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'''フットブレーキ'''は、[[自動車]]の運転中に使用される常用[[ブレーキ]]/サービス[[ブレーキ]]/主[[ブレーキ]]の通称。足で操作するため、フットブレーキと呼ばれる。運転者は単に「ブレーキ」と呼ぶことが多い。 == 概略 == 足で操作する[[パーキングブレーキ]]も、「[[ハンドブレーキ]]」に対して「フットブレーキ」の一種になるが、混用を避けるために「足踏み式サイドブレーキ」「足踏み式パーキングブレーキ」と呼ばれている。 通常型自動車の運転席の足元についている[[ペダル]]は、[[ブレーキペダル]]という。通常はブレーキペダルは運転席に1つだけだが、自動車教習車の教官席、左右座式のロードローラーは2つのブレーキペダルを備える。不整地での小回りを要求される[[農業機械]]などには、左右輪別体式の一対のフットブレーキペダルが備えられる。これには左右ペダルの連結棒が取り付けられており、左右を合体することで通常のブレーキとして操作できる。オートバイのブレーキペダルは、後輪ブレーキのみの操作をおこなう。 == フットブレーキの種類 == 踏力の伝達と制動力の発生には、機械(ロッド又はワイヤー)、油圧、空気圧が用いられる。 === 油圧式 === 主に後輪ディスクブレーキのオートバイ、[[小型自動車]]、多くの[[中型自動車]]は油圧式フットブレーキを備えている。フットブレーキで入力された力は、負圧式倍力化装置(マスターバック)で増幅され、マスターシリンダー内のピストンを押して油圧を発生させ、各車輪のブレーキシリンダーへ制動力として伝わる。自動車では吊り下げ式ペダル、オートバイの後輪用では[[カンチレバー]]式ペダルが主流である。ブレーキは、踏み続けると加熱されて油圧配管内に気泡が生じ、[[ヴェイパーロック現象]]を引き起こしてブレーキが利かなくなる危険性を含んでいる。 === 空気油圧複合式(エアオーバーまたはエアオーバーハイドロリック) === 主に[[大型自動車]]と一部の中型車で使われている。油圧式のマスターシリンダーのピストンを、空気圧で押す方式。このため、ブレーキペダルが操作するものは、圧縮空気のみで、踏み込むと圧縮空気がマスターシリンダーのピストンに流れてブレーキを締め付け、離すとその空気が外部に開放され、ブレーキが解除される。この方式は[[真空|負圧]]式倍力化装置よりも強力な油圧をつくるため、エアブレーキ車両の経験がない運転者は急ブレーキになる。オルガンペダルの先の方を軽く踏んでいくと徐々に空気が送られるので、滑らかな減速が得られる。一部を除きオルガンペダルである。オルガンペダルでない(吊り下げ式ペダルの)車種は、[[日野・レンジャー]]や[[日野・プロフィア]]などがある。ブレーキを使うたびにエアタンクの空気が抜けるため、[[圧縮機|エアコンプレッサー]]を使ってタンク内の空気圧をある程度高めておかなければならない。空気が漏れ、タンク内の空気圧が外気圧と同じになると全く作動しない。ホイールシリンダーは油圧のため、ブレーキを踏み続けると加熱し、油圧配管内に気泡を生じ、ブレーキが利かなくなる[[ヴェイパーロック現象]]を引き起こす可能性を含んでいる。 === 空気圧式(フルエア) === 主に[[大型自動車|大型]][[牽引自動車|トレーラー]]と[[トラクター|トラクタ]]に使用されている。空気圧式ブレーキでは、[[ブレーキシュー]]は、通常、[[ばね|スプリング]]で[[ブレーキドラム]]に押さえつけられており、圧縮空気で作動する[[アクチュエータ]]により、ブレーキが緩解される仕組みである。そのため、配管の破断やトレーラーの分離といった事故の際には、ブレーキが自動的に作動する。低圧のコントロール系で、高圧の動作系を操っている。そのため細かい操作のタイムラグは空気油圧複合式よりも大きく、ペダルの反力が不自然なもの(ゴムまりを踏むような感覚)もあるが、より強力なブレーキ力を安定して発生させることができる。また、2系統の空気のみの伝達のため、トレーラーの切り離しに適している。ブレーキを使うたびにエアタンクの空気が抜けるため、エアコンプレッサーを使ってタンク内の空気圧をかなり高めておかなければならない。当然ながら、タンク内の空気圧が外気と同じになると全く作動しない。液体を使用しないため、[[ヴェイパーロック現象]]はおこらないが、加熱による[[フェード]]は上記の各方式同様に発生する。極寒冷地においては、空気中の水分が凍結して[[弁]]を固着させ、正常に動作しなくなることがある。 他車を牽引しないタイプの大型自動車でも使用されているが、この場合は、空気油圧複合式から油圧系統を取り除いた形式である。 === 機械式 === オートバイの後輪ドラムブレーキには、ロッドやワイヤーといった機械式フットブレーキが採用されていることは珍しくない。液体を使用しないため、[[ヴェイパーロック現象]]はおこらない。ペダルはカンチレバー式。 [[馬車]]から引き継がれた四輪車のブレーキは、[[ハンドブレーキ]]を経てフットブレーキへと進化したが、現在では機械式は上記の各方式に完全に取って代わられており、日本の場合、多くの[[地方運輸局|陸運支局]]では機械式ブレーキは認められておらず、[[自動車検査登録制度|車検]]に合格出来ない。 == 関連項目 == * [[ブレーキ]] * [[空気ブレーキ]] * [[真空ブレーキ]] * [[パーキングブレーキ]] * [[ヴェイパーロック現象]] * [[運転免許]] * [[ブレーキ (自転車)]] {{DEFAULTSORT:ふつとふれえき}} [[Category:ブレーキ]] [[Category:自動車工学]] [[Category:自動車ブレーキ技術]]
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