ポルシェのソースを表示

{{Pathnav|フォルクスワーゲングループ|frame=1}}
{{Otheruses|自動車メーカー}}
{{基礎情報 会社
|社名 = ポルシェ
|英文社名 = Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG
|ロゴ = 
|種類 = [[株式会社]]|
|市場情報
|略称 =
|国籍 = {{DEU}}
|郵便番号 =　
|本社所在地 = [[シュトゥットガルト]]・[[バーデン＝ヴュルテンベルク州]]
|設立 = [[1931年]]
|業種 = 自動車製造
|統一金融機関コード =
|SWIFTコード =
|事業内容 = [[自動車]]の製造・販売
|代表者 =マティアス・ミューラー（CEO）
|売上高 =[[ユーロ|€]]109億2800万([[2011年]])
|総資産 =
|従業員数 =12,202人([[2007年]])
|決算期 =
|主要株主 =
|主要子会社 =
|関係する人物 =[[フェルディナント・ポルシェ]]<br>[[フェリー・ポルシェ]]}}
'''ポルシェ'''（''Porsche A.G.'' ）は、[[ドイツ]]の[[自動車]]メーカーである。

本社はドイツ南西部の[[シュトゥットガルト]]。高級[[スポーツカー]]と[[レーシングカー]]を専門に開発・製造し、中でも[[1963年]]に発売されたスポーツカー「[[ポルシェ・911|911]]」は改良を重ねながら製造・販売されている。

==概要 ==
[[ファイル:1953-porsche-archives.jpg|right|thumb|250px|1953年、356アメリカンロードスター]]
[[ファイル:1976-porsche-archives.jpg|right|thumb|250px|1992年、911（[[ポルシェ・964|964型]]）ターボ]]
[[ファイル:P997 carrera s frontview.jpg|thumb|right|250px|2005年、911（[[ポルシェ・997|997型]]）カレラS（前期型）]]
[[フォルクスワーゲン・タイプ1]]を設計した技術者[[フェルディナント・ポルシェ]]により、デザイン事務所として設立された（設立年については[[1930年]]<ref>『ワールドカーガイド1ポルシェ』p.27。</ref>、[[1931年]]<ref>『ポルシェ博物館/松田コレクション』p.13。</ref>と諸説あり）。1948年9月息子である[[フェルディナンド・アントン・エルンスト・ポルシェ|フェリー・ポルシェ]]によって356.001が製造・販売され自動車メーカーになった。その後も設計・エンジニアリングの仕事も続けており、[[メルセデス・ベンツ 500E]]の設計と生産、[[メルセデスベンツ・C11]]の最終セッティング<ref>『ジャーマン・カーズ』ぶんか社、2009年11月号p.17。</ref>、[[ボルボ・960]]<ref>『輸入車ガイドブック1993』p.192。</ref>や[[アウディ・RS2]]アバント<ref>『ジャーマン・カーズ』ぶんか社、2009年8月号p.60。</ref>のエンジンチューンなどが知られている。[[エルンスト・フールマン]]によると「ポルシェが他メーカーのために引き受けている設計開発の仕事は、総売り上げの10パーセントに達している。どんなメーカーの仕事をしているのかとよく聞かれるが、関係のないメーカーを数えた方が早いくらいだ。それに、最近では政府に依頼された仕事もある<ref>『われらがポルシェ ポルシェなんでも事典』</ref>」という。また[[月面車#アメリカ合衆国の月面車（ルナビークル）|月面車]]は設計料5000万ドルでポルシェが設計した<ref>『われらがポルシェ ポルシェなんでも事典』p.185。</ref>。

ポルシェ一族は依然として同社の大株主ではあるものの、[[1971年]]に経営から手を退き、同社は同族経営から脱却している。このときポルシェの技術者だったポルシェ博士の孫（娘ルイーザの子）[[フェルディナント・ピエヒ]]（後に[[フォルクスワーゲングループ]]会長）、同じく孫（フェリーの子）でデザイナーだった[[フェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェ|ブッツィ・ポルシェ]]（後に[[ポルシェデザイン]]社長）も会社を去っている。現在CEOは[[ミヒャエル・マハト]]から[[マティアス・ミューラー]]へ交代。持ち株会社のポルシェオートモービルホールディングSEの監査役会会長に[[ヴォルフガング・ポルシェ]]。

2005年、歴史的に関係の深い大手自動車会社[[フォルクスワーゲン]]の株式の20%を取得。2008年11月時点で持ち株比率は約43%となり、事実上同社を傘下に収めた。その後も、金融機関から必要に応じて株式を追加取得できる権利も含め、約75%まで買い増す方針であったが、資金繰りに行き詰まり、逆にフォルクスワーゲンがポルシェを買収するかたちで2011年半ばをメドに経営統合することが一旦決まった。しかし、ポルシェのフォルクスワーゲン株式取得をめぐる訴訟問題の解決が長引いたため、経営統合に遅れが生じた。2012年8月1日にフォルクスワーゲンが全てのポルシェ株式を取得し、ポルシェはフォルクスワーゲンの完全子会社となった。

[http://www.porsche.com/japan/jp/accessoriesandservice/personalisation/personalcustomerconsultation/ ポルシェエクスクルーシブ]というユニークなサービスを展開中。これは、正規店での新車オーダー時にインテリアやエクステリアの各パーツやカラーをカスタマイズしてくれるというもの。また、[http://www.speedline.co.jp/tequipment/index.html ポルシェテクイップメント]では正規の販売店を通じてさまざまなアクセサリーを提供している。

ポルシェの[[エンブレム]]（紋章）は、本社のあるシュトゥットガルト市とバーデン=ヴュルテンベルク州の紋章を組み合わせたものとなっていて、中央の跳ね馬はシュトゥットガルト市の紋章<ref>[[フェラーリ]]のエンブレムもシュトゥットガルト市の紋章に由来する</ref>から。その外側の左上と右下にあるギザギザした模様はバーデン=ヴュルテンベルク州の紋章に描かれた鹿（の角）を、右上と左下の赤い縞は知を、全体の金色の地色は豊穣を表す麦の色にちなんでいる。

== 経営状況 ==
=== 年間生産台数 ===
1990年代前半、最大のマーケットでもある米国での販売不振により赤字が拡大し、経営難をささやかれた時期があったが、[[1996年]]に低価格の[[オープンカー|ロードスター]]、「[[ポルシェ・ボクスター|ボクスター]]」を投入、翌年にはデザインと設計を全面的に一新した996型「[[ポルシェ・911|911]]」を投入した効果により販売が好転。2003年にはポルシェ初の5ドア[[SUV]]である「[[ポルシェ・カイエン|カイエン]]」も投入し、1999～2000年度の生産台数が約4万5千台であったのに対し、2008年には9万7千台に達している<ref>[http://oica.net/wp-content/uploads/porsche1.pdf WORLD MOTOR VEHICLE PRODUCTION 2008 GROUP : PORSCHE, OICA]</ref>。

1980年代半ばには[[アメリカ合衆国]]における販売が販売全体の6割を占めていたが、現在では[[ロシア]]や[[中国]]、[[インド]]、[[中東]]といった新興市場での販売が順調であり、2007年におけるアメリカ合衆国での販売比率は10.3%にまで低下している。

=== スポーツカー専業からの脱却 ===
ポルシェは創業以来2人乗りもしくは小さな後部座席を備えるスポーツカーを専門にしていたが、スポーツカーという限られた市場だけに依存した経営から脱却するために人気の高い[[SUV]]市場への参入を画策。これに賛同したフォルクスワーゲンと共同開発した5ドアSUV「カイエン」を2002年に発売した。カイエンはポルシェらしいスポーツカーの精神を宿したSUVとして世界的に人気を博し、ポルシェに大きな利益をもたらした。

カイエンの成功を受けて2009年には4ドア・セダンの「[[ポルシェ・パナメーラ|パナメーラ]]」を発売。価格的に[[メルセデス・ベンツ Sクラス]]や[[BMW・7シリーズ]]に相当する車格で、カイエンも競合相手と同様のラグジュアリィカーの味付けがなされ、スポーツカー専業メーカーではなくなっている。

さらにポルシェはカイエンよりも小型のSUV「[[ポルシェ・マカン|マカン]]」の発売を予定している。

== 車種 ==
=== 現行モデル ===

{| class="wikitable" border="1" style=font-size:small
|-
! 外観
! 車名
! 排気量
! エンジン
! 駆動方式
! 座席
! 解説
|-
| [[ファイル:Blue Porsche 991 Carrera S fl IAA 2011.jpg|120px]]
| [[ポルシェ・991|911]]
| 3,436cc</br>3,799cc
|水冷水平6気筒</br>水冷水平6気筒ツインターボ
| [[後輪駆動#リアエンジン・リアドライブ方式|RR]]/[[四輪駆動|4WD]]
| 2+2
| フラグシップモデル。カブリオレ、4WD、ターボ、GT3など多様なラインナップ
|-
| [[ファイル:2005BoxsterS.JPG|120px]]
| [[ポルシェ・ボクスター|ボクスター]]
| 2,706cc
| rowspan="2"| 水冷水平6気筒
| rowspan="2" | [[ミッドシップ|MR]]
| rowspan="2" | 2
| オープンカー専用
|-
| [[ファイル:PorscheCayman.JPG|120px]]
| [[ポルシェ・ケイマン|ケイマン]]
| 2,892cc（ケイマン）</br>3,436cc（ケイマンS、R）
| ボクスターのハードトップ版
|-
| [[ファイル:Porsche Cayenne II Turbo.JPG|120px]]
| [[ポルシェ・カイエン|カイエン]]
| 3,598cc（カイエン）</br>4,806cc（カイエンS、ターボ）</br>2,994cc（カイエンSハイブリッド）
| rowspan="2" | 水冷V型6気筒</br>水冷V型8気筒
| [[四輪駆動|4WD]]
| 5
| ポルシェ初の[[SUV]]
|-
| [[ファイル:Porsche Panamera 4S.jpg|120px]]
| [[ポルシェ・パナメーラ|パナメーラ]]
| 3,604cc（パナメーラ、4）</br>4,806cc（パナメーラS、ターボS他）</br>2,994cc（Sハイブリッド）
| FR/4WD
| 4
| ポルシェ初の5ドアサルーン
|-
| [[File:Porsche Macan front - Tokyo Motor Show 2013.jpg|120px]]
| [[ポルシェ・マカン|マカン]]
| 2,997cc（マカンS）</br>3,604cc（マカンターボ）
| 水冷V型6気筒ツインターボ
| 4WD
| 5 
|ミドルサイズSUV
|}

=== 過去のモデル ===
{{節stub|date=2013年6月}}

=== 軍用車両 ===
※開発に関わったもの
* [[ティーガーI]]
* [[ティーガーII]]
* [[マウス (戦車)]]
* [[ヤークトティーガー]]
* [[エレファント重駆逐戦車]]

=== トラクター ===
日本では、[[1962年]]から[[1966年]]にかけて[[井関農機]]が一部のポルシェトラクターを輸入販売し、その後ポルシェトラクターを参考に日本の気候や風土に合わせたヰセキオリジナルのトラクター「ヰセキトラクターTBシリーズ」を開発し、[[1964年]]に販売を開始した。
* ポルシェ・タイプ110トラクタ
* ポルシェ・APトラクタ
* ポルシェ・ジュニアトラクタ
* ポルシェ・スタンダードトラクタ
* ポルシェ・スーパートラクタ
* ポルシェ・マスター
* ポルシェ・309トラクタ
* ポルシェ・312トラクタ
* ポルシェ・329トラクタ
* ポルシェ・108Fトラクタ
* ポルシェ・R22トラクタ
* ポルシェ・AP16トラクタ

=== 試作車・その他 ===
* タイプ32 - 「KdF」（後の[[フォルクスワーゲン・タイプ1]]の原型）
* タイプ60 - 「KdF」の量産型試作車
* V303 - 「KdF」の軍用版

== 生産拠点 ==
;グミュント工場
:最初の工場は[[第二次世界大戦]]の疎開先であった[[オーストリア]]のグミュント工場であった。ここでポルシェはメーカーとしてスタートし、[[ポルシェ・356]]の試作2台と量産50台を生産した<ref>『ポルシェ博物館/松田コレクション』p.64。</ref>。
;ツッフェンハウゼン工場
:接収されていた[[シュトゥットガルト]]本社の返還交渉を進めながら、1949年、本社の隣にあったロイター（現[[レカロ]]）の敷地を一部借りることができた。そしてロイターにボディー生産を依頼、組み立てをポルシェで行なうという方法を採り、生産性が格段に向上した。1950年4月にこの工場からドイツ生産された最初の[[ポルシェ・356]]が出荷された<ref>『ワールドカーガイド1ポルシェ』p.49。</ref>。現在でもこのツッフェンハウゼン（''Zuffenhausen'' ）工場がポルシェの主力工場である。工場は大小4つの建物からなり、販売拠点であるポルシェセンターやポルシェ博物館、修理・特注工場が併設されている。
;ヴァイザッハ研究所
:研究開発部門であり、設計開発とテストが行なわれており、またレース用車両を製造している。新型車だけでなく現行モデルの改良や社外からの依頼に伴う設計開発も行なう。1969年に建設が始まり、1972年に完成した。敷地は465000m<sup>2</sup>に及び、その大部分を通称「カンナム」「マウンテン」「サファリ」という3つのテストコースが占める。「カンナム」は外周を回る2.531kmの高速コースである。「マウンテン」はカンナムコースと一部を共用し登り降りやきついコーナーを組み合わせた2.879kmのコースで、操縦性を検討するためのものである。「サファリ」は内側にあるダートコースで、ラリー車両検討の他に外国から注文を受けた戦車の性能チェックに使われる<ref>『われらがポルシェ ポルシェなんでも事典』p.173。</ref>。
;ライプツィヒ工場
:生産能力増強のため、[[ドイツ民主共和国|旧東ドイツ地区]]の[[ライプツィヒ]] に新しい工場を建設し、2002年8月に稼動開始した。テストコースも備える広大な敷地に近代的な外観と設備を備えるライプツィヒ工場は年間3万台超の生産能力を持ち、現在最も販売好調な[[ポルシェ・カイエン|カイエン]]と[[ポルシェ・パナメーラ|パナメーラ]]の生産を行なっている。2006年までは[[カレラGT]]の生産も行っていた。
;アウディ
:[[ポルシェ・924]]の生産は[[アウディ]]に委託され、[[ネッカーズルム]]工場にて生産された。
;フォルクスワーゲン
:[[ポルシェ・カイエン]]は、[[姉妹車]]である[[フォルクスワーゲン・トゥアレグ]]、[[アウディ・Q7]]とともに、[[スロバキア]]・[[マルチン (スロバキア)|マルチン]]のフォルクスワーゲン工場で生産される。部品製造の一部も行なわれる。
;ヴァルメト・オートモーティブ
:[[ポルシェ・ボクスター|ボクスター]]が販売好調のため[[フィンランド]]の[[ヴァルメト・オートモーティブ]]にボクスターの生産を委託。その後[[ポルシェ・ケイマン|ケイマン]]の生産も委託し、徐々にフィンランド製の割合が引き上げられ、2007年からボクスターとケイマンの生産はすべてフィンランドで行われている。この2車種については2011年までフィンランドで生産されている。
;カルマン
:[[2008年]]6月に[[ポルシェ・ボクスター|ボクスター]]と[[ポルシェ・ケイマン|ケイマン]]の生産を[[2012年]]から[[マグナ・シュタイアー]]へ移すという発表があったが、この契約は[[2009年]]12月に破棄され、[[フォルクスワーゲン]]傘下の[[カルマン (自動車)|カルマン]]で生産されることになった<ref>[http://www.autocar.co.uk/News/NewsArticle/Porsche-Boxster/246112/ Autocar: Porsche cancels Magna contract]</ref>。カルマンは[[ポルシェ・356]]の生産も一部担当したことがある。

== 主な子会社 ==
* ポルシェデザイン・グループ - 男性向け服飾ブランド「[[ポルシェデザイン]]」などを展開
* [[ポルシェバイクス]] - かつて存在したポルシェブランドの[[自転車]]メーカー

== モータースポーツ ==
=== 耐久レース ===
ポルシェは積極的にモータースポーツ活動を行い、レーシングカー・コンストラクターとしても数多くのマシンを製造している。ロードカーにおいても「[[カレラ]]」や「[[ポルシェ・パナメーラ|パナメーラ]]」、「[[タルガトップ|タルガ]]」といったレースにちなんだ名称を用いている。様々なレース活動の中でも[[耐久レース]]における成功は顕著であり、[[世界三大レース]]のひとつである[[ル・マン24時間レース]]で歴代最多の16勝を挙げるなどして、「耐久王ポルシェ」という名声を得てきた。

初期のポルシェは2リッター以下のクラスを主戦場とし、[[タルガ・フローリオ]]などのテクニカルコースでは上位クラスを喰う戦果を残した。911の[[空冷エンジン#分類|強制空冷式]][[水平対向6気筒]]エンジンを基にして、1966年の[[ポルシェ・906|906]]より本格的に[[プロトタイプレーシングカー|スポーツプロトタイプ]]を開発。総合優勝を狙うため[[水平対向8気筒]]の[[ポルシェ・908|908]]、[[水平対向12気筒]]の[[ポルシェ・917|917]]を投入し、1970年に念願のル・マン初制覇を果たした。1970年代は北米の[[カナディアン-アメリカン・チャレンジカップ|Can-Amシリーズ]]で917用[[ターボチャージャー|ターボ]]エンジンを開発し、市販車の911ターボ（[[ポルシェ・901|930型]]）へ還元。ヨーロッパではグループ4に[[ポルシェ・934|934]]、グループ5（[[シルエットフォーミュラ]]）に[[ポルシェ・935|935]]、グループ6に[[ポルシェ・936|936]]とターボ車を投入した。

1982年より[[グループC]]規定が導入されると[[ポルシェ・956|956]]と[[ポルシェ・962|962C]]を送り出し、[[ワークス・チーム|ワークス]]の他にも[[ヨースト・レーシング|ヨースト]]、[[ブルン・モータースポーツ|ブルン]]、クレーマーといった有力チームによって一大勢力が築き上げられた。[[全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権]]へも[[ノバ・エンジニアリング]]を介して多数のマシンが来襲し、[[日産自動車のモータースポーツ|日産]]や[[トヨタ自動車のモータースポーツ|トヨタ]]などの国産マシンにとっては越えなければならない壁となった。

ワークスは1998年のル・マンを制した[[ポルシェ・911 GT1|911GT1]]を最後に活動を休止（LMP2の[[ポルシェ・RSスパイダー|RSスパイダー]]はプライベーター用）。しばらく沈黙を保っていたが、2013年より[[FIA 世界耐久選手権]] (WEC) のLM-GTE Proクラスに911RSR（[[ポルシェ・991|991型]]）で参戦<ref>"[http://www.911days.com/news/articles/20130329_news_2/ ポルシェニュース 新型991RSRがWEC、ル・マンに挑む]". 911 DAYS.（2013年3月29日）2013年7月20日閲覧。</ref>。2014年より最高峰のLMP1クラスに[[ハイブリッドカー|ハイブリッド]]マシンで参戦する予定である<ref>"[http://as-web.jp/news/info.php?c_id=9&no=48996 ポルシェ、14年から参戦の新LMP1車両を公開]". オートスポーツweb.（2013年6月12日）2013年7月20日閲覧。</ref>。
<gallery>
ファイル:Porsche 550-1500 RS Spyder Carrera Panamericana 1954 backleft 2009-03-14 A.JPG|[[ポルシェ・550|550/1500RSスパイダー]]
ファイル:Porsche 906, Bj. 1966 (2011-08-13 Sp).JPG|[[ポルシェ・906|906]]
ファイル:Porsche 908-02 Spyder 1970 frontright 2009-03-14 A.JPG|[[ポルシェ・908|908/2スパイダー]]
ファイル:1970Porsche917K.jpg|[[ポルシェ・917|917K]]
ファイル:Porsche 935 78 Moby Dick Martini Racing No. 43 (Porsche Rennsport Reunion IV).jpg|[[ポルシェ・935|935/78]]"[[白鯨|モビー・ディック]]"
ファイル:Porsche 956 - Flickr - andrewbasterfield (1).jpg|[[ポルシェ・956|956]]
ファイル:Porsche 911 GT1 Coupe 1998 frontleft 2009-03-14 A.JPG|[[ポルシェ・911 GT1|911GT1（1998年型）]]
ファイル:Alms-2007-mos-th1357.jpg|[[ポルシェ・RSスパイダー|RSスパイダー]]
</gallery>

=== F1 ===
{{旧F1コンストラクター |
 コンストラクター名 = ポルシェ |
<!-- チームロゴ画像 = |-->
 参戦年度 = 1958 - 1964 |
 出走回数 = 31 |
 コンストラクターズタイトル = 0 |
 ドライバーズタイトル = 0 |
 優勝回数 = 1 |
 通算獲得ポイント = 47 |
 表彰台回数 = 5 |
 ポールポジション = 1 |
 ファステストラップ = 0 |
 F1デビュー戦 = [[1958年]][[オランダグランプリ|オランダGP]] |
 初勝利 = [[1962年]][[フランスグランプリ|フランスGP]] |
 最終勝利 = 1962年フランスGP |
 最終戦 = [[1964年]]オランダGP
}}
[[1957年]]、[[フォーミュラ2]]が1.5LエンジンになるとRSKスパイダーをシングルシーターに改造した[[ポルシェ・718|718]]で参戦し、[[1960年]]にはコンストラクターズ・チャンピオンを取得した。{{f1|1961}}から[[フォーミュラ1]]が1.5Lエンジンになるとフォーミュラ1へステップアップ。当初は水平対向4気筒エンジンを搭載した[[ポルシェ・787|787]]、{{f1|1962}}は水平対向8気筒エンジンを搭載した[[ポルシェ・804|804]]で戦い、[[ダン・ガーニー]]のドライブにより[[フランスグランプリ]]にて1勝を挙げた。

[[ファイル:ProstAlain McLarenMP4-2B 1985.jpg|thumb|200px|left|マクラーレンMP4-2BTAGポルシェ （1985年）]]
[[マクラーレン]]からのオファーを受け、{{f1|1983}}から{{f1|1987}}まで1.5L V6ターボエンジンを供給した（[[バッジネーム]]は[[テクニーク・ダバンギャルド|TAG]]）。特に{{f1|1984}}から{{f1|1985}}には[[ニキ・ラウダ]]、[[アラン・プロスト]]によってドライバーズ・タイトル、コンストラクターズ・タイトルを獲得。翌{{f1|1986}}もプロストのドライバーズ・タイトル獲得に貢献した。

ターボ禁止後の1991年、[[アロウズ#フットワーク時代|フットワーク]]へ3.5L V12エンジンを独占供給した。917の水平対向12気筒と同じように6気筒を2つつなぎ合わせ、クランクシャフトの中央からスパーギヤでバンク中央のシャフトに出力するセンターテイクオフを採用したが、200kgと重いうえに大きく、更にパワーが出ない駄作であった。実はこのエンジンは、もともと1987年のシーズンオフにマクラーレンに提案されていたのだが、当時のデザイナーであった[[ゴードン・マレー]]から大きすぎると却下をくらったいわくつきの代物で、フットワーク・アロウズは3500万ドルを投じたものの、あまりの信頼性のなさにシーズン半ばで[[フォード・コスワース・DFVエンジン|コスワースDFR]]に換装し、ポルシェは事実上の撤退を余儀なくされた。

=== その他のレース ===
[[ファイル:Carreracup2010.jpg|thumb|right|200px|カレラカップ・スカンジナビア（2010年）]]
*[[ポルシェ・911|911]]ワンメイクによる「[[ポルシェ・カレラカップ]]」の国際シリーズや地域シリーズを開催している。
*[[ラリー]]では[[ラリー・モンテカルロ]]で911Tおよび911Sを擁して1968〜1970年に3年連続ワンツーフィニッシュを達成し、[[ミニ (BMC)|ミニ・クーパー]]の覇権を破った。
*北米の[[チャンプカー・ワールド・シリーズ|CARTシリーズ]]では、1988年から1990年まで2.65L V8ターボを[[マーチ・エンジニアリング|マーチ]]のシャーシに搭載して参戦した（ポルシェ・ノースアメリカ）。しかし、[[シボレー]]エンジン（[[イルモア]]）や[[フォード・モーター|フォード]]エンジン（[[コスワース]]）の牙城を崩せず、[[テオ・ファビ]]が獲得したポールポジション2回、優勝1回のみに終わった。
{{-}}

== 日本での販売 ==
日本では[[1952年]]（[[昭和]]27年）から[[1997年]]（[[平成]]9年）末まで、[[ミツワ自動車]]（当初の社名は「三和自動車」）が、輸入総代理店として輸入・販売を行なっていた。

ミツワによる輸入販売体制のもと、[[1990年]]（[[平成]]2年）秋に発売された1991年モデルからは主要モデルに[[エアバッグ]]がオプション設定されたほか、全シリーズに[[右ハンドル]]仕様が用意された<ref>ミツワが91年モデル、ポルシェ全車種に右ハンドルを設定 『日経産業新聞』　平成2年9月3日 9面</ref>。、また、[[1995年]]（[[平成]]7年）には、それまで1,000万円超であった[[ポルシェ・911]]の新車価格を910万円に引き下げるなど、日本におけるポルシェのユーザー層拡大に努めた。

一方、ドイツ本国のポルシェAGは、「主要輸出市場では、販売・流通を直接管理する」との方針により[[アメリカ合衆国]]、[[イギリス]]、[[イタリア]]、[[スペイン]]、[[オーストラリア]]などの現地法人を直営化しており<ref>[http://www.autoweb.com.au/cms/A_50190/title_Porsche%20Takes%20Over%20Distribution%20in%20Japan/newsarticle.html]</ref>、日本でも[[1995年]]（[[平成]]7年）に100%出資の[[子会社]]「ポルシェ自動車ジャパン株式会社」を設立した。同社は[[1997年]]（[[平成]]9年）、「'''ポルシェジャパン株式会社'''」に改称、翌年1月からはそれまでのミツワ自動車にかわって日本への輸入業務を開始した<ref>[http://www.porsche.com/japan/jp/aboutporsche/porschejapan/]</ref>。この際、輸入権を失ったミツワ自動車は一正規ディーラーとして再出発することとなった<ref>ミツワ自動車、ポルシェ車輸入、独社と和解 -日本法人と販売契約へ 『日経産業新聞』 平成10年1月13日 13面</ref>。

現在{{when|date=2012年1月}}、日本市場はポルシェにとって、アメリカに次ぐ第2の市場である。

== エピソード ==
*[[山口百恵]]の持ち歌である「[[プレイバックPart2]]」（[[1978年]]）の歌詞の中に「真っ赤なポルシェ」というくだりが登場する。この部分は特定企業名・商品名を極力使わない[[日本放送協会|NHK]]の番組では、「真っ赤な車」と置き換えられて歌われている。ただ[[2007年]][[3月24日]]放送「[[家族で選ぶにっぽんの歌]]」など最近では元の歌詞どおり「真っ赤なポルシェ」と歌われている。
*ドイツ車は250km/hのスピードリミッターが装着されるようになっているが、ポルシェは例外とされている<ref>『ジャーマン・カーズ』2009年11月号p.20。</ref>。
*[[コンピュータゲーム]]においてのポルシェの使用権は、[[エレクトロニック・アーツ]]の『[[ニード・フォー・スピード]]』シリーズに独占付与されている。このため他社はポルシェをゲームに登場させることはできず、『[[グランツーリスモシリーズ|グランツーリスモ]]』シリーズなど他のレーシングゲームでは[[RUF (自動車)|RUF]]によるカスタムカーを代わりに収録することが多い。

== 参考文献 ==
*『ワールドカーガイド1ポルシェ』ネコ・パブリッシング ISDN4-87366-090-4
*『ポルシェ博物館/松田コレクション』
*『[[ジャーマン・カーズ]]』2009年8月号
*『[[ジャーマン・カーズ]]』2009年11月号
*『[[輸入車ガイドブック]]1993』日刊自動車新聞社
*『われらがポルシェ ポルシェなんでも事典』講談社

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
== 関連項目 ==
* [[カレラ・パナメリカーナ・メヒコ]]
* [[ミッレミリア]]
* [[F1コンストラクターの一覧]]
* [[RUF (自動車)|RUF]]
* [[9ff]]
* [[ゲンバラ]]
* [[ポルシェ・グランプリ]] - 女子プロテニス[[WTA]]の大会。
* [[井関農機]] - かつて提携関係にあった。　[[ポルシェ・956]]イセキポルシェで耐久レースに参戦。
* [[日本交通 (東京都)]] - [[ハイヤー]]に[[ポルシェ・カイエン]]を導入することで話題になった。
* [[ジェームズ・ディーン]] - [[ポルシェ・550]]スパイダーを運転中に事故死。
* [[スティーブ・マックイーン]]
* [[ドイツ銀行]]
* [[三菱東京UFJ銀行]]

== 外部リンク ==
{{Commonscat|Porsche vehicles}}
* [http://www.porsche.com/japan/ ポルシェ ジャパンの公式ウェブサイト]（日本語）
*[http://www.museocisitalia.org Cisitalia Museum]
* {{Twitter|PorscheJP|ポルシェ ジャパンのTwitter公式アカウント (PorscheJP)}}

{{ポルシェ}}
{{自動車}}

{{デフォルトソート:ほるしえ}}
[[Category:ポルシェ|*]]
[[Category:ドイツの自動車メーカー・ブランド]]
[[Category:フランクフルト証券取引所上場企業]]
[[Category:かつて存在したF1コンストラクター]]
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