メルセンヌ数のソースを表示

'''メルセンヌ数'''（メルセンヌすう、{{Lang-en-short|Mersenne number}}）とは、[[2の冪]]よりも 1 小さい[[自然数]]、すなわち 2{{sup|''n''}} &minus; 1（''n'' は自然数）の形の自然数のことである。これを ''M{{sub|n}}'' で表すことが多い。[[2進数]]で表記すると、''n'' 桁の '''11…11''' である。特に、[[素数]]であるメルセンヌ数を'''メルセンヌ素数'''（メルセンヌそすう、{{Lang-en-short|Mersenne prime}}）という。''M{{sub|n}}'' が素数ならば ''n'' は素数であるが、逆に ''n'' が素数であっても ''M{{sub|n}}'' は素数とは限らない (''M''{{sub|11}} = 23 × 89)。後述するように、効率的な[[#素数判定法|素数判定法]]によって、巨大な素数の実例としてメルセンヌ素数を発見することが特に興味の対象となっている。このため近年では、[[分散コンピューティング]]によるプロジェクト [[GIMPS]] (Great Internet Mersenne Prime Search) によるメルセンヌ素数の発見が進められている。

なお、「メルセンヌ数」という語で、''n'' が素数であるもののみを指したり<ref>[[#Reference-Mathworld-Mersenne_Number|Mathworld]]</ref>、さらに狭くメルセンヌ素数を指す場合もある<ref>『岩波数学辞典』第3版 180E ではそのようになっている。[[#一松2007|一松(2007)]] p. 73 によれば、これは日本のごく一部での用法であるらしい。『岩波数学辞典』第4版 194D では、メルセンヌ数とメルセンヌ素数を使い分けている。</ref>。

== 歴史 ==
[[1644年]]に[[マラン・メルセンヌ]]は、 2{{sup|''n''}} &minus; 1 が素数になるのは、''n'' &le; 257 では、''n'' = 2, 3, 5, 7, 13, 17, 19, 31, 67, 127, 257 だけであると主張した。しかしその主張の一部は誤っていた。リストに含まれていない ''M''{{sub|61}}, ''M''{{sub|89}}, ''M''{{sub|107}} が素数であり、リストに含まれている ''M''{{sub|67}}, ''M''{{sub|257}} は[[合成数]]である<ref name="Tannaka1982">[[#淡中1982|淡中(1982)]]、65-67頁</ref><ref>[[#中村2008|中村(2008)]]、80頁</ref>。

''M''{{sub|31}} は1772年、 [[レオンハルト・オイラー]] によって素数であると証明された<ref name="Tannaka1982" /><ref>[[#和田1981|和田(1981)]]、51頁</ref>。

''M''{{sub|127}} は1876年、 [[エドゥアール・リュカ]] によって素数であると証明された<ref name="Tannaka1982" /><ref>[[#中村2008|中村(2008)]]、83-84頁</ref>。

''M''{{sub|61}} が素数であることは、1883年に{{仮リンク|イヴァン・パヴシン|en|Ivan Mikheevich Pervushin}}によって示された<ref name="Tannaka1982" />。

''M''{{sub|67}} が素数でないことは、1903年10月、[[フランク・ネルソン・コール]]により示された。彼はニューヨークで開かれたアメリカ数学会で 193707721 × 761838257287
を黒板に計算し、''M''{{sub|67}} と一致することを証明した。この間一言もしゃべらず、席に戻った後、少し間を置いて拍手が沸き起こったと伝えられている<ref>[[#中村2008|中村(2008)]]、87頁</ref>。

1952年、[[ラファエル・M・ロビンソン]] が [[Standards Western Automatic Computer|SWAC]] を利用して ''M''{{sub|521}} から ''M''{{sub|2281}} まで、5つのメルセンヌ素数を発見<ref name="Tannaka1982" />して以降、発見にはコンピュータが使用されており、コンピュータの進歩と共に新たなメルセンヌ素数が発見されつつある。

== 数学的性質 ==
''M{{sub|n}}'' が素数ならば ''n'' は素数であるが、''n'' が素数であっても ''M{{sub|n}}'' は素数とは限らない。前者の[[対偶]]である命題「''n'' が合成数ならば ''M{{sub|n}}'' は合成数である」は次の式から示される<ref name="Tannaka1982" /><ref>[[#中村2008|中村(2008)]]、81頁</ref>。
:2{{sup|''ab''}} &minus; 1 = (2{{sup|''a''}} &minus; 1){1 + 2{{sup|''a''}} + 2{{sup|2''a''}} + ... + 2{{sup|(''b''&minus;1)''a''}}}

=== 素因数 ===
''p'' が素数の時、''M{{sub|p}}'' の素因数は 2''p'' を法として 1 と合同<ref name="Wada1981p192">[[#和田1981|和田(1981)]]、192頁</ref>、かつ 8 を法として 1 または &minus;1 と合同である<ref name="Wada1981p193">[[#和田1981|和田(1981)]]、193頁</ref>。また、''p'' が 4 を法として 3 と合同なとき、''M{{sub|p}}'' が 2''p'' + 1 で割れることと、2''p'' + 1 が素数であることは同値である<ref name="Wada1981p193" />。また、''M{{sub|p}}'' の最大の素因数 ''q'' は ''q'' ≧ ''c{{sub|5}}'' ''p'' log ''p''（''c{{sub|5}}'' は計算可能な定数）を満足する（[[ポール・エルデシュ|Erdős]]-Shoreyの定理1）<ref>{{Cite journal
|first1 = P.|last1 = Erdős
|first2 = T. N.|last2 = Shorey
|title = On the greatest prime factor of 2{{sup|''p''}} &minus; 1 for a prime ''p'', and other expressions
|journal = Acta Arithmetica
|volume = 30
|issue = 3
|year = 1976
|publisher = Institute of Mathematics Polish Academy of Sciences
|url = http://www.renyi.hu/~p_erdos/1976-28.pdf
|format = PDF
|pages = 257-265
|ref = {{Harvid|Erdős|Shorey|1976}}
}}</ref>。

=== 完全数 ===
''M{{sub|p}}'' = 2{{sup|''p''}} &minus; 1 が素数であるならば、2{{sup|''p''&minus;1}}(2{{sup|''p''}} &minus; 1) は[[完全数]]となる<ref name="Tannaka1982" /><ref name="Wada1981pp59-61">[[#和田1981|和田(1981)]]、59-61頁</ref>。この定理はすでに[[紀元前4世紀]]の[[エウクレイデス]]（ユークリッド）によって証明されていた<ref>『[[ユークリッド原論]]』[[#共立版|第9巻、命題36]]、225-226頁</ref>。およそ二千年の後に、全ての[[偶数]]の完全数はこの形の時に限るということが18世紀の[[レオンハルト・オイラー]]により証明された<ref name="Wada1981pp59-61" />。

=== メルセンヌ素数 ===
{{#time:Y年n月}}現在、メルセンヌ素数は48個まで知られている。ただし、メルセンヌ素数としての番号が確定しているものは、43番目までであり、
:''p'' = [[2]], [[3]], [[5]], [[7]], [[13]], [[17]], [[19]], [[31]], [[61]], [[89]], 107, 127, 521, 607, 1279, 2203, 2281, 3217, 4253, 4423, 9689, 9941, 11213, 19937, 21701, 23209, 44497, 86243, 110503, 132049, 216091, 756839, 859433, 1257787, 1398269, 2976221, 3021377, 6972593, 13466917, 20996011, 24036583, 25964951, 30402457
における ''M{{sub|p}}'' がそうである。さらに44番目の候補として ''p'' = 32,582,657 が挙がっており、現在間に素数がないかどうか検証中である。

[[分散コンピューティング]]によるプロジェクト [[GIMPS]] はメルセンヌ素数を発見することを目的としており、近年発見されたものは全てこのプロジェクトによるものである。
*[[2004年]][[5月15日]]、GIMPS は41番目の素数候補が発見されたことを発表した。検証後723万5733桁の数、2{{sup|24036583}} &minus; 1 が素数であることが確認された。
*[[2005年]][[2月27日]]、GIMPS は42番目の素数候補がドイツの眼科医によって発見されたことを報告した。781万6230桁の数、2{{sup|25964951}} &minus; 1 であり、[http://www.mersenne.org/prime8.txt]に掲載されている。
*2005年12月15日、GIMPS は43番目の素数候補が米国のセントラル・ミズーリ州立大学（現{{仮リンク|セントラル・ミズーリ大学|en|University of Central Missouri}}）の教授2名によって発見されたと報じた。2{{sup|30402457}} &minus; 1、915万2052桁 [http://www.mersenneforum.org/txt/43.txt]。
*2006年9月4日、GIMPS は44番目の素数候補が、43番目の素数候補を発見したのと同じ教授2名によって発見されたと報じた。2{{sup|32582657}} &minus; 1、980万8358 桁[http://www.mersenneforum.org/txt/44.txt]。
*2008年8月23日、GIMPS は46番目の素数候補が、[[カリフォルニア大学ロサンゼルス校]]の数学部のコンピュータによって発見されたと報じた。2{{sup|43112609}} &minus; 1、1297万8189 桁 （十進法で表記すると 2{{sup|43112609}} &minus; 1 ≒ 3.1647 × 10{{sup|12978188}}）[http://www.mersenneforum.org/txt/46.txt]。発見順では45番目だが、次に発見されたメルセンヌ素数と発見時期が近かったため、46番目の候補として45番目の候補と同時に発表された。この素数は[[電子フロンティア財団]]が賞金をかけた1000万桁以上の最初の素数となるため、GIMPS によって同校数学部に50,000ドル、慈善事業に25,000ドル、残りを前の6つのメルセンヌ素数の発見者へ分配することになった。
*2008年9月6日、GIMPS は45番目の素数候補が、ドイツで発見されたと報じた。2{{sup|37156667}} &minus; 1、1118万5272 桁[http://www.mersenneforum.org/txt/45.txt]。これは、GIMPS によって発見された中では、発見順序と桁数が逆転した初めてのケースである。

== 素数判定法 ==
メルセンヌ数が素数かどうかを調べるための判定法として[[リュカ・テスト]] ([[:en:Lucas primality test|Lucas test]]) と[[リュカ-レーマー・テスト]] ([[:en:Lucas–Lehmer primality test|Lucas-Lehmer primality test]]) がある。

=== リュカ・テスト ===
''p'' が (4''j'' + 3) 型の素数のとき、''S''{{sub|0}} = 3, ''S{{sub|n}}'' = ''S''{{sub|''n''&minus;1}}{{sup|2}} &minus; 2 (''n'' ≧ 1) と定義すると、
:<math>M_p \not | S_k \ \ (0 \leqq k \leqq p-2)</math> ならば、''M{{sub|p}}'' は合成数である。
:<math>M_p \mid  S_{p-2}</math> ならば、''M{{sub|p}}'' は素数である<ref>[[#中村2008|中村(2008)]]、82-84頁</ref><ref>[[#Lucas1878|Lucas(1878)]]</ref><ref>[[#Lucas1969|Lucas(1969)]]</ref>。
証明は[[リュカ・テストの証明]]を参照。

=== リュカ-レーマー・テスト ===
[[デリック・ヘンリー・レーマー]] ([[:en:Derrick Henry Lehmer|en]]) は、[[エドゥアール・リュカ]]の判定法を改良し、今日では[[リュカ-レーマー・テスト]] ([[:en:Lucas–Lehmer primality test|Lucas-Lehmer primality test]]) と呼ばれる、メルセンヌ数に対する素数判定法を確立した。

:''p'' が奇素数のとき、''M{{sub|p}}'' が素数となるための必要十分条件は、''S''{{sub|0}} = 4, ''S{{sub|n}}'' = ''S''{{sub|''n''&minus;1}}{{sup|2}} &minus; 2 (''n'' ≧ 1) と定義したときに ''S''{{sub|''p''&minus;2}} が ''M{{sub|p}}'' で割り切れることである<ref>[[#中村2008|中村(2008)]]、84-85頁</ref><ref>[[#和田1981|和田(1981)]]、50-52頁、194-199頁</ref><ref>[[#和田1999|和田(1999)]]、§5 リュカ・テスト</ref>。

リュカ-レーマー・テストは[[二進法]]を用いた[[コンピュータ]]の処理に向いており、コンピュータによるメルセンヌ素数の発見には、この判定法が用いられてきた。
例えば、2{{sup|''p''}} &equiv; 1 (mod ''M{{sub|p}}'') より、''A''・2{{sup|''p''}} + ''B'' &equiv; ''A'' + ''B'' (mod ''M{{sub|p}}'') が成り立つので、''M{{sub|p}}'' で割る割り算の代わりに、二進法で ''p'' 桁の[[シフト演算]]と足し算だけで計算できる。
現在「最大の」素数がメルセンヌ素数である理由はこの判定法にあると言える。

証明は[[リュカ-レーマー・テストの証明]]を参照。

== 発見されているメルセンヌ素数の表 ==
{{OEIS|id=A000668}}
{|class="wikitable"
!#
!''p''
!''M{{sub|p}}''
!''M{{sub|p}}'' の桁数
!発見日
!発見者
|-
|align="right"|1
|align="right"|2
|align="right"|3
|align="right"|1
|紀元前5世紀<ref name="isthe" />
|[[古代ギリシャ]]の数学者
|-
|align="right"|2
|align="right"|3
|align="right"|7
|align="right"|1
|紀元前5世紀<ref name="isthe" />
|[[古代ギリシャ]]の数学者
|-
|align="right"|3
|align="right"|5
|align="right"|31
|align="right"|2
|紀元前3世紀<ref name="isthe" />
|[[古代ギリシャ]]の数学者
|-
|align="right"|4
|align="right"|7
|align="right"|127
|align="right"|3
|紀元前3世紀<ref name="isthe" />
|[[古代ギリシャ]]の数学者
|-
|align="right"|5
|align="right"|13
|align="right"|8191
|align="right"|4
|1456年
|不明<ref>The Prime Pages, [http://primes.utm.edu/mersenne/ Mersenne Primes: History, Theorems and Lists].</ref>
|-
|align="right"|6
|align="right"|17
|align="right"|131071
|align="right"|6
|1588年
|{{仮リンク|ピエトロ・カタルディ|en|Pietro Cataldi}}
|-
|align="right"|7
|align="right"|19
|align="right"|524287
|align="right"|6
|1588年
|[[ピエトロ・カタルディ]]
|-
|align="right"|8
|align="right"|31
|align="right"|2147483647
|align="right"|10
|1772年
|[[レオンハルト・オイラー]]
|-
|align="right"|9
|align="right" |61
|align="right"|2305843009213693951
|align="right"|19
|1883年
|{{仮リンク|イヴァン・パヴシン|en|Ivan Mikheevich Pervushin}}
|-
|align="right"|10
|align="right"|89
|align="right"|618970019…449562111
|align="right"|27
|1911年
|{{仮リンク|R・E・パワーズ|en|R. E. Powers}}
|-
|align="right"|11
|align="right"|107
|align="right"|162259276…010288127
|align="right"|33
|1914年
|[[R・E・パワーズ]]<ref>The Prime Pages, [http://primes.utm.edu/notes/fauquem.html M{{sub|107}}: Fauquembergue or Powers?].</ref>
|-
|align="right"|12
|align="right"|127
|align="right"|170141183…884105727
|align="right"|39
|1876年
|[[エドゥアール・リュカ]]
|-
|align="right"|13
|align="right"|521
|align="right"|686479766…115057151
|align="right"|157
|1952年1月30日
|{{仮リンク|ラファエル・M・ロビンソン|en|Raphael M. Robinson}}, 使用:[[Standards Western Automatic Computer|SWAC]]
|-
|align="right"|14
|align="right"|607
|align="right"|531137992…031728127
|align="right"|183
|1952年1月30日
|[[ラファエル・M・ロビンソン]]
|-
|align="right"|15
|align="right"|1,279
|align="right"|104079321…168729087
|align="right"|386
|1952年6月25日
|[[ラファエル・M・ロビンソン]]
|-
|align="right"|16
|align="right"|2,203
|align="right"|147597991…697771007
|align="right"|664
|1952年10月7日
|[[ラファエル・M・ロビンソン]]
|-
|align="right"|17
|align="right"|2,281
|align="right"|446087557…132836351
|align="right"|687
|1952年10月9日
|[[ラファエル・M・ロビンソン]]
|-
|align="right"|18
|align="right"|3,217
|align="right"|259117086…909315071
|align="right"|969
|1957年9月8日
|[[ハンス・リーゼル]], 使用:[[BESK]]
|-
|align="right"|19
|align="right"|4,253
|align="right"|190797007…350484991
|align="right"|1,281
|1961年11月3日
|[[アレクサンダー・フルウィッツ]], 使用:[[IBM 7090]] <!--英語版では削除されている-->
|-
|align="right"|20
|align="right"|4,423
|align="right"|285542542…608580607
|align="right"|1,332
|1961年11月3日
|[[アレクサンダー・フルウィッツ]]
|-
|align="right"|21
|align="right"|9,689
|align="right"|478220278…225754111
|align="right"|2,917
|1963年5月11日
|[[ドナルド・ギリース]], 使用:[[ILLIAC II]]
|-
|align="right"|22
|align="right"|9,941
|align="right"|346088282…789463551
|align="right"|2,993
|1963年5月16日
|[[ドナルド・ギリース]]
|-
|align="right"|23
|align="right"|11,213
|align="right"|281411201…696392191
|align="right"|3,376
|1963年6月2日
|[[ドナルド・ギリース]]
|-
|align="right"|24
|align="right"|19,937
|align="right"|431542479…968041471
|align="right"|6,002
|1971年3月4日
|{{仮リンク|ブライアント・タッカーマン|en|Bryant Tuckerman}}, 使用:[[IBM 360]]/91
|-
|align="right"|25
|align="right"|21,701
|align="right"|448679166…511882751
|align="right"|6,533
|1978年10月30日
|{{仮リンク|ランドン・カート・ノル|en|Landon Curt Noll}} & ローラ・ニッケル, 使用:[[CDC Cyber]] 174
|-
|align="right"|26
|align="right"|23,209
|align="right"|402874115…779264511
|align="right"|6,987
|1979年2月9日
|[[ランドン・カート・ノル]]
|-
|align="right"|27
|align="right"|44,497
|align="right"|854509824…011228671
|align="right"|13,395
|1979年4月8日
|[[ハリー・ネルソン]] & {{仮リンク|デイヴィッド・スローウィンスキー|en|David Slowinski}}
|-
|align="right"|28
|align="right"|86,243
|align="right"|536927995…433438207
|align="right"|25,962
|1982年9月25日
|[[デイヴィッド・スローウィンスキー]]
|-
|align="right"|29
|align="right"|110,503
|align="right"|521928313…465515007
|align="right"|33,265
|1988年1月28日
|ウォルター・コルキット & ルーク・ウェルシュ
|-
|align="right"|30
|align="right"|132,049
|align="right"|512740276…730061311
|align="right"|39,751
|1983年9月19日<ref name="isthe">[[Landon Curt Noll]], [http://www.isthe.com/chongo/tech/math/prime/mersenne.html#largest Mersenne Prime Digits and Names].</ref>
|[[デイヴィッド・スローウィンスキー]]
|-
|align="right"|31
|align="right"|216,091
|align="right"|746093103…815528447
|align="right"|65,050
|1985年9月1日<ref name="isthe" />
|[[デイヴィッド・スローウィンスキー]]
|-
|align="right"|32
|align="right"|756,839
|align="right"|174135906…544677887
|align="right"|227,832
|1992年2月19日
|[[デイヴィッド・スローウィンスキー]] & {{仮リンク|ポール・ゲイジ|en|Paul Gage}} 使用:[[Harwell Lab]] [[Cray-2]]<ref>The Prime Pages, [http://primes.utm.edu/notes/756839.html The finding of the 32''nd'' Mersenne].</ref>
|-
|align="right"|33
|align="right"|859,433
|align="right"|129498125…500142591
|align="right"|258,716
|1994年1月4日<ref>Chris Caldwell, [http://www.math.unicaen.fr/~reyssat/largest.html The Largest Known Primes].</ref>
|[[デイヴィッド・スローウィンスキー]] & [[ポール・ゲイジ]]
|-
|align="right"|34
|align="right"|1,257,787
|align="right"|412245773…089366527
|align="right"|378,632
|1996年9月3日
|[[デイヴィッド・スローウィンスキー]] & [[ポール・ゲイジ]]<ref>The Prime Pages, [http://primes.utm.edu/notes/1257787.html A Prime of Record Size! 2{{sup|1257787}} &minus; 1].</ref>
|-
|align="right"|35
|align="right"|1,398,269
|align="right"|814717564…451315711
|align="right"|420,921
|1996年11月13日
|[[GIMPS]] / Joel Armengaud<ref>[http://www.mersenne.org/primes/1398269.htm GIMPS Discovers 35th Mersenne Prime].</ref>
|-
|align="right"|36
|align="right"|2,976,221
|align="right"|623340076…729201151
|align="right"|895,932
|1997年8月24日
|GIMPS / Gordon Spence<ref>[http://www.mersenne.org/primes/2976221.htm GIMPS Discovers 36th Known Mersenne Prime].</ref>
|-
|align="right"|37
|align="right"|3,021,377
|align="right"|127411683…024694271
|align="right"|909,526
|1998年1月27日
|GIMPS / Roland Clarkson<ref>[http://www.mersenne.org/primes/3021377.htm GIMPS Discovers 37th Known Mersenne Prime].</ref>
|-
|align="right"|38
|align="right"|6,972,593
|align="right"|437075744…924193791
|align="right"|2,098,960
|1999年6月1日
|GIMPS / Nayan Hajratwala<ref>[http://www.mersenne.org/primes/6972593.htm GIMPS Finds First Million-Digit Prime, Stakes Claim to $50,000 EFF Award].</ref>
|-
|align="right"|39
|align="right"|13,466,917
|align="right"|924947738…256259071
|align="right"|4,053,946
|2001年11月14日
|GIMPS / Michael Cameron<ref>GIMPS, [http://www.mersenne.org/primes/13466917.htm Researchers Discover Largest Multi-Million-Digit Prime Using Entropia Distributed Computing Grid].</ref>
|-
|align="right"|40
|align="right"|20,996,011
|align="right"|125976895…855682047
|align="right"|6,320,430
|2003年11月17日
|GIMPS / Michael Shafer<ref>GIMPS, [http://www.mersenne.org/primes/20996011.htm Mersenne Project Discovers Largest Known Prime Number on World-Wide Volunteer Computer Grid].</ref>
|-
|align="right"|41
|align="right"|24,036,583
|align="right"|299410429…733969407
|align="right"|7,235,733
|2004年5月15日
|GIMPS / Josh Findley<ref>GIMPS, [http://www.mersenne.org/primes/24036583.htm Mersenne.org Project Discovers New Largest Known Prime Number, 2{{sup|24,036,583}} &minus; 1].</ref>
|-
|align="right"|42
|align="right"|25,964,951
|align="right"|122164630…577077247
|align="right"|7,816,230
|2005年2月18日
|GIMPS / Martin Nowak<ref>GIMPS, [http://www.mersenne.org/primes/25964951.htm Mersenne.org Project Discovers New Largest Known Prime Number, 2{{sup|25,964,951}} &minus; 1].</ref>
|-
|align="right"|43
|align="right"|30,402,457
|align="right"|315416475…652943871
|align="right"|9,152,052
|2005年12月15日
|GIMPS / {{仮リンク|カーティス・クーパー|en|Curtis Cooper (mathematician)}} & Steven Boone<ref>GIMPS, [http://www.mersenne.org/primes/30402457.htm Mersenne.org Project Discovers New Largest Known Prime Number, 2{{sup|30,402,457}} &minus; 1].</ref>
|-
|align="right"|44{{ref label|unknown_index|*|*}}
|align="right"|32,582,657
|align="right"|124575026…053967871
|align="right"|9,808,358
|2006年9月4日
|GIMPS / [[カーティス・クーパー]] & Steven Boone<ref>GIMPS, [http://www.mersenne.org/primes/32582657.htm Mersenne.org Project Discovers Largest Known Prime Number, 2{{sup|32,582,657}} &minus; 1].</ref>
|-
|align="right"|45{{ref label|unknown_index|*|*}}
|align="right"|37,156,667
|align="right"|202254406…308220927
|align="right"|11,185,272
|2008年9月6日
|GIMPS / Hans-Michael Elvenich<ref name="mp">[http://mersenne.org/m45and46.htm Titanic Primes Raced to Win $100,000 Research Award]. Retrieved on 2008-09-16.</ref>
|-
|align="right"|46{{ref label|unknown_index|*|*}}
|align="right"|42,643,801
|align="right"|169873516…562314751
|align="right"|12,837,064
|2009年4月12日
|GIMPS / Odd Magnar Strindmo
|-
|align="right"|47{{ref label|unknown_index|*|*}}
|align="right"|43,112,609
|align="right"|316470269…697152511
|align="right"|12,978,189
|2008年8月23日
|GIMPS / エドソン・スミス<ref name="mp" />
|-
|align="right"|48{{ref label|unknown_index|*|*}}
|align="right"|57,885,161
|align="right"|581887266…724285951
|align="right"|17,425,170
|2013年1月25日
|GIMPS / [[カーティス・クーパー]]<ref>GIMPS, [http://mersenne.org/various/57885161.htm GIMPS Project Discovers Largest Known Prime Number, 2{{sup|57,885,161}}-1]</ref><ref>{{cite news|title=「これまでで最大の素数」を発見|author=CASEY JOHNSTON|newspaper=[[WIRED (雑誌)|WIRED]]|publisher=WIRED.jp|date=2013-02-07|url=http://wired.jp/2013/02/07/volunteer-discovers-a-new-17-million-digit-prime-number/|accessdate=2013-02-10}}</ref>
|}

{{note label|unknown_index|*|*}}44-48番目は未確定の順番。過去には29番目のメルセンヌ素数は30, 31番目が発見された後に発見されている。また47番目の後に45, 46番目が発見されている。

== 未解決問題 ==
*メルセンヌ素数は無限に存在するか？
*素数 ''p'' に対して ''M{{sub|p}}'' が合成数であるとき、これを'''メルセンヌ合成数'''と呼ぶことにして、それは無限に存在するか？
*平方因子を持つメルセンヌ数 ''M{{sub|p}}''（''p'' は素数）が存在するか？
*''n'' を奇数とするとき、次の3つの条件のうち2つが満足されれば、残りの1つも満足されると予想されており、''n'' < 100000 に対してこの予想は正しいと確認されている<ref>P. T. Bateman, J. L. Selfridge, S. S. Wagstaff Jr., "The new Mersenne conjecture", American Mathematical Monthly, 96 (1989), 125-128.</ref>。 
#''M{{sub|n}}'' が素数
#''n'' = 2{{sup|''k''}} ± 1 または 4{{sup|''k''}} ± 3
#(2{{sup|''n''}} + 1)/3 が素数

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
*{{Cite book|和書|author=[[淡中忠郎]]|editor=数学セミナー編集部編|date=1982-09-30|title=数の世界|chapter=メルセンヌ数物語|series=数学セミナー増刊 数学セミナー・リーディングス|publisher=日本評論社|pages=65-67|ref=淡中1982}}
*{{Cite book|和書|author=中村滋|authorlink=中村滋 (数学者)|date=2002-09-30|title=フィボナッチ数の小宇宙（ミクロコスモス）　フィボナッチ数、リュカ数、黄金分割|publisher=[[日本評論社]]|isbn=4-535-78281-4|ref=中村2002}}
**{{Cite book|和書|author=中村滋|authorlink=中村滋 (数学者)|date=2008-01-25|title=フィボナッチ数の小宇宙（ミクロコスモス）　フィボナッチ数、リュカ数、黄金分割|edition=改訂版|publisher=[[日本評論社]]|isbn=978-4-535-78492-5|url=http://www.nippyo.co.jp/book/3222.html|ref=中村2008}}
*{{Cite book|和書|editor=[[ヨハン・ルードウィッヒ・ハイベア|ハイベア]]・[[ハインリッヒ・メンゲ|メンゲ]]編|others=[[中村幸四郎]]・[[寺阪英孝]]・[[伊東俊太郎]]・[[池田美恵]]訳・解説|title=ユークリッド原論|publisher=[[共立出版]]|ref=共立版}} - 全13巻の最初の邦訳。
** （ハードカバー）1971年7月。ISBN 4-320-01072-8
** （縮刷版）1996年6月。ISBN 4-320-01513-4
** （[http://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320019652 追補版]）2011年5月。ISBN 978-4-320-01965-2
*{{Cite book|和書|author=一松信|authorlink=一松信|date=2007-01-10|title=数のエッセイ|series=ちくま学芸文庫|publisher=筑摩書店|isbn=978-4-480-09041-6|url=https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480090416/|ref=一松2007}}
*{{Cite book|和書|author=和田秀男|authorlink=和田秀男|date=1981-07-10|title=数の世界　整数論への道|series=科学ライブラリー|publisher=岩波書店|isbn=4-00-005500-3|url=http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/3/0055000.html|ref=和田1981}} - 前編は1次式の整数論、後編は2次式の整数論。
*{{Cite book|和書|author=和田秀男|authorlink=和田秀男|origdate=1987-10-20|date=1999-04|title=コンピュータと素因子分解|edition=改訂版|publisher=遊星社(発行) 星雲社(発売)|id=ISBN 4-7952-6858-4 ISBN 4-7952-6889-4|url=http://www2.odn.ne.jp/yuseisha/daiki/comp-c.htm|ref=和田1999}}
*{{Cite journal|first=Edouard|last=Lucas|authorlink=エドゥアール・リュカ|title=Théorie des Fonctions Numériques Simplement Périodiques|journal=American Journal of Mathematics|volume=1|issue=2|year=1878|language=French|publisher=Johns Hopkins University Press|pages=pp. 184-240 et 289-321|id={{doi|10.2307/2369308}}|url=http://edouardlucas.free.fr/oeuvres/Theorie_des_fonctions_simplement_periodiques.pdf|format=PDF|ref=Lucas1878}}
*{{Cite book|first=Edouard|last=Lucas|authorlink=エドゥアール・リュカ|others=Translated by Sidney Kravitz|year=1969|title=The Theory of Simply Periodic Numerical Functions|publisher=Fibonacci Association|language=English|page=77|url=http://www.fq.math.ca/simply-periodic.html|format=PDF|ref=Lucas1969}} - [[#Lucas1878|Lucas(1878)]]の前半の英訳。

== 関連項目 ==
*[[完全数]]
*[[フェルマー数]]
*[[メルセンヌ・ツイスタ]]（メルセンヌ素数を用いた擬似乱数発生アルゴリズム）
*[[レピュニット]]
*[[GIMPS]]

== 外部リンク ==
*{{Kotobank|メルセンヌ数|2=世界大百科事典 第2版}}
*{{PDFlink|[http://www.kitasato-u.ac.jp/sci/resea/buturi/hisenkei/nakamula/miya.pdf リュカテストによるメルセンヌ素数の発見法]}}
*{{MathWorld|urlname=MersenneNumber|title=Mersenne number}}
*{{MathWorld|urlname=MersennePrime|title=Mersenne prime}}
*[http://primes.utm.edu/mersenne/ Mersenne Primes: History, Theorems and Lists]（英語）
*[http://primes.utm.edu/largest.html The Largest Known Primes]（英語）
*[http://www.mersenne.org/ GIMPS]（英語）

{{DEFAULTSORT:めるせんぬすう}}
[[Category:数論]]
[[Category:整数の類]]
[[Category:数学に関する記事]]
[[Category:素数]]