フィリップ・トルシエのソースを表示


{{サッカー選手
|名前=フィリップ・トルシエ
|画像=
|画像サイズ=<!--デフォルトは250px-->
|本名=オマル・トルシエ<br />（ムスリム名、旧名：フィリップ＝ベルナール・ヴィクトル・トルシエ）
|愛称={{flagicon|FRA}} フィフィ<br />白い呪術師<br />{{flagicon|JPN}} 赤鬼
|カタカナ表記=
|アルファベット表記=Omar Troussier<br />（former：Philippe-Bernard Victor Troussier）
|原語名=俗名
|原語表記=Philippe Troussier
|国={{FRA}}<br />{{CIV}} 
|誕生日={{生年月日と年齢|1955|3|21}}
|出身地={{flagicon|FRA}} [[パリ]]
|身長=
|体重=
|血液型=
|所属チーム名=
|ポジション=[[ディフェンダー (サッカー)|DF]]
|背番号=
|利き足=
|クラブ1={{Flagicon|FRA}} [[ASショワジー＝ル＝ロワ|ショワジー＝ル＝ロワ]]|クラブ2={{Flagicon|FRA}} [[RCジョアンヴィル|ジョアンヴィル]]|クラブ3={{Flagicon|FRA}} [[ASアングレーム|アングレーム]]|クラブ4={{Flagicon|FRA}} [[レッドスターFC93|レッドスター]]|クラブ5={{Flagicon|FRA}} [[FCルーアン|ルーアン]]|クラブ6={{Flagicon|FRA}} [[スタッド・ランス]]
|年1=1974-1975|年2=1975-1976|年3=1976-1977|年4=1977-1978|年5=1978-1981|年6=1981-1983
|出場3=22|得点3=0|出場4=3|得点4=0|出場5=79|得点5=8|出場6=38|得点6=0<!--国内リーグ戦の成績に限る-->
|クラブ成績更新日=
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|代表出場（得点）=
|代表成績更新日=
|監督年1=1983-1984|監督年2=1984-1987|監督年3=1987-1989|監督年4=1989|監督年5=1989-1992|監督年6=1993|監督年7=1994|監督年8=1995|監督年9=1995-1997|監督年10=1997|監督年11=1997-1998|監督年12=1998|監督年13=1998-2002|監督年14=1999|監督年15=1999-2000|監督年16=2003-2004|監督年17=2004-2005|監督年18=2005|監督年19=2008-2010|監督年20=2011-2013|監督年21=2014-
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}}
'''フィリップ・トルシエ'''（Philippe Troussier、[[1955年]][[3月21日]] - ）は[[フランス]]出身の[[サッカー]]監督。本名・ムスリム名：'''オマル・トルシエ'''（Omar Troussier）、旧名：'''フィリップ＝ベルナール・ヴィクトル・トルシエ'''（Philippe-Bernard Victor Troussier）。

[[1998年]]から[[2002年]]まで[[日本サッカー協会]]の要請を受け、[[サッカー日本代表]]監督となる。アフリカでは「白い[[呪術医|呪術師]]」(フランス語：sorcier blanc、英語：white witch doctor)とよばれる。

[[2006年]]3月に在住地の[[モロッコ]]で、夫人とともにイスラム教に改宗し[[ムスリム]]となり、本名・ムスリム名を「オマル」とし（夫人は「アミナ」）、さらにモロッコ人の少女を養子にとる。その後も仕事上ではフィリップ・トルシエを使用する。

== 生い立ち ==
1955年、フランス・[[パリ]]で6人兄弟の長男として生まれる{{sfn|コアント|2001|p= 12 }}。14歳離れた末弟のリュドヴィクも後にフィリップの助力により[[スタッド・ラヴァル|ラヴァル]]でプロのゴールキーパーとなる{{sfn|コアント|2001|p= 22 }}。一家は1958年に両親の故郷である[[サルト県]]{{仮リンク|アルナージュ|fr|Arnage}}に移ったが{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 26 }}{{sfn|コアント|2001|p= 13 }}、1967年（または1966年{{sfn|コアント|2001|p= 16 }}）に再びパリに戻った{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 30 }}

パリではASフレヌというクラブに入り、初めてサッカークラブに所属した{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 30 }}。1968年にはRATP（[[パリ交通公団]]）が運営するUSメトロというクラブに加入し、13歳から19歳までプレーした{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 31 }}。中学を卒業後、トルシエはRATPの専門学校に進学した{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 34-35 }}{{sfn|コアント|2001|p= 23 }}。1974年にRATPに就職し、自動券売機のメンテナンスを担当{{sfn|コアント|2001|p= 24 }}{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 35 }}、サッカーは公団のアマチュアクラブで続けながら、プロサッカー選手となることを夢見ていた{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 35 }}。

== 選手経歴 ==
アマチュアクラブのショワジー・ル・ロワ{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 36 }}とパリ・ジョアンヴィル{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 36 }}でプレーした後、1976年7月に[[リーグ・ドゥ|フランス2部リーグ]]の{{仮リンク|アングレームCFC|label=アングレーム|fr|Angoulême Charente Football Club}}と契約を交わす{{sfn|コアント|2001|p= 32-34 }}。

1977年、トルシエを見出した{{仮リンク|アンリ・スキバ|fr|Henri Skiba}}{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 38 }}{{sfn|コアント|2001|p= 36 }}がクラブを去ると、トルシエは後任監督の{{仮リンク|ポール・レヴァン|fr|Paul Lévin}}とはそりが合わず{{sfn|コアント|2001|p= 40-41 }}、1977年11月に[[ロジェ・ルメール]]が監督を務めるフランス2部の[[レッドスターFC93|レッドスター]]に移籍した{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 39 }}{{sfn|コアント|2001|p= 40-41 }}。トルシエは「もっとも影響力の強い監督」としてスキバとルメールの名前を挙げている{{sfn|コアント|2001|p= 42 }}。レッドスターでは経営難から選手にはまともに給料も支払われず、1977-78シーズンの2部リーグ・グループBでは3位という成績にも関わらずプロ資格を失いディヴィジョン・ドヌールに降格した<ref>http://www.rsssf.com/tablesf/fran2hist.html</ref>{{sfn|コアント|2001|p= 42-43 }}

1978年、トルシエは[[FCルーアン|ルーアン]]に移籍し、3シーズンで79試合に出場、8ゴールを挙げた{{sfn|コアント|2001|p= 43 }}。選手生活と並行して学業にも励み、1981年には運動療法士の資格を得た{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 38 }}。1981年、[[スタッド・ランス]]に移籍。最初のシーズンは31試合に出場したが{{sfn|コアント|2001|p= 46 }}、翌シーズンは8試合の出場にとどまった{{sfn|コアント|2001|p= 50 }}。1983年に初級の指導者ライセンスを取得して国立サッカー研究所（INF）からU-15フランス代表の指導を打診されたトルシエは、ランスとの間に残っている1シーズンの契約を破棄して、28歳でサッカー選手から指導者へと転じた{{sfn|コアント|2001|p= 52-54 }}{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 40-41 }}。

== 指導者経歴 ==
=== フランスにて ===
1983年、トルシエは国立サッカー研究所（INF）でU-15フランス代表の指導を1年間受け持った。このときのチームには[[ジャン＝ピエール・パパン]]がいた{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 41 }}。

1984年、フランス4部リーグ所属のアマチュアクラブ・{{仮リンク|USアランソン61|label=アランソン|fr|Union sportive alençonnaise 61}}監督に就任し、3年間指揮を執った{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 42-43 }}。

1987年、フランス3部リーグの[[レッドスターFC93|ASレッドスター93]]の監督に就任した。1988-89シーズンには北リーグの2位となり、クラブを2部に昇格させた{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 45-46 }}{{sfn|コアント|2001|p= 63 }}<ref>http://www.rsssf.com/tablesf/fran3hist.html</ref>。「フラット3」をベースとするシステムが形をみたのは、このレッドスター時代であるとトルシエは考えている{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 46 }}。

1988-89シーズン終了後、レッドスターはトルシエに留任を要請したが、彼は予算が潤沢な2部リーグの[[USクレテイユ＝リュシタノ|USクレテイユ]]からのオファーを選択した{{sfn|コアント|2001|p= 63-64 }}。しかし、クレテイユではクラブ幹部との確執により、就任から3ヶ月後の1989年10月に監督を辞任した{{sfn|コアント|2001|p= 65 }}。

=== コートジボワールにて ===
かつてフランスのクラブでプレーしていたチャド人の{{仮リンク|ナンバティング・トコ|fr|Nambatingue Toko}}の紹介により{{sfn|コアント|2001|p= 68 }}、1989年12月に[[コートジボワール]]の[[ASECミモザ|ASECミモザ・アビジャン]]監督に就任した。選手たちが「甘やかされている」と感じたトルシエは、遅刻禁止、食事管理の徹底をはじめとする厳しい規律をクラブにもたらし、不敗のまま3シーズン連続（1990、1991、1992）の国内リーグ優勝{{sfn|コアント|2001|p= 74-78 }}、1990年に国際大会{{仮リンク|UFOAカップ|en|West African Club Championship}}優勝{{sfn|コアント|2001|p= 91 }}に導いた。トルシエの常軌を逸した行動や発言は地元の人々の関心を集め、ジャーナリストたちに数多くの話題を提供した{{sfn|コアント|2001|p= 76 }}{{sfn|コアント|2001|p= 83-84 }}。この時期に彼は「白い魔術師」(または「白い呪術師」。フランス語：sorcier blanc、英語：white witch doctor<ref>{{cite web| author = | date = 2002-03-02| url = http://www.nytimes.com/2002/03/02/world/the-saturday-profile-from-france-a-soccer-shogun-stirs-up-japan.html| title = THE SATURDAY PROFILE; From France, a Soccer Shogun Stirs Up Japan| publisher = New York Times| language = | accessdate = 2014-05-28}}</ref>）として知られるようになった{{sfn|コアント|2001|p= 79 }}。

{{仮リンク|アフリカチャンピオンズカップ1992|en|1992 African Cup of Champions Clubs}}準決勝の[[WACカサブランカ]]との試合にて、トルシエはクラブで最大のスター選手だった{{仮リンク|アブドゥライ・トラオレ|en|Abdoulaye Traoré (Ivorian footballer)}}を先発メンバーから外して、代わりに若手選手を起用して臨んだが、敗れて決勝進出を逃すことになった{{sfn|コアント|2001|p= 86 }}。それによってトルシエは一転して激しい批判にさらされた{{sfn|コアント|2001|p= 88-89 }}。

1993年4月、トルシエは[[1994 FIFAワールドカップ]]出場を目指す[[サッカーコートジボワール代表|コートジボワール代表]]の監督に就任した{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 93 }}。またトルシエはそれに先立ってコートジボワールの国籍も取得した{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 93 }}。

1993年8月、トルシエ率いるコートジボワール代表は無敗で[[1994 FIFAワールドカップ・アフリカ予選|ワールドカップ・アフリカ予選]]グループAの首位だったにも関わらず、その態度が問題視されてサッカー協会から解雇された{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 110 }}{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 113 }}。メディアとサポーターはトルシエを支持した{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 113 }}。トルシエ退任後のコートジボワール代表は、[[サッカーナイジェリア代表|ナイジェリア代表]]に敗れてワールドカップ本大会出場を逃した{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 115 }}。

その後、1ヵ月という短期間だけ[[ブルキナファソ]]の{{仮リンク|エトワール・フィラント・ドゥ・ワガドゥグ|en|Étoile Filante de Ouagadougou }} (EFO) の監督を務めた{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 116-119 }}{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 180 }}。

=== 南アフリカにて ===
1994年1月{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 120 }}、[[南アフリカ共和国]]の[[カイザー・チーフスFC]]の監督に就任し、8ヵ月間指揮を執った{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 126 }}。カイザー・チーフスでは[[MTN 8|BPトップ・エイト・カップ]]と{{仮リンク|テルコム・チャリティ・カップ|label=イウィサ・メイズ・ミール・サッカー・スペクタキュラー|en|Telkom Charity Cup}}の2つのカップ戦に優勝したが、南アフリカでの生活に馴染むことができず、契約を延長しなかった{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 126-127 }}。

=== モロッコにて ===
1995年、[[ボトラ|モロッコ1部リーグ]]の[[CAラバト]]監督にシーズン途中から就任し、下位に低迷していたチームを最終的に5位に引き上げた{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 134 }}<ref>http://www.rsssf.com/tablesm/maro95.html</ref>。

シーズン終了後、{{仮リンク|クープ・デュ・トゥローヌ|fr|Coupe du Trône de football}}決勝を目前に控えていた{{仮リンク|FUSラバト|fr|Fath Union Sport de Rabat}}の監督に就任した{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 134-135 }}。契約期間はカップ戦終了までの1週間という短いものだった{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 134-135 }}。この移籍は大きなスキャンダルとなり、CAラバトのサポーターからは「裏切り」とみられた{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 135-136 }}{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 138 }}。クープ・デュ・トゥローヌ決勝にて、FUSラバトは[[オリンピック・フリブガ]]を2-0で下して優勝した<ref>http://www.rsssf.com/tablesm/marocuphist.html</ref>。

クープ・デュ・トゥローヌ優勝後、FUSラバトはトルシエとの契約期間を延長した{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 141-142 }}。2部リーグに降格していたFUSラバトは、1995-96シーズンは3位に終わって昇格を逃し{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 144 }}、1996-97シーズンの途中にトルシエは[[サッカーナイジェリア代表|ナイジェリア代表]]監督に就任した{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 146-147 }}。

=== ナイジェリア代表、ブルキナファソ代表、南アフリカ代表にて ===
1997年3月{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 156 }}、[[1998 FIFAワールドカップ・アフリカ予選]]途中に成績不振で解任されたナイジェリア人の{{仮リンク|シャイブ・アモドゥ|en|Shaibu Amodu }}の後任として、[[サッカーナイジェリア代表|ナイジェリア代表]]監督に就任した{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 156 }}{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 163 }}。ナイジェリア代表はアフリカ予選グループ1の首位として本大会出場を達成するも、トルシエは給与未払いを理由に[[ナイジェリアサッカー協会]]と対立して、同年9月に解任された{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 175-178 }}。

1997年10月、[[サッカーブルキナファソ代表|ブルキナファソ代表]]監督に就任した{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 181 }}。同国は翌年2月に[[アフリカネイションズカップ1998|アフリカネイションズカップ]]開催国となっており、契約期間は大会終了までの5ヵ月間だった{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 181 }}。ブルキナファソ代表は直前のワールドカップ予選では6戦6敗{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 186 }}、[[アフリカサッカー連盟]]加盟の52ヵ国中48位にランクされている弱小チームだった{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 179 }}。

アフリカネイションズカップでは、1次リーグを2勝1敗で突破し、[[サッカーチュニジア代表|チュニジア代表]]との準々決勝をPK戦により勝ち抜き、準決勝で[[サッカーエジプト代表|エジプト代表]]に0-2で敗れた{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 193-195 }}。3位決定戦では[[サッカーコンゴ民主共和国代表|コンゴ民主共和国代表]]と4-4引き分けの末にPK戦で敗れ、ブルキナファソ代表は大会4位になった。

ブルキナファソ代表監督退任後、トルシエは[[1998 FIFAワールドカップ]]出場を控えた[[サッカー南アフリカ共和国代表|南アフリカ共和国代表]]監督に就任した{{sfn|トルシエ、シュナイユ |2001|p= 198 }}。同国初の出場となったワールドカップ・フランス大会では2分1敗で1次リーグ敗退、契約期間満了に伴い退任した。

=== 日本代表監督 ===
[[1998年]][[9月20日]]、[[1998 FIFAワールドカップ|フランスワールドカップ]]終了後に<ref> [http://www.nikkansports.com/news2/worldcup/rensai/japan/japan_1.html 「トルシエ・ニッポン４年間の軌跡」 日刊スポーツ2002年6月19日付]</ref>[[サッカー日本代表|日本代表]]監督に就任。契約期間は2年で、その後2年はオプション。[[パウロ・ロベルト・ファルカン|ファルカン]]監督以来5年ぶり、3人目の外国人監督となった。A代表とU-21代表(98年当時)の監督を兼任。当時[[日本サッカー協会]]技術部門の長であった[[大仁邦彌]]は、ワールドカップ以後の続投を要請<ref> [http://www.zakzak.co.jp/sports/soccer/news/20100803/soc1008031620001-n1.htm 「新監督は“トルシエレベル”３人に絞られたポスト岡田の実力は？」 夕刊フジ2010年08月03日付]</ref>していた[[岡田武史]]前監督の辞任を受け、[[アーセン・ベンゲル]]に監督就任を依頼する<ref> [http://www.zakzak.co.jp/sports/soccer/news/20100728/soc1007281627004-n1.htm 「ポスト岡田は残りモノ？“ツイッター委員長”では結局…」 夕刊フジ2010年07月28日付]</ref>も[[アーセナルFC]]と既に契約していることを理由に断られる。大仁によれば、その後協会は直接フランスサッカー協会と交渉し、ちょうどスケジュールの空いていたトルシエを紹介された、という。日本サッカー協会はベンゲルに彼の能力や人物像などについて相談しつつ、トルシエと契約を結ぶことに決定した。尚、当時の日本サッカー協会会長の[[岡野俊一郎]]によれば、ベンゲルに一度断られたあと、『2002年W杯の日本代表監督は貴方しかいない』と手紙を出したが再度断られ、技術委員会がベンゲルの推薦したトルシエにしたいと言うので、ベンゲルの推薦ならということで、トルシエに決めたという<ref> [http://www.masakuni-yamamoto.com/books.html 山本昌邦著 日本サッカー遺産 ワールドカップ出場舞台裏の歴史と戦略P140～P141岡野俊一郎スペシャル対談「日本サッカー、太陽の輝く世界に」]</ref>。

[[1998年]]12月、バンコクアジア大会ではU-21代表を率いて臨み、二次リーグ敗退し、<!--当時のアジア大会は年齢制限のないレギュレーションであり、日本と同じく若手主体の韓国には敗れたが、ほぼA代表の-->クウェートに勝利した。

[[1999年]]、[[清雲栄純]]の後任としてU-20代表監督を兼職（契約外のため無報酬だった<ref>日刊スポーツ99年4月2日付紙面</ref>）。[[1999 FIFAワールドユース選手権|FIFAワールドユース・ナイジェリア大会]]では準優勝を果たした。FIFA主催の国際大会で日本が決勝に進出するのは、史上初の快挙であった。秋には[[中田英寿]]も合流したU-22代表を率いて、2大会連続の五輪出場を決める。一方、A代表では特別招待国として参加した[[コパ・アメリカ]]（南米選手権）で2敗1分け（1次リーグ敗退）に終わる等、ほとんど実績を残せず、批判の声も現れ始めた。

[[2000年]]、五輪代表をA代表に合流させるも、2月の[[ルナー・ニューイヤー・カップ|カールスバーグカップ]]でメキシコに敗れると、続く香港リーグ選抜には引き分け（PK戦で一応「勝利」した）。3月は中国と引き分け、続く4月には韓国に敗戦と成績は上向かず。このため、サッカー協会幹部から解任の声が挙がるが、[[岡野俊一郎]]会長（当時）の判断で6月に[[モロッコ]]で行われる[[ハサン2世トロフィー|ハッサン二世国王杯]]ならびに日本国内で行われる[[キリンカップ・サッカー|キリン杯]]の成績で去就を決定することとなる。そして、迎えたハッサン二世国王杯ではほぼベストメンバーを組んできた[[1998 FIFAワールドカップ|前回W杯]]王者・[[サッカーフランス代表|フランス]]と2-2で引き分け（但し、PK戦で敗れた）、続く2戦目では前回W杯で辛酸を舐めさせられた[[サッカージャマイカ代表|ジャマイカ]]に4-0で大勝。帰国後の続く[[キリンカップ・サッカー|キリン杯]]では[[サッカーボリビア代表|ボリビア]]、[[サッカースロバキア代表|スロバキア]]と対戦し、1勝1分。スロバキアと同点優勝。4試合で2勝2分という成績を残し、事実上解任を免れた。

[[2000年]]9月 [[シドニーオリンピック]]では[[メキシコシティオリンピック]]以来32年ぶりとなる決勝トーナメント進出。準々決勝でアメリカ合衆国とPK戦の末、準決勝進出を逃す。2000年10月 [[レバノン]]で開催された[[アジアカップ2000]]では、グループリーグ第1戦・第2戦で圧勝して決勝トーナメントへ。決勝トーナメントで[[サッカーイラク代表|イラク]]、[[サッカー中国代表|中国]]、[[サッカーサウジアラビア代表|サウジアラビア]]を撃破し1992年大会以来の優勝、アウェイ色の強い中東開催のアジア杯において東アジア勢としては初めて。2000年度の[[アジアサッカー連盟|AFC]]年間最優秀監督を受賞する。

[[2001年]]3月24日、フランスの[[スタッド・ド・フランス]]（サン=ドニ）で行われたフランス代表との親善試合で0-5の敗戦。4月のスペイン戦でもフランス戦同様に1トップ3ボランチとも言われる守備的布陣で臨み、0-1で敗れる。2001年6月 日韓共催[[FIFAコンフェデレーションズカップ]]準優勝。5試合で6得点1失点、フル代表でのFIFA主催の国際大会での決勝進出も史上初。<!--FIFAランキングよりも、一貫性と客観性をそなえているいわれる-->ワールドフットボール[[イロレーティング]]で、2001年8月と02年3月のトルシエジャパンは、日本史上最高の世界8位のレーティングを記録した。<!--NOR : レーティングはそれ以前の戦績などが評価対象になるため、2000年前後の日本代表が過去最強だったことを意味している。日韓ワールドカップ本戦直前では同レーティングは14位まで下がっていたが、このような高評価を客観的指標で日本代表が得たのはトルシエ時代が初めてで、翌年の本大会に結果となって現れた。-->

[[2002年]]4月25日、[[FIFAワールドカップ|ワールドカップ]]本戦への出場を決めていた[[サッカーポーランド代表|ポーランド代表]]と[[ポーランド]][[ウッジ]]で親善試合を行い、日本代表史上初となる[[欧州]]でのアウェイゲーム勝利（2-0）。2002年6月 [[2002 FIFAワールドカップ|日韓ワールドカップ]]では、有力視されていた[[中村俊輔]]を代表から外したことで話題を呼んだ。本大会<!--では「ノルマ」と言われた{{要出典}}-->グループリーグ初戦の[[サッカーベルギー代表|ベルギー]]戦では2-2で引き分け、続く[[サッカーロシア代表|ロシア]]戦では1-0で勝利、最後の[[サッカーチュニジア代表|チュニジア]]戦も2-0で勝利し、通算2勝1分でグループリーグ1位の成績で突破し、日本代表を初の決勝トーナメント進出に導く。しかし決勝トーナメント1回戦[[サッカートルコ代表|トルコ]]戦、日本代表は0-1で敗れる。W杯終了後、監督を退任した。<!--NOR : それまでワールドカップの歴史の中で、開催国がグループリーグで敗退することは一度もなかったのだが（[[2010 FIFAワールドカップ|2010年南アフリカ大会]]で途切れる）、歴代のワールドカップ開催国の中で最も経験・実績のなかった（2度目の出場、前回大会ではグループリーグ3戦3敗）日本がそれらに続くことは意義のあることであった。-->

=== 2002年以降 ===
2002年7月、[[サッカーフランス代表|フランス代表]]監督の4人の最終候補の中に残るが、面接の結果[[ジャック・サンティニ]]が選ばれる。<ref>{{cite web|url=http://www.47news.jp/CN/200207/CN2002071901000380.html|title=トルシエ氏は“落選”　仏代表監督にサンティニ氏|work=[[47NEWS]]|date=2002.7.19|accessdate=2012.7.12}}</ref>

2003年7月、[[サッカーカタール代表|カタール代表]]監督に2年契約で就任するも[[2006 FIFAワールドカップ・アジア予選]]で苦戦を強いられ、2004年7月に行われた[[AFCアジアカップ2004|アジアカップ]]の初戦[[サッカーインドネシア代表|インドネシア]]戦に1対2で敗れた後に[[カタールサッカー協会]]から解任を通告された（なお、トルシエは開幕前に、この大会限りでの辞任を表明していた）<ref>{{cite web|url=http://www.47news.jp/CN/200407/CN2004072001002463.html|title=トルシエ監督を解任　サッカーのカタール代表|work=[[47NEWS]]|date=2004.7.20|accessdate=2013.12.31}}</ref><ref>{{cite web| author = | date = 2004-07-20| url = http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/internationals/3911255.stm| title = Qatar sack Troussier| publisher = BBC| language = | accessdate = 2014-05-28}}</ref>。

2004年11月に[[日本プロサッカーリーグ|Jリーグ]]・[[ヴィッセル神戸]]から監督就任のオファーが届くが、フランスの[[オリンピック・マルセイユ]]から届いたオファーで翻意し、マルセイユの監督に就任した。契約期間は2年<ref name="uefa20050602">{{cite web| author = | date = 2005-06-02| url = http://www.uefa.com/memberassociations/news/newsid=306768.html| title = Troussier takes leave of Marseille| publisher = UEFA| language = | accessdate = 2014-05-28}}</ref>。就任時の順位は5位。[[リーグ・アン]]第17節より指揮を執り、マルセイユにおいても3バックのシステムを用いていたが、第24節から4バックへと変更<ref>{{Cite web|date=2005-03-02|url=http://www.jpmoins.com/column/no1165.html|title=第425回フランスに戻ってきた監督たち(5)フラット3を捨てたフィリップ・トルシエ|publisher=J.P.モアンのフランス・サッカー幻想交響曲|accessdate = 2014-07-12}}</ref>。第26節で2位となり、首位[[オリンピック・リヨン]]と勝点差を6まで縮めるが、2月に行われた[[ウィダード・カサブランカ]]との親善試合で[[ファビアン・バルテズ]]が主審の胸に唾を吐くという事件を起こして以後失速。勝点で[[スタッド・レンヌ]]と並んだものの、得失点差でリーグを5位で終えることになる。5位になったことにより2004-05シーズンでは[[UEFAチャンピオンズリーグ]]および[[UEFAヨーロッパリーグ|UEFAカップ]]出場権を獲得できず<ref name="cnn20050602">{{cite web| author = | date = 2005-06-02| url = http://edition.cnn.com/2005/SPORT/football/06/02/france.marseille/index.html| title = Troussier fired as Marseille coach| publisher = CNN.com| language = | accessdate = 2014-05-28}}</ref>、2005年6月に解任されることとなった<ref name="cnn20050602" /><ref name="uefa20050602" />。フランス代表左サイドバックの[[ビセンテ・リザラズ]]はトルシエからは疎んじられ、冬の移籍市場で移籍した<ref>{{cite web| author = | date = -| url = http://www1.skysports.com/football/news/11810/2323088/lizarazu-left-after-dispute| title =  Lizarazu left after dispute | publisher = Sky Sports| language = | accessdate = 2014-05-28}}</ref>。一方で、就任直後から[[サミル・ナスリ]]を重用し、1月に[[タイエ・タイウォ]]を獲得するなど若手を積極的に活用した。

2005年7月、[[サッカーナイジェリア代表|ナイジェリア代表]]監督に再び就任することで合意に達したものの、膝の手術のためこれを辞退した<ref name="espn20050727">{{cite web| author = | date = 2005-07-27| url = http://www.espnfc.com/print?id=337734&type=story| title = Nigeria slam unprofessional Troussier| publisher = ESPNsoccernet| language = | accessdate = 2014-05-29}}</ref><ref name="bbc20050727">{{cite web| author = | date = 2005-07-27| url = http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/africa/4721989.stm| title = Nigeria FA boss slams Troussier| publisher = BBC| language = | accessdate = 2014-05-29}}</ref>。[[ナイジェリアサッカー協会]]会長のイブラヒム・ガラディマは、トルシエを「アンプロフェッショナル」と非難した<ref name="espn20050727" /><ref name="bbc20050727" />。同年10月、[[2010 FIFAワールドカップ|2010年ワールドカップ]]までの5年契約で[[サッカーモロッコ代表|モロッコ代表]]監督に就任<ref name="bbc20051231">{{cite web| author = | date = 2005-12-31| url = http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/africa/4571560.stm| title = Morocco sack Troussier| publisher = BBC| language = | accessdate = 2014-05-28 }}</ref>したが、同年12月、[[モロッコサッカー連盟]]と決裂し代表監督を解任された<ref name="bbc20051231" />。

[[2006年]]3月17日、 [[イスラム教]]に改宗し、本名自体をフィリップから、ムスリム名・オマルへ改名した。妻のドミニクも改宗し、アミナに改名。イスラム教に改宗後、セルマとマリアムという2人の女児を養子とする。同年、6月に [[テレビ東京]]と[[2006 FIFAワールドカップ|ドイツW杯]]コメンテーター契約を結び、同局の中継放送・及び各種関連番組に出演した。

2007年12月、[[日本フットボールリーグ]]所属の[[FC琉球]]総監督就任が発表された。契約期間は2008年1月から5年間<ref>{{cite web| author = 武澤伸昭| date = 2007-12-20| url = http://web.gekisaka.jp/news/detail/?31475-12099-fl| title = トルシエ氏、5年契約 沖縄滞在年間100日| publisher = ゲキサカ| language = | accessdate = 2014-05-28}}</ref>。2008年は同じフランス人の{{仮リンク|ジャン＝ポール・ラビエ|fr|Jean-Paul Rabier}}を監督に招いたが、総監督のトルシエによる現場介入のために両者の衝突があった<ref>{{ウェブアーカイブ |deadlink= yes|title= asahi.com（朝日新聞社）：トルシエ総監督、現場介入で混乱・低迷　ＦＣ琉球 - スポーツ|url= http://www.asahi.com/sports/fb/TKY200904150098.html|archiveurl= http://web.archive.org/web/20090418190528/http://www.asahi.com/sports/fb/TKY200904150098.html|archiveservice= Wayback Machine|archivedate=2009-04-18}}</ref><ref>{{cite web| author = | date = 2008-06-26| url = http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/soccer/shukyu/200806/CK2008062502100011.html| title = ＦＣ琉球　トルシエ革命のリアル＜中＞| publisher = 中日スポーツ| language = | accessdate = 2014-05-28}}</ref>。[[新里裕之]]を監督に据えた2年目以降からは、トルシエは現場からは距離を置いた<ref>{{cite web| author = | date = 2009-03-23| url = https://www.qab.co.jp/news/200903237680.html| title = Theスポーツ FC琉球 ホーム初戦に挑む| publisher = 琉球朝日放送| language = | accessdate = 2014-05-28}}</ref><ref>{{cite web| author = | date = 2011-02-24| url = http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-173890-storytopic-2.html| title = トルシエ氏、中国Ｌ監督に　ＦＣ琉球総監督は継続| publisher = 琉球新報| language = | accessdate = 2014-05-28}}</ref>。2009年12月10日、[[フランス]]から国家功労勲章（[[レジオンドヌール勲章]]）シュヴァリエを受章された。2010年1月28日、2018/2022 FIFAワールドカップ日本開催招致アンバサダーに就任した。同年7月8日、日本の[[観光庁]]から[[スポーツ観光マイスター]]に任命された<ref>{{cite web| author = | date = 2010-07-06 | url = http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2010/07/06/kiji/K20100706Z00001000.html| title = 「スポーツ観光マイスター」にトルシエ氏ら３人任命| publisher = スポニチ Sponichi Annex| language = | accessdate = 2014-05-28}}</ref>。

2011年2月、[[中国サッカー・スーパーリーグ]]の[[深セン紅鑽|深圳紅鑽]]の監督に就任した。同年のスーパーリーグで深圳紅鑽は最下位（16位）となり[[中国サッカー・甲級リーグ|甲級リーグ]]（2部）に降格した<ref name="shenzhenruby.com_history">http://www.shenzhenruby.com/portal.php?mod=topic&topicid=1</ref>。2012年は甲級リーグ7位、2013年も5位で昇格を逃した<ref name="shenzhenruby.com_history" /><ref>http://sports.sohu.com/20131105/n389605560.shtml</ref>。

2014年7月、[[チュニジア・リーグ]]の[[CSスファクシアン]]の監督に2年契約で就任した<ref>[http://www.club-sportif-sfaxien.com/index.php?option=com_content&view=article&id=2066&lang=fr Officiel: Philppe Troussier s'est engagé pour deux saisons]</ref>。

==所属クラブ==
*1974年 - 1975年 {{flagicon|FRA}} [[:fr:AS Choisy-le-Roi|AS Choisy-le-Roi]] (アマ)
*1975年 - 1976年 {{flagicon|FRA}} [[:fr:RC Joinville|Joinville]] (〃)
*1976年 - 1977年 {{flagicon|FRA}} {{仮リンク|アングレームCFC|label=ASアングレーム|fr|Angoulême Charente Football Club}}（2部リーグ）
*1977年 - 1978年 {{flagicon|FRA}} [[レッドスターFC93|レッドスターFC]]（2部リーグ）
*1978年 - 1981年 {{flagicon|FRA}} [[FCルーアン]]（2部リーグ）
*1981年 - 1983年 {{flagicon|FRA}} [[スタッド・ランス]]（2部リーグ）

==指導歴==
*1983年 - 1984年 {{flagicon|FRA}} U-15'''[[サッカーフランス代表|代表]]''' 
*1984年 - 1987年 {{flagicon|FRA}} [[:fr:Union sportive alençonnaise 61|USアランソン]]（4部リーグ）
*1987年 - 1989年 {{flagicon|FRA}} [[レッドスターFC93|ASレッドスター93]]（3部リーグ）
*1989年 {{flagicon|FRA}} [[USクレテイユ＝リュシタノ|USクレテイユ]]（2部リーグ）
*1989年 - 1992年 {{flagicon|CIV}} [[ASECミモザ]]（1部リーグ）
*1993年 {{flagicon|CIV}} '''[[サッカーコートジボワール代表|コートジボワール代表]]'''
*1994年 {{flagicon|RSA}} [[カイザー・チーフスFC]]（1部リーグ）
*1995年 {{flagicon|MAR}} [[CAラバト]]（1部リーグ）
*1995年 - 1997年 {{flagicon|MAR}} [[FUSラバト]]（2部リーグ）
*1997年 {{flagicon|NGA}} '''[[サッカーナイジェリア代表|ナイジェリア代表]]''' 
*1997年 - 1998年 {{flagicon|BUR}} '''[[サッカーブルキナファソ代表|ブルキナファソ代表]]''' 
*1998年 {{flagicon|RSA}} '''[[サッカー南アフリカ代表|南アフリカ代表]]''' 
*1998年 - 2002年 {{flagicon|JPN}} '''[[サッカー日本代表|日本代表]]''' 
**1999年 {{flagicon|JPN}} '''U-20代表''' 
**1999年 - 2000年 {{flagicon|JPN}} '''オリンピック(U-23)代表''' 
*2003年 - 2004年 {{flagicon|QAT}} '''[[サッカーカタール代表|カタール代表]]''' 
*2004年 - 2005年 {{flagicon|FRA}} [[オリンピック・マルセイユ]]（1部リーグ）
*2005年 {{flagicon|MAR}} '''[[サッカーモロッコ代表|モロッコ代表]]''' 
*2008年 - 2009年 {{flagicon|JPN}} [[FC琉球]]（総監督・[[日本フットボールリーグ]]）
*2011年 - 2013年 {{flagicon|CHN}}  [[深セン紅鑽|深圳紅鑽]]（1部→2部リーグ）
*2014年 -  {{flagicon|TUN}} [[CSスファクシアン]]（1部リーグ）

== 人物 ==
{{出典の明記|date=2014年5月|section=1}} 
*当時の日本サッカー協会会長[[岡野俊一郎]]いわくユーモアのセンス、勤勉さ、そして口の悪さなど、[[長沼健]]監督下で特別コーチとして招いた[[デッドマール・クラマー]]と非常によく似ていたらしい（岡野はクラマーの通訳兼代表コーチとして、選手に向けられるクラマーの過激な発言の意訳に相当苦労した経験から、トルシエのアシスタントだった[[フロラン・ダバディ]]にも「トルシエの言う事を直訳するな!」と厳しく注意していたと言う）<ref>[http://www.koushi-select.com/list/?id=1396499303-826222&sflg=1&sk=%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A8 講師SELECT　フィリップ・トルシエ　講師詳細プロフィール]</ref>。
*Jリーグの専務理事だった[[木之本興三]]は、「彼は本当に四六時中サッカーのことしか考えていない。人間性は正直どうかと思う面もあるが、指導者としての態度は理想的な人物」と述べている。古くからの友人であるベンゲルも「仕事に対しては常に真剣。中途半端なことはせず、勤勉で真面目、そして厳しい」と評している。
*サッカーに対しての真面目さと激しい性格から、些細なことでムキになったり怒鳴るなど、子供のような一面もある。また、「日本にキャプテンはいらない」などの発言を繰り返し、こういった性向から各国のサッカー協会、クラブチームの首脳陣や選手たち（[[釜本邦茂]]、[[川淵三郎]]、[[エディ・トムソン]]、[[フレデリック・アントネッティ]]、[[ビセンテ・リザラズ]]など）と確執が絶えなかった{{要出典|date=2010年7月21日 (水) 18:37 (UTC)}}。
*練習中も選手を怒鳴ったり突き飛ばすなど話題に事欠かなかった。真意として「日本代表は[[中田英寿]]を除くと幼く、大人しすぎる」と分析し、選手達が国際試合で戦えるためにあえてこのような指導法を貫いたと本人は主張しているが、マルセイユの監督時代も同様の指導を行い前述の通りリザラズが確執から移籍するなど、顰蹙を買った面もあった。
*1999年[[FIFAワールドユース]]・[[ナイジェリア]]大会前の2月に行われた[[ブルキナファソ]]での合宿時及び4月の大会予選時、自身の提案により選手団と共に現地の孤児院を慰問。4月の慰問時には、粉ミルクや医薬品、選手団全員の募金による約25万円分の現地通貨を寄付している。選手達を現地の文化に浸らせ、さらには恵まれた環境とは違う生活がこの世にはあるということを肌で感じさせるため、孤児院に連れて行ったという。
*自身が監督を務めていた2002年ワールドカップの日本代表選手選考の際、[[中村俊輔]]を代表の23人から外したため、仏教徒から繰り返し脅迫を受けていたことが報道された<ref>[http://www.gazzetta.it/Calcio/Estero/Primo_Piano/2006/03_Marzo/22/troussier.shtml Il francese Troussier si converte all'Islam]ガゼッタ・デロ・スポルト 2006年3月22日（イタリア語）</ref>。
*プライベートではアシスタントの[[フローラン・ダバディー]]と行動を共にし、日本の文化を学んだ。好きな[[日本料理|日本食]]は[[蕎麦]]だったそうである。[[相撲]]部屋を見学した際に[[貴乃花光司]]に感銘を受けて親しくなり、後に貴乃花が膝を負傷したとき、トルシエの紹介によってフランスで手術を受けている。またダバディーの知り合いだった[[滝川クリステル]]を「フランス語で直接会話できる才色兼備な女性」として大変気に入っていたらしい。
*2007年12月21日放送回「[[えみり・ジェンヌ]]」（[[GyaO]]）の生出演を出演前にキャンセルした。番組側は彼がいつの間にか帰ってしまったとだけ説明し、詳しい理由は大人の事情とし伏せながら、番組側に落ち度は無かったとしている<ref>[http://ameblo.jp/midtowntv/ MIDTOWN TV OFFICIAL BLOG]</ref>。
*日本サッカーに対して、もっと育成年代のシステムを見直すべきだと提言している。
*2010年8月末から放送が開始された、[[缶コーヒー]]「[[ジョージア (缶コーヒー)|ジョージア ヨーロピアンコクの微糖]]」（[[日本コカ・コーラ]]）の[[コマーシャルメッセージ|CM]]に出演した。

==戦術==
{{出典の明記|date=2014年5月|section=1}} 
「私は、例え世界最高のギタリストである[[ジミ・ヘンドリックス]]が自分のバンドにいても、40秒間のソロプレーは許さない。成功は組織的な戦いから生まれるのだ」<ref>{{Cite web |url=http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100526-00000010-ism-socc |title=トルシエ元監督「岡田監督の頭は混乱している」 |publisher=ISM  |accessdate=2010年5月29日 }}</ref>と語るように、組織的なプレー・戦術を重視する。
===フラットスリー===
彼が指導者として教育を受けた時代には3バックが全盛だったこともあり、どのチームに赴いてもフラットスリーと言われる[[サッカーのフォーメーション#3-5-2|3-5-2（3-4-1-2）システム]]を軸にしてきた（マルセイユではコーチ陣の助言により、一部の試合で4バックも用いている）。{{要出典|date=2010年8月3日 (火) 09:27 (UTC)}}
* ディフェンダー3人をフラットに並べて高く押し上げ、コンパクトさを維持する（プッシュアップ）
* オフサイドエリアを相手フォワードを牽制するための手段として使う
* 守備的な選手を配置した厚い中盤でプレッシャーをかける（プレッシング）{{要出典|date=2007年7月26日 (木) 00:50 (UTC)}}
* {{要出典範囲|中央型のMFを両サイドに配置する（トルシエジャパン後期には左サイドに攻撃的選手、右サイドに守備的選手が配され、左CBには[[中田浩二 (サッカー選手)|中田浩二]]、[[服部年宏]]といったサイドバック的な選手が起用され、オーバーラップ攻撃を仕掛けていたため、実質は変則的な4バックになっていた）|date=2007年7月26日 (木) 00:50 (UTC)}}
* トルシエ監督に重用されていた中田浩二は「ラインの上げ下げは真ん中の選手がしているわけではなく、それでは遅い」と語っている<ref>[http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/asics/nakata/column01.html]</ref>。
* 2011年8月に亡くなった（日本代表の時にフラットスリーの一人であった）[[松田直樹]]のメモリアルゲームが2012年1月22日に行われ、トルシエが監督を担ったが、フラットスリーは使用しなかった。その理由について、「松田がいなければフラットスリーは出来ない」と話している。

以上、これらを特徴とする。前三者は欧州を席巻した[[アリーゴ・サッキ]]率いるACミランが、最後の点は1986年のメキシコワールドカップでの[[サッカーデンマーク代表|デンマーク代表]]チームの布陣がヒントになっているといわれる。{{要出典|date=2007年7月26日 (木) 00:50 (UTC)}}

===オートマティズム===
トルシエは'''[[オートマティズム]]'''を重要視し（自身のサッカー観として、オートマティズムなど組織的な面が60%で占め、30%が個の力、10%が不確定要素と発言したことがある）、ボールの位置や状況に応じて選手が自動的に動けることを理想とした。シャドートレーニングに主眼が置かれたため練習では紅白戦が極端に少なかったが、これは練習中の怪我といったアクシデントが起きやすいといったトルシエの配慮もある。一種のパターン攻撃で1982年ワールドカップでのブラジル代表などの前例がある（武智幸徳著｢サッカーという至福」のなかで当時のブラジル代表メンバー、パウロ・ロベルト・ファルカンはこれをメカニズモ、機械プレーと呼んでいる）。メリットとしてはメンバーが入れ替わってもチームの質が大きく変化しないこと、デメリットとしてはその機構に縛られ、試合のリズムに変化をつけるのに交代選手の個性に頼らざるを得ないことが挙げられる。

== 著書 ==
* トルシエ革命　新潮社 2001年6月 (田村修一との共著) ISBN 978-4105408015
* 情熱　日本放送出版協会 2001年12月 (ルイ・シュナイユとの共著) ISBN 978-4140806531
* オシムジャパンよ! 日本サッカーへの提言 アスキー新書 2007年5月 ISBN 4756148883
* トルシエの眼力 岡田ジャパン「W杯4強」へのイバラ道 徳間書店 2010年3月 ISBN 978-4198629076

== 関連項目 ==
{{wikinews|サッカー元日本代表監督・トルシエ氏がFC琉球総監督就任}}
* [[フロラン・ダバディ]] - トルシエのアシスタント
* [[ロジェ・ルメール]] - トルシエに指導者の道を拓かせた恩師
* [[スター・システム]] - 日本のサッカー報道を批判するにあたって使った言葉
* [[2002 FIFAワールドカップ日本代表]]
* [[マミーすいとん]] - [[Jヴィレッジ]]がある[[福島県]][[楢葉町]]の[[郷土料理]]でトルシエが名付け親
* [[行列の出来る法律相談所#有名人100枚の絵でつなぐ カンボジア学校建設プロジェクト| 有名人100枚の絵でつなぐ カンボジア学校建設プロジェクト]] - 自身の書いたサッカーの戦略図を着色込みでオークションに出展し、2009年3月29日放送でその学校にサッカーゴールとボールをプレゼントする

== 脚注 ==
<references/>

== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|author=ジャン・フィリップ・コアント著、宇田川里・吉村葉子 共訳|year=2001|title=異端児トルシエ|publisher=[[角川書店]]|isbn= |ref= {{SfnRef|コアント|2001}} }}
* {{Cite book|和書|author=フィリップ・トルシエ、ルイ・シュナイユ著、松本百合子 訳|year=2001|title=情熱|publisher=[[NHK出版]]|isbn= |ref= {{SfnRef|トルシエ、シュナイユ|2001}} }}
* {{cite web| author = | date = | url = http://www.jfa.or.jp/jfa/topics/2010/25/007.pdf| title = フィリップ・トルシエ氏 プロフィール - 日本サッカー協会| format = PDF| publisher = 日本サッカー協会| accessdate = 2014-05-28}}

{{1998 FIFAワールドカップ南アフリカ共和国代表}}
{{Navboxes|title = サッカー日本代表監督|titlestyle =background:#00D; color:#FFF;
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{{サッカー日本代表歴代監督}}
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