リゲルのソースを表示

{{Otheruses|恒星のリゲル|その他}}
{{天体 基本
| 幅 = 
| 色 = 恒星
| 和名 = リゲル
| 英名 = [[:en:Rigel|Rigel]]
| 画像ファイル = 
| 画像サイズ = 
| 画像説明 = 
| 画像背景色 =
| 仮符号・別名 = オリオン座&beta;星<ref name="simbad" />
| 星座 = [[オリオン座]]
| 視等級 = 0.12<ref name="simbad" />
| 視直径 = 
| 変光星型 = [[脈動変光星]]<ref name="simbad" />
| 分類 = 
}}
{{天体 位置
| 色 = 恒星
| 位置画像 = Orion constellation map.png
| 元期 = [[J2000.0]]<ref name="simbad" />
| 赤経 = {{RA|05|14|32.27210}}<ref name="simbad" />
| 赤緯 = {{DEC|-08|12|05.8981}}<ref name="simbad" />
| 視線速度 =20.7km/s<ref name="simbad" />
| 赤方偏移=0.000069<ref name="simbad" />
| 固有運動 = [[赤経]]: 1.31 [[秒 (角度)|ミリ秒]]/年<ref name="simbad" /><br/>[[赤緯]]: 0.50 [[秒 (角度)|ミリ秒]]/年<ref name="simbad" />
| 年周視差 = 3.78± 0.34ミリ秒<ref name="simbad" />
| 距離 = 862.43 &plusmn; 85.24[[光年]]<ref name="注2" group="注"/><BR/>（264.55 &plusmn; 26.15[[パーセク]]）<ref name="注2" group="注"/>
| 絶対等級 = -6.993<ref name="注1" group="注"/>
}}
{{天体 物理
| 色 =恒星
| 赤道直径 =
| 直径 =
| 半径 = 70 [[太陽半径|''R''<sub>☉</sub>]]
| 表面積 =
| 体積 =
| 質量 = 17 [[太陽質量|''M''<sub>☉</sub>]]
| 相対対象（または、相対対象1） = 
| 相対質量（または、相対質量1） = 
| 相対対象2 =
| 相対質量2 =
| 平均密度 =
| 表面重力 =
| 脱出速度 =
| 自転周期 =
| スペクトル分類 = B8Iab<ref name="simbad" />
| 絶対等級 =
| 光度 =85,000 [[太陽光度|''L''<sub>☉</sub>]]<ref name="astro"/>
| アルベド =
| 赤道傾斜角 =
| 表面温度 = 11,500[[ケルビン|K]]<ref name="astro"/>
| 最小表面温度 = 
| 平均表面温度 = 
| 最大表面温度 = 
| 可視光明度 =
| 全波長明度 =
| 色指数_BV = -0.03<ref name="yale"/>
| 色指数_UB = -0.66<ref name="yale"/>
| 色指数_VI =
| 金属量 =
| 年齢 =
| 大気圧 =
}}
{{天体 別名称
| 色 =恒星 
| 別名称 = アルゲバル<br/>オリオン座19番星<ref name="simbad" /><BR/>[[ボン掃天星表|BD]] -8 1063<ref name="simbad" /><BR/>[[基本星表|FK5]] 194<ref name="simbad" />, [[ヘンリー・ドレイパーカタログ|HD]] 34085<ref name="simbad" /><BR/>[[ヒッパルコスカタログ|HIP]] 24436<ref name="simbad" />, [[輝星目録|HR]] 1713<ref name="simbad" /><BR/>[[スミソニアン天体物理観測所星表|SAO]] 131907<ref name="simbad" />
}}
{{天体 終了
| 色 =恒星 
}}

'''リゲル'''（Rigel）は、'''オリオン座&beta;星'''、[[オリオン座]]の[[恒星]]で全天21の1等星の1つ。[[冬のダイヤモンド]]を形成する恒星の1つでもある。

== 概要 ==
&beta;星ではあるが、平均[[視等級]]の数字ではα星の[[ベテルギウス]]よりも明るい。ベテルギウスは[[半規則変光星]]でありこの極大期にのみ明るさが逆転する{{refnest|group="注"|name="注3"|『2008年 天文観測年表』の175頁に掲載されている半規則型及び不規則型変光星の一覧表ではベテルギウスの変光範囲は0.0等 - 1.3等となっており<ref>天文観測年表編集委員会 編 『2008年 天文観測年表』 [[地人書館]]、[[2007年]][[11月20日]]初版第1刷発行、ISBN 978-4-8052-0789-5、175頁。</ref>、同書182頁に掲載されている5.05等より明るい恒星の一覧表<ref>『2008年 天文観測年表』、182頁。</ref>及び189頁に掲載されている3.0等より明るい恒星の一覧表<ref>『2008年 天文観測年表』、189頁。</ref>ではリゲルの明るさは0.12等となっており、極大期に限りベテルギウスはバイエル符号の順番通りオリオン座で最も明るく輝く。}}。

== 物理的特徴 ==
[[Image:Rigel_sun_comparision.png|thumb|none|250px|Computer generated image of Rigel compared to the Sun (to scale)]]
リゲルは、明るすぎて正確な視差の測定が困難とされてきた[[青色超巨星]]である。

リゲルは[[銀河系|天の川銀河]]において肉眼で見える最も明るい恒星のひとつである。地球から似た距離にある青色超巨星としては、約1100光年彼方にある、[[とも座ゼータ星|とも座&zeta;星]]があげられる。

リゲルはおよそ22～25日で変則的に0.03～0.3の範囲で等級を変化させる。リゲルは3重[[連星]]として知られている。（等級変化の不規則性から）3番目の[[伴星]]を持つという議論はしばしばなされるが、一般的には星の表面の物理的な脈動によって引き起こされていると考えられている<ref name="Burnham1978">{{cite book |title=Burnham's Celestial Handbook |last=Burnham |first=Robert, Jr. |authorlink= |coauthors= |year=1978 |publisher=Dover Publications |location=New York |isbn= |pages=1300 |url= }}</ref>。

質量が非常に大きいため、中心部での[[水素]]の核融合反応が急激に進んでおり、そのためあと数千万年で[[ヘリウム]]の核融合が始まって[[赤色超巨星]]となり、更に重い元素の中心核が形成され、[[超新星|超新星爆発]]を起こすと言われている。一方、[[恒星風]]によって表層から大量のガスが急速に失われており、数百万年経過すると超新星爆発を起こせなくなるほど質量が減り、最後は[[ネオン]]と[[酸素]]で構成された[[白色矮星]]となって星としての生涯を終えるという予測も存在する<ref>Fred Schaaf, ''The Brightest Stars'': Wiley, 2008, ISBN 978-0-471-70410-2 P.159.</ref>。

== 連星系 ==
リゲルは、少なくとも1831年より、[[フリードリッヒ・フォン・シュトルーベ]]によって、[[実視連星]]として観測され、知られている。しかし、等級6.7とされるリゲルBは、それより数百倍明るいリゲルAに近すぎて邪魔され、150ミリクラス以下の望遠鏡で観測するのは困難である<ref name="Burnham1978"/>。

二つのリゲル間の推定距離は、2,200[[天文単位]]以上であり、互いに回りあう固有の軌道を持っている<ref name="Burnham1978"/><ref name="Jedicke1992">{{cite book |chapter=Regal Rigel |title=The New Cosmos |last=Jedicke |first=Peter |authorlink= |coauthors=Levy, David H. |year=1992 |publisher=Kalmbach Books |location=Waukesha |isbn= |pages=48–53 |url= }}</ref>。

リゲルBはそれ自身9.8日の公転周期を持つ[[分光連星]]である<ref>{{仮リンク|ヨアヒム・ヘルマン|de|Joachim_Herrmann_(Astronom)}} 著、[[小平桂一]] 監修 『カラー天文百科』 [[平凡社]]、[[1976年]][[3月25日]]初版第1刷発行、245頁。</ref>。リゲルBを構成する2つの星のスペクトル型は共にB8Vである<ref name="Burnham1978"/><ref name="Jedicke1992"/>。

== 名称 ==
=== 固有名 ===
; リゲル
* 語源
: 日本では、しばしば「巨人の左足」という意味だとされているが、実際には、アラビア語で「足」を意味する rijl （رجل, ［リヂル］） が変化したものである。この星のアラビア名 Rijl al-Jawzā' （［リヂル・アル＝ジャウザー］、「ジャウザーの足」 の意）から来ている。10世紀末から見られる、アラビア語起源の星の西洋名の一つである<ref name=Kunitzsch>Kunitzsch. P., Smart. T., ''A Dictionary of Modern Star Names: A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations'', Cambridge, 2006, p. 46.</ref>。

* 表記と発音
: 日本での「リゲル」は、原綴りを綴字読み（[[ローマ字]]読み）したものからきている。英語では ［ライジェル］ というように発音される。

; アルゲバル
: リゲルの別名としては、同じアラビア語起源のアルゲバル (Algebar) またはエルゲバル (Elgebar) がある。これは、アラビアでの別名 Rijl al-Jabbār （［リヂル・アル＝ヂャッバール］、「巨人の足」 の意）から来たものである。リゲルが天文学でも広く使われていることもあり、アルゲバルは、現在では、ほとんど用いられることはない。

=== 和名 ===
[[ファイル:Orion jiten.jpg|thumb|『日本星名辞典』に掲載された図と注釈の再現]]
リゲルの和名は「'''源氏星'''」（げんじぼし）とされている<ref name="jisyo">三省堂『[[大辞林]]』810項</ref><ref name="jiten">『[[日本大百科全書]]』23巻リゲル項</ref><ref>野尻抱影 著 『新星座巡礼』 19項</ref><ref>野尻抱影 著 『星三百六十五夜』上巻（1978年）38項</ref><ref name="天文ガイド">『月刊[[天文ガイド]]』2007年2月号134項</ref><ref>講談社『[[日本語大辞典]]』（リゲル項）2063項／平凡社『[[マイペディア]]』（リゲル項）1502項／ポプラ社『[[ポプラディア]]』第10巻（リゲル項）／学研の図鑑『星・星座』75項</ref>。

[[岐阜県]]において、平家星・源氏星という方言が見つかっている<ref name="天文ガイド"/><ref name="日本星名事典">[[野尻抱影]] 著 『日本星名辞典』 [[東京堂出版]]、1973年、154-155頁</ref><ref name="星の方言集">野尻抱影 著 『星の方言集 - 日本の星』 [[中央公論社]]、1957年、265-269頁</ref>。
これは昭和25年に、[[野尻抱影]]に報告された方言であり{{refnest|group="注"|name="注4"|北尾は発見者を香田としている<ref name="kitao1"/>。香田まゆみ（または寿男）は昭和25年に平家星をリゲルと特定した古老の存在を野尻に報告している<ref name="日本星名事典"/><ref name="星の方言集"/>。}}、[[ベテルギウス]]の赤色とリゲルの白色を[[源氏]]と[[平家]]の旗色になぞらえた表現に由来したと解釈されている。　野尻は農民の星の色を見分けた目の良さに感心し、それ以後は[[天文博物館五島プラネタリウム|渋谷のプラネタリウム]]で解説する際には、平家星・源氏星という名称を使用するようになった<ref name="日本星名事典"/><ref name="星の方言集"/>。

天文誌、図鑑、野尻抱影や[[藤井旭]]の著書をはじめ、多くの本で、リゲルの和名を「'''源氏星'''」と特定した上で、岐阜の方言であるとしている<ref name="天文ガイド"/><ref name="日本星名事典"/><ref name="星の方言集"/><ref>藤井旭 著 『宇宙大全』441項／同著『全天星座百科』150項／同著『星座大全』35-36項</ref><ref>[[講談社]]、[[林完次]] 著  『21世紀星空早見ガイド』50項</ref>（ただし、岐阜県の[[揖斐郡]][[横蔵村]]（現[[揖斐川町]]）においてリゲルを平家星とする村の古老が一名いたことが野尻抱影によって紹介されており <ref name="日本星名事典"/><ref name="星の方言集"/>、民俗学の見地から異論を唱える研究者もいる<ref name="注4" group="注"/>）。

また、増田正之は昭和60年に、[[富山県]][[高岡市]]の市立伏木小学校において、リゲルを源氏星とした方言を見つけている<ref>増田正之『ふるさとの星 続越中の星ものがたり』15項および、巻末 富山県星の一覧表3項</ref>。

また、[[滋賀県|滋賀]]の[[虎姫町|虎姫]]（現・[[長浜市]]）でリゲルを'''銀脇'''（ぎんわき）とする方言が発見されている。これは、[[オリオン座]]の三つ星の脇にある関係と[[ベテルギウス]]の金色とリゲルの白色とを見分けた表現から来ている。このように星を色で見分けた表現は、世界的に類を見ないと言われている<ref name="日本星名事典"/>。

その他、リゲルが関係する[[アステリズム]]の方言は[[星・星座に関する方言#オリオン座|リゲル関係の方言]]を参照。

; 北尾浩一の見解
: 北尾浩一は、著書の中で揖斐地方で発見された'''平家星'''（へいけぼし）をリゲルとして分類している<ref name="kitao1">[[学術出版会]] 北尾浩一著 『天文民俗学序説 - 星・人・暮らし』39項の表より</ref><ref name="注4" group="注"/>。
: 多くの書籍で、源氏星がリゲルを示す岐阜の方言とされている事について、野尻抱影の著書における村の古老の証言と逆であると指摘している。北尾浩一は、再調査を行い、発見地とされる揖斐地方では一般的に認識されている[[源氏|源]][[平家|平]]の旗印の色とは逆であったことを確認している<ref name="kitao">北尾浩一 [http://www.geocities.jp/north_tail_kk/genjiboshi.html 「『源氏星』と『平家星』」] - [http://www.geocities.jp/north_tail_kk/ 星・人・暮らしの博物館]、[[東亜天文学会]]『[[天界 (雑誌)|天界]]』2005年11月号648頁</ref>。この見解が最初に発表されたのは2005年であり、野尻は既に亡くなっていた。野尻は、源氏星をリゲルと特定したが、香田より第一報を受けた後、1000回を超えるやり取りの後、初めて信用したと証言されている<ref name="kitao"/>。

=== 中国名 ===
中国では参宿第七星（參宿七）。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}

=== 注釈 ===
<references group="注">
<ref name="注1">視等級 + 5 + 5×log（年周視差（秒））より計算。有効桁小数第3位</ref>
<ref name="注2">パーセクは1 ÷ 年周視差（秒）より計算（誤差も同様）、光年はパーセク×3.26より計算。各有効桁小数第2位</ref>
</references>

=== 出典 ===
<div class="references-small">
<references>
<ref name="astro">{{cite web |url=http://stars.astro.illinois.edu/sow/rigel.html |title=Rigel |accessdate=2012-01-19 |last=Kaler |first=James |coauthors= |date= |work= |publisher=}}</ref>
<ref name="simbad">{{cite web
  | title=SIMBAD Astronomical Database
  | work=Results for V* bet Ori
  | url=http://simbad.u-strasbg.fr/simbad/sim-id?Ident=RIGEL
  | accessdate=2013-01-19}}</ref>
<ref name="yale">[[輝星目録|イェール輝星目録]]第5版</ref>
</references>
</div>

== 関連項目 ==
* [[明るい恒星の一覧]]
* [[ケンタウルス座アルファ星|リゲル・ケンタウルス（リギル・ケンタウルス）]] 同じアラビア語の'''足'''を語源に持つ星。
* [[ヤコブの杖]] 14世紀に使用された観測機器。　

== 外部リンク ==
* {{cite web
 | title=SIMBAD Astronomical Database
 | work=ADS 3823 BC
 | url=http://simbad.u-strasbg.fr/simbad/sim-id?Ident=%40771341
 | accessdate=2013-01-19}} 伴星のデータ
* {{cite web
 | title=SIMBAD Astronomical Database
 | work=BD-08 1063B
 | url=http://simbad.u-strasbg.fr/simbad/sim-id?Ident=CCDM%20J05145-0812%20B
 | accessdate=2013-01-19}} 伴星のデータ
* {{cite web
 | title=SIMBAD Astronomical Database
 | work=BD-08 1063C
 | url=http://simbad.u-strasbg.fr/simbad/sim-id?Ident=CCDM%20J05145-0812%20C
 | accessdate=2013-01-19}} 伴星のデータ
{{1等星}}

{{DEFAULTSORT:りける}}
[[Category:脈動変光星]]
[[Category:連星]]
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[[Category:オリオン座]]
[[Category:天文学に関する記事]]
[[Category:恒星の固有名]]
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