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フッ化水素
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{{Chembox | Name = フッ化水素 | ImageFileL1 = Hydrogen-fluoride-2D-dimensions.png | ImageSizeL1 = 100px | ImageFileR1 = Hydrogen-fluoride-3D-vdW.png | ImageSizeR1 = 100px | ImageFile = Hydrogen-fluoride-solid-chains-3D-vdW.png | ImageSize = 200px | IUPACName = フッ化水素 | OtherNames = フッ化水素酸(水溶液) | Section1 = {{Chembox Identifiers | CASNo = 7664-39-3 | RTECS = | SMILES = }} | Section2 = {{Chembox Properties | Formula = HF | MolarMass = 20.01 g/mol | Appearance = 無色気体または液体 | Density = 0.922 kg m<sup>-3</sup> | Solubility = 任意に混和 (沸点以下) | MeltingPt = -84 ℃ | BoilingPt = 19.54 ℃ | pKa = 3.17 (希薄水溶液) }} | Section3 = {{Chembox Structure }} | Section4 = {{Chembox Thermochemistry | DeltaHf = -272.1 kJ mol<sup>-1</sup>(気体)<ref name=Parker>D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, ''J. Phys. Chem.'' Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).</ref><br />-299.78 kJ mol<sup>-1</sup>(液体) | DeltaHc = | Entropy = 173.779 J mol<sup>-1</sup>K<sup>-1</sup>(気体) | HeatCapacity = 29.133 J mol<sup>-1</sup>K<sup>-1</sup>(気体) }} | Section7 = {{Chembox Hazards | MainHazards = | MolShape = | Dipole = | NFPA-H = 4 | NFPA-F = 0 | NFPA-R = 2 | NFPA-O = | FlashPt = | RPhrases = | SPhrases = }} | Section8 = {{Chembox Related | OtherAnions = [[塩化水素]]<br />[[臭化水素]]<br />[[ヨウ化水素]] | Function = | OtherFunctn = }} }} '''フッ化水素'''(フッかすいそ、弗化水素、hydrogen fluoride)とは、[[水素]]と[[フッ素]]とからなる[[無機化合物]]で、分子式が HF と表される無色の気体または液体。水溶液は'''[[フッ化水素酸]]''' (hydrofluoric acid) と呼ばれる。フッ酸とも呼称される。[[毒物]]。 == 製法 == フッ化水素は、[[蛍石]]([[フッ化カルシウム]] CaF<sub>2</sub> を主とする鉱石)と濃[[硫酸]]とを混合して加熱することで発生させる。 <math>\rm CaF_2 + H_2SO_4 \longrightarrow 2HF + CaSO_4 </math> [[水]]にフッ素を反応させると、激しく反応してフッ化水素と酸素が生じる(この反応様式は、[[塩素]]や[[臭素]]と異なる)。 <math>\rm 2H_2O + 2F_2 \longrightarrow 4HF + O_2 </math> == 性質 == === 分子の性質 === 常温で気体または液体。[[塩化水素]]などの他のハロゲン化水素の場合に比べて性質が異なる点がある。まず、F-H の結合エネルギーが大きいために電離し難く、希薄水溶液においては[[弱酸]]として振舞う。これは[[フッ化物イオン]]の[[イオン半径]]が小さいため、[[水素イオン]]との[[静電気力]]が強いことによるとも解釈される。また、[[水素結合]]により分子間に強い相互作用を持つことから、分子量の割りに沸点が高くなっている。また、フッ素の[[電気陰性度]]があまりに大きいために、フッ化水素同士で[[二量体]]あるいはそれ以上の多量体を生成する。80℃以上の気体状態では単量体が主となる<ref name=Cotton> F.A. コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年</ref>。 === 溶媒としての性質 === [[液体フッ化水素]]は[[プロトン性極性溶媒]]であり、[[水]]などと同様に[[自己解離]]が存在するが、フッ素のあまりの陰性の為にフッ化物イオンは更に一分子のHFと結合して溶媒和し、0℃のイオン積は以下の通りである<ref name=Charlot>シャロー 『溶液内の化学反応と平衡』 藤永太一郎、佐藤昌憲訳、丸善、1975年</ref>。 : <math>\rm 3HF \ \overrightarrow\longleftarrow \ H_2F^+ + HF_2^-</math> : <math>K = [\mbox{H}_2\mbox{F}^+][\mbox{H}\mbox{F}_2^-] = 10^{-9.7} \mbox{mol}^{2}\mbox{dm}^{-6} \,</math> フッ化水素の水溶液(フッ化水素酸、弗酸)は濃度により酸性度は著しく変化し、純粋なフッ化水素ではハメットの[[酸度関数]]は ''H''<sub>0</sub> = -11.03 を示し、純[[硫酸]]に近い強酸性媒体である<ref>R.A.Cox, K.Yates, Can. J. Chem.,61, 2225(1983)</ref>。さらに純フッ化水素に1mol%の[[五フッ化アンチモン]]を加えたものは ''H''<sub>0</sub> = -20.5 という[[超酸]]としての性質が現れる。 0℃における[[比誘電率]]は83.6と、水の87.74(0℃)に近く、イオン解離に有利な[[溶媒]]としての性質を持つが、強い酸性度のためフッ化水素中で強酸としてはたらく物質は少なく、水、[[アルコール]]など多くの分子がプロトン化を受け[[強塩基]]として振る舞う<ref name=Charlot />。 === ガラスとの反応 === [[フッ化物イオン]]の高い[[求核性]]による[[ケイ素]]原子との強い結合形成と、[[ケイ酸]]骨格へのプロトン化の相互作用により、[[ガラス]]等に含まれるケイ酸 SiO<sub>2</sub> と反応して、[[ヘキサフルオロケイ酸]] (H<sub>2</sub>SiF<sub>6</sub>·nH<sub>2</sub>O) を生じ、これらを腐食させる。この反応は、[[半導体]]の製造プロセスにおいて重要である。 <math>\rm SiO_2 + 6HF \longrightarrow H_2SiF_6 + 2H_2O </math> ちなみに、気体のフッ化水素は、[[ガラス]]等に含まれる[[二酸化ケイ素]] SiO<sub>2</sub> と反応し <math>\rm SiO_2 + 4HF \longrightarrow SiF_4 + 2H_2O </math> となる。 その他、ほとんど全ての無機[[酸化物]]を腐食する。そのため、容器として[[ポリエチレン]]や[[テフロン]]のボトルが使用される。 === 主な用途 === フロンガスの製造、ガラスの彫刻、電球・ブラウン管のつや消し、フッ化物の製造原料、金属の洗浄、鋳造物の洗浄、フッ素樹脂の中間原料、半導体物質のエッチング剤等 == 工業的生産量 == フッ化水素酸<!--月報には「ふっ化水素酸」で記載-->(濃度50%換算値)の2008年度日本国内生産量は 132,244 t、消費量は 108,150 t である<ref>[http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/result/ichiran/02_kagaku.html 化学工業統計月報] - 経済産業省</ref>。 ==毒性== ヒトの経口最小致死量 = 1.5 g、または 20 mg/kg(体重あたり)。スプーン一杯の誤飲(9%溶液)で死亡の事例もある<ref>[http://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/O13300O.pdf (財)日本中毒情報センター:フッ化水素(医師向け中毒情報)]</ref>。 吸引すると、灼熱感、咳、めまい、頭痛、息苦しさ、吐き気、息切れ、咽頭痛、嘔吐などの症状が現われる。また、目に入った場合は発赤、痛み、重度の熱傷を起こす。 皮膚に接触すると、体内に容易に浸透する。フッ化水素は体内の[[カルシウム|カルシウムイオン]]と結合してフッ化カルシウムを生じさせる反応を起こすので、骨を侵す。濃度の薄いフッ化水素酸が付着すると、数時間後にうずくような痛みに襲われるが、これは生じた[[フッ化カルシウム]][[結晶]]の刺激によるものである。また、浴びた量が多いと死に至る。これは血液中のカルシウムイオンがフッ化水素によって急速に消費されるために、血中カルシウム濃度が低下し、しばしば重篤な[[低カルシウム血症]]を引き起こすためである<ref>[http://www.jichi.ac.jp/usr/gakuyu/kyudobu/er/card/card4-20.html フッ化水素酸中毒の症例]</ref>。この場合、意識は明晰なまま、[[心室細動]]を起こし死亡する<ref>内藤裕史『中毒百科』南江堂、2001年</ref>。 なお、歯科治療においては、人工歯([[義歯]])の製造工程にフッ化水素が使われる一方で、歯の[[う蝕]](=虫歯)予防に[[フッ化ナトリウム]] (NaF) が使われることがある。実際に、両者のとり違いによる死亡事故([[八王子市歯科医師フッ化水素酸誤塗布事故]])が報告されている<ref>昭和57年(1982年)4月22日 読売新聞記事 </ref><ref>東京地方裁判所八王子支部昭和58年2月24日判決 [http://www.jmari.med.or.jp/research/dl.php?no=233 日医総研ワーキングペーパー No.93] 日医総研 平成16年1月20日に関連情報あり</ref>(両方とも[[フッ化物]]なので混同の危険性がある)。皮膚に接触した場合の[[応急処置]]としては、直ちに流水洗浄し、[[グルコン酸カルシウム]]を患部に塗布する。 <!-- === 必要保護具と管理濃度 === *ゴーグル *マスク 酸性ガス用防毒マスク *防護服 :*フッ化水素 ::タイケムC ::タイケムF ::タイケムTK :*フッ化水素(48%~51%) ::タイケムC ::タイケムF ::タイケムTK :*フッ化水素(70%) ::タイケムF ::タイケムTK :*フッ化水素(92%、90℃) ::タイケムTK *化学手袋 :*フッ化水素(50%) ::シルバーシールド *測定器具 :[http://www.bougofuku.com/goods/ap20/156.html 北川式ガス検知管] :[http://www.bougofuku.com/goods/gv100/17.html ガステック検知管] *管理濃度 0.5ppm --> == 事故・災害 == 2012年9月27日に韓国の慶尚北道亀尾の工場でフッ酸が漏出する事故が起こり、作業員と付近の住民含めて3,500人以上が死傷した。韓国政府は、同年10月8日に慶尚北道亀尾市山東面鳳山里一帯を特別災難地域に指定した。<ref>[http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2012100995888 東亜日報「フッ酸漏えいの亀尾地域、特別災難地域に指定」] 2012年10月10日13時30分閲覧</ref> == 脚注 == {{Reflist}} == 関連項目 == * [[オラー試薬]] ==外部リンク== *[http://data.cas-msds.com/Hydrogen%20Fluoride.html フッ化水素 ] {{水素の化合物}} {{DEFAULTSORT:ふつかすいそ}} [[Category:無機化合物]] [[Category:フッ化物]] [[Category:水素の化合物]] [[Category:労働安全]] [[Category:労働災害]]
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