| class="wikitable"
|-
|''g''<sub>124</sub>
|style="background: #eef"|γ<sub>126</sub>
|''g''<sub>125</sub>
|''g''<sub>126</sub>
!style="background: #eef"|γ<sub>127</sub>
|style="background: #eef"|γ<sub>128</sub>
|''g''<sub>127</sub>
|style="background: #eef"|γ<sub>129</sub>
|''g''<sub>128</sub>
|-
|279.148
|style="background: #eef"|279.229
|280.802
|282.455
!style="background: #eef"|282.465
|style="background: #eef"|283.211
|284.104
|style="background: #eef"|284.836
|285.752
|}

グラムの点 t をゼータ函数が 1/2 + it での値が正の場合、「よい」点という。Z が「悪い」符号を持っているような「悪い」グラムの点のインデックスは、126, 134, 195, 211, ... {{OEIS|id=A114856}} である。'''グラムのブロック'''(Gram block)とは、間にある全てのグラム点が悪いグラム点であるようなよいグラム点を境界とする区間のことをいう。{{harvtxt|Rosser|Yohe|Schoenfeld|1969}} によるローサーの規則と呼ばれるグラムの規則の精密化は、たとえブロック内の各々のグラム区間が中にちょうど一つのゼロ点を持っていないことがあるにもかかわらず、グラムのブロックが中に期待される個数のゼロ点を持っている（グラム区間の数と同じ）ことがあることを言っている。例えば、g<sub>125</sub> と g<sub>127</sub> を端点として持つ区間は、唯一悪いグラム点 g<sub>126</sub> をもつグラムのブロックであり、唯一のゼロ点を持つ 2 つの区間であるグラム区間のどちらでもないにもかかわらず期待されるゼロ点の数 2 を含んでいる。完全なゼータ函数をわたればローサーの基礎には無限個の例外があるにもかかわらず、ローサーたち(Rosser et al.)は、最初の300,000,000個のゼロ点にはローサーの規則に例外が無いことを検証した。
<!---A Gram point ''t'' is called good if the zeta function is positive at 1/2 + ''it''. The indices of the "bad" Gram points where ''Z'' has the "wrong" sign are 126, 134, 195, 211, ... {{OEIS|id=A114856}}. A '''Gram block''' is an interval bounded by two good Gram points such that all the Gram points between them are bad. A refinement of Gram's law called Rosser's rule due to {{harvtxt|Rosser|Yohe|Schoenfeld|1969}} says that Gram blocks often have the expected number of zeros in them (the same as the number of Gram intervals), even though some of the individual Gram intervals in the block may not have exactly one zero in them. For example, the interval bounded by ''g''<sub>125</sub> and ''g''<sub>127</sub> is a Gram block containing a unique bad Gram point ''g''<sub>126</sub>, and contains the expected number 2 of zeros although neither of its two Gram intervals contains a unique zero. Rosser et al. checked that there were no exceptions to Rosser's rule in the first 3 million zeros, although there are infinitely many exceptions to Rosser's rule over the entire zeta function.-->

グラムの規則もローサーの規則も両方とも、ある意味では、ゼロ点はその期待されている位置からあまりにも遠くに離れているわけではない。期待されている位置からゼロ点までの距離は、上記の函数 S によって制御されていて、極端に遅くしか増大しない。その平均値は、(log log ''T'')<sup>1/2</sup> のオーダーであり、10<sup>24</sup> くらいでやっと 2 へ届く程度でしかない。このことは、どちらの規則も小さな T に対してほぼ保たれるが、結局、規則が破られることもあることを意味する。事実、{{harvtxt|Trudgian|2011}} はグラムの規則もローサーの規則も、ある正の数の位置で失敗することを示した。具体的には、長い区間を考えると、73% のゼロ点が 2つのうまくいっているグラムの点によって囲まれているが、14% のゼロ点と 13% の 2つのゼロ点が、そのようなグラム区間の中にはない。
<!---Gram's rule and Rosser's rule both say that in some sense zeros do not stray too far from their expected positions. The distance of a zero from its expected position is controlled by the function ''S'' defined above, which grows extremely slowly: its average value is of the order of (log log ''T'')<sup>1/2</sup>, which only reaches 2 for T around 10<sup>24</sup>. This means that both rules hold most of the time for small ''T'' but eventually break down often. Indeed {{harvtxt|Trudgian|2011}} showed that both Gram's law and Rosser's rule fail in a positive proportion of cases. To be more specific, it is expected that in about 73% one zero is enclosed by two successive Gram points, but in 14% no zero and in 13% two zeros are in such a Gram-interval on the long run.-->

==リーマン予想の肯定／否定の議論==
リーマン予想に関する論文はその正しさについて注意深く吟味されることが甘くなる傾向にある。{{harvtxt|Riemann|1859}} や {{harvtxt|Bombieri|2000}}のような意見を述べる人の大半が、リーマン予想は正しいと（少なくとも楽観的には）期待している。これについて深刻に疑って考えている人は極めて少なく、{{harvtxt|Ivić|2008}}は懐疑的に考えているとみる理由があり、{{harvtxt|Littlewood|1962}}はこれは誤っていると平易に、リーマン予想が正しいという何らの証拠がない、それが正しいという理由を想像することもできないと述べている。サーベイの論文 ({{harvnb|Bombieri|2000}}, {{harvnb|Conrey|2003}}, と {{harvnb|Sarnak|2008}}) の共通認識としては、リーマン予想の正しい証拠は強いが完全ではないので、正しいとする一方で、これを疑う理由もあるとしている。
<!---==Arguments for and against the Riemann hypothesis==
Mathematical papers about the Riemann hypothesis tend to be cautiously noncommittal about its truth. Of authors who express an opinion, most of them, such as {{harvtxt|Riemann|1859}} or {{harvtxt|Bombieri|2000}}, imply that they expect (or at least hope) that it is true. The few authors who express serious doubt about it include {{harvtxt|Ivić|2008}} who lists some reasons for being skeptical, and {{harvtxt|Littlewood|1962}} who flatly states that he believes it to be false, and that there is no evidence whatever for it and no imaginable reason for it to be true. The consensus of the survey articles ({{harvnb|Bombieri|2000}}, {{harvnb|Conrey|2003}}, and {{harvnb|Sarnak|2008}}) is that the evidence for it is strong but not overwhelming, so that while it is probably true there is some reasonable doubt about it.-->

いくつかのリーマン予想の可非についての議論が{{harvtxt|Sarnak|2008}}, {{harvtxt|Conrey|2003}} と {{harvtxt|Ivić|2008}} にリストアップされているので、その理由と以下に記載する。
* いくつかのリーマン予想の類似がすでに証明されている。{{harvtxt|Deligne|1974}} によって有限体上の代数多様体のリーマン予想の証明が、リーマン予想を支持するひとつの強い理論的な理由であるかもしれない。このことは、より一般的な予想に証拠を提供していて、保型形式に付随するすべてのゼータ函数はリーマン予想をみたし、古典的なリーマン予想も特別な場合として含むかもしれないとしている。同様に、[[セルバーグゼータ函数]](Selberg zeta function)もリーマン予想の類似を満たし、函数動式を持っていることや無限積展開がオイラ積展開に似ていることから、いくつかの方法でリーマンゼータ函数に類似している。しかしながら、大きく異なっている点もある。例えば、これらはディリクレ級数によっては与えられない。{{仮リンク|ゴスのゼータ函数|en|Goss zeta function}}(Goss zeta function)に対するリーマン予想は {{harvtxt|Sheats|1998}} で証明された．これらのプラスの例に対して、しかしながら、[[エプシュタインのゼータ函数]](Epstein zeta function)の中には、クリティカルラインに無限に多くのゼロ点を持っている{{harv|Titchmarsh|1986}}にもかかわらず、リーマン予想を満たさないものもある。これらの函数は、リーマンのゼータ函数に全く似ていて、ディリクレ級数展開や函数等式を持っている。しかし、リーマン予想を満たさないことがわかっているものは、オイラー積展開をもたず、[[保型表現]]と直接の関係を持っていない。
<!---Some of the arguments for (or against) the Riemann hypothesis are listed by {{harvtxt|Sarnak|2008}}, {{harvtxt|Conrey|2003}}, and {{harvtxt|Ivić|2008}}, and include the following reasons.
* Several analogues of the Riemann hypothesis have already been proved. The proof of the Riemann hypothesis for varieties over finite fields by {{harvtxt|Deligne|1974}} is possibly the single strongest theoretical reason in favor of the Riemann hypothesis. This provides some evidence for the more general conjecture that all zeta functions associated with automorphic forms satisfy a Riemann hypothesis, which includes the classical Riemann hypothesis as a special case. Similarly [[Selberg zeta function]]s satisfy the analogue of the Riemann hypothesis, and are in some ways similar to the Riemann zeta function, having a functional equation and an infinite product expansion analogous to the Euler product expansion. However there are also some major differences; for example they are not given by Dirichlet series. The Riemann hypothesis for the [[Goss zeta function]] was proved by {{harvtxt|Sheats|1998}}. In contrast to these positive examples, however, some [[Epstein zeta function]]s do not satisfy the Riemann hypothesis, even though they have an infinite number of zeros on the critical line {{harv|Titchmarsh|1986}}. These functions are quite similar to the Riemann zeta function, and have a Dirichlet series expansion and a functional equation, but the ones known to fail the Riemann hypothesis do not have an Euler product and are not directly related to [[automorphic representation]]s.-->
* 多くのクリティカルライン上のゼロ点の数値的な評価は、最初のリーマン予想が正しいことの強い証拠のように思える。しかし、解析的数論は、大量な数値的証拠にh支持されている多くの予想が誤りであることを見破っている。巨大な[[スキューズ数]]を参照すると、リーマン予想に関係する、もっともに思える予想の第一の例外がおよそ 10<sup>316</sup> あたりに現れる。この大きさの虚部を持つリーマン予想の反例が、現在計算可能な量を超えたところにあるのかもしれない。問題は、振る舞いが log log T という非常に遅い増加函数の影響をときどき受けることにあり、無限大になっていくのであるが、あまりに遅いので、これを計算によって検出することができないことにあるのかもしれない。そのような函数がゼロ点の振る舞いを制御するゼータ函数の理論の中で起きている。例えば、上記の函数 S(T) の平均サイズは約 (log log T)<sup>1/2</sup> である。S(T) が すくなくとも 2 リーマン予想の何らかの反例の箇所でジャンプすると、S(T) が大きくなったときだけ、現れるようなリーマン予想の反例が現れ始めることがありうるかもしれない。計算による限りでは、ジャンプ幅が 3 を大きくは超えないが、境界がしめされているわけではなく、このことは、計算がゼータ函数の典型的な振る舞いの領域に届いていないかもしれないことを示唆している。
<!---* The numerical verification that many zeros lie on the line seems at first sight to be strong evidence for it. However analytic number theory has had many conjectures supported by large amounts of numerical evidence that turn out to be false. See [[Skewes number]] for a notorious example, where the first exception to a plausible conjecture related to the Riemann hypothesis probably occurs around 10<sup>316</sup>; a counterexample to the Riemann hypothesis with imaginary part this size would be far beyond anything that can currently be computed. The problem is that the behavior is often influenced by very slowly increasing functions such as log log ''T'', that tend to infinity, but do so so slowly that this cannot be detected by computation. Such functions occur in the theory of the zeta function controlling the behavior of its zeros; for example the function ''S''(''T'') above has average size around (log log ''T'')<sup>1/2</sup> . As ''S''(''T'') jumps by at least 2 at any counterexample to the Riemann hypothesis, one might expect any counterexamples to the Riemann hypothesis to start appearing only when ''S''(''T'') becomes large. It is never much more than 3 as far as it has been calculated, but is known to be unbounded, suggesting that calculations may not have yet reached the region of typical behavior of the zeta function.-->
* {{仮リンク|アルナウド・ダンジョワ|en|Arnaud Denjoy}}(Arnaud Denjoy)の確率論的なリーマン予想の議論 {{harv|Edwards|1974}} は、もし μ(x) が 1 と -1 のランダム数列でできているとすると、任意の {{nowrap|ε > 0}} に対して部分和が次のようになるという観察に基礎をおいている。
::<math>M(x) = \sum_{n \le x} \mu(n)</math>
:（[[:en:simple random walk|1-次元ランダムウォーク]]の中に位置を持つ値）は次の境界を持つ{{仮リンク|ほとんど確か|label=確率１|en|Almost surely}}である。
::<math>M(x)= O(x^{\frac{1}{2} +\varepsilon})</math>
:リーマン予想は、これから導出された[[メビウス関数|メビウス函数]]&nbsp;μ と{{仮リンク|メルテンス函数|en|Mertens function}}(Mertens function) ''M'' の境界と同値である。言い換えると、リーマン予想は、ある意味、''μ''(''x'') がコイン投げのランダム数列のような振る舞いをすることと同値であるとも言える。''μ''(''x'') がゼロでないとき、この符号は ''x'' の素数因子ののパリティを与えるので、非公式なリーマン予想では、正数の素数因子の数のパリティがランダムに振る舞うということもある。数論でそのような確率論的な議論は正しい答えを与えることがあるが、しかし、厳密に扱うことは非常に難しくなる傾向を持っていて、しばしば{{仮リンク|メイヤーの定理|en|Maier's theorem}}のように誤った答えを与えてしまうこともある。
*{{harvtxt|Odlyzko|1987}} の中の計算は、ゼータ函数のゼロ点の振る舞いがランダムエルミート行列の固有値に非常によく似ていることを示した。このことは、それらの固有が自己共役（自己随伴）作用素の固有値であることを示唆していて、これがリーマン予想を意味するのではないだろうか。しかし、そのような作用素を探す試み全ては失敗している。
*十分に大きな奇数に対する[[弱いゴールドバッハ予想]]のように、一般化されたリーマン予想を使って始めて証明されるような予想もある。後日、これが非伝統的な（一般化されたリーマン定理を前提にしない）方法で正しいことが示されることもありうる。この「予言」のいくつかが正しいことが判明して、このことは一般化されたリーマに予想の弱い証明ではないかと考えることもできる。
*2つの零点が非常に近いことがあるというレーマーの現象{{harv|Lehmer|1956}} は、リーマン予想が誤っているのではないかということの理由として考えられることがある。しかし、リーマン予想が正しいとしても、ときにはこの現象が発生することもあると期待することもできる。オドリツコの計算は、隣接する零点のペアが[[モンゴメリー・オドリズコ予想|モンゴメリー予想]]のような頻度で発生していることを示唆している。
*{{harvtxt|Patterson|1988}} は、ほとんどの数学者にとって、リーマン予想のほぼ強制的な理由が素数は出来うる限り整理されて分布しているという期待であると示唆している。
<!---* [[Arnaud Denjoy|Denjoy]]'s probabilistic argument for the Riemann hypothesis {{harv|Edwards|1974}} is based on the observation that if μ(''x'') is a random sequence of "1"s and "−1"s then, for every {{nowrap|ε > 0}}, the [[partial sum]]s
::<math>M(x) = \sum_{n \le x} \mu(n)</math>
:(the values of which are positions in a [[simple random walk]]) satisfy the bound
::<math>M(x) = O(x^{1/2+\varepsilon})</math>
:with [[Almost surely|probability 1]]. The Riemann hypothesis is equivalent to this bound for the [[Möbius function]]&nbsp;μ and the [[Mertens function]] ''M'' derived in the same way from it. In other words, the Riemann hypothesis is in some sense equivalent to saying that μ(''x'') behaves like a random sequence of coin tosses. When μ(''x'') is non-zero its sign gives the parity of the number of prime factors of ''x'', so informally the Riemann hypothesis says that the parity of the number of prime factors of an integer behaves randomly. Such probabilistic arguments in number theory often give the right answer, but tend to be very hard to make rigorous, and occasionally give the wrong answer for some results, such as [[Maier's theorem]].
* The calculations in {{harvtxt|Odlyzko|1987}} show that the zeros of the zeta function behave very much like the eigenvalues of a random Hermitian matrix, suggesting that they are the eigenvalues of some self-adjoint operator, which would imply the Riemann hypothesis. However all attempts to find such an operator have failed.
* There are several theorems, such as [[Goldbach's weak conjecture|the weak Goldbach conjecture]] for sufficiently large odd numbers, that were first proved using the generalized Riemann hypothesis, and later shown to be true unconditionally. This could be considered as weak evidence for the generalized Riemann hypothesis, as several of its "predictions" turned out to be true.
* Lehmer's phenomenon {{harv|Lehmer|1956}} where two zeros are sometimes very close is sometimes given as a reason to disbelieve in the Riemann hypothesis. However one would expect this to happen occasionally just by chance even if the Riemann hypothesis were true, and Odlyzko's calculations suggest that nearby pairs of zeros occur just as often as predicted by Montgomery's conjecture.
* {{harvtxt|Patterson|1988}} suggests that the most compelling reason for the Riemann hypothesis for most mathematicians is the hope that primes are distributed as regularly as possible.-->

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 関連文献 ==
{{参照方法|date=2013年2月}}
*[[本橋洋一]]，解析的整数論 I -- 素数分布論 --．朝倉書店，東京 2009（第2刷 2012:加筆含む）ISBN 978-4-254-11821-6
*{{Cite book|和書|author=本橋洋一|date=2011-07-10|title=解析的整数論 2（ゼータ解析）|series=朝倉数学大系 2|publisher=朝倉書店|isbn=978-4-254-11822-3|url=http://www.asakura.co.jp/books/isbn/978-4-254-11822-3/|ref={{harvid|本橋|2011}}}}
*本橋洋一，Riemann 予想　日本数学会　数学 54 (2002), 99-105.  https://www.jstage.jst.go.jp/article/sugaku1947/54/1/54_1_99/_article/-char/ja/
*{{Cite book|和書|author=本橋洋一|year=1999|month=1|title=リーマンゼータ函数と保型波動|series=共立講座21世紀の数学 第21巻|publisher=共立出版|isbn=4-320-01573-8|url=http://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320015739|ref={{harvid|本橋|1999}}}}
*A. Ivic, The Theory of Hardy's Z-Function, Cambridge University Press 2012. ISBN 9781107028838
*{{Cite book|author=Harold M. Edwards|authorlink=ハロルド・M・エドワーズ (数学者)|year=2001|title=Riemann's Zeta Function|publisher=Dover Publications|isbn=0-486-41740-9|ref={{harvid|Edwards|2001}}}}
**{{Cite book|和書|author=ハロルド・M・エドワーズ|authorlink=ハロルド・M・エドワーズ (数学者)|others=[[鈴木治郎]] 訳|date=2012-06-25|title=明解　ゼータ関数とリーマン予想|publisher=講談社|isbn=978-4-06-155799-4|url=http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1557998|ref={{harvid|エドワーズ|2012}}}}
*{{Cite book|和書|editor=[[鹿野健]] 編|year=1991|month=9|title=リーマン予想|publisher=[[日本評論社]]|isbn=4-535-78181-8|url=http://www.nippyo.co.jp/book/1261.html|ref={{harvid|鹿野|1991}}}}
*{{Cite book|和書|author=[[黒川信重]]|coauthors=[[梅田亨]]・[[若山正人]]・[[中島さち子]]|year=1999|month=6|title=ゼータの世界|publisher=[[日本評論社]]|isbn=4-535-78261-X|url=http://www.nippyo.co.jp/book/1262.html|ref={{harvid|黒川|梅田|若山|中島|1999}}}}
*{{Cite book|和書|author=黒川信重|coauthors=[[若山正人]]|date=2002-02-22|title=絶対カシミール元|publisher=岩波書店|isbn=4-00-006270-0|url=http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/0/0062700.html|ref={{harvid|黒川|若山|2002}}}}
*{{Cite book|和書|editor=黒川信重 編|year=2002|month=3|title=ゼータ研究所だより|publisher=日本評論社|isbn=4-535-78344-6|url=http://www.nippyo.co.jp/book/1870.html|ref={{harvid|黒川|2002}}}}
*{{Cite book|和書|author=黒川信重|date=2006-12-08|title=オイラー、リーマン、ラマヌジャン　時空を超えた数学者の接点|series=岩波科学ライブラリー 126|publisher=岩波書店|isbn=4-00-007466-0|url=http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/0/0074660.html|ref={{harvid|黒川|2006}}}}
*{{Cite book|和書|author=黒川信重|coauthors=[[小山信也]]|year=2010|month=9|title=絶対数学|publisher=日本評論社|isbn=978-4-535-78552-6|url=http://www.nippyo.co.jp/book/5408.html|ref={{harvid|黒川|小山|2010}}}}
*{{cite book|和書|author=黒川信重|coauthors=小山信也|year=2009|month=12|title=リーマン予想のこれまでとこれから|publisher=[[日本評論社]]|isbn=4-535-78550-2|url=http://www.nippyo.co.jp/book/5182.html|ref={{harvid|黒川|小山|2009}}}}
*{{cite book|和書|author=黒川信重|year=2009|month=11|title=リーマン予想の150年|publisher=[[岩波書店]]|isbn=978-4-00-006792-8|url=http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/3/0067920.html|series=数学，この大きな流れ|ref={{harvid|黒川|2009}}}}
*{{Cite book|和書|author=黒川信重|coauthors=小山信也|date=2011-11-25|title=リーマン予想の数理物理　ゼータ関数と分配関数|series=臨時別冊・数理科学 SGCライブラリ 86|publisher=[[サイエンス社]]|issn=0386-8257|url=http://www.saiensu.co.jp/?page=book_details&ISBN=ISBN4910054701111&YEAR=2011|ref={{harvid|黒川|小山|2011}}}}
*{{Cite book|和書|author=黒川信重|date=2012-11-30|title=リーマン予想の探求　ABCからZまで|series=知りたい!サイエンス 118|publisher=技術評論社|isbn=978-4-7741-5388-9|url=http://gihyo.jp/book/2012/978-4-7741-5388-9|ref={{harvid|黒川|2012}}}}
*{{Cite book|和書|author=小山信也|year=2010|month=12|title=素数からゼータへ、そしてカオスへ|publisher=日本評論社|isbn=978-4-535-78553-3|url=http://www.nippyo.co.jp/book/5470.html|ref={{harvid|小山|2010}}}}
*{{Cite book|和書|author=[[カール・サバー]]|others=[[黒川信重]] 監修、[[南條郁子]] 訳|date=2004-12-07|title=リーマン博士の大予想　数学の未解決最難問に挑む|publisher=[[紀伊国屋書店]]|isbn=4-314-00973-X|url=http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/431400973X.html|ref={{harvid|サバー|2004}}}} - 原タイトル：''Dr.Rieman’s zero.''
*{{Cite book|和書|author=[[清水健一]]|date=2011-10-20|title=大学入試問題で語る数論の世界　素数、完全数からゼータ関数まで|series=ブルーバックス B-1743|publisher=講談社|isbn=978-4-06-257743-4|url=http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2577437|ref={{harvid|清水|2011}}}}
*{{Cite book|和書|author=[[マーカス・デュ・ソートイ]]|others=[[冨永星]] 訳|date=2005-08-31|title=素数の音楽|series=新潮クレスト・ブックス|publisher=[[新潮社]]|isbn=4-10-590049-8|url=http://www.shinchosha.co.jp/book/590049/|ref={{harvid|ソートイ|2005}}}} - 原タイトル：''The music of the primes.''
*{{Cite book|和書|author=[[ジョン・ダービーシャー]]|others=[[松浦俊輔]] 訳|date=2004-08-30|title=素数に憑かれた人たち　リーマン予想への挑戦|publisher=[[日経BP社]]|isbn=4-8222-8204-X|url=http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P82040.html|ref={{harvid|ダービーシャー|2004}}}} - 原タイトル：''Prime obsession.''
*{{Cite book|author=E.C. Titchmarsh|authorlink=エドワード・チャールズ・ティッチマーシュ|year=1987|title=The Theory of the Riemann Zeta-Function|edition=2nd|publisher=Oxford University Press|isbn=0-19-853369-1 |ref={{harvid|Titchmarsh|1987}}}}
*{{Cite book|和書|editor=[[日本数学会]] 編|date=2007-03-15|edition=第4版|title=岩波 数学辞典|publisher=[[岩波書店]]|isbn=978-4-00-080309-0|url=http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/08/3/0803090.html|ref={{harvid|日本数学会|2007}}}}
*{{Cite book|和書|author=[[松本耕二]]|date=2005-11-20|title=リーマンのゼータ関数|series=開かれた数学 1|publisher=[[朝倉書店]]|isbn=4-254-11731-0|url=http://www.asakura.co.jp/books/isbn/978-4-254-11731-8/|ref={{harvid|松本|2005}}}}
*{{Cite book|和書|author=リーマン|authorlink=ベルンハルト・リーマン|others=[[足立恒雄]]・[[杉浦光夫]]・[[長岡亮介]] 編|date=2004-02-20|title=リーマン論文集|publisher=[[朝倉書店]]|isbn=4-254-11460-5|url=http://www.asakura.co.jp/books/isbn/978-4-254-11460-7/|ref={{harvid|リーマン|2004}}}}
* {{Citation | last1=Bohr | first1=H. | author1-link=Harald Bohr | last2=Landau | first2=E. | author2-link=Edmund Landau | title=Ein Satz über Dirichletsche Reihen mit Anwendung auf die ζ-Funktion und die ''L''-Funktionen | doi=10.1007/BF03014823 | journal=[[Rendiconti del Circolo Matematico di Palermo]] | volume=37 | issue = 1 | year=1914 | pages=269–272}}
* {{citation|last=Bombieri|year=2000|first= Enrico|authorlink=Enrico Bombieri|url=http://www.claymath.org/sites/default/files/official_problem_description.pdf|format=PDF|title=The Riemann Hypothesis – official problem description|publisher=[[Clay Mathematics Institute]]|accessdate=2008-10-25}} Reprinted in {{harv|Borwein|Choi|Rooney|Weirathmueller|2008}}.
* {{Citation | last1=Deninger | first1=Christopher|authorlink=Christopher Deninger | title=Proceedings of the International Congress of Mathematicians, Vol. I (Berlin, 1998) | url=http://www.mathematik.uni-bielefeld.de/documenta/xvol-icm/00/Deninger.MAN.html | mr=1648030 | year=1998 | journal=Documenta Mathematica | chapter=Some analogies between number theory and dynamical systems on foliated spaces | pages=163–186}}
*{{citation| last1=Lagarias | last2=Jeffrey |author-link=Lagarias, Jefferey C. |title=An elementary problem equivalent to the Riemann hypothesis | journal=American Mathematical Monthly | vol=109 |year=2002 | no=6 |page=534-543 }}
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* {{eom|id=Z/z099260|first=A. F. |last=Lavrik|title=Zeta-function}}
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*{{citation
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* {{citation|first=A. M.|last= Odlyzko|authorlink= Andrew Odlyzko |title=The 10<sup>20</sup>-th zero of the Riemann zeta function and 175 million of its neighbors|year= 1992|url=http://www.dtc.umn.edu/~odlyzko/unpublished/zeta.10to20.1992.pdf}} This unpublished book describes the implementation of the algorithm and discusses the results in detail.
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* {{Citation | last1=Selberg | first1=Atle|authorlink=Atle Selberg | title=Contributions to the theory of the Riemann zeta-function | mr=0020594 | year=1946 | journal=Arch. Math. Naturvid. | volume=48 | issue=5 | pages=89–155}}
* {{Citation | last1=Selberg | first1=Atle |authorlink=Atle Selberg| title=Harmonic analysis and discontinuous groups in weakly symmetric Riemannian spaces with applications to Dirichlet series | mr=0088511 | year=1956 | journal=J. Indian Math. Soc. (N.S.) | volume=20 | pages=47–87}}
* {{citation|first=Amit|last= Ghosh|title= On the Riemann zeta function—mean value theorems and the distribution of &#124;S(T)&#124;| journal= J. Number Theory |volume=17 | pages=93–102|year=1983|doi=10.1016/0022-314X(83)90010-0 }}
* {{citation|first=Jacques |last=Hadamard|authorlink=Jacques Hadamard|title=Sur la distribution des zéros de la fonction ζ(s) et ses conséquences arithmétiques|journal= Bulletin Société Mathématique de France |volume=14|year=1896|pages= 199–220|url=http://www.numdam.org/item?id=BSMF_1896__24__199_1}} Reprinted in {{harv|Borwein|Choi|Rooney|Weirathmueller|2008}}.
* {{citation|first=Ch.J.|last=de la Vallée-Poussin|authorlink=Charles Jean de la Vallée-Poussin|title=Recherches analytiques sur la théorie des nombers premiers|journal= Ann. Soc. Sci. Bruxelles |volume= 20 |year=1896 |pages= 183–256}}
* {{citation|first=Ch.J.|last=de la Vallée-Poussin|authorlink=Charles Jean de la Vallée-Poussin|title=Sur la fonction ζ(s) de Riemann et la nombre des nombres premiers inférieurs à une limite donnée|journal=Mem. Couronnes Acad. Sci. Belg. |volume= 59 |issue= 1 |year=1899–1900}} Reprinted in {{harv|Borwein|Choi|Rooney|Weirathmueller|2008}}.
* {{Citation | last1=Ford | first1=Kevin | title=Vinogradov's integral and bounds for the Riemann zeta function | doi=10.1112/S0024611502013655 | mr=1936814 | year=2002 | journal=Proceedings of the London Mathematical Society. Third Series | volume=85 | issue=3 | pages=565–633}}
* {{citation|url=http://www.claymath.org/sites/default/files/sarnak_rh_0.pdf |format=PDF|first=Peter |last=Sarnak|authorlink=Peter Sarnak|chapter=Problems of the Millennium: The Riemann Hypothesis |pages=107–115
|isbn=978-0-387-72125-5|editor1-last= Borwein|title=The Riemann Hypothesis: A Resource for the {{sic|Af|ficionado|hide=y}} and Virtuoso Alike |series=CMS Books in Mathematics|publisher=Springer|place=New York|year=2008
|editor1-first=Peter |editor2-first=Stephen |editor2-last=Choi |editor3-first=Brendan|editor3-last= Rooney |editor4-first= Andrea|editor4-last= Weirathmueller|displayeditors=4 }}

== 関連項目 ==<!--項目の50音順-->
*[[与えられた数より小さい素数の個数について]] - リーマンの原論文。{{harvtxt|エドワーズ|2012}}・{{harvtxt|鹿野|1991}}・{{Harvtxt|リーマン|2004}}に収録。
*[[L関数]]
*[[ゼータ関数]]
*[[素数定理]]
*[[ヒルベルトの23の問題]]
*[[ベルンハルト・リーマン]]
*[[ミレニアム懸賞問題]]
*[[モンゴメリー・オドリズコ予想]]
*[[ヒルベルト・ポリア予想]]

== 外部リンク ==
*{{Kotobank|リーマン予想|2=知恵蔵2013}}
*{{PDFLink|[http://hdl.handle.net/10091/13515 原論文「与えられた数より小さな素数の個数について」の日本語訳]}}
*{{MathWorld|title=Riemann Hypothesis|urlname=RiemannHypothesis}}
*[http://www.claymath.org/millennium/Riemann_Hypothesis/Official_Problem_Description.pdf The Riemann Hypothesis]
* {{Citation | last1=Conrad | first1=K. | title=Consequences of the Riemann hypothesis | url=http://mathoverflow.net/questions/17232 | year=2010}}
* {{citation|last=Odlyzko|first=Andrew|authorlink=Andrew Odlyzko|url=http://www.dtc.umn.edu/~odlyzko/|title=Home page}} including [http://www.dtc.umn.edu/~odlyzko/doc/zeta.html papers on the zeros of the zeta function] and [http://www.dtc.umn.edu/~odlyzko/zeta_tables/index.html tables of the zeros of the zeta function]
* {{citation|last=Odlyzko|first=Andrew|authorlink=Andrew Odlyzko|title=Zeros of the Riemann zeta function: Conjectures and computations|year=2002|url=http://www.dtc.umn.edu/~odlyzko/talks/riemann-conjectures.pdf|format=PDF}} Slides of a talk

{{ミレニアム懸賞問題}}

{{DEFAULTSORT:りいまんよそう}}
[[Category:数論]]
[[Category:予想]]
[[Category:数学に関する記事]]
[[Category:仮説]]