フーガ・マジステールのソースを表示

{{ Infobox 航空機
| 名称=フーガ CM.170 マジステール
| 画像=Image:Fouga_magister.jpg
| キャプション=ベルギー空軍の[[曲技飛行隊]]「レ・ディアブル・ルージュ」の塗装が施されたマジステール
| 用途=[[練習機]]、[[COIN機]]
| 分類=
| 設計者=
| 製造者=[[フーガ (航空機メーカー)|フーガ]]
| 運用者=
| 運用者 more=<br />
**{{FRA}}（[[フランス空軍]]）
**{{ISR}}（[[イスラエル航空宇宙軍|イスラエル空軍]]）
**{{FIN}}（[[フィンランド空軍]]）
**{{BEL}}（[[ベルギー空軍]]）他
| 初飛行年月日=[[1952年]][[7月23日]]
| 生産数=921機
| 生産開始年月日=
| 運用開始年月日=[[1956年]]
| 退役年月日=
| 運用状況=退役
| ユニットコスト=
}}

'''フーガ CM.170 マジステール'''（Fouga CM.170 Magister）は、[[フランス]]の[[フーガ (航空機メーカー)|フーガ]]社で開発されたジェット[[練習機]]。

== 概要 ==
本機は、最初から[[ジェットエンジン]]を動力とする練習機として開発された世界初の機体である（それ以前のジェット練習機は、[[戦闘機]]から派生した[[T-33 (航空機)|T-33]]のように、最初から練習機として開発されていた訳ではなかった）。形態の特徴は110度のV字型尾翼と主翼付根に2基のジェットエンジンを持つことである。また全高が低いため、背の高いパイロットなら地上から直接搭乗することができた。試作機は[[1952年]][[7月23日]]に初飛行。

その優れた操縦性から、[[ベルギー]]、[[イスラエル]]、[[ブラジル]]他多くの国に輸出された。[[曲技飛行]]能力にも優れていたため、[[フランス空軍]]の[[曲技飛行隊]][[パトルイユ・ド・フランス]]でも[[1964年]]から[[1980年]]まで使用された。[[ドイツ]]、[[フィンランド]]、イスラエルでは[[ライセンス生産]]もされた。フランスでの生産は[[1969年]]末まで行われたが、フーガは[[1958年]]に[[ポテ]]に買収され、その後[[1967年]]に[[シュド・アビアシオン|シュド]]になり、さらに[[1970年]]に[[アエロスパシアル]]となったため、機名は何度も変わっている。

軽攻撃機としても運用可能であり、[[コンゴ動乱]]ではカタンガ政府軍が[[国際連合コンゴ活動|コンゴ国連軍]]への攻撃に使用し、コンゴ国連軍は[[スウェーデン空軍]]の[[サーブ 29 トゥンナン]]を投入してようやく戦局を挽回した。[[第三次中東戦争]]では[[イスラエル航空宇宙軍|イスラエル空軍]]が軽攻撃機として使用し、[[MiG-21 (航空機)|MiG-21]]と空中戦も行った。

本機は50年近くもの長きに渡って運用された。フランス空軍から最後の機体が退役したのは[[1996年]]のことで、イスラエルでは近代化改修によって[[2000年代]]に入ってもしばらく使われていた。

==派生型==
[[ファイル:Fouga Zephir.jpg|250px|サムネイル|CM.175 ゼフィール]]
[[ファイル:Heinkel_Potez_CM_191.jpg|250px|サムネイル|ポテ・ハインケル CM.191]]
*CM.170-1：[[チュルボメカ マルボレ|チュルボメカ マルボレII]] エンジンを搭載した初期生産型。761機製造。
*CM.170-2：エンジンを出力4.7kNのマルボレIIAに換装したタイプ。137機製造。
*CM.173 シュペル・マジステール(Super Magister)：出力5.1kNのマルボレVIエンジン2機と[[射出座席]]を装備した機体。試作機が1機のみ製造。
*[[:en:Fouga_Zéphyr|CM.175 ゼフィール(Zephyr)]]：[[フランス海軍]]向けに[[アレスティング・フック]]を装備した艦上練習機型。30機製造。
*CM.191：[[ポテ]]と[[ハインケル]]が共同開発した[[ビジネスジェット]]機型。コックピットがサイド・バイ・サイド式に変更され、4人が搭乗できる。顧客があまりにも少なかったことから、試作のみに終わる。
*IAI ツヅキット(Tzukit)：軽攻撃能力向上を目的として主翼下のハードポイントを強化した、イスラエル空軍の近代化改修機。ツヅキットとは[[ツグミ]]の一種。
*フーガ 90：マジステールの後継として開発。エンジンを出力7.6kNのチュルボメカ アスタファンIVGに換装し、キャノピーを広視界型に変更、アビオニクスも近代化する予定であったが、発注を得られなかった。
{{-}}

== 運用国 ==
'''ヨーロッパ'''
[[ファイル:Fouga Magister on french AFB 943.jpg|250px|サムネイル|展示されるフランス空軍機]]
[[ファイル:Fouga magister 01.jpg|250px|サムネイル|旧西ドイツ軍機]]
*{{FRA}}
**[[フランス空軍|空軍]]
**[[フランス海軍|海軍]]
*{{BEL}}
**[[ベルギー空軍|空軍]]
*{{AUT}}
**[[オーストリア陸軍|陸軍航空隊]]
*{{FIN}}
**[[フィンランド空軍|空軍]] - [[ヴァルメト]]社において[[ライセンス生産]]された。現在は[[BAe ホーク|ホーク]]に更新されている。
*{{IRL}}
**[[アイルランド軍|航空隊]] - [[1998年]]に退役するまで同航空隊唯一のジェット作戦機だった。
*{{BRD}} - 現在、飛行訓練は[[アメリカ空軍]]に委託して行なわれており、国内には練習機部隊が存在しない。
**[[ドイツ空軍|旧西ドイツ空軍]]
**[[ドイツ海軍|旧西ドイツ海軍]]

'''アフリカ'''
*{{ALG}}
**[[アルジェリア空軍|空軍]]
*{{CMR}}
**[[カメルーン空軍|空軍]]
*{{GAB}}
**[[ガボン空軍|空軍]]
*{{LBY}}
**[[リビア空軍|空軍]] - 現在は[[ソコ G-2|SOKOガレブ]]に更新。
*{{MAR}}
**[[モロッコ空軍|空軍]]
*{{RWA}}
**[[ルワンダ軍|陸軍航空隊]] - [[ルワンダ内戦|内戦]]で全て破壊されたと見られる。
*{{TOG}}
**[[トーゴ空軍|空軍]]
*{{SEN}}
**[[セネガル空軍|空軍]]
*{{UGA}}
**[[ウガンダ軍|国民抵抗軍航空隊]] - イスラエル製機を使用（新品か中古か不明）。ルワンダ同様、[[ウガンダ内戦|内戦]]が長く続いたためにすでに退役したと見られる。
*[[ファイル:Flag of Katanga.svg|border|25x20px|カタンガの旗]] [[カタンガ州|カタンガ]]
**[[コンゴ動乱]]時に、ベルギーや旧西側諸国の支援下に同国から分裂したカタンガ鉱山国空軍が3機を使用。対地攻撃の他、国連軍の戦闘機と交戦もした。[[ザイール]]として独立した後も使用されていた可能性がある。
*{{Flagicon|BIA}} [[ビアフラ共和国]]
**[[ビアフラ軍|空軍]] - [[ナイジェリア]]の勝利により、全て破壊されたと見られる。

'''中近東、アジア'''
[[ファイル:Fouga Magister IAF.jpg|250px|サムネイル|イスラエル空軍のツヅキット]]
*{{ISR}}
**[[イスラエル航空宇宙軍|空軍]] - IAI社によってライセンス生産され、その後ツヅキットへ近代化改修。一部はウガンダやエルサルバドルに売却された。現在は[[T-6 (航空機・2代)|T-6テキサンII]]に更新済み。
*{{LIB}}
**[[レバノン軍#空軍|空軍]] - 西ドイツの中古機を購入。機銃は装備しておらず、純粋な練習機と見られる。内戦後は保管措置が続いている。
*{{BAN}}
**[[バングラデシュ軍|空軍]] - フランス及び旧西ドイツの中古機体を使用。現在はアメリカ空軍から調達した[[T-37 (航空機)|セスナT-37]]と交代し退役。 
*{{KHM}}
**[[カンボジア軍|空軍]] - [[カンボジア内戦|内戦]]が激化する[[1970年]]代以前に引退したと見られる。

'''中南米'''
[[ファイル:Fouga CM170R T-24 1721 FAB SDU 08.05.72 edited-3.jpg|250px|サムネイル|ブラジル空軍のT-24]]
*{{SLV}}
**[[エルサルバドル空軍|空軍]]
*{{BRA}}
**[[ブラジル空軍|空軍]] - [[曲技飛行隊]]「エスカドリラ・ダ・フマサ」用にT-24の名称で7機を使用。1975年の解散により機体はアエロスパシアル社に買い戻されたが、チーム自体はその後復活し現在は[[エンブラエル EMB-314|AT-29スーパーツカノ]]を使用している。
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== 仕様 (CM.170-1) ==
[[File:AEROSPATIALE MAGISTER CM. 170.png|right|300px|三面図]]
* 乗員：2名
* 全長：10.06 m
* 全幅：12.15 m（主翼端増槽含む）
* 全高：2.80 m
* 翼面積：17.30 m&sup2;
* 空虚重量：2,150 kg
* 最大離陸重量：3,200 kg
* 動力：[[チュルボメカ マルボレ|チュルボメカ マルボレII]] [[ターボジェットエンジン]] × 2
* 定格推力：3.92 kN × 2
* 最大速度：715 km/h
* 実用上昇限度：11,000 m
* 航続距離：1,200 km（増槽使用時）
* 武装：機首に7.5mmまたは7.62mm機関銃（弾丸200発）2基を搭載可能。また、100 kgまでの武装（50kg無誘導爆弾、ロケット弾）を2箇所のハードポイントに搭載

==関連項目==
{{Commons|Category:Fouga Magister}}
*[[練習機]]
*[[COIN機]]
*[[曲技飛行隊]]
*[[航空作戦#近接航空支援|近接航空支援]]
*[[コンゴ動乱]]
*[[第三次中東戦争]]
 


{{mil-aviation-stub}}
{{DEFAULTSORT:ふかましすてる}}
[[Category:フランスの軍用機]]
[[category:練習機]]