メノウのソースを表示

{{Otheruses|鉱物|競走馬Menow|メノウ (競走馬)|銀河鉄道999の登場人物|銀河鉄道999#登場人物}}

{{Infobox mineral
| name = メノウ
| category = 酸化鉱物 石英種（Quartz variety）
| boxwidth =
| boxbgcolor =
| image = Argentina001.jpg|thumb|Condor Agate from near San Rafael, Mendoza, Argentina
| imagesize =
| caption = アルゼンチンの縞瑪瑙; 横幅9.5cm
| formula = SiO<sub>2</sub> 二酸化ケイ素
| molweight =
| color = 無色(内包物により多彩な色を現す)
| habit = 潜晶質 二酸化ケイ素（Cryptocrystalline silica）
| system = 三方晶形 微晶質（Rhombohedral Microcrystalline）
| twinning =
| cleavage = なし
| fracture = 非常に鋭い貝殻状.
| mohs = 6.5–7
| luster = ガラスや樹脂光沢
| refractive = 1.530–1.540
| opticalprop =
| birefringence = up to +0.004 (B-G)
| pleochroism = なし
| streak = 白色
| gravity = 2.58–2.64
| density =
| melt =
| fusibility =
| diagnostic =
| solubility =
| diaphaneity = 半透明から不透明
| other =
}}

[[File:Newmexico004.jpg|thumb|アメリカ、ニューメキシコ州のサンダーエッグ]]
[[File:Hungary001.jpg|thumb|ハンガリー、マトラ山脈のモスアゲート]]
[[File:Other022.jpg|thumb|インド、ケン川のデンドリティックアゲート]]
[[File:Oregon001.jpg|thumb|アメリカ、オレゴン州のプルームアゲート]]
[[File:Oregon002.jpg|thumb|アメリカ、オレゴン海岸のセージナイトアゲート]]
[[File:Oregon003.jpg|thumb|アメリカ、オレゴン州のチューブアゲート]]
[[File:Oregon004.jpg|thumb|アメリカ、オレゴン州のイリスアゲート]]
[[ファイル:瑪瑙の小石.jpg|thumb|230px|メノウを含む地層がある地域では小石状のもの（[[水磨礫]]）を川原や海岸などで拾うことができる]]
'''メノウ'''（瑪瑙、碼碯、{{Lang|en|agate}}、'''アゲート'''、'''アゲット'''）は、[[縞]]状の[[玉髄]]の一種で、[[オパール]]（蛋白石）、[[石英]]、玉髄が、層状に[[岩石]]の空洞中に[[沈殿]]してできた、[[鉱物]]の[[変種]]である。

== 成分・種類 ==
; 縞瑪瑙（しまめのう、{{Lang|en|Banded agate}}）
: タマネギのように同心状に縞が成長したもの、平行に縞が成長したもの、レースのカーテンのように縞が成長したものなど、様々な縞瑪瑙が存在する。
; オニキス（{{Lang|en|onyx}}、オニックス）
: 縞瑪瑙の中でも平行な縞状模様があるもの。蛋白石質と石英質の部分が交互に配列するため、縞状に見え、[[黒色]]と[[白色]]がきれいに層状になっているものは、古くから[[カメオ|カメオ細工]]の材料として用いられている。縞を生かしたデザインにされる場合と、単色部分のみを用いたデザインにされる場合がある。単に縞瑪瑙とも呼ばれる。
; サードニクス（{{Lang|en|sardonyx}}、サードニックス）
: オニキスの一種で、縞目が[[紅色]]と白色に彩られていて美しいもの。[[8月]]の[[誕生石]]とされている。紅縞瑪瑙とも呼ばれる。
; サンダーエッグ（雷の卵、{{Lang|en|Thunderegg}}）
: メノウや蛋白石、碧玉が満たされた、流紋岩等のノジュール(団塊)。アメリカのオレゴン州の先住民の伝説に由来している。アメリカのオレゴンとニューメキシコ州やドイツのザクセン州で産出したものが有名。
; 雨花石（うかせき、{{Lang|en|Rain flower pebble}}、ユーファストーン）
: 南京近郊の川で採れるカラフルな模様石(主にメノウや碧玉)で、磨かなくともそのままの状態で美しい。かつて南京の雨花台で採れたことに由来している。乾燥時は白っぽいが、水に濡らすと透明感や色の鮮やかさが増す。
; 錦石（にしきいし、{{Lang|en|Nishiki stone}}）
: 青森県津軽地方で採れる、メノウや碧玉、珪化木などの磨くとツヤの出る美しい色彩の石。どのような石か、明確に定義されているわけではない。
; 苔瑪瑙（こけめのう、{{Lang|en|Moss agate}}、モスアゲート）
: [[緑泥石]]や鉄やマンガンの酸化物の内包により、緑や赤色等の[[苔]]状の模様が現れたもの。インドやハンガリーのマトラ山脈で産出したものが有名。
; 樹枝瑪瑙（{{Lang|en|Dendritic agate}}、デンドリティックアゲート）
: 鉄やマンガンの酸化物の内包により、黒や赤色等の[[シダ]]状の模様が現れたもの。石の中に0.何ミリという薄さで模様が入っているため、薄くカットされアクセサリー用に加工される。マダガスカルやインドのケン川で産出したものが有名。
; 羽毛瑪瑙（うもうめのう、{{Lang|en|Plume agate}}、プルームアゲート）
: 鉄やマンガンの酸化物の内包により、黒や赤色等の羽毛や草花状の模様が現れたもの。樹枝瑪瑙とは異なり、模様にボリュームがある。アメリカのテキサス、オレゴン、カリフォルニア州で産出したものが有名。
; 針入り瑪瑙（はりいりめのう、{{Lang|en|Sagenite agate}}、セージナイトアゲート）
: 針鉄鉱や沸石、輝安鉱等の針状鉱物の内包により、針状の模様が現れたもの。模様だけを残し、メノウに置換しているもの(仮晶)も多い。アメリカのカリフォルニア州ニポモで産出したものが有名。
; チューブアゲート（{{Lang|en|Tube agate}}）
: 針状に伸びた針状鉱物や霰石、鉄やマンガンの酸化物を芯に、周囲を玉髄が覆い管状の模様が現れたもの。
; 虹瑪瑙（にじめのう、{{Lang|en|Iris agate}}、イリスアゲート）
: 稀に透明度の高い縞瑪瑙の中に、薄くスライスして強い光を当てると虹が現れるものがある(細かい縞が回折格子の役割を果たすため) 。ギリシア神話に登場する虹の女神イリス(Iris)に由来している。ブラジル、アメリカ、アルゼンチンやメキシコでの産出が確認されている。
; ファイアーアゲート（{{Lang|en|Fire agate}}）
: 葡萄状の玉髄を多層の薄膜状褐鉄鉱が覆うことにより、虹が現れたもの。メキシコとアメリカのアリゾナ州での産出が確認されている。人工的に処理された虹の無い赤いメノウ、クラブファイアーアゲート(スパイダーウェブ・カーネリアン)がよくファイアーアゲートの名で流通しているが、まったくの別物である。
; 水入りメノウ
: 空洞中に液体の水が含まれるもの。中に含まれる水は、メノウが形成されたときの岩漿水であると言われることが多いが、必ずしもそうとは限らない。中の水は、[[多孔質]]の構造を通して[[蒸発]]しやすく、逆に長時間水中に浸けることで、人為的に水を入れることもできる。

== 産出地 ==<!-- 主産地（国、または地方） -->
メノウはありふれた鉱物で、世界各地で産する。特に[[メキシコ]]、[[アルゼンチン]]などの南米や、[[ドイツ]]、[[オーストラリア]]、[[ボツワナ]]、[[ポーランド]]、[[チェコ]]や[[イギリス]]の[[スコットランド]]のものはカラフルで、世界中のコレクターの間で人気がある。[[日本]]では[[青森県]]、[[石川県]]、[[富山県]]、[[北海道]]などで産し、[[七宝]]のひとつに数えられている。

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<!-- ファイル:|アルゼンチンのメノウ-->
File:Argentina003.jpg|アルゼンチンのメノウ
<!-- ファイル:|メキシコのメノウ-->
File:Mexico004.jpg|メキシコのメノウ
<!-- ファイル:|ドイツのメノウ -->
File:Germany005.jpg|ドイツのメノウ
<!-- ファイル:|オーストラリアのメノウ-->
File:Australia008.jpg|オーストラリアのメノウ
<!-- ファイル:|ボツワナのメノウ -->
File:Botswana003.jpg|ボツワナのメノウ
<!-- ファイル:|ポーランドのメノウ -->
File:Poland001.jpg|ポーランドのメノウ
<!-- ファイル:|チェコのメノウ -->
File:Czech025.jpg|チェコのメノウ
<!-- ファイル:|スコットランドのメノウ -->
File:Scotland007.jpg|スコットランドのメノウ
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== 性質・特徴 ==
{{Main2|[[鉱物学]]的性質・特徴|石英}}
主成分は SiO<sub>2</sub>（[[二酸化ケイ素]]）。[[比重]]は2.62-2.64、[[モース硬度]]は6.5-7。[[隠微晶質]]であるため、肉眼では[[結晶]]を認めることができず、[[非晶質]]のように見える。

中心部にすき間を残していることがしばしばあり、まれに[[液体]]・[[気体]]がそのすき間に存在することもある。

== 用途・加工法 ==
メノウは、玉髄とともに、各種の[[彫刻]]材料として使われており、硬度が高いのを利用して、[[化学]]用の[[乳鉢]]、[[天秤]]の[[支点]]、[[灰皿]]、[[置時計]]、[[火打石]]と、様々なものに用いられている。また、[[円形]]に[[加工]]、[[皮革]]の艶出し用の[[ローラー]]素材として使われている。

[[ジュエリー]]や[[数珠]]に使われることも多い。最近は、[[穴]]を開けた球状の縞瑪瑙に、[[ゴム]]や[[紐]]を通し、[[ブレスレット]]や[[ペンダント]]などの[[アクセサリー]]としても使われる。

[[多孔質]]であるため、人工的に[[染色]]が可能である。

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<!-- ファイル:|メキシコのメノウを用いた、コウノトリの彫物-->
File:Bead006.jpg|メキシコのメノウを用いた、コウノトリの彫物
ファイル:Agate.JPG|スライス後着色され、コースターとして製品化されたメノウ
ファイル:Agates varying colours.jpg|いろいろな色に着色されたメノウ
</gallery>

== サイド・ストーリー == <!-- 鉱物にまつわる話や語源・名前の由来など -->
瑪瑙の[[名前]]は、石の外観が[[ウマ|馬]]の[[脳]]に似ているためつけられた<ref>{{Cite book|和書
|author = [[木下亀城]]
|coauthors = [[小川留太郎]]
|title = 標準原色図鑑全集 第6巻 岩石鉱物
|year = 1967
|publisher = [[保育社]]
|isbn = 4-586-32006-0
|page = 75
}}</ref>。[[英語]]の {{Lang|en|agate}} は、[[ギリシャ語]]の {{Lang|el|achates}} に由来し、これは[[イタリア]]・[[シチリア島]]の同名の川（{{Lang|it|Acate}}、現名はディリッロ川）でこの石がとられていたためである。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 参考文献 == <!-- {{Cite book}}、{{Cite journal}} -->
* {{Cite book|和書
|author = [[益富寿之助]]
|title = 鉱物 : やさしい鉱物学
|year = 1974
|publisher = [[保育社]]
|series = カラー自然ガイド
|isbn = 4-586-40013-7
|pages = 31-37
}}
* {{Cite book|和書
|author = [[松原聰]]
|title = 日本の鉱物
|year = 2003
|publisher = [[学習研究社]]
|series = フィールドベスト図鑑
|isbn = 4-05-402013-5
|page = 227
}}
* {{Cite book|和書
|author = [[青木正博]]
|title = 鉱物分類図鑑 : 見分けるポイントがわかる
|year = 2011
|publisher = [[誠文堂新光社]]
|isbn = 978-4-416-21104-5
|page = 187-188
}}

== 関連項目 ==
{{Commonscat|Agate|瑪瑙}}
* [[鉱物]] - [[酸化鉱物]] - [[石英]]
* [[宝石]]、[[宝石の一覧]]
* [[二酸化ケイ素]]
* [[若狭めのう細工]]（[[福井県]][[小浜市]]の伝統工芸）

== 外部リンク == <!-- {{Cite web}} -->
* {{Mindat
|name = Agate
|id = 51
|accessdate = 2012-03-31
}} {{En icon}}
* {{Cite web
|author = 
|date = 
|url = http://www.gsj.jp/Muse/hyohon/ind-nameEi/a-m16739.htm
|title = 瑪瑙（メノウ）
|work = [[地質標本館]]
|publisher = [[産業技術総合研究所]][[地質調査総合センター]]
|accessdate = 2012-03-31
}}

{{Silica minerals}}

{{デフォルトソート:めのう}}
[[Category:宝石]]
[[Category:二酸化ケイ素]]
[[Category:アモルファス]]