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'''リズムギター''' ('''Rhythm Guitar''')、'''サイドギター''' ('''Side Guitar''') とは、[[ギタリスト]]の役割分担、それに付随する、[[ギター]]の弾き方。[[歌]]や[[リードギター]]のバックアップ[[演奏]]を担うことが多い。 == 解説 == バッキングで、ギター[[ピック奏法|ストローク]]や[[ミュート (ギター)#カッティング|カッティング]]による[[奏法]]が主体となるのがリズムギター。それらも兼ねて、ギター[[フレーズ]]も演奏し、時には、リードギターとハーモナイズして弾くこともあるケースでは、サイドギター、その奏者の技術によって、「セカンド・ギター」などと呼ぶことが多い(主旋律や[[ソロ (音楽)|ソロ]]を弾くギターをリードギターと呼び、[[編曲|アレンジ]]やサウンドの範囲で、常に対となっていることが大部分である)。 ほとんどは、[[エレクトリックギター]]が2名以上のバンドにあてはまるが、リズムギターに関しては、まれに[[アコースティック・ギター]]で行う場合もある。1970年代のTCB([[エルヴィス・プレスリー]]のバックバンド)はリズムギターは2人おり、エレクトリックギターを[[ジョン・ウィルキンソン]]、アコースティックギターを「何でも屋」の[[チャーリー・ホッジ]]が演奏している。 ギタリストが複数在籍するバンドやグループにおいて、リード[[ボーカル]]担当のメンバーがギターを弾く場合は、負担の関係からそれに至るまでの経過は別として、リズムギターやサイドギターを担当する例が多い。 奏法や演奏パートとしてのリズムギターは、サイドギターの一部と呼んでも、ほぼ間違いなく、仮に、[[ギタリスト]]などの[[音楽家|ミュージシャン]]が時に使う、「リズムを切る(ギターでカッティングをする=ギターでリズムを刻む演奏をする)。」といった言い回しと、「サイドを切る(サイドギターで、または、サイドギタリストとして、ギター・カッティングのパートを演奏する)。」といった言い回しの、双方の表現を比較すると、ほぼ同義となる。 複数のギタリストの在籍していた[[ロック (音楽)|ロック]]系のバンドにおいては、[[1960年代]]半ばまで、このリズムギター在籍の形態が主であった。日本では、ほぼ同時期の[[グループ・サウンズ]](GS)において、(やはり、ギタリストが2名以上いる場合の多くのパターンで)採用されていた方式、または、パートである。時代が下って、[[矢沢永吉]]の在籍していたバンド「[[キャロル (バンド)|キャロル]]」では、[[ジョニー大倉]]が、リズムギターのパートを担っていた。 日本において、最もわかり易く音源も入手しやすい例は、[[1962年]]デビューの、[[ビートルズ]]の初期の楽曲である。主に[[ジョン・レノン]]が担当していた。ただし、中期以降は、曲に応じて、[[キーボード (楽器)|キーボード]]が導入されてギターが1台しか入っていなかったり、リードギター以外のギターが[[フレーズ]]を弾いていて、リズムギターというよりは、サイドギターという方が相応しい演奏もある(「主に」としたのは、例外があるからである。前期ではないが、後期のヒット曲「[[ゲット・バック]]」に於いては、ライヴ演奏での録音も行われたのにもかかわらず、ジョン・レノンがリード・ギター、[[ジョージ・ハリスン]]が完全なリズムギターとなっていた。詳細は、[[ザ・ビートルズ]]の記事を参照のこと)。 [[ローリング・ストーンズ]]については、それまでの通説やイメージとは異なり、初期において、[[ブライアン・ジョーンズ]]、[[キース・リチャーズ]]といった、2名のギタリスト共にギターソロを弾くことが可能であった。さらに、実際に両者共に、曲のタイプに合わせて役割分担していたために、単純に「リズムギター担当がどちら」とはいい難い。強いていうなら、「ブライアン」脱退後加入した[[ミック・テイラー]]が、主にリードギターに専念していた際には、「キース」がギターのバッキングで[[リズム]]を刻むことが多かった。キース自体は、リズムギターの重要性やギターカッティングの地位を向上させたともいえるが、彼は、初期やその後の[[ロン・ウッド]]加入後に、リードギターのパートを、曲ごとに弾き分けていることからも、単純に「キースがリズムギター担当」と解釈してよいのかは、疑問の余地がある。 また、[[ヤードバーズ]]の初期においても、リードギターは[[エリック・クラプトン]]であったが、[[クリス・ドレヤ]](当初の彼は、ほとんど、「リズムギター」的な演奏が主ではあった)などの「リードギタリスト」以外のギタリストにとっては、「リズムギター」は曲のアレンジにおける一つの奏法と呼んだ方がニュアンスに近く、このバンドのサウンド全般から述べると、サイドギターやセカンドギターと呼ぶ方が相応しい。 しかし、[[ジミー・ペイジ]]が加入した後に本来のギターに転向し、それまでのギタリスト[[ジェフ・ベック]]との新たな関係は、非常に短期間ながら、ツイン・リードギターとも呼ばれ、技術的フィーリング的にも対等・互角であった。どちらがサイドギターかは、ほとんどの場合、アレンジや、事前の申し合わせ、ないし、即興的に、どちらか一方のギタリストがソロ(リードパート)を弾いている際の、残りのもう片方と、その都度、暗黙の了解で決まった。また、ソロパートを弾かない側は、一緒にハーモナイズさせて演奏するか、サイドギターのパートに回るかは、恣意的でもあり、曲のアレンジでも異なった。よって、この場合は、「サイドギター」という名称は、部分的なパートを指す以外、ほとんど用いられなかった(注:「ツインリード(ギター)」という場合は、単純に「'''対等のギタリストが、バンド内に同時に2名在籍している'''」場合と、「'''ある楽曲内に於いて、特定の演奏パートを2人のギタリストがハーモナイズさせて弾く'''」場合との二通りがあるが、一般的には、後者のことを指す場合が多い)。 ギタリストが一人しかいないロック系のバンドの場合は(当時のブリティッシュ系ロックバンドの例なら、[[ザ・フー]]、[[クリーム (バンド)|クリーム]]、[[レッド・ツェッペリン]]、[[ディープ・パープル]]など。)、もちろん、ギタリストは「リードギタリスト」として存在しているが、[[ボーカル]]パートのバック演奏でリズムギターの役割をすることも多い。しかしそれは、歌のバッキングの[[編曲|アレンジ]]におけるバリエーション中での、一つのパターンやケースにすぎないといえる。 == 関連項目 == *[[バレーコード]] *[[ミュート (ギター)#カッティング|カッティング]] {{DEFAULTSORT:りすむきた}} [[Category:ギターの奏法]] [[it:Chitarra#Chitarra ritmica]]
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