メタボロームのソースを表示

'''メタボローム'''は[[分子生物学]]の一研究分野で、[[代謝|新陳代謝]]の実態および[[細胞]]、[[組織 (生物学)|組織]]、[[器官]]、[[個体]]、[[種 (分類学)|種]]の各階層でそれぞれ微妙に異なる代謝経路の多様性の総体を[[バイオインフォマティクス]]的手法を基に研究する。

生体内には[[核酸]]（DNA）やタンパク質のほかに、[[糖]]、[[有機酸]]、[[アミノ酸]]など多くの低分子が存在し、その種類は数千種に及ぶ。これらの物質の多くは、[[酵素]]などの代謝活動によって作り出された[[代謝物質]]である。現在では、細胞の働きを包括的に理解しようとするとき、これまでにも盛んに研究が行われてきているDNA 配列の網羅的解析（[[ゲノム解析]]）やタンパク質の網羅的解析（[[プロテオーム解析]]）に加えて、代謝物質の網羅的解析（[[メタボローム解析]]）が重要であると言われている。生命の[[ロバストネス]]により、[[マイクロアレイ解析]]で変化が観察されても、[[表現型]]に最も近いメタボローム解析をしてみると変化が見られないこともあるからだ。

メタボロームは[[タンパク質]]、[[リボ核酸|RNA]]、[[デオキシリボ核酸|DNA]]そして様々な階層の概念を含む。それはまた経路ネットワークを形成する小さな連携（回路）から構成される。広い見地に立てばメタボローム研究の成果は、産業上の価値がある代謝産物を生産する代謝工学技術を確立するとも言える。



'''受託分析会社'''として、日本には[http://humanmetabolome.com/ ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社]、米国には[[メタボロン]]、EUには[http://www.metanomics-health.de/ メタノミクスヘルス社]（[http://www.japan.basf.com/apex/Japan/Japan/ja/ BASFグループ]）がある。[[ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ]]では、[[CE-MS]]および[[LC-MS]]を用いている。[[メタボロン]]では、LC-MSおよびGC-MSを用いている。CE-MSでは、解糖系、ペントースリン酸経路、TCA回路、核酸代謝の代謝中間体を検出できる。LC-MSでは、脂質代謝産物を検出できる。[[ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ]]では、１検体から注文可能であるが、メタボロンでは、数十検体単位でないと注文を受け付けない。


== 関連項目 ==
*[[新陳代謝]]
*[[質量分析]]|[[二次元電気泳動]]|[[タンパク質シーケンシング]]
*[[データベース]]：[[PIR]]|[[スイスプロット]]|[[Pfam]]
*[[バイオインフォマティクス]]
*[[オーミクス]]

== 外部リンク ==
* [http://humanmetabolome.com/ ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ社]
* [http://www.bg-medicine.com BG Medicine社]
* [http://www.metabolon.com メタボロン社]
* [http://www.waters.co.jp/product/ms/tofms/metabo/ Watersメタボローム研究向けHP]
* [http://www.metabometrix.com/ Metabometrix]
* [http://www.metanomics-health.de/ メタノミクスヘルス社（BASFグループ）]
* [http://www.genaris.co.jp 株式会社ジナリス]
* [http://metabolome.iab.keio.ac.jp/jp/ 慶應義塾大学メタボローム研究室]
* [http://www.kazusa.or.jp/ かずさDNA研究所]

== 参考文献 ==
* 冨田 勝 (編), 西岡 孝明 (編)「メタボローム研究の最前線」, 丸善出版, ISBN978-4621064320 (2012年9月）．

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[[Category:代謝]]
[[Category:システム生物学]]
[[Category:バイオインフォマティクス]]
[[Category:ゲノミクス]]

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