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'''モット絶縁体''' ('''Mott-insulator''') とは、[[バンド理論]]では[[金属]]的と予想されるにもかかわらず、電子間斥力の効果([[電子相関]]効果)によって実現している[[絶縁体]]状態のことである。 [[バンド理論]]によれば、[[単位胞]]あたりの[[電子]]数が奇数の場合は、バンドは部分的にしか占有されないため、必ず[[金属]]的になるはずである。しかし実際には[[単位胞]]あたりの[[電子]]数が奇数となる化合物の中にも[[金属]]的な[[電気伝導]]を示さず、[[絶縁体]]となるものが存在する。これらの[[絶縁体]]の[[基底状態]]が[[電子相関]]に起因するものであることを指摘したのが[[ネヴィル・モット|モット]]と[[ルドルフ・パイエルス|パイエルス]]である。モットが指摘したこの転移は、絶縁相に関して磁性の状態は仮定されていないが、現実の「モット絶縁体」では反強磁性を示すなど磁性状態になる。 ==モット絶縁体の例== モット絶縁体の例として ReNiO<sub>3</sub> が挙げられる。ここで Re には[[希土類]]元素が入る。ReNiO<sub>3</sub> は[[ペロブスカイト]]構造をとる[[遷移金属]]酸化物である。 低温では[[価電子]]が [[ニッケル|Ni]] サイトに局在している。しかし温度が上昇すると Re のイオン半径が増加するため、結晶構造に歪みが生じる。これにより、Ni サイトに局在していた電子が波動性を回復して結晶全体に広がり、金属に転移する。 Re が Pr([[プラセオジム]])または Nd([[ネオジム]])の場合、低温の絶縁体相は同時に[[反強磁性]]を示す。 [[Category:固体物理学|もつとせつえんたい]]
モット絶縁体
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