フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州のソースを表示

{{イタリアの州
| nome=フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア自治州
| nomeRegione= Regione Autonoma<br/>Friuli-Venezia Giulia
| linkBandiera= Friuli-Venezia Giulia-Flag.png
| linkStemma =
| zona=北東イタリア
| capoluogo=[[トリエステ]]
| superficie= 7,856.48 <ref name="kmq">{{Cite web|author=[[国立統計研究所 (イタリア)|国立統計研究所（ISTAT）]]|url=http://dawinci.istat.it/MD/dawinciMD.jsp?a1=m0I040WI0&a2=mG0y8048f8&n=1UH90007S04&v=1UH0D807U430000|title=Tavola: Superficie territoriale (Kmq) - Friuli-Venezia Giulia (dettaglio provinciale).|language=イタリア語|accessdate=2013-03-03}}</ref>
| abitanti= 1,217,780 <ref name="demo.istat">{{Cite web|author=[[国立統計研究所 (イタリア)|国立統計研究所（ISTAT）]]|url=http://demo.istat.it/pop2012/index1_e.html|title=Total Resident Population on 1st January 2012 by sex and marital status|language=英語|accessdate=2013-03-22}}</ref>
|anno = 2012-01-01
| densita=155.0
| province=[[ゴリツィア県|ゴリツィア]]、 [[ポルデノーネ県|ポルデノーネ]]、 [[トリエステ県|トリエステ]]、 [[ウーディネ県|ウーディネ]]
| numeroComuni=218
| categoriaComuni=フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州のコムーネ
| sito=http://www.regione.fvg.it/ www.regione.fvg.it
| presidente=
| elezioni=
| linkMappa=Friuli-Venezia Giulia in Italy.svg
| note=
}}
'''フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア自治州'''（{{lang-it|Friuli-Venezia Giulia}}）は、[[イタリア|イタリア共和国]]の北東部に位置する[[イタリアの地方行政区画|州]]。イタリアに5つある[[イタリアの地方行政区画|特別自治州]]のひとつである。州都は[[トリエステ]]。

== 名称 ==
標準イタリア語以外に、この地域に話者の多い諸言語では「フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア」はそれぞれ以下のように表記される。
* {{lang-de|Friaul-Julisch Venetien}}
* {{lang-sl|Furlanija–Julijska krajina}}
* {{lang-fur|Friûl–Vignesie Julie}}
* [[ヴェネト語]]: {{lang|vec|Friul–Venèxia Jułia}}

州名は、この州に含まれる2つの地方名、「'''[[フリウーリ]]'''」と「'''[[ヴェネツィア・ジュリア]]'''」を結んだものである。名称に「ヴェネツィア」が含まれるが、これは[[ローマ帝国]]時代の地方区分「ウェネティア・エト・ヒストリア」{{enlink|Regio X Venetia et Histria||it}}に由来するもので、[[ヴェネツィア|ヴェネツィア市]]はこの州ではなく西隣の[[ヴェネト州]]に所在する。

なお、「フリウーリ」と「ヴェネツィア・ジュリア」はともに、[[古代ローマ]]時代にこの地方を治めた[[ガイウス・ユリウス・カエサル|ユリウス・カエサル]]の名に縁のある地名である。「フリウーリ」は、ユリウス・カエサルが築いた都市{{lang|la|Forum Iulii}}（「ユリウスの[[フォルム]]（広場）」を意味する。現在の[[チヴィダーレ・デル・フリウーリ|チヴィダーレ]]）に由来する。また「ジュリア」は[[ジュリア・アルプス山脈]]から来ているが、その山脈の名もユリウス・カエサルに由来する。

しばしば、"Friuli V.G." あるいは "FVG" と略される。

== 地理 ==
=== 位置・広がり ===
[[イタリア|イタリア共和国]]において北東の角に位置する州であり、[[オーストリア]]および[[スロベニア]]に隣接する国境の州である。[[アドリア海]]のもっとも奥まった部分（[[ヴェネツィア湾]]）に面している。西には[[ヴェネト州]]がある。州都[[トリエステ]]は、スロベニアの首都[[リュブリャナ]]の南西72km、[[ヴェネツィア]]の東北東115km、オーストリアの首都[[ウィーン]]の南西約347km、イタリアの首都[[ローマ]]の北北東431kmに位置する。

[[フリウリ]]地方と呼ばれるのは、[[ウーディネ県]]と[[ポルデノーネ県]]と[[ゴリツィア県]]の東北部である。ゴリツィア県の残部および[[トリエステ県]]が[[ヴェネツィア・ジュリア]]にあたる。

=== 主要な都市 ===
人口2万人以上のコムーネは以下の通り。人口は2012年1月1日現在<ref name="demo.istat" />。

* [[トリエステ]] （[[トリエステ県]]） - 201,814 人
* [[ウーディネ]] （[[ウーディネ県]]） - 98,174人
* [[ポルデノーネ]] （[[ポルデノーネ県]]） - 50,365人
* [[ゴリツィア]] （[[ゴリツィア県]]） - 35,208人
* [[モンファルコーネ]] （ゴリツィア県） - 26,959人

このほか主要な都市としては、[[サチーレ]]、[[コドローイポ]]、[[チヴィダーレ・デル・フリウーリ]]、[[チェルヴィニャーノ・デル・フリウーリ]]、[[グラード (イタリア)|グラード]]などが挙げられる。

{{gallery
|width=180
|height=180
|lines=1
|File:Stadtzentrum Triest.jpg|トリエステ
|File:UdinePanoramaDalCastelloConLiceoStellini.jpg|ウーディネ
|File:Pordenone-Corso Vittorio Emanuele.jpg|ポルデノーネ
|File:Panorama Gorizia (tramonto).jpg|ゴリツィア
}}

== 歴史 ==
=== 古代から近世まで ===
古代ローマ時代、この地方は[[ガリア・キサルピナ]]と呼ばれる属州の一部であった。[[紀元前181年]]、ローマの植民都市として[[アクイレイア]]が建設されている。

[[ガイウス・ユリウス・カエサル|ユリウス・カエサル]]は、紀元前58年にガリア・キサルピナ属州および[[ガリア・ナルボネンシス|ガリア・トランサルピナ]]属州の総督に就任した。[[ガリア戦争]]（紀元前58年 - 紀元前51年）から帰還したカエサルは、次いで[[ローマ内戦 (紀元前49年-紀元前45年)|ローマ内戦]]（紀元前49年 - 紀元前45年）を戦ってローマの第一人者となるのだが、この間の[[紀元前50年]]にガリア・キサルピナにおいて[[ムニキピウム]]として {{lang|la|Forum Iulii}} （現在の[[チヴィダーレ・デル・フリウーリ]]）を建設した。

[[紀元前27年]]に[[アウグストゥス]]は行政区画の再編を行い、この地域を[[イタリア本土 (古代ローマ)|イタリア本土]]に組み込み、第10行政区「ウェネティア・エト・ヒストリア」{{enlink|Regio X Venetia et Histria||it}}の一部とした。[[ローマ帝国|帝政期]]、[[アクイレイア]]には、一時期帝国の首都機能が置かれた。

=== イタリア王国への編入 ===
[[1861年]]に[[イタリア王国]]が建国され、1866年に[[普墺戦争]]と連動して行われた[[第三次イタリア独立戦争]]の結果、ヴェネト一帯はイタリア王国に編入された。ただし、イタリアの[[民族統一主義]]（イレデンティズム）の立場からイタリアへの帰属が主張された「[[ヴェネツィア・ジュリア]]」（イゾンツォ川流域、トリエステ、イストリア半島一帯）は[[オーストリア・ハンガリー帝国]]の統治下にとどまった。[[第一次世界大戦]]において、イタリアはヴェネツィア・ジュリアの「回収」のために、イゾンツォ川流域でオーストリア軍と泥沼の戦いを繰り広げ（[[イゾンツォの戦い]]）、トリエステを占領した。第一次世界大戦後、ヴェネツィア・ジュリアはイタリアに編入された。

=== 第二次世界大戦後 ===
第二次世界大戦時には、スロベニア系住民たちが構成したユーゴスラビアのパルチザンが「ヴェネツィア・ジュリア」（ユリイスカ・クライナ）で活動し、多くの地域を占領下に置いた。第二次世界大戦後、重要港湾であるトリエステや、多民族が暮らす「ヴェネツィア・ジュリア」の領有問題は国際的な懸案となった。1947年の[[パリ条約 (1947年)|パリ条約]]で、[[ユーゴスラビア社会主義連邦共和国]]はその占領地域の大部分を領土として認められた。ただし、トリエステ周辺は[[国際連合]]管轄下の[[トリエステ自由地域]]として領土問題が棚上げされ、最終的には1975年の[[オージモ条約]]で解決された。

== 行政区画 ==
[[File:Map of region of Friuli-Venezia Giulia, Italy, with provinces-it.svg|300px|right|thumb|フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州と各県]]
フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州は、以下の4県からなる。

左端の数字はISTATコード、アルファベット2文字は[[イタリア共和国の県名略記号|県名略記号]]を示す。人口は2012年1月1日現在<ref name="demo.istat" />。面積の単位はkm²。

{| class="wikitable sortable" style="text-align:left; font-size:85%"
!|
!|
!width="100"| 県名 
!width="80"| 綴り 
!width="80"| 県都 
!width="40"| 面積
!width="50"| 人口
|-
| 030|| UD || [[ウーディネ県]] || {{lang|it|[[:it:Provincia di Udine|Udine]]}} || [[ウーディネ]] || align=right| 4,905 || align=right| 534,944
|-
| 031|| GO || [[ゴリツィア県]] || {{lang|it|[[:it:Provincia di Gorizia|Gorizia]]}} || [[ゴリツィア]] || align=right| 466 || align=right| 139,914
|-
| 032|| TS || [[トリエステ県]] || {{lang|it|[[:it:Provincia di Trieste|Trieste]]}} || '''[[トリエステ]]''' || align=right| 212  || align=right| 232,311
|-
| 093|| PN || [[ポルデノーネ県]] || {{lang|it|[[:it:Provincia di Pordenone|Pordenone]]}} || [[ポルデノーネ]] || align=right| 2,178 || align=right| 310,611
|}
{{clear}}
== 文化 ==
=== 言語・民族 ===
[[file:Italy - Forms of Dialect.jpg|thumb|200px|イタリアの言語分布]]
[[file:Road sign in Friulian.jpg|thumb|200px|イタリア語とフリウリ語が併記された道路標識]]
2006年の[[国立統計研究所 (イタリア)|国立統計研究所（ISTAT）]]の統計によれば、6歳以上の住民の家庭内での会話における言語状況は以下の通り<ref>{{cite web|url=http://www.istat.it/salastampa/comunicati/non_calendario/20070420_00/testointegrale.pdf#page=5|author=[[国立統計研究所 (イタリア)|国立統計研究所（ISTAT）]]|title=La lingua italiana, i dialetti e le lingue stranieri|language=イタリア語|format=pdf|page=5|accessdate=2012-11-03}}</ref>。イタリア語（{{lang|it|Italiano}}）、地方言語（{{lang|it|Dialetto}}）、他の言語（{{lang|it|Altra lingua}}）についてのデータで、左列が全国平均、右列がフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の数値である。

{| class="wikitable" style="text-align:right; font-size:85%"
!|家庭内の会話における使用言語
!width="50"|全国
!width="50"|州
|-
|| イタリア語のみ、あるいは主にイタリア語 
|| 45.5%
|| '''35.8%'''
|-
|| 地方言語のみ、あるいは主に地方言語
|| 16.0%
|| '''10.7%'''
|-
|| イタリア語と地方言語の双方
|| 32.5%
|| '''20.9%'''
|-
|| 他の言語
|| 5.1%
|| '''30.9%'''
|-
|}

; フリウリ語
: [[フリウリ語]]は[[レト・ロマンス語群]]に属する言語で、[[フリウーリ]]地方を中心に州外（ヴェネツィア県など）も含め約60万人の話者がいる<ref name="redbook-1339">{{cite web|url=http://www.unesco.org/culture/languages-atlas/en/atlasmap/language-id-353.html|title=Friulian|work=UNESCO Interactive Atlas of the World’s Languages in Danger|publisher=UNESCO|accessdate=2012-12-10}}</ref>。ユネスコの「危機に瀕する言語のレッドブック」{{enlink|Red Book of Endangered Languages}}では、[[危機に瀕する言語]]（vulnerable から critically endangered（絶滅寸前）までの4段階のうち、2段階目の definitely endangered）に指定されている<ref name="redbook-1339" />。フリウリ語の保護・公用に関する州法（{{lang|it|Norme per la tutela, valorizzazione e promozione della lingua friulana}}）が2007年12月18日に施行され、フリウリ語地名の規範化と、公的な使用が行われるようになった。

; ヴェネト語
: 中世に[[ヴェネツィア共和国]]の影響下にあった地域（トリエステを含むフリウリ東部やゴリツィア県南部のビシアカリア地方<ref name="ethnologue">{{cite web|url=http://www.ethnologue.com/show_country.asp?name=IT|title=Languages of Italy|publisher=ethnologue|accessdate=2012-12-10}}</ref>）では、[[ヴェネト語]]が広く使われる。州で話されているヴェネト語の方言としては、ポルデノーネ方言{{enlink|Dialetto pordenonese||it}}、ウーディネ方言{{enlink|Dialetto veneto udinese||it}}、ビシアカリア方言{{enlink|Dialetto bisiaco||it}}、グラード方言{{enlink|Dialetto gradese||it}}、トリエステ方言{{enlink|Dialetto triestino||it}}などがある。

; スロベニア語
: 民族的な[[スロベニア人]]は、スロベニア国境に隣接する[[トリエステ県]]や[[ゴリツィア県]]に10万人いるされ<ref name="ethnologue" />、[[スロベニア語]]が話されている。州法（legge statale 482/99）および法令（legge 38/01）に基づき、コムーネの中にはスロベニア語がつかわれているものもある。州で話されているスロベニア語は、その中でもプリモルスカ方言群{{enlink|Littoral dialect group}}に属する方言で、イストリア方言{{enlink|Istrian dialect}}やナツィゾーネ方言{{enlink|Natisone Valley dialect}}などに分類される。
: ユネスコの「危機に瀕する言語レッドブック」では、ウーディネ県北東部（[[レージア]]）で話されているスロベニア語の言語変種レージア語{{enlink|Resian dialect}}に一項目を立てている。レージア語の話者は1000人で、ユネスコは危機に瀕する言語（definitely endangered）としている<ref name="redbook-1348">{{cite web|url=http://www.unesco.org/culture/languages-atlas/en/atlasmap/language-id-1339.html|title=Resian|work=UNESCO Interactive Atlas of the World’s Languages in Danger|publisher=UNESCO|accessdate=2012-12-10}}</ref>。

; ドイツ語
: かつて[[オーストリア＝ハンガリー帝国]]の領域であったことから、今日でも住民には[[ドイツ語]]を母語または第2言語とする人々もいる。

=== 食文化 ===
フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州地域の料理{{enlink|Cucina del Friuli-Venezia Giulia||it}}には、フリウーリ地方伝統のフリウリ料理{{enlink|Cucina friulana||it}}や、オーストリア帝国のもとでさまざまな民族が暮らしたヴェネツィア・ジュリア地方のトリエステ料理{{enlink|Cucina triestina||it}}やゴリツィア料理{{enlink|Cucina goriziana||it}}など、さまざまな要素が混じりあっており、[[中央ヨーロッパ]]の食文化に近い。食文化の中心となる大都市はウーディネやトリエステで、域外のヴェネツィアからも影響を受けている。

フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州はワインの生産地として知られる。また、ハムやチーズの生産も盛んである。

; パスタ・スープ類
: トウモロコシの粉を練った[[ポレンタ]]は、北イタリアから東ヨーロッパにかけて広く食されている料理である。ジャガイモと小麦粉から作られる[[ニョッキ]]が親しまれ、さまざまな種類がある。

: 豆やザウアークラウトなどを煮た[[ヨタ (料理)|ヨータ]]は、イストリア半島周辺で食べられていた料理でトリエステ・ゴリツィア・フリウリでも親しまれているが、クロアチアやスロベニアの料理とも共通する。

: チャルソンス{{enlink|Cjarsons||it}}はラビオリに砂糖やシナモンなどをまぶした甘いパスタ料理である。

[[File:Tranches jambon San Daniele.jpg|thumb|200px|プロシュット・ディ・サン・ダニエーレ]]
; 畜肉加工品・肉料理
: [[サン・ダニエーレ・デル・フリウーリ]]は、生ハム（[[プロシュット]]）の産地として高名である。[[デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・プロテッタ|原産地名称保護]]（DOP）や地理的表示保護（IGP）の指定を受けているものとして、以下がある。
:* [[プロシュット・ディ・サン・ダニエーレ]]（DOP） - ウーディネ県サン・ダニエーレ・デル・フリウーリ
:* プロシュット・ディ・サウリス（IGP）{{enlink|Prosciutto di Sauris||it|a=on}} - ウーディネ県[[サウリス]]
:* サラミーニ・イタリアーニ・アッラ・カッチャトーラ（DOP）{{enlink|Salamini italiani alla cacciatora||it|a=on}}

: ソーセージやベーコンなど豚肉を食材として用いた料理がある。このほかに肉料理としては、ハンガリーに起源を持つシチュー料理[[グヤーシュ|グラーシュ]]などがある。

; 水産加工品・魚料理
: [[イワシ]]が好まれる。玉ねぎとともにマリネにしたサルドーニ・イン・サヴォール（Sardoni in Savor）などにされる。このほか、魚介類の料理には、海老をトマトソースで煮たスカンピ・アッラ・ブサラ（Scampi alla busara）、モンゴウイカを煮たセッピエ・イン・ウミド（Seppie in umido）、シャコのスープであるズッパ・デ・カノッキエ（Zuppa di canochie）などがある。

: また、[[マス]]の燻製、干し鱈{{enlink|Baccalà||it}}などが食される。

[[File:Fricotenero.jpg|thumb|200px|ジャガイモを使用するタイプの[[フリコ]]。]]
[[File:Cremacarsolina z01.jpg|thumb|200px|クレマ・カルソリナ（トリエステ）]]
; [[イタリアのチーズ|チーズ]]
: DOPやIGPの指定を受けているものに以下がある。
:* モンタジオ（DOP）{{enlink|Montasio||it}}

: なお、チーズと[[ジャガイモ]]とを使った[[フリコ]]は、フリウリ地方の名物である。

; 菓子（[[ドルチェ]]）とコーヒー
: オーストリアの影響下にあったために[[カフェ]]の文化が根付いており、[[コーヒー]]（[[エスプレッソ]]）が親しまれている。[[イッリカッフェ]]（イリー）は1933年にトリエステで創業し、本社を置く。

: 詰め物を層状に巻いた渦巻き状の菓子[[シュトゥルーデル]]は、かつてのオーストリア帝国の領域に普及した菓子である。木の実が入った渦巻き型のパイ・プレスニッツ{{enlink|Presnitz||it}}はトリエステの名物、ドライフルーツなどを生地に詰め渦巻き状に焼いたグパーナ{{enlink|Gubana||it}}はフリウリの名物である。
<gallery>
File:Montasio kaasbrokkels.JPG|モンタジオ
File:Presnitz.jpg|プレスニッツ
</gallery>

[[File:Moretti 03.JPG|thumb|200px|モレッティ社のビール]]
; [[イタリアのワイン|ワイン]]とその他のアルコール飲料
: 以下の産地名称は、イタリアの原産地名称保護制度の中で最上級にあたる[[デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・コントロッラータ・エ・ガランティータ|保証つき統制原産地呼称]]（DOCG）に指定されている。
:* コッリ・オリエンターリ・デル・フリウーリ・ピコリット{{enlink|Colli Orientali del Friuli||it|a=on}}
:* ラマンドロ{{enlink|Ramandolo (vino)||it|a=on}}

: 長らくオーストリアの影響を受けたフリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州ではウーディネ県を中心に[[ビール]]が生産されており、1859年創業のモレッティ社{{enlink|Birra Moretti||it}}がウーディネに本社を置く。このほか、カステッロ社{{enlink|Birra Castello||it}}（本社: ウーディネ県[[サン・ジョルジョ・ディ・ノガーロ]]）や Birra Zahre（本社: ウーディネ県サウリス）が生産されている。

: また、州では[[グラッパ]]（蒸留酒の1種）や、洋ナシのブランデー、プラムのブランデー「[[スリヴォヴィッツ]]」{{enlink|Slivovitz}}などのフルーツ・ブランデー（ブドウ以外の果物を原料としたブランデー）が生産されている。

; その他農産品
: DOPやIGPの指定を受けているものに以下がある。
:* テルゲステ（[[オリーブオイル]]）（DOP）{{enlink|Tergeste (olio)||it|a=on}} - トリエステ県

: ドイツを中心に使われるキャベツの漬物・[[ザワークラウト]]（イタリア語ではcrauti）もよく用いられる。フリウリでは[[カブ]]をブドウ果汁に漬けたブロヴァーダ{{enlink|Brovada||it}}が生産され、肉とともに供される。

== 観光 ==
=== 世界遺産 ===
州には[[世界遺産]]として、以下がある。
* [[アクイレイアの遺跡地域と総大司教座聖堂のバシリカ]] （ウーディネ県[[アクイレイア]]）
*[[イタリアのロンゴバルド族:権勢の足跡 (568-774年)]] の一部
**ガスタルダガ地区と司教関連建造物群 （ウーディネ県[[チヴィダーレ・デル・フリウーリ]]）
* [[アルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群]] の一部
** パル・ディ・リヴェンツァ（ポルデノーネ県[[ポルチェニーゴ]]）

=== その他の著名な観光地 ===
著名な観光地として、以下がある。
* [[グロッタ・ジガンテ]]{{enlink|Grotta Gigante||it}}（トリエステ県[[ズゴニーコ]]）
* ドゥイーノ城 （トリエステ県[[ドゥイーノ＝アウリジーナ]]）

== スポーツ ==
=== サッカー ===
州内に本拠を置くプロサッカークラブとしては以下がある。所属リーグは2012-13シーズン現在。
* [[ウディネーゼ・カルチョ]] （[[ウーディネ県]][[ウーディネ]]） - [[セリエA (サッカー)|セリエA]]（1部リーグ）

5部リーグ（アマチュア最上位リーグ）の[[セリエD (サッカー)|セリエD]]では、[[トレンティーノ＝アルト・アディジェ州]]、[[ヴェネト州]]のクラブとともにジローネCに属する。フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州の地方リーグ（6部リーグ）として、エッチェッレンツァ・フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア{{enlink|Eccellenza Friuli-Venezia Giulia||it}}がある。

== 交通 ==
=== 主要な道路 ===
おおむね北および西を優先し、通過点もしくはその近傍の地名を示す。〔　〕内は州外。

; [[欧州自動車道路]]
* [[E70号線]] {{enlink|European route E70}} 
*: 〔… - [[トリノ]] - [[ヴェネツィア]]〕 - [[パルマノーヴァ]] - [[トリエステ|システィアナ]] - 〔[[セジャーナ]] - …〕
; [[アウトストラーダ|高速道路]]
* {{仮リンク|アウトストラーダ A4|it|Autostrada A4 (Italia)|label=A4}} 
*: 〔トリノ - ヴェネツィア〕 - [[パルマノーヴァ]] - [[ヴィッレッセ]] - [[モンファルコーネ]] - 〔トリエステ〕
* [[アウトストラーダ A23|A23]]
*: [[タルヴィージオ]] - ウーディネ - パルマノーヴァ
* RA17{{enlink|Raccordo autostradale 17||it}}
*: ヴィッレッセ - ゴリツィア - （スロベニア国境）

=== 主要な鉄道 ===
[[File:Ferroviefriulane.png|300px|right|thumb|フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州の鉄道網]]
おおむね北および西を優先し、通過点もしくはその近傍の地名を示す。〔　〕内は県外。
* [[ウーディネ＝トリエステ線]]
*: [[ウーディネ]] -  [[ゴリツィア]] - [[モンファルコーネ]] - [[トリエステ]]
* [[ヴェネツィア＝トリエステ線]]{{enlink|Ferrovia Venezia-Trieste||it}}
*:〔[[ヴェネツィア]]〕 -  モンファルコーネ - トリエステ
* [[ヴェネツィア＝ウーディネ線]]
*:〔ヴェネツィア〕 -  [[サチーレ]] - [[ポルデノーネ]] - ウーディネ
* [[ポンテッバ線]]{{enlink|Ferrovia Venezia-Udine||it|a=on}}
*: [[タルヴィージオ]] - [[ポンテッバ]] - [[ジェモーナ・デル・フリウーリ|ジェモーナ]] - ウーディネ

=== 空港 ===
* [[フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア空港]]（[[ゴリツィア県]][[ロンキ・デイ・レジョナーリ]]）
フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア空港は、「トリエステ空港」とも呼ばれるが、トリエステからは北西へ約30km離れている。所在地の名から「ロンキ・デイ・レジョナーリ空港」とも呼ばれる。

州内には軍用の飛行場として{{仮リンク|アヴィアーノ空軍基地|en|Aviano Air Base}}（ポルデノーネ県[[アヴィアーノ]]）がある。

== 人物 ==
=== 著名な出身者 ===
{{see|Category:フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州出身の人物}}
* [[カルロ・ルビア]]<!--（1934年生まれ）--> - 物理学者、ノーベル物理学賞受賞者。[[ゴリツィア]]生まれ。

=== ゆかりの人物 ===
* [[ピエール・ブラザ]]<!--（1852年 - 1905年）--> - 19世紀の探検家。父はウーディネの貴族。[[フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア空港|空港]]に名が付けられた。
* [[ライナー・マリア・リルケ]]<!--（1875年 - 1926年）--> - 詩人。[[ドゥイーノ]]に滞在し、『ドゥイノの悲歌』を著す。

== 脚注 ==
{{Reflist}}
== 外部リンク ==
{{Commons&cat|Friuli-Venezia Giulia|Friuli-Venezia Giulia}}
* [http://www.regione.fvg.it/ 州公式サイト] {{it icon}}
* [http://www.turismofvg.it/ 州観光局公式サイト] {{en icon}}
* [http://visitaly.jp/travel/friuli-venezia-giulia イタリア政府観光局公式サイト内の州紹介ページ] {{ja icon}}

{{Geographic Location
| Centre    = フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州
| North     = {{flagicon|AUT}} [[ケルンテン州]]
| Northeast = 
| East      = {{flagicon|SVN}} [[プリモルスカ地方]]
| Southeast = 
| South     = 
| Southwest = 
| West      = [[ヴェネト州]]
| Northwest = 
| image     = 
}}
{{イタリアの地方行政区画}}
{{フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州}}

{{DEFAULTSORT:ふりうりふえねついあしゆりあ}}

[[Category:イタリアの州]]
[[Category:フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州|*]]
[[Category:オーストリアの歴史的地域]]