ペドロ・マルティネスのソースを表示

{{Infobox baseball player
|選手名             = ペドロ・マルティネス
|英語表記           = Pedro Martinez
|所属球団           = 
|背番号             = 
|選手写真ファイル名 = Pedro's return.jpg
|写真サイズ         = 250
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|国籍               = {{DOM}}
|出身地             = [[サント・ドミンゴ州]][[マノグアヤボ]]
|生年月日           = {{生年月日と年齢|1971|10|25}}
|没年月日           = 
|身長               = {{フィートとcm (身長用変換)|5|11}}
|体重               = {{ポンドとkg (体重用変換)|195}}
|利き腕             = 右
|打席               = 右
|守備位置           = [[投手]]
|プロ入り年度       = 1988年
|ドラフト順位       = 
|初出場             = 1992年9月24日
|最終出場           = 2009年9月30日
|年俸               = 
|経歴               = <nowiki></nowiki>
* [[ロサンゼルス・ドジャース]]（1992 - 1993）
* [[モントリオール・エクスポズ]]（1994 - 1997）
* [[ボストン・レッドソックス]]（1998 - 2004）
* [[ニューヨーク・メッツ]]（2005 - 2008）
* [[フィラデルフィア・フィリーズ]]（2009）
|経歴補足題 = 
|経歴補足 = <nowiki></nowiki>
|代表チーム = {{Flagicon|DOM}} [[野球ドミニカ共和国代表|ドミニカ共和国]]
|五輪 = 
|WBC = [[2009 ワールド・ベースボール・クラシック|2009年]]
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|選出方法 = 
}}
'''ペドロ・ハイメ・マルティネス'''（'''Pedro Jaime Martinez''', [[1971年]][[10月25日]] - ）は、[[ドミニカ共和国]]マノグアヤボ出身の元[[プロ野球選手]]（[[投手]]）。現在は、[[ボストン・レッドソックス]]の特別GM補佐を務めている。

[[ロサンゼルス・ドジャース]]のエースとして活躍した[[ラモン・マルティネス]]は実兄。

== 経歴 ==
=== ロサンゼルス・ドジャース ===
{{by|1988年}}[[6月18日]]に[[ロサンゼルス・ドジャース]]と契約。{{by|1992年}}はAAA級で開幕を迎え7勝6敗・防御率3.81の成績を残し、[[9月24日]]の[[シンシナティ・レッズ]]戦でメジャーデビュー。{{by|1993年}}は球団新人記録となる65試合に登板し、リリーフ投手としてはリーグ最多の10勝、リーグ新人投手3位タイの119奪三振、防御率2.61を記録。[[ルーキー・オブ・ザ・イヤー (MLB)|ルーキー・オブ・ザ・イヤー]]の投票では9位に入った<ref>{{Cite web|url=http://mlb.mlb.com/team/player_career.jsp?player_id=118377&y=1993|title= Pedro Martinez 1993 Career Highlights|language=英語 |accessdate=2008年5月6日 }}</ref>。[[11月19日]]に[[デライノ・デシールズ]]との交換トレードで[[モントリオール・エクスポズ]]に移籍。

=== モントリオール・エクスポズ ===
移籍1年目の{{by|1994年}}からは先発に転向。[[4月13日]]のレッズ戦では7回までパーフェクトに抑えたものの、8回に[[レジー・サンダース]]に死球を与え、9回の先頭打者に安打を打たれて降板している<ref name="bio1994">{{Cite web|url=http://mlb.mlb.com/team/player_career.jsp?player_id=118377&y=1994|title= Pedro Martinez 1994 Career Highlights|language=英語 |accessdate=2008年5月6日 }}</ref>。[[6月9日]]の[[ニューヨーク・メッツ]]戦では被安打3でメジャー初完投・初完封を記録し、[[ドワイト・グッデン]]に投げ勝った<ref name="bio1994"/>。[[1994年から1995年のMLBストライキ|ストライキ]]でシーズンが打ち切りとなったが、11勝5敗・防御率3.42を記録した。{{by|1995年}}[[6月3日]]の[[サンディエゴ・パドレス]]戦では9回までパーフェクトに抑えたが、打線の援護がなく0-0のまま延長戦に入り、10回の先頭打者に二塁打を打たれて[[完全試合]]を逃した<ref>[http://www.baseball-reference.com/boxes/SDN/SDN199506030.shtml June 3, 1995 Montreal Expos at San Diego Padres Box Score and Play by Play - Baseball-Reference.com] 2008年1月12日閲覧.</ref>。{{by|1996年}}は[[1996年のMLBオールスターゲーム|オールスターゲーム]]に初めて選出され1イニングを投げた。[[8月29日]]の古巣ドジャース戦では兄ラモン・マルティネスと史上6人目の兄弟同士の先発登板で対戦<ref>{{Cite web|url=http://mlb.mlb.com/team/player_career.jsp?player_id=118377&y=1996|title= Pedro Martinez 1996 Career Highlights|language=英語 |accessdate=2008年5月6日 }}</ref>。12奪三振で2失点完投するが、ラモンが8回を1失点に抑える好投で敗戦投手となった<ref>{{Cite web|url=http://www.baseball-reference.com/boxes/MON/MON199608290.shtml|title= August 29, 1996 Los Angeles Dodgers at Montreal Expos Play by Play and Box Score - Baseball-Reference.|language=英語 |accessdate=2008年5月5日 }}</ref>。13勝10敗・防御率3.70・222奪三振を記録し、初めて200の大台を上回った。

{{by|1997年}}は開幕から8戦8勝を記録。17勝8敗・防御率1.90、[[カート・シリング]]に次いでリーグ2位の305奪三振、リーグトップの13完投を記録し、[[最優秀防御率]]のタイトルを獲得。18試合で2桁奪三振を記録し、奪三振・防御率は共に球団新記録となった<ref>[http://www.baseball-reference.com/teams/WSN/leaders_pitch.shtml Washington Nationals Pitching Leaders - Baseball-Reference.com] 2008年1月12日閲覧.</ref>。[[サイ・ヤング賞]]の投票では1位票を28票のうち25票獲得し初受賞した<ref>[http://www.baseball-reference.com/awards/awards_1997.shtml#NLcya Baseball Awards Voting for 1997 - Baseball-Reference.com] 2008年1月12日閲覧.</ref>。また右投手が300奪三振と防御率1点台を同時に記録するのは{{by|1912年}}の[[ウォルター・ジョンソン]]以来の快挙だった。[[11月18日]]に[[カール・パヴァーノ]]、[[トニー・アーマス・ジュニア]]との交換トレードで[[ボストン・レッドソックス]]に移籍し、6年総額7500万ドル、7年目はオプションで1750万ドルという投手としては当時史上最高額の契約を結んだ。

=== ボストン・レッドソックス ===
[[ファイル:PedroMartinezSmall.jpg|thumb|right|200px|レッドソックス時代（2004年）]]
移籍1年目の{{by|1998年}}は自身初の[[開幕投手]]を務め、開幕5連勝。いずれもリーグ2位の19勝（7敗）・防御率2.89・251奪三振を記録し、チームの[[ワイルドカード (スポーツ)|ワイルドカード]]獲得に貢献。[[クリーブランド・インディアンス]]との[[1998年のアメリカンリーグディビジョンシリーズ|ディビジョンシリーズ]]では第1戦に先発し、7回3失点で勝利投手。チームはその後3連敗で敗退した。サイ・ヤング賞の投票では満票で受賞した[[ロジャー・クレメンス]]に次ぐ2位に入った<ref>[http://www.baseball-reference.com/awards/awards_1998.shtml#ALcya Baseball Awards Voting for 1998 - Baseball-Reference.com] 2008年1月12日閲覧.</ref>。

{{by|1999年}}は[[4月15日]]から[[5月18日]]にかけて7試合連続二桁奪三振を記録するなど前半戦で15勝を挙げ、30勝を達成するのではと騒がれた<ref name="maj20001a"/>。地元ボストンで行われた[[1999年のMLBオールスターゲーム|オールスターゲーム]]に先発し、2イニングを投げて5三振を奪い、[[MLBオールスターゲーム最優秀選手|MVP]]に選出された。三振を喫した[[マーク・マグワイア]]を「あんな投球をされたら誰も打てやしない」と脱帽させた。オールスターで肩を痛めたが、[[8月19日]]から[[9月27日]]にかけてメジャー記録となる8試合連続2桁奪三振を記録<ref>[http://www.baseball-reference.com/pi/gl.cgi?n1=martipe02&t=p&year=1999 Pedro Martinez 1999 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference PI] 2008年1月12日閲覧.</ref>。[[9月10日]]の[[ニューヨーク・ヤンキース]]戦では17奪三振、被安打は[[チリ・デービス]]の本塁打1本のみで完投勝利を挙げた。23勝4敗・防御率2.07・313奪三振の圧倒的な成績で[[最多勝利 (MLB)|最多勝]]・最優秀防御率・[[最多奪三振 (MLB)|最多奪三振]]を獲得して[[三冠 (野球)|投手三冠]]を達成し、奪三振率13.2は当時のメジャー記録となった<ref name="maj20001a">聞き手 [[鉄矢多美子]] 「ドミニカ発直撃インタビュー ペドロ・マルティネス[レッドソックス]」『[[月刊メジャー・リーグ]]』2000年1月号、[[ベースボールマガジン]]社、2000年、[[雑誌コード|雑誌]] 08625-1、3 - 7項。</ref>。チームは前年に続きワイルドカードを獲得。故障を押して登板し、インディアンズとの[[1999年のアメリカンリーグディビジョンシリーズ|ディビジョンシリーズ]]では第1戦に先発するも4回で降板。2勝2敗のタイで迎えた第5戦では4回からリリーフ登板して6イニングを無安打に抑えて勝利投手。ヤンキースとの[[1999年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ|リーグチャンピオンシップシリーズ]]では第3戦に先発し、7回を2安打12奪三振無失点で勝利投手となるが、チームはその1勝のみに終わり敗退した。オフに2度目のサイ・ヤング賞を満票で獲得し<ref>[http://www.baseball-reference.com/awards/awards_1999.shtml#ALcya Baseball Awards Voting for 1999 - Baseball-Reference.com] 2008年1月12日閲覧.</ref>、[[最優秀選手 (MLB)|MVP]]の最有力候補と言われた<ref name="maj200001b"/>。投票では1位票を最多の8票獲得したが、239対252と13ポイント差で[[イバン・ロドリゲス]]に次ぐ2位に終わり、「投手にMVPの資格はないのか？」と論争になった<ref name="maj200001b">[[中井学]] 「MVPイバン・ロドリゲスと落選ペドロ・マルティネスの謎」『[[月刊メジャー・リーグ]]』2000年1月号、[[ベースボールマガジン]]社、2000年、[[雑誌コード|雑誌]] 08625-1、48 - 49項。</ref>。

{{by|2000年}}[[5月6日]]の[[タンパベイ・デビルレイズ]]戦では毎回の17奪三振で1失点完投するも、味方打線が完封されて敗戦投手となった。[[8月28日]]の同カードでは初回先頭打者の[[ジェラルド・ウィリアムズ]]に死球を与えて乱闘となるが、その後8回までパーフェクトに抑える。9回の先頭打者に安打を打たれ[[ノーヒットノーラン]]を逃したが、13奪三振完封勝利。18勝6敗・防御率1.74・284奪三振、リーグ最多の4完封を記録し、最優秀防御率・最多奪三振の二冠を獲得。防御率は2位クレメンスの3.70に1.96という大差を付けた。被出塁率は.213で[[ウォルター・ジョンソン]]が1913年に記録した.217を更新<ref>{{Cite web|url=http://mlb.com/team/player_career.jsp?player_id=118377&y=2000|title= Pedro Martinez 2000 Career Highlights|language=英語 |accessdate=2008年5月6日 }}</ref>。WHIPに至っては史上最高の0.74という驚異的な数字を記録し、被打率.167もメジャー記録と、記録ずくめのシーズンだった。オフに3度目のサイ・ヤング賞を満票で受賞した<ref>[http://www.baseball-reference.com/awards/awards_2000.shtml#ALcya Baseball Awards Voting for 2000 - Baseball-Reference.com] 2008年1月12日閲覧.</ref>。

{{by|2001年}}は5月までに7勝1敗・防御率1.44、11試合中8試合で2桁奪三振を記録するなど好調だったが、肩の回旋筋腱板損傷のため離脱し、復帰後も未勝利に終わる。{{by|2002年}}は開幕戦の[[トロント・ブルージェイズ]]戦では3回8失点の大乱調だったが、[[4月7日]]に前年[[5月30日]]以来の勝利を挙げた。その間8試合連続で勝星がなかったのは自己ワースト記録である<ref name="bio2002">{{Cite web|url=http://mlb.com/team/player_career.jsp?player_id=118377&y=2002|title= Pedro Martinez 2002 Career Highlights|language=英語 |accessdate=2008年5月6日 }}</ref>。[[4月19日]]の[[カンザスシティ・ロイヤルズ]]戦で史上57人目となる通算2000奪三振を達成<ref name="bio2002"/>。開幕から7連勝、[[6月20日]]から9連勝を記録するなど20勝4敗、共にリーグ1位の防御率2.26・239奪三振を記録し、最優秀防御率・最多奪三振の二冠を獲得。サイ・ヤング賞の投票では23勝で最多勝を獲得した[[バリー・ジト]]に次ぐ2位だった<ref>[http://www.baseball-reference.com/awards/awards_2002.shtml#ALcya Baseball Awards Voting for 2002 - Baseball-Reference.com] 2008年1月12日閲覧.</ref>。{{by|2003年}}は[[4月12日]]の[[ボルティモア・オリオールズ]]戦で自身ワーストの10失点。5月から約1ヶ月離脱するが、14勝4敗・防御率2.22・206奪三振の成績で2年連続の最優秀防御率を獲得し、チームはワイルドカードを獲得。[[オークランド・アスレチックス]]との[[2003年のアメリカンリーグディビジョンシリーズ|ディビジョンシリーズ]]では第1戦で先発し勝敗付かず。第5戦では8回途中3失点で勝利投手となった。ヤンキースとの[[2003年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ|リーグチャンピオンシップシリーズ]]では第3戦に先発し、7回4失点で敗戦投手。この試合では自軍の打者に対する死球に激昂してマウンドに駆け寄ったヤンキースのベンチコーチで、当時72歳だった[[ドン・ジマー]]の首に腕を絡めて地面に叩き落とした（ジマーは現役時代に死球により[[死球#その他|意識不明に陥った過去]]がある）<ref>{{Cite web|url=http://mlb.mlb.com/mlb/news/postseason/traces.jsp?loc=traces_zimmer|title="Don Zimmer: Baseball a lifestyle for lovable Zim". mlb.com.|language=英語 |accessdate=2012年8月1日 }}</ref>。最終第7戦では8回表まで5-2とリードしていたが、その裏集中打を浴びて同点に追い付かれ降板。チームは延長の末サヨナラ負けを喫しリーグ優勝はならなかった。

{{by|2004年}}は16勝9敗・217奪三振を記録したものの防御率3.90で8年ぶりの3点台と今ひとつだったが、チームは2年連続でワイルドカードを獲得する。[[アナハイム・エンゼルス]]との[[2004年のアメリカンリーグディビジョンシリーズ|ディビジョンシリーズ]]では第2戦に先発し勝利投手。ヤンキースとの[[2004年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ|リーグチャンピオンシップシリーズ]]では第2戦に先発するが6回3失点で敗戦投手となり、第5戦では勝敗付かず。3連敗からタイに戻した最終第7戦では7回からリリーフ登板するも2失点で降板。チームは史上初の3連敗からの4連勝で、18年ぶりのリーグ優勝を果たす。[[セントルイス・カーディナルス]]との[[2004年のワールドシリーズ|ワールドシリーズ]]では第3戦に先発して7回無失点で勝利投手。チームは4連勝で86年ぶりのワールドチャンピオンに輝いた。オフに[[フリーエージェント (プロスポーツ)|フリーエージェント]]となり、[[12月17日]]にメッツと4年総額5200万ドルで契約した。

=== ニューヨーク・メッツ ===
[[ファイル:Pedro Martínez Peace.jpg|thumb|right|200px|メッツ時代のマルティネス]]
{{by|2005年}}は15勝8敗・防御率2.82・208奪三振を記録し、被出塁率は.250でリーグ1位、メジャー全体で[[ヨハン・サンタナ]]に次ぐ2位だった<ref name="bio2005">{{Cite web|url=http://mlb.com/team/player_career.jsp?player_id=118377&y=2005|title= Pedro Martinez 2005 Career Highlights|language=英語 |accessdate=2008年5月6日 }}</ref>。奪三振率が8.6で9年ぶりに9を下回ったが、奪三振と四球の割合は4.43でリーグ1位だった<ref name="bio2005"/>。

{{by|2006年}}は開幕から5連勝。[[4月17日]]の[[アトランタ・ブレーブス]]戦で7回途中まで6安打3失点に抑え、メッツの選手としては[[オーレル・ハーシュハイザー]]に次いで史上2人目となる通算200勝を達成<ref>{{Cite web|url=http://mlb.com/team/player_career.jsp?player_id=118377&y=2006|title= Pedro Martinez 2006 Career Highlights|language=英語 |accessdate=2008年5月6日 }}</ref>。84敗での達成は史上最も少ない敗戦数である<ref>[http://sports.espn.go.com/mlb/recap?gameId=260417121 ESPN - Pedro strikes out eigth in 6 2/3 innings for 200th win - MLB] 2008年1月12日閲覧</ref>。途中故障で1ヶ月離脱し、復帰後も故障がちで9勝8敗・防御率4.48に終わる。チームは18年ぶりの地区優勝を果たしたが、ポストシーズンでは登板なし。[[10月1日]]に右肩の手術を行うことを発表した。投球再開までには少なくとも8ヶ月はかかる見通しで、翌年シーズン前半戦の出場は絶望となった。復帰後に本来の力を再び発揮できるかどうか不安を感じており、[[11月6日]]の[[ニューヨークタイムズ]]紙には元通りにならないようであれば引退を考える旨のコメントを寄せている<ref>{{Cite web
|url=http://www.nytimes.com/2006/11/04/sports/baseball/04mets.html?_r=1&ref=sports&oref=slogin|title=Martínez May Have to Consider Retiring|language=英語 |accessdate=2012-02-06}}</ref>。

{{by|2007年}}の[[スプリングトレーニング]]で「復帰する日まで、ただプレーオフに近い位置にいてくれればいい。そこからオレが世界一まで押し上げてやるから」と発言した<ref name=lostoctober>杉浦大介 「ニューヨーク・メッツ　失われた10月」 『月刊スラッガー』2008年1月号、日本スポーツ企画出版社、2007年、雑誌15509-1、49-51頁。</ref>。[[9月3日]]の[[シンシナティ・レッズ|レッズ]]戦で復帰を果たし、史上15人目、[[ラテンアメリカ]]出身の選手として初めて[[3000奪三振クラブ|3000奪三振]]を達成した。与四球が1000以下で達成したのは史上4人目だった。5試合に登板して3勝1敗・防御率2.57の成績を残した。チームは残り17試合で2位の[[フィラデルフィア・フィリーズ]]に7ゲーム差を付けて地区首位だったがその後5勝12敗と失速し、[[9月30日]]のレギュラーシーズン最終戦で[[マイアミ・マーリンズ|フロリダ・マーリンズ]]に敗れ、1ゲーム差でフィリーズに地区優勝を奪われポストシーズン進出を逃した。{{by|2008年}}は故障がちで調子が上がらず、5勝6敗・防御率5.61に留まり、オフにフリーエージェントとなった。

=== 第2回WBC出場 ===
2009年に[[2009 ワールド・ベースボール・クラシック・ドミニカ共和国代表|WBCドミニカ共和国代表]]に選出され、第1戦の[[2009 ワールド・ベースボール・クラシック・オランダ代表|オランダ]]戦に3番手として登板し3回を4奪三振無失点と好投したが、チームは格下相手に敗れた。第3戦のオランダ戦でも2番手として登板し、3回を2奪三振無失点と好投したが打線が振るわず逆転サヨナラ負けを喫し、チームは一次リーグ敗退となった。

=== フィラデルフィア・フィリーズ ===
{{by|2009年}}[[7月14日]]、フィリーズと年俸100万ドル＋最大150万ドルのインセンティブ付き契約を結んだ<ref>{{Cite web
|url=http://www.philly.com/philly/sports/phillies/20090714_Phllies_sign_Pedro.html|title=Phillies sign Pedro | Philadelphia Inquirer|accessdate=2009-07-15}}</ref>。[[8月12日]]の[[シカゴ・カブス]]戦に移籍後初先発初登板。5イニングを7安打3失点、5奪三振に抑え、味方の援護もあって勝利を挙げた。チームは地区優勝を果たし、ポストシーズンも勝ち上がってリーグ優勝を果たす。連覇を賭けて臨んだヤンキースとの[[2009年のワールドシリーズ|ワールドシリーズ]]では第2戦に先発したが、[[松井秀喜]]に地面すれすれの変化球を掬い上げられる本塁打を浴びるなど、7回途中3失点で敗戦投手となる。王手をかけられた第6戦でも2回に松井に先制2点本塁打を喫し、3回にも2点タイムリーを打たれるなど4回4失点で敗戦投手となった。結果的にこれが自身メジャー最後の登板となった。

=== 引退 ===
所属球団のない状態が続いたが、[[2011年]]12月にMLBの公式サイトが引退の意向を伝えた<ref>{{Cite web
|url=http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/12/04/kiji/K20111204002170650.html|title=ペドロ・マルティネス 現役引退へ 最優秀投手3度 最後は松井に一発|accessdate=2012-02-06}}</ref>。

{{by|2013年}}1月24日、[[ボストン・レッドソックス]]の特別GM補佐に就任する事になった。<ref>{{Cite web
|url=http://boston.redsox.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20130124&content_id=41138112&vkey=news_bos&c_id=bos|title=Pedro joins Red Sox as special assistant|language=英語 |accessdate=2012-02-06}}</ref>

== 選手としての特徴 ==
身長公称180cmだが実際にはもっと小さいと言われており、メジャーの投手としては小柄で体型も比較的細身である。[[サイドスロー]]に近い[[スリークォーター]]から全盛期には常時95mph前後、最速99mphの伸びのある[[フォーシームファストボール|フォーシーム]]、[[ツーシームファストボール|ツーシーム]]、切れ味の鋭い[[カーブ (球種)|カーブ]]、[[チェンジアップ#サークルチェンジ|サークルチェンジ]]、[[カットファストボール]]を抜群のコントロールで操り、投手に必要な技術を網羅しているとされ、[[イチロー]]をして「完璧な投手」と言わしめた。しかし、度重なる故障の後は速球のスピードは最速でも90mph序盤程度になった。

松井秀喜やイチローによると「ペドロの凄さはキレの良いさまざまな変化球をコーナーにきちんと投げ分けられること」だという<ref name="book2006"/>。高速で急激にブレーキがかかる彼のカーブは'''パワーカーブ'''と呼ばれた。本人はこれを'''ハードカーブ'''と呼んでいるとインタビューで語った。握りは[[ナックルカーブ]]である。またサークルチェンジでも有名で、日本で言うところの[[スクリューボール]]のように鋭く変化し三振の山を築いた。ピンチになると球速が上がるなどの特徴を持つ。

通算投球回数2000回以上の投手が対象である、投球回数9回に対する通算の奪三振率が9.0以上の投手4人のうちの1人であり、投球回数9回に対する通算の奪三振率10.04は、[[ランディ・ジョンソン]]に次いでMLB史上2位である<ref>[http://mlb.mlb.com/stats/sortable.jsp#sectionType=sp&sortColumn=k_9&season=&league_code='MLB'&statType=pitching&game_type='R'&elem=%5Bobject+Object%5D&tab_level=child&click_text=Sortable+Player+pitching&season_type=ALL&page=1&ts=1381771679978&sortOrder='desc'&extended=2&split=&playerType=ALL&timeframe= MLB>Stats>All-Time Totals>MLB>Pitching>9_K]</ref>。

レッドソックス時代は打者に恐怖心を与えるために故意に頭部を狙い、いわゆる[[ビーンボール]]を投げる「'''[[ヘッドハンター]]'''」と見られていた<ref name="book2006">{{Cite book|和書|author=友成那智、村上雅則|year=2006|title=メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2006|publisher=廣済堂出版|pages=272項|id=ISBN 978-4-331-51146-6}}</ref>。投手が打席に立つナ・リーグへ移籍した2005年は前年の16死球から4死球へ減少。

== 詳細情報 ==
=== 年度別投手成績 ===
{|{{投手成績|リーグ=メジャーリーグベースボール}}
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1992}}
|rowspan="2" style="text-align:center;"|[[ロサンゼルス・ドジャース|LAD]]
|2||1||0||0||0||0||1||0||--||.000||31||8.0||6||0||1||0||0||8||0||0||2||2||2.25||0.88
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1993}}
|65||2||0||0||0||10||5||2||--||.667||444||107.0||76||5||57||4||4||119||3||1||34||31||2.61||1.24
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1994}}
|rowspan="4" style="text-align:center;"|[[ワシントン・ナショナルズ|MON]]
|24||23||1||1||0||11||5||1||--||.688||584||144.2||115||11||45||3||'''11'''||142||6||0||58||55||3.42||1.11
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1995}}
|30||30||2||2||0||14||10||0||--||.583||784||194.2||158||21||66||1||11||174||5||2||79||76||3.51||1.15
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1996}}
|33||33||4||1||1||13||10||0||--||.565||901||216.2||189||19||70||3||3||222||6||0||100||89||3.70||1.20
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1997}}
|31||31||'''13'''||4||1||17||8||0||--||.680||947||241.1||158||16||67||5||9||305||3||1||65||51||'''1.90'''||'''0.93'''
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1998}}
|rowspan="7" style="text-align:center;"|[[ボストン・レッドソックス|BOS]]
|33||33||3||2||0||19||7||0||--||.731||951||233.2||188||26||67||3||8||251||9||0||82||75||2.89||1.09
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|1999}}
|31||29||5||1||0||'''23'''||4||0||0||'''.852'''||835||213.1||160||9||37||1||9||'''313'''||6||0||56||49||'''2.07'''||'''0.92'''
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2000}}
|29||29||7||'''4'''||2||18||6||0||0||.750||817||217.0||128||17||32||0||14||'''284'''||1||0||44||42||'''1.74'''||{{Color|red|'''0.74'''}}
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2001}}
|18||18||1||0||0||7||3||0||0||.700||456||116.2||84||5||25||0||6||163||4||0||33||31||2.39||0.93
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2002}}
|30||30||2||0||0||20||4||0||0||'''.833'''||787||199.1||144||13||40||1||15||'''239'''||3||0||62||50||'''2.26'''||'''0.92'''
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2003}}
|29||29||3||0||1||14||4||0||0||.778||749||186.2||147||7||47||0||9||206||5||0||52||46||'''2.22'''||'''1.04'''
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2004}}
|33||33||1||1||0||16||9||0||0||.640||903||217.0||193||26||61||0||16||227||2||0||99||94||3.90||1.17
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2005}}
|rowspan="4" style="text-align:center;"|[[ニューヨーク・メッツ|NYM]]
|31||31||4||1||0||15||8||0||0||.652||843||217.0||159||19||47||3||4||208||4||0||69||68||2.82||'''0.95'''
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2006}}
|23||23||0||0||0||9||8||0||0||.529||550||132.2||108||19||39||2||10||137||2||1||72||66||4.48||1.11
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2007}}
|5||5||0||0||0||3||1||0||0||.750||128||28.0||33||0||7||1||2||32||1||0||11||8||2.57||1.43
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2008}}
|20||20||0||0||0||5||6||0||0||.455||493||109.0||127||19||44||3||6||87||2||1||70||68||5.61||1.57
|-
|style="text-align:center;"|{{by2|2009}}
|style="text-align:center;"|[[フィラデルフィア・フィリーズ|PHI]]
|9||9||0||0||0||5||1||0||0||.833||191||44.2||48||7||8||0||4||37||0||0||18||18||3.63||1.25
|-
!colspan="2"|通算：18年
|476||409||46||17||5||219||100||3||0||.687||11394||2827.1||2221||239||760||30||141||3154||62||6||1006||919||2.93||1.05
|}
* 2009年度シーズン終了時
* 各年度の'''太字'''はリーグ最高、{{Color|red|'''赤太字'''}}はMLB記録

=== 獲得タイトル・記録 ===
* [[サイ・ヤング賞]] 3回：1997年, 1999年, 2000年
* [[三冠 (野球)|投手三冠]] 1回：1999年
* [[最多勝利 (MLB)|最多勝]] 1回：1999年
* [[最優秀防御率 (MLB)|最優秀防御率]] 5回：1997年, 1999年, 2000年, 2002年, 2003年
* [[最多奪三振 (MLB)|最多奪三振]] 3回：1999年, 2000年, 2002年
* [[MLBオールスターゲーム]]選出 6回：1996年 - 2000年, 2002年
* 8試合連続二桁奪三振：1999年8月19日 - 9月27日
* [[ピッチャー・オブ・ザ・マンス]] 8回：1997年8月、1999年4月・5月・6月・9月、2000年4月、2001年5月、2002年7月
* [[プレイヤーズ・チョイス・アワーズ]]
** 年間最優秀選手 1回：1999年
** 優秀投手 4回：1997年、1998年、1999年、2000年
* [[MLBオールスターゲーム最優秀選手|MLBオールスターゲームMVP]]：[[1999年のMLBオールスターゲーム|1999年]]

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{reflist|2}}

== 外部リンク ==
{{commonscat|Pedro Martínez (baseball)}}
{{MLBstats |mlb=118377 |espn=2717 |br=m/martipe02 |fangraphs=200 |cube=m/pedro-martinez-1}}

{{Navboxes|title=獲得タイトル・記録
|list1=
</span> 
{{ナショナルリーグ サイ・ヤング賞}}
{{アメリカンリーグ サイ・ヤング賞}}
{{ナショナルリーグ最優秀防御率}}
{{アメリカンリーグ最優秀防御率}}
{{アメリカンリーグ最多勝投手}}
{{アメリカンリーグ最多奪三振}}
{{MLBオールスターMVP}}
}}
{{3000奪三振クラブ}}
{{2004 ボストン・レッドソックス}}
{{2009 ワールド・ベースボール・クラシックドミニカ共和国代表}}

{{デフォルトソート:まるていねす へとろ}}
[[Category:ドミニカ共和国の野球選手]]
[[Category:ロサンゼルス・ドジャース及びブルックリン・ドジャースの選手]]
[[Category:ワシントン・ナショナルズ及びモントリオール・エクスポズの選手]]
[[Category:ボストン・レッドソックスの選手]]
[[Category:ニューヨーク・メッツの選手]]
[[Category:フィラデルフィア・フィリーズの選手]]
[[Category:MLBオールスターゲームMVP]]
[[Category:サイ・ヤング賞]]
[[Category:最優秀防御率 (MLB)]]
[[Category:最多勝利 (MLB)]]
[[Category:最多奪三振 (MLB)]]
[[Category:MLBオールスターゲーム選出選手]]
[[Category:1971年生]]
[[Category:存命人物]]