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[[ファイル:Epson PM-700C.jpg|thumb|350px|プリンター]] '''プリンター''' ('''printer''') は、印刷用の[[機器]]の総称である。 本稿では特に[[コンピュータ]]からの情報の[[出力]]に用いられる[[機械]]について説明する。その他のプリンター、印刷機については、''[[印刷]]''を参照。 == 概要 == プリンターは、[[コンピュータ]]や[[ワードプロセッサ]]からの情報出力装置として古くから利用されてきた。用途に応じて多種多様な方式がある(下記参照)。 印字方式としては、[[#インパクト方式|インパクト方式]]とノンインパクト方式があり、かつてはインパクト方式である[[#ドットインパクト方式|ドットインパクトプリンター]]が主流であったが、1980年代から90年代を境にノンインパクト方式である[[#インクジェット方式|インクジェットプリンター]]や[[#乾式電子写真方式|レーザプリンター]]などが台頭、2008年当初ではパソコン用プリンター出荷台数の3分の2がインクジェットプリンターであった。 一般的に、家庭および小規模オフィス向けにインクジェットプリンター、企業向けにレーザプリンターという住み分けがされてきたが、近年では個人向けの安価なレーザプリンターも広がっている。また、急速に低価格化が進んだインクジェットプリンターでは、[[2005年]]頃から[[コピー]]や[[ファクシミリ]]機能が搭載された[[複合機]]タイプが主流となっている。 コスト意識の強い企業向けレーザプリンターでは、高機能複合機タイプから[[モノクロ]]単機能タイプまでのさまざまなラインナップが、現在も共存している。 == 印字方式による区分 == === 熱転写方式 === {{main|サーマルプリンター}} [[テープ]]に塗布された[[インク]]を熱によって対象物に転写する方式で、主に[[#熱溶融形|熱溶融形]]と[[#昇華型|昇華型]]とに大別される。 ==== 熱溶融形 ==== テープに塗布された[[インク]]を熱で融かし、[[紙]]などの対象物に転写する。一般家庭に[[パーソナルコンピュータ]]が入り始めた時代には安価なプリンターとして使われた。その後、[[ワードプロセッサ|ワープロ専用機]]、小型[[ファクシミリ]] (FAX)、ラベルプリンター、航空チケット印刷などに使われている。また。[[デカール]]の印刷によく使われる。 日本では、[[マルス (システム)|マルスシステム]]による[[切符]]類や(国内)航空システムにおけるチケット発行プリンターに長らく使用されていたが、前者は2色感熱紙の開発および低コスト化、後者はシステムの省スペース・省コスト化などの理由から感熱式に移行されてつつある。 [[顔料]]インクを用いるため、耐水性および[[耐候性]]に優れるが、カラー印刷の場合色の数だけ同じ手順を繰り返す必要があり色数が増す毎に印刷に要する時間が長くなり、複数回の紙送りを繰り返すため色ズレが発生しやすいという短所がある。[[インクリボン]]を装着せずに感熱式プリンターとして[[感熱紙]]に印刷できるものもある。 インクリボンを使うタイプでは、インクリボンに印刷した内容が残るため、印刷した証拠(ジャーナル)として活用できる反面、情報漏洩の原因になることもある。 ==== 昇華型 ==== [[インク]]に熱を加えて[[昇華 (化学)|昇華]]させる方式で、熱量を細かく制御することでインク量の調節ができるため、[[写真]]に近い画質を得ることが可能である。DTP用や、フォトプリンター、ビデオプリンターがある。原理上染料インクが使われるために熱溶融形よりも耐水性、耐光性において劣るが、近年の昇華型インクにはラミネーションを施すことにより耐水性・耐光性を高めたものが主流となっている。 <br style="clear:both" /> === 感熱式 === {{main|サーマルプリンター}} 加熱で変色する特殊な用紙([[感熱紙]])に印刷するための装置で、かつては[[ファクシミリ]]の出力用に広く使われていた。現在でも家庭用FAXや[[レシート]]に多いが、耐薬品性に乏しく、また、時間の経過により自然に変色や褪色を起こすという感熱紙の性質のために、長期保存に向かない。 顕色剤を内包した感熱性マイクロカプセルを使用する感熱紙もあり、サーマルヘッドの熱量に応じた濃度の顕色剤を放出し、紫外線でジアゾニウム塩を分解することにより定着する。フルカラーの可能な[[サーマルプリンター#サーモオートクローム方式|サーモオートクローム]]や[[サーマルプリンターZINK Zero Ink方式|ZINK]]がある。 === 放電破壊式 === {{main|放電破壊プリンタ}} [[導電性]]の加工を施した[[専用]]の用紙(放電破壊紙)の表層を放電で破壊することで印刷する方式である。 === 光露光加圧定着式 === [[サイカラー]]が開発した方式で[[光重合樹脂]]で出来た[[マイクロカプセル]]の内部に顕色剤が入っており、露光することにより硬化し、加圧する事で未露光部の内部の顕色剤が放出され発色する<ref>{{PDFlink|[http://www.freepatentsonline.com/5208609.pdf アメリカ合衆国特許5208609号]}}</ref>。感光波長の異なる光重合樹脂をYMCにそれぞれ使用することでフルカラーの表示ができる。 === インクジェット方式 === [[ファイル:Canon S520 ink jet printer.jpg|thumb|200px|[[キヤノン|Canon]]インクジェット・プリンター S520]] {{main|インクジェットプリンター}} インクジェット方式とは、主に液状、時に固体のインクを微粒子化し、加圧や加熱などにより微細孔から射出させる方式で、近年、噴射孔の極微細化が著しく、このために高精細な印刷結果が得られるようになっている。また、他の方式と比して多色化が容易で、多いものでは12種類のインキを使用し、微細噴射孔とも相俟って[[銀塩写真]]並みの高画質が実現されている。現在の一般家庭向けカラープリンターの主流となっている。 小型のものは、家庭用や小規模なオフィス用として利用される。家庭あるいは小規模なオフィス用の廉価版複合機(複写機+プリンター+ ([[ファクシミリ]]) +[[イメージスキャナ]])も、この方式が多い。また、大型のものでは、1,000ミリメートル幅を超える大判用紙への印刷のできるものまであり、[[プロッタ|XYプロッタ]]からの置き換えや、巨大なグラフィックアート作成への応用などが進んでいる。 ほとんどの機種で使用するインクは水性インキであり、一般論としては耐水性に乏しい。技術的には染料系、顔料系どちらのインキも可能であるが、全般的には染料系インキが多い。一般的に染料系は演色性に優れ、顔料系は耐光性に優れるといわれるが、近年ではその差は僅かなものとされている。また、顔料系の方が紙表面でインキがにじみにくいので、特にモノクロ印刷では高精細化に向くといわれる。業務用としては、耐候性に優れた[[溶剤]]系のインキを使用する機種も存在する。 <br style="clear:both" /> === ドットインパクト方式 === [[ファイル:Printer dot matrix EPSON VP-500.jpg|thumb|250px|[[セイコーエプソン|エプソン]] VP-500プリンター(カバーを外して撮影)]] [[ファイル:Tandy1000HX tweaked.jpg|thumb|250px|ドットインパクト・プリンターTandy DMP-133(右上)]] [[ファイル:Dot matrix example text.png|thumb|280px|出力文字の例]] 縦横に並べた[[ドット]]に対応する細いピンを、インクを吸着させた帯([[インクリボン]])に叩き付けて(インパクト)印刷する仕組み。この方式は複写用紙への重ね印刷ができる、ほぼ唯一の方式である(これにより、同じ文章を一度に打ち出すことができる。)。 打撃に用いるワイヤピンは[[磁気]][[アクチュエータ]]により高速で駆動される。このプリントヘッドには、釈放型と吸引型がある。 ; 吸引型 : 印字する瞬間にワイヤピンが接合されたアクチュエータを電磁石で吸引してワイヤピンを押し出す方式である。印字後はアクチュエータの弾性により元の位置に戻る。 ; 釈放型 : 印字する瞬間に電磁石に電流を流して、アクチュエータを保持していた磁力を打ち消し、アクチュエータのバネ性でワイヤピンを押し出すものである。 また、印字するインクリボンの色を切り替える機構を持つことで多色印字の可能な機種もある。 初期のものでは1文字あたり8ピン (48dpi)、最大では48ピン (360dpi) 程度のものまであった。16ピン仕様の製品が登場してからは、[[漢字]]の印刷が現実的となった。現在は24ピン (180dpi) がほとんどである。 かつては事務用から家庭用まで広く使われた。だがドットを構成するピンを叩きつける構造のため作動音が大きく(騒音防止のために、プリンターや用紙一式を収納できる防音カバーも市販されている)、高精細化にも限界があり、ほとんどの用途で他の方式(主に家庭用は前項の[[#インクジェット方式|インクジェット方式]]、業務用は次項の[[#乾式電子写真方式|乾式電子写真方式]])に置き換えられている。現在ではプリンターとしては、[[現金自動預け払い機|ATM]]などでの記帳や複写用紙([[ノーカーボン紙]]等)への重ね印刷に用いられる用途が殆どである。だが、他のプリンターと比較して電力をさほど消費せず、またこの方式に用いる[[インクリボン]]は乾燥に強いという利点がある。したがって、待機時間を含めた長時間作動での維持負担が少ないため、アラーム記録(これは連続紙を利用するという点も大きい)、アナログ式の[[タイムレコーダー]]や各種測定器など時間計測に用いる場合、重宝される。 <br style="clear:both" /> === ノンインパクトプリンター (NIP) === [[#ドットインパクト方式|ドットインパクト方式]]ではないプリンターを総称してノンインパクトプリンター、略してNIPと呼ぶ。しかしながら、一般にNIPと呼ぶ場合、[[連続帳票]]を用い、[[#乾式電子写真方式|乾式電子写真方式]]で印字する方式のプリンターを指すことが多い。 === 乾式電子写真方式 === [[ファイル:Apple LaserWriter Pro 630.jpg|thumb|200px|[[アップル インコーポレイテッド|Apple]]レーザープリンター[[LaserWriter]] Pro 630]] {{main|レーザープリンター}} ==== 特徴 ==== 一般的には「[[レーザプリンター]]」として知られる。帯電させた感光体に[[レーザ]][[光]]などを照射し顔料粉末([[トナー]])を付着させ、用紙に転写した上で熱や圧力をかけて[[定着]]させる方式であり、これは「[[静電気|静電]]写真」や「[[ゼログラフィー]]」とも呼ばれる。 原理としては乾式の[[複写機]]とほぼ同じである。感光体は通常、ドラム状で、この表面を光で走査しつつ回転させ印刷を行う。感光体への書き込み光源としては、レーザ光源だけでなく、[[発光ダイオード]] (LED) を用いることも可能であり、この場合には「[[LEDプリンター]]」と呼ばれる。 消耗品である感光ドラムの耐久性を、トナーの補充頻度に見合う程度にまで下げ、ドラムとトナーとを一体の部品として交換する方式が主流である。その一方で、ドラムの耐久性を高め、トナー容器のみの交換が可能な設計とすることで運用経費の低減を図る動きも見られる。 用途としては、主に業務用で利用される。業務用の複合機(複写機+プリンター+ファクシミリ+イメージスキャナ)は、この方式が多い。 ==== フルカラー印刷 ==== この仕組みによるフルカラー印刷には「'''タンデム方式'''」と「'''4サイクル方式'''」とがある。 ; タンデム方式 : ドラムを連装し、一回の[[手順]]の中で各色(減法混合の[[三原色]]である[[シアン (色)|シアン]](藍)・[[マゼンタ]](紅)・[[黄色|イエロー]](黄)+[[黒]])を順次転写するもので、単色印刷とほぼ同じ時間で印刷物を完成させることができる。 ; 4サイクル方式 : 一つのドラム上に各色の現像機を配置し、各単色の転写を繰り返すため、単色印刷に対しおおむね4倍の時間を要する。 一般に、この方式のプリンターは、他方式の多くと比べ、構造が複雑で、また、個々の部品に対してより高い品質が要求されるため、製造費の高い装置である。 しかしながら、ここ数年は急速に価格の低廉化が進んでおり、個人用で利用されるケースも増えている。 <br style="clear:both" /> === 活字プリンター === [[ファイル:Silver-Reed Daisywheel Wiki.jpg|thumb|170px|デイジーホイール<br />先端に活字が植えられている。]] [[ファイル:IBM Selectric Globe Wiki.jpg|thumb|170px|球面に[[活字]]を刻んだ「[[IBM]]セレクトリックタイプライタ方式」の活字セットの球。[[フォント]]などの変更は違った球体セットを付け替えて行われた。[[通称]][[ゴルフ]]ボールとも呼ばれた。<br />2[[ユーロ硬貨]]は大きさを示すため。]] [[タイプライター]]のように、文字ごとの字母の活字を紙に打ち付ける方式である。一般的なタイプライター同様の腕の先端に活字を植えたものや、球面に活字を植えた「[[IBM]]セレクトリックタイプライタ方式」<ref>英文版記事;[[:en:IBM Selectric typewriter|IBMセレクトリックタイプライタ]]</ref>と呼ばれるもの、円盤に放射状に活字の植えられた腕を配置したデイジーホイールプリンター、活字を環状一列にしたベルト状のもの<ref>参考英文版カタログ; {{PDFlink|[http://archive.computerhistory.org/resources/text/GE/GE.TermiNet300.1971.102646207.pdf 活字をベルト状に一列環状にしたもの]}}米国製[[ゼネラル・エレクトリック|GE]] TermiNet300プリンター;日本でもGEの[[タイムシェアリングシステム]]で相当数稼働した。インパクト音も比較的静な方式もの。</ref>、[[円柱 (数学)|円柱]]形の[[ASR-33]]など各種の方式がある。英数字のみの文書、プログラムリストの印刷などに用いられた時期があるが、印字音が大きいという欠点があり、他のプリンターの印字品質の向上と共に使われなくなった。方式にもよるが多くの場合、活字群のセットの英数字にさらに[[片仮名|カタカナ]]を加えると文字数が多くなり収まらず、日本語の[[平仮名|ひらがな]]、カタカナさらに[[漢字]]の印字は'''ドットインパクト方式'''の出現を待たなければならなかった。 ==== 歴史 ==== <!-- これ以降は「2009年8月28日 (金) 13:44時点加筆部分」に出典を付した推敲-->活字プリンターの歴史は古く[[第二次大戦]]前から[[モールス符号]]を一旦[[鑽孔テープ]]に採りそれを[[紙テープ]]に印字するものから{{要出典|date=2009年8月}}、[[テレックス]]通信(5単位[[Baudot Code|ボー符号]])での印刷電信としては既に第二次大戦前の1921年頃のMorkrum社<ref> {{Cite web |url=http://www.baudot.net/teletype/M11.htm |title=MORKUM MODEL 11 TAPE PRINTER、タイプホイールによるテープ印刷型電信機1921年製 |publisher=www.baudot.net |language=英語 |accessdate=2010-01-05 }}</ref>、[[テレタイプ (企業)|テレタイプ]]社、[[シーメンス]]社、[[チャールズ・ホイートストン|ホイートストン]]社などからテープ式、ページ式活字プリンターが作られた。特に第二次大戦中に米軍が使用した1930年からのテレタイプ社製15型機はタイプバー式ページ印刷方式のもので約20万台作られた<ref> {{Cite web |url=http://www.baudot.net/teletype/M15.htm#M15-KSR |title=Model 15-KSR Type-Bar Page Printer 、キーボード付きページ印刷電信機 |publisher=www.baudot.net |language=英語 |accessdate=2010-01-05 }}</ref>。15型と併用された1925年からの14型機は鑽孔テープに印字もするもので<ref> {{Cite web |url=http://www.baudot.net/teletype/M14.htm#M14-TD |title=Model 14-TD (aka M14-XD) Transmitter-Distributor、穿孔テープ媒体の送受信機 |publisher=www.baudot.net |language=英語 |accessdate=2010-01-05 }}</ref>自動テープ送信のため使用され、両者が合体したものが1942年からのASR-19である(占領下[[GHQ]]で最初に見られたのは1949年)<ref> {{Cite web |url=http://www.baudot.net/teletype/M19.htm |title=TELETYPE MODEL 19 SET、テープ印刷型電信機とキーボード付きページ印刷電信機のセット |publisher=www.baudot.net |language=英語 |accessdate=2010-01-05 }}</ref>。その後1951年に信頼性の高い28型機 (ASR、KSR、RO) が出現し<ref> {{Cite web |url=http://www.baudot.net/teletype/M28.htm#M28-ASR |title=TELETYPE MODEL 28 PAGE PRINTER |publisher=www.baudot.net |language=英語 |accessdate=2010-01-05 }}</ref>、日本でも新聞社や放送局や[[商社]]で数台から十数台が24時間新聞電報を打ち出していた。 7単位[[ASCII]]符号を用いる1963年頃に出現した[[ASR-33]]がテレタイプ社から出てからは、5単位ボー符号機は印字文字の種類の少なさから次第に使われなくなり、ASR-32とKSR-32が5単位符号機としては最後のものとされた<ref> {{Cite web |url=http://www.baudot.net/teletype/M32.htm |title=TELETYPE MODEL 32 PAGE PRINTER |publisher=www.baudot.net |language=英語 |accessdate=2010-01-05 }}</ref>。ASR-33はプラスチックカバーで覆われるなど、金属カバーの重厚な5単位ボー符号28型機と比較して劣るとされたが、ASCII符号のページプリンターとしては以後標準的存在であった<!-- 以上、「2009年8月28日 (金) 13:44時点加筆部分」に出典を付した推敲-->。 {{see also|テレタイプ端末}} === プロッタ === {{Main|プロッタ}} プロッタあるいはプロッター (plotter) は、設計図面のような点や線を描くことを目的とした装置である。通常は[[HP-GL]]のような図形処理言語を用いて、XとYの座標を指定して作図するので、「X-Yプロッタ」とも言う。 描画に[[ボールペン]]やインクペン、[[シャープペンシル]]などを記録紙に相対的に移動して作図するものを「ペンプロッタ」と呼び、[[ペン]]を使わず[[ラスタースキャン|ラスター]]描画するものを「ペンレスプロッタ」と呼ぶ。また、ペンの代わりにカッターを用い、カッティングシート等を切り抜くことを目的とした「[[カッティングプロッタ]]」がある。 ペンプロッタには、[[記録紙]]を平らな台に固定し、ペンを縦横に移動する「フラットベッド型」の他に、両端に連続穴の開いた記録紙を[[スプロケット]]の付いたドラムで移動する「ドラム型」、記録紙を上下からローラーに挟み、摩擦で移動する「ペーパームービング型」といった形式がある。いずれもペンを上下させながら記録紙に対して物理的に相対移動して作図するので、時間がかかる、動作音が大きい、使用するペンの種類によってはペン先が磨耗して線幅が安定しない、といった欠点があった。プリンターの描画性能が劣っていた頃には、綺麗な線を描画できることで図面出力用機器の標準として使用されていたが、徐々に大型インクジェットプリンターなどに置き換えられ、現在では特殊な用途以外は使われなくなっている。 ペンレスプロッタには、「[[#インクジェット方式|インクジェットプロッタ]]」、「感熱式プロッタ」、「静電プロッタ」、「レーザプロッタ」、「LEDプロッタ」がある。ペンレスプロッタは、ペンプロッタの置き換え用として開発されてきたが、印刷機構的には通常のプリンターと全く同じであり、HP-GLなどペンプロッタと共通の制御コマンドを使用できることによって通常のプリンターとの差別化がされていた。しかしながら[[Microsoft Windows|Windows]]の普及やプリンター[[デバイスドライバ|ドライバ]]の進歩によって、図面出力において制御コマンドを意識する必要がなくなり、ペンレスプロッタという分類自体ほぼ消滅した。 カッティングプロッタは、印刷機というより加工機の分類に入る機械であり、看板の作成や、衣料用型紙の作成など、業務用分野で今も盛んに使用されている。 == 印字動作による区分 == === シリアルプリンター === 1文字の印字指令が来るたびに現在の印字ヘッド位置に印刷する方式。 一般的には、「改行(または復帰改行)指令を受信するまで印字バッファーに蓄積し、行単位で印刷を行うことにより印字を高速化する」[[#インパクトプリンター]]を用いた方式。[[メカニズム]]的には、「[[#ドットインパクト方式|ドットインパクトプリンター]]や[[#インクジェット方式|インクジェットプリンター]]も、''シリアルプリンター方式''である」と言える。[[ASR-33]]など、活字方式プリンターをキーボードと組み合わせた端末で一般的な方式。 技術開発により、 * 「高速印字のための行単位で印刷する方式」(→下記[[#ラインプリンター|ラインプリンター]]を参照。) * 「[[スペース]]・[[タブキー|タブ]]などの空白文字に相当する部分を高速で移動する」 などの機能が追加されている。 === ラインプリンター === 左右に高速移動するピンを数十個配置し、インパクトにより、同時に多くの文字を印刷する方式。 1行文字数分の[[印字]]ヘッドを並列に備え、一回の印字動作で1行分を同時に印字できる[[#インパクトプリンター|インパクトプリンター]]のことを指す。 印字ヘッドを高速で循環させて適切な[[字母]]が、適切な行位置を通過する際にハンマーで叩くことで印字する。ピン全体(ハンマバンクと称される)が左右に移動することにより文字が形成されていく。そのため、毎分数百行の印字が可能である。複写を要する物で、大量に印刷を行う際などに使用される。 字母の数に制限があり、開発当初は事実上[[ASCII]]文字と[[仮名 (文字)|カナ]]文字程度しか印字できなかった。(もっとも、現在では改良され[[漢字]]印刷に耐える機種もある。詳しくは下記「[[#日本語ラインプリンター|日本語ラインプリンター]]」を参照。) 印字時に「ガシャガシャ」とハンマー音がする機種が多い。また、この騒音が比較的大きい。これを防ぐため、設計上、装置全体が箱で囲まれたような構造になっていたり、防音カバーを備えているのが一般的。 ==== 日本語ラインプリンター ==== ラインプリンターと比較し、漢字が印字できることから漢字ラインプリンター (KLP) とも呼ばれる<ref>[http://museum.ipsj.or.jp/computer/device/printer/0010.html 富士通FACOM6715D日本語ラインプリンター装置]の例</ref>。 === ページプリンター === 1ページ単位をまとめて印刷するプリンター。一般に''レーザプリンター''と呼ばれている[[#乾式電子写真方式|''乾式コピー技術'']]を用いる。 連続帳票を用いることができず、単票のみ印刷可能なプリンターは皆''ページプリンター方式''と呼ばれている。高速で静かな動作音であるが、装置やメンテナンス費用はやや高価。カラーページプリンターもある。 印字速度は、プリンター内部でのイメージ展開の性能に依存する割合が大きい。文字中心であれば短時間で出力されるが、イメージ画像を出力する場合は多くの時間がかかる。値段の高いものではイメージ展開を行うマイコンチップを高性能化して、高速で出力できるようになっている。その他、定着機構の性能も印字速度に影響する。 一般に、高速に印字しようとすると用紙の定着器通過時間が短くなるため、定着器をより高い温度に維持する必要があり、きめ細かな制御が必要となる。 === フィルムプリンター === 連続した[[ネガフィルム]]または[[ポジフィルム]]に直接、レーザー光を当てて印字する物。レーザー光で感光した後は[[現像]]作業が必要になる。主に[[新聞社]]で使用されている。また、[[輪転機]]用の版の作成にも使用される。 == 制御方式 == ; ESC/P (Epson Standard Code for Printer) : [[1985年]]頃に[[セイコーエプソン]]の開発した制御方式。仕様が公開されたため、他社のプリンターにも採用され、また[[AX]]や[[DOS/V]]ではプリンターの標準方式となっている。レーザ(ページ)プリンター用として ESC/Page がある。セイコーエプソン製プリンターの「ESC/Pスーパー」では、201PLのエミュレーションモードもある。 ; [[LIPS]] : [[キヤノン]]の開発した、レーザプリンターの制御方式。最新バージョンはLIPS Vである。 ; [[PostScript]] : [[アドビシステムズ]]の開発したレーザプリンターの制御方式。[[Macintosh|マッキントッシュ]]や[[Linux]]の標準方式であるが、アドビシステムズとのライセンス料の関係からか、この方式のプリンターは非常に高価(数十万 - 100万円以上)である。そのため、[[リコー]]などによる互換方式も広く使われている。 ; [[Windows Printing System]] (WPS) : [[マイクロソフト]]が開発した制御方式で、印刷イメージ展開などの主な処理を[[Microsoft Windows|Windows]]の機能を用いてパソコン側で行うことで、プリンターの製造コストを下げようとしたもの。[[Microsoft Windows 95|Windows 95]]の全盛期であった[[1996年]] - [[1997年]]頃に発売された低価格のレーザプリンターに多く採用されたが、マイクロソフトとのライセンスの関係などで短命に終わり、また後継OSの[[Microsoft Windows 2000|Windows 2000]]や[[Microsoft Windows XP|XP]]、[[Microsoft Windows Vista|Vista]]ではドライバの提供などのサポートが中止された。 ; [[HP-GL]] (Hewlett Packard Graphics Language) : [[ヒューレット・パッカード]]社が開発したプロッタの制御言語(方式)。 ; 201PL : [[日本電気]] (NEC) [[PC-9800シリーズ]]用純正プリンター「PC-PR201」「PC-PR101」シリーズ用の制御方式。セイコーエプソンの「ESC/Pスーパー」や、1990年代までに製造された各社レーザプリンターの多くがこの201PL[[互換モード]]を持っている。NECの純正プリンターには、「PC-PR」シリーズとは別に「NMシリーズ」もあった。ちなみに、PC-9800シリーズでは動作しないWindows XPでも、標準で「PC-PR201」「PC-PR101」「NM」シリーズ用のドライバが収録されているため、USB変換やプリントサーバで認識できれば利用可能である。[http://121ware.com/qasearch/1007/app/nec.jsp?006021] : 他の方式はコマンドを組み合わせることにより相互に互いをエミュレートできるのに対して、201PLは印刷文字幅に応じてヘッド移動速度が変化するという特性があり(さらに印刷中に文字幅が変わるとライトマージンが変更前、レフトマージンが変更後という非常に扱いづらい境界値にヘッドが移動する)、201PLではいったん最大解像度であらかじめレンダリングした物を出力するか、文字幅に応じて分割して出力しなければならない。この制約が存在することが逆に201PL方式の延命をもたらし、他のシリアルプリンター方式が衰退した現在でも実装されている。 == 接続方式 == [[ユニバーサル・シリアル・バス]] (USB)、セントロニクス仕様([[IEEE 1284]] - [[パラレルポート]])、[[RS-232|RS-232C]] (RS-422)、[[GP-IB]]、[[IEEE 1394]]などがある。従来はパラレルポートや、マッキントッシュではRS-422が主に使われていたが、現在はUSB接続が主流。最近は一部メーカーでは[[無線LAN]]に対応した機種も存在する。 ただし業務用(オフィス環境)では、内蔵プリントサーバ機能によるネットワーク接続([[インターネット・プロトコル・スイート|TCP/IP]]など)が主流となっており、共有プリンター以外でのローカル接続(PCとプリンターを1:1で直結させる方法)はあまり見られない。 また単純なネットワーク接続(TCP/IP接続)ではなく、共有プリンター形式での接続も多く用いられる。これを行うことにより、プリンターを接続したサーバPCに各種OSのドライバを一括して保持させることが可能になる。クライアントとなる他のPCはサーバPCが保持しているドライバをインストールでき、個々のPCにドライバCDを渡す必要がなくなる。つまり、ドライバ管理が非常に容易になるという利点がある。 == 主なメーカー == * [[カシオ計算機]] (CASIO) * [[コニカミノルタ]] (Konica Minolta) * [[セイコーエプソン]] (EPSON) * [[キヤノン]] (CANON) * [[京セラドキュメントソリューションズ]] * [[ヒューレット・パッカード]] (HP) * [[リコー]] (RICOH) * [[富士ゼロックス]] (Fuji Xerox) * [[沖データ]] (OKI) * [[JBアドバンスト・テクノロジー]] JBAT。旧アプティ(APTi) * [[富士フイルム]] * [[ブラザー工業]] (brother) * [[レックスマーク]] (Lexmark) * [[理想科学工業]] (RISO) * [[日立製作所]] * [[日本電気]] * [[シーメンス]] * [[富士通]] * [[アルプス電気]] * [[三菱電機]] * [[神鋼電機]] * [[MUTOHホールディングス|武藤工業]] (MUTOH) * [[ローランド ディー. ジー.]] (RolandDG) * [[桂川電機]] (KIP) * [[セイコーアイ・インフォテック]] (SIIT) * [[ミマキエンジニアリング]] (Mimaki) * [[ジェテック]] * [[グラフテック]] * [[RICOH/IBM Info Print Solitions Company]] (IPS) * [[オセ (企業)|オセ]] (Océ) * [[スター精密]] == 脚注/参照 == {{Reflist}} == 関連項目 == {{Commonscat|Printers}} * [[印刷]] ** [[モールス符号]] - [[テレタイプ端末]] - プリンターの歴史 * [[プリントサーバ]] * [[スプーリング]] * [[複合機]](プリンター複合機) ** [[複写機]] ** [[ファクシミリ]] ** [[スキャナ]] * [[インクカートリッジ]] * [[インク]] * [[ラスターイメージプロセッサ]] * [[裏紙]] {{Basic computer components}} {{DEFAULTSORT:ふりんた}} [[Category:印刷]] [[Category:出力機器]] [[Category:パソコンの周辺機器]] [[Category:プリンター|*]]
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