バーティ・アハーンのソースを表示

{{政治家
|人名 = パトリック・バーソロミュー・アハーン
|各国語表記 = Patrick Bartholomew Ahern<br />Pádraig Parthalán Ó hEachthairn
|画像 = BertieAhernBerlin2007.jpg
|画像説明 = バーティ・アハーン（[[ベルリン]]で行なわれた[[ローマ条約]]調印50周年記念式典にて、2007年3月25日）
|国略称 = {{IRL}}
|生年月日 = {{生年月日と年齢|1951|9|12}}
|出生地 = {{IRL}} [[ダブリン]] [[ドラムコンドラ (ダブリン)|ドラムコンドラ]]
|没年月日 = 
|死没地 = 
|出身校 = [[ダブリン工科大学]]
|所属政党 = [[フィアナ・フォイル]]
|称号・勲章 = 
|親族（政治家） = 
|配偶者 = 
|サイン = 
|ウェブサイト = http://bertieahernoffice.org/
|サイトタイトル = The Office of Bertie Ahern
|国旗 = IRL
|職名 = 第17代 [[アイルランドの首相|アイルランド共和国首相]]
|就任日 = 1997年6月26日
|退任日 = 2008年5月7日
|元首職 = [[アイルランドの大統領|大統領]]
|元首 = [[メアリー・ロビンソン]]{{Smaller|（1997年9月12日まで）}}<br />[[メアリー・マッカリース]]{{Smaller|（1997年11月11日から）}}
|国旗2 = IRL
|職名2 = [[ドイル・エアラン|ドイル・エアラン議員]]
|選挙区2 = ダブリン・セントラル<br />ダブリン・フィングラス{{Smaller|1977年 - 1981年}}
|当選回数2 = 10回
|就任日2 = 1977年6月16日
|退任日2 = 現職
}}

'''パトリック・バーソロミュー・アハーン'''（Patrick Bartholomew Ahern; Pádraig Parthalán Ó hEachthairn, [[1951年]][[9月12日]] - ）は、[[アイルランド]]の[[政治家]]。一般的には'''バーティ・アハーン''' (Bertie Ahern) という名前を用いる。[[1997年]][[6月26日]]から[[2008年]][[5月7日]]まで[[アイルランドの首相|同国首相]]を務めた。

アハーンは1977年から、ダブリン・セントラル選挙区で[[ドイル・エアラン]]議員に選出されている。首相就任以前には、[[チャールズ・ホーヒー]]政権や[[アルバート・レイノルズ]]政権において労働相（1987年 - 1991年）や財務相（1991年 - 1994年）を務めている。またレイノルズ連立政権崩壊後、短期間ではあるが副首相を務めた。

1994年、アハーンは[[フィアナ・フォイル]]の第6代党首に選出される。アハーン体制のもとでフィアナ・フォイルは3期にわたる連立政権の首班を務めたが、その首相在任日数は[[エイモン・デ・ヴァレラ]]に次いで2番目に長いものとなっている。アハーンは2008年5月6日に首相を辞任し、当時財務相だった[[ブライアン・カウエン]]が後任に就いた。

== 人物 ==
アハーンは[[ダブリン]]の[[ドラムコンドラ (ダブリン)|ドラムコンドラ]]で生まれた。ドラムコンドラはダブリン・セントラル選挙区に含まれており、アハーンは生涯にわたってこの地に住んできた。アハーンはともに[[コーク州]]出身である父コンと母ジュリアの間に生まれた5人の子どもの末子である。両親は1937年10月に結婚し、ドラムコンドラのチャーチ・アヴェニューに居を構え、その後の生涯をそこで暮らした<ref name="IT7Apr98">{{Cite web|last=Dooley|first=Chris|url=http://homepages.rootsweb.ancestry.com/~aherns/ahobit98.htm#07/04/1998b|title=A republican shaped by the War of Inhdependence|newspaper=The Irish Times|publisher=Dennis Ahern|date=1998-04-07|accessdate=2009-11-15|language=英語}}</ref>。残る4人の兄姉はモーリス、キャスリーン、ノエル、アイリーンである<ref name="IT7Apr98"/>。ダブリンでコンは[[オール・ハローズ・カレッジ]]の農場経営者で生計を立てていた。また兄ノエルも政治家であり、ダブリン・ノースウェスト選挙区選出でドイル議員に選出されている。

父親のコンは1904年にコーク州[[キンセール]]近郊のバリーフィアードの農家に生まれた<ref name="AhernDa">{{Cite web|date=2007-04-28|url=http://www.independent.ie/unsorted/features/who-was-berties-da-47133.html|title=Who was Bertie's da?|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。母親ジュリアもまた農家の出で、コーク集西部のキャッスルドノヴァン生まれである。コンは1930年代に、司祭に就くためにコーク州を出てダブリンに移ったが、[[ヴィンセント修道会]]での修得を終えることができなかった<ref name="IT7Apr98"/><ref name="AhernDa"/>。コンは[[アイルランド内戦]]を戦い、またエイモン・デ・ヴァレラや反[[英愛条約]]派の[[アイルランド共和国軍 (1922年-1969年)|共和国軍]]を支持した<ref name="AhernDa"/>。コンは共和国軍第3コーク旅団に加わり<ref name="IT7Apr98"/>、独立戦争後も数十年にわたって過激共和派に属し、1990年に永眠した。ジュリアは1998年に87歳で世を去り、ダブリンの[[グラスネヴィン・セメタリー]]に埋葬された<ref>{{Cite web|date=1998-04-17|url=http://historical-debates.oireachtas.ie/S/0155/S.0155.199804070003.html|title=Seanad Éireann - Volume 155 - 07 April, 1998 - Order of Business.|publisher=Oireachtas|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|date=1998-04-07|url=http://www.independent.ie/national-news/mother-remained-ff-leaders-most-unswerving-supporter-447767.html|title=Mother remained FF leader's most unswerving supporter|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

アハーンはドラムコンドラの聖パトリック国民学校とホワイトホールの聖アイダン・クリスチャンブラザーズで学んだ。その後、[[ダブリン工科大学]]のラスマインズ・カレッジ・オブ・コマースで第3段階教育を受ける。自身や他者による人物紹介では、アハーンは[[ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン]]や[[ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス]]で学んだとしているが、両大学にはアハーンが学生として在籍していたという記録がない<ref>{{Cite web|date=2006-10-19|url=http://www.independent.ie/unsorted/features/lies-damned-lies-and-cvs-74149.html|title=Lies, damned lies... and CVs|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

アハーンは[[ダブリン・メイター病院]]の経理部門に勤務していたが、2006年のテレビでのインタビュー<ref>{{Cite web|date=2006-09-27|url=http://www.publicinquiry.eu/2006/09/27/brian-dobson-interview-with-bertie-ahern-full-text/|title=Brian Dobson interview with Bertie Ahern|publisher=Public Inquiry|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>や2008年5月のラジオでのインタビュー、所属政党のウェブサイト<ref>{{Cite web|url=http://www.fiannafail.ie/people/bertie-ahern/|title=Bertie Ahern, TD|publisher=Fianna Fáil|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>などでは会計士を自称しているものの、いずれの会計士協会からも資格を受けていない。『[[アイリッシュ・インデペンデント]]』紙はアハーンを経理事務としている<ref>{{Cite web|last=Ruane|first=Medb|date=2008-04-05|url=http://www.independent.ie/opinion/columnists/medb-ruane/when-he-was-good-he-was-very-very-good-when-he-was-bad-he-was-forgiven-1339112.html|title='When he was good, he was very, very good. When he was bad, he was forgiven'|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

1972年までにアハーンは後の妻となる、アハーン家の近くに住んでいた銀行員ミリアム・ケリーに出会っている。アハーンとケリーは1975年に結婚した。アハーンはジョージナと[[セシリア・アハーン|セシリア]]の2人の娘に恵まれた。ジョージナは[[ウエストライフ]]の[[ニッキー・バーン]]と結婚し、セシリアはベストセラー作家となっている。

アハーンとミリアムは1992年に別居している。2003年までアハーンは公務員セリア・ラーキンと愛人関係にあった。このためアハーンは法律上の別居をしていた最初の首相となった<ref name="Independent250508">{{Cite web|date=2005-07-20|url=http://www.independent.ie/national-news/ahern-added-larkin-name-to-board-list-250508.html|title=Ahern added Larkin name to board list|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

アハーンは敬虔な[[カトリック教会|カトリック教徒]]である。毎週土曜日の晩にはダブリンの[[聖マリア臨時司教座聖堂]]でのミサに列席している<ref>{{Cite web|date=2003-07-13|url=http://www.independent.ie/national-news/fallout-from-bertie-and-celias-long-goodbye-492874.html|title=allout from Bertie and Celia's long goodbye|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。ところがアハーンはセリア・ラーキンとの愛人関係を公にしていることで、かつてのダブリン大司教デスモンド・コネルに批判されている。ラーキンは2005年7月に、アハーンの推薦によって国立消費者公社の取締役に任命された<ref name="Independent250508"/>。

アハーンはスポーツの熱狂的なファンである。[[ダブリンGAA]]のサポータであり、[[クローク・パーク]]の試合を観戦している<ref>{{Cite web|date=2008-04-02|url=http://www.hoganstand.com/ArticleForm.aspx?ID=92252|title=Dublin board thanks Bertie|publisher=Hoganstand.com|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。また[[マンチェスター・ユナイテッドFC]]を応援し、[[オールド・トラッフォード]]での試合や[[ランズダウン・ロード]]でのラグビーの試合も観戦する。2001年には [[RTÉ Two]] の番組 ''The Premiership'' に評論家として出演している<ref>{{Cite web|date=2001-09-09|url=http://www.breakingnews.ie/archives/2001/0909/ireland/cwmhaumhau/|title=FG slams Taoiseach's appearance on RTE|publisher=BreakingNews.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

== 政界入り後 ==
アハーンは1965年の補欠選挙の活動で、ドラムコンドラの街灯によじ登って選挙ポスターを吊り下げたというところからフィアナ・フォイルにかかわっていくようになる<ref name="BBC5398736">{{Cite web|date=2006-10-03|url=http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/5398736.stm|title=Profile: Bertie Ahern|publisher=BBC News|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。この選挙期間中にアハーンは政治における師で、のちに首相となる[[チャールズ・ホーヒー]]と出会う。アハーンは17歳のときに[[フィアナ・フォイル]]の党員となり、1969年の総選挙ではホーヒーの選挙区で応援活動を行なった。

アハーンが初めて立候補したのは1977年の総選挙であり、この結果フィアナ・フォイルは単独政権を発足させた。アハーンは新設されたダブリン・フィングラス選挙区で[[単記移譲式投票|選好第1位]]として4000票を集めて当選した。この選挙以降、アハーンは国内でも票を多く受ける候補の1人となっていた。

議員となって間もない頃は、アハーンは無名で議場でも後方に座る新人であったが、野心的な行動を示すこともあった。1979年、選挙区も同じであるホーヒーと[[ジョージ・コリー]]が党首、そして首相の座を争った。このときアハーンは、1970年代半ばから保健委員会でともに行動してきたホーヒーを支持していたとされている。ホーヒーがコリーとの決戦に勝利したことで、アハーンは首相府担当国務大臣補佐に任命された。

1980年、首相府担当国務大臣である[[ショーン・ムーア]]の持病により、事実上アハーンが首相府担当国務大臣職を務めるようになっていった。1981年から1982年にかけての3回の総選挙でアハーンは個人得票を増やしていき、同じ選挙区から立候補したかつての首相候補であるコリーの得票数すらも上回った<ref>{{Cite web|url=http://www.electionsireland.org/result.cfm?election=1981&cons=85|title=22nd Dáil - Dublin Central First Preference Votes|publisher=ElectionsIreland.org|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。短命に終わった1982年のフィアナ・フォイル政権でアハーンは首相府担当国務大臣を務めた。フィアナ・フォイルはその後5年間を野党として過ごすこととなり、この期間にアハーンはドイルの労働委員会委員を務め、また1986年には[[ダブリン市長]]となった。

== 閣僚経験 ==
=== 労働相 ===
1987年、フィアナ・フォイルは少数与党でありながらも政権を奪還した。アハーンは労働相に就任したものの、労働相は当初あまり重要な役職と考えられていなかった。しかしながらその後数年間において、労働省はアイルランドの下降する経済を刺激する点において重要な役割を担うようになっていった<ref>{{Cite web|last=Taft|first=Michael|url=http://www.irishelection.com/2008/09/the-recession-diaries-farewell-pds-we-wish-we-hardly-knew-ye/|title=The Recession Diaries: Farewell, PDs ? We Wish We Hardly Knew Ye|publisher=Irish Election|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。政府を代表して、アハーンは労使間の間で賃金の合意について協議した。この協議と以後の賃金交渉の合意は「アイリッシュ・モデル」と呼ばれるようになり、多くのヨーロッパ諸国でも採り入れられていった<ref>{{Cite web|last=Molony|first=Senan|date=2008-09-18|url=http://www.independent.ie/business/irish/the-unbaptised-child-in-the-family-of-wage-agreements-1477386.html|title=The 'unbaptised child' in the family of wage agreements|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

1989年、ホーヒーは総選挙を前倒しして実施した。フィアナ・フォイルは議席を失い、[[進歩民主党 (アイルランド)|進歩民主党]]との[[連立政権]]樹立を余儀なくされた<ref>{{Cite web|last=O'Callaghan|first=Jerry|date=1989-07-12|url=http://www.rte.ie/laweb/ll/ll_t08j.html|title=Unlikely partners, Progressive Democrats & Fianna Fáil form coalition|publisher=RTÉ|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。アハーンは引き続き労働相として閣内にとどまった。

1990年、アハーンは大統領選挙で同輩閣僚の[[ブライアン・パトリック・レニハン]]陣営の選挙運動を指揮することとなった<ref>{{Cite web|date=2008-10-05|url=http://www.tribune.ie/news/home-news/article/2008/oct/05/profile-brian-lenihan-minister-for-finance-politic/|title=Profile Brian Lenihan, Minister for Finance - Political life of Brian starts now|publisher=tribune.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。ところが圧倒的に有利であるはずのレニハンが無所属候補の[[メアリー・ロビンソン]]に敗北したことで選挙運動の責任者であるアハーンの失態が目立つ結果となり、アハーンは大きな打撃を受けた。

1991年、フィアナ・フォイルと進歩民主党の政権協定が見直された。アハーンはこの協議でふたたび重要な役割を果たした。政権維持の望みが揺らいだところでアハーンは両党間の亀裂を埋め、連立は軌道に戻った。この一連の協議の結果に対してホーヒーはアハーンを「協議に参加した中でもっとも熟練し、もっとも腹黒く、もっとも狡猾だ」と評した<ref name="BBC5398736"/>。

=== 財務相 ===
1991年11月、当時財務相であった[[アルバート・レイノルズ]]が党首選挙に立候補し、ホーヒーに挑んだ。このときアハーンはホーヒー支持を表明していた。レイノルズは敗れ、自身とその支持派は内閣を追われた。内閣改造でアハーンは財務相に就任した。

=== レイノルズ政権 ===
1992年初頭、ホーヒーは首相と党首を辞任した。アハーンはホーヒーらに、その後任に名乗りを挙げるよう促された。ところがアハーンは慎重な姿勢を持ち、党首選挙への立候補を見送った。これによりレイノルズが党首、そして首相に就任した。このときアハーンはレイノルズとの間で、自らが引く代わりにレイノルズ政権での閣僚に残すという内容の取り決めがあったとされている。前政権での主要閣僚のうちたアハーンと[[マイケル・ウッズ]]の2人だけがレイノルズ政権に残り、アハーンは引き続き財務相を務めることとなった。

1992年の総選挙を受けて、フィアナ・フォイルは[[労働党 (アイルランド)|労働党]]と連立政権を発足させることになった。ところがこの政権は、高等裁判所人事に関するレイノルズ案に対して労働党が反発し、連立を離脱したことによって終焉した。アハーンは労働党党首の[[ディック・スプリング]]が務めていた副首相を引き継いだものの、その後まもなく政権は崩壊し、レイノルズは首相と党首を辞任した。

1993年、当時アハーンは財務相に在任していたが、このとき複数の企業から合計39,000[[アイルランド・ポンド]]を受け取っていた。この収入については2006年まで明るみに出ることがなかった<ref name="RTE26Sep2006">{{Cite web|date=2006-09-26|url=http://www.rte.ie/news/2006/0926/ahernb.html|title=Taoiseach details payments of IR￡39,000|publisher=RTÉ News|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

== フィアナ・フォイル党首 ==
1994年11月19日、アハーンはレイノルズの後を受けてフィアナ・フォイル第6代党首となった。このとき1959年の[[ショーン・レマス]]のとき以来となる、無投票での党首選出であった。

党首就任からまもなくアハーンは労働党の政権残留協議を開始した。このとき連立維持、アハーンの首相就任が見込まれていたが、あらたな対立が生じたことで労働党は連立を離脱し、アハーンは野党党首となった。

1997年の総選挙でフィアナ・フォイルはアハーンの人気に頼った運動を展開した。フィアナ・フォイルは議席を増やし、4人の無所属議員の支持を得ながら進歩民主党との連立を組んだ。1997年6月26日、アハーンは45歳という史上最年少でアイルランド首相に就任した。

== 首相在任（1997年 - 2002年） ==
=== 当初の懸案事項 ===
アハーンの第1次政権の最初の6か月は課題が積まれていた。まず、アハーンは[[デイヴィッド・アンドリューズ (アイルランドの政治家)|デイヴィッド・アンドリューズ]]を国防相兼外務政務次官に指名しようとした。ところが、このような閣僚と下位の役職とを兼務させることは憲法に反するため、アハーンは再検討を迫られた。

次に、首相就任の翌月となる7月に、ホーヒーが小売業の[[ダンズ・ストア]]創業者である[[ベン・ダン]]から130万アイルランド・ポンド相当の物品を受け取っていたことについて審理する[[ブライアン・マクラケン|マクラケン法廷]]に、かつては否定していたものの、自ら証拠を提出するということがあった。しかしながらこの件では政権よりもホーヒー個人の評価のほうへの打撃が大きかった。

そしてアハーン政権で外相となっていた[[レイ・バーク]]の疑惑が再び浮上した。バークは30,000アイルランド・ポンドの賄賂を受け取っていたことを認めて辞任を余儀なくされた。この2件に対して政府は[[マイケル・モリアーティ|モリアーティ法廷]]と[[ファーガス・フラッド|フラッド法廷]]を設置した。就任6か月で最も高く評価されたのは [[IRA暫定派]]の休戦が再開したことであり、これで[[北アイルランド]]との協議再開への道が開けた。

=== 和平プロセス ===
アハーンの1期目における大きな功績として[[ベルファスト合意]]、あるいは「聖金曜日合意」への協議を開始したことが挙げられ、この協議で[[イギリス]]、アイルランド両国政府と北アイルランドのほとんどの政党が、北アイルランドの権力分担に向けた「もっぱら平和的かつ民主的な (exclusively peaceful and democratic)」枠組みを設置することとなった。ベルファスト合意は1998年4月10日に調印された。ベルファスト合意は各政党だけでなく、イギリス、アイルランド両国政府とアイルランド共和国および北アイルランドの市民にも支持された。

合意と、合意によってなされた休戦と政治構造により和平が進められた。この協議を通じてアハーンは[[イギリスの首相|イギリス首相]][[トニー・ブレア]]との関係を強めていった。1998年11月26日、ブレアはイギリスの首相として初めてドイルで演説した。また2003年9月24日には、アハーンとブレアは聖金曜日合意によってイギリスと北アイルランドに平和をもたらしたことに対してともに[[トーマス・J・ドッド国際正義人権賞]]を受賞した<ref>{{Cite web|url=http://doddprize.uconn.edu/2003.htm|title=Thomas J. Dodd Prize in International Justice and Human Rights 2003 Awards|publisher=Thomas J. Dodd Research Center, University of Connecticut|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。2008年5月22日、アハーンとブレアは和平プロセスにおける功績が認められ、[[クイーンズ大学ベルファスト]]の名誉博士号を受けた。総長のジョージ・ミッチェルはアハーンを「平和をもたらし、橋を架けた人物 "a man of peace and a builder of bridges"」と称えた<ref>{{Cite web|date=2008-05-21|url=http://www.qub.ac.uk/home/TheUniversity/GeneralServices/News/ArchivesPressReleases-CampusNews/2008PressReleases/05-2008PressReleases/#d.en.101096|title=Blair and Ahern to be honoured for role in Northern Ireland peace process|publisher=Queen's University Belfast|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

=== 経済 ===
アハーンの首相在任中はアイルランドの高度経済成長期、いわゆる「[[ケルトの虎]]」と重なる。繁栄と生活水準の向上はケルトの虎がもたらした成果であった。他方で公共医療や運輸部門における社会基盤を整備していったことで赤字が増大していった<ref>{{Cite web|last=O'Toole|first=Fintan|date=2009-01-03|url=http://www.irishtimes.com/newspaper/weekend/2009/0103/1230842381566.html?via=mr|title=Can we remake Ireland's future?|publisher=The Irish Times|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

=== 2002年総選挙 ===
史上第2位となる長さとなった第28期ドイルは任期満了を迎えた。フィアナ・フォイルと進歩民主党による連立は、5月17日の総選挙で過半数を得たことで引き続き政権を担うこととなった。フィアナ・フォイルは単独での過半数獲得を目指したが、目標の84議席に3議席届かなかった。連立政権はドイルにおいて、フィアナ・フォイルと8人の進歩民主党所属議員で構成されることとなった。政権が選挙で再任されたのは、1969年の[[ジャック・リンチ]]政権以来となった。このとき野党の[[フィナ・ゲール]]は議席を大幅に減らした。

== 首相在任（2002年 - 2007年） ==
[[File:Bush Blair Ahern in Northern Ireland 2003.jpg|thumb|right|300px|左から[[アメリカ合衆国大統領]][[ジョージ・W・ブッシュ]]、[[イギリスの首相|イギリス首相]][[トニー・ブレア]]、アハーン（2003年4月8日、北アイルランドの[[ヒルズボラ城]]にて）]]
2002年の総選挙からまもなくして、世界経済やアイルランド国内の経済が減速したことにより財政支出の削減が発表されたが、これは議論を呼び起こした。選挙期間中に財務相チャーリー・マクリーヴィが「歳出削減など考えていない」と発言していたため、財政支出の削減は公約に反するものとなった。政権は世論から、とくに[[イラク戦争]]関連でも、発言と行動の不一致について批判を受けた。政権に対する世論調査での支持率は大きく落ち込み、アハーン人気も最低水準にまで落ち込んだ。

2003年には、イラク戦争に対する国内の反発があったにもかかわらず、多数の部隊を載せたアメリカ軍の輸送機が[[シャノン空港]]で燃料供給を受けていたことが発覚し、政府はこの論議に追われることとなった。アイルランドは国家樹立以来の国是として、あらゆる紛争において中立を維持することを掲げてきた。当初政府はアメリカ軍部隊がシャノン空港を使用していないとしてきたが、これが事実と異なっていることが発覚すると、政府はアメリカ軍に対してシャノン空港の使用を50年間認めていると主張した。

世論調査でのアハーンに対する支持率が低下し、また2004年の地方選挙では、フィアナ・フォイルは過去80年間で最悪の結果となった。それでもなお首相・党首交代が起こることはなく、アハーンはその後の世論調査で支持率を回復させていった。2004年にアハーンは予想に反して内閣改造を実施したものの、アハーンを脅かす存在として最有力候補と見られた[[シェイマス・ブレナン]]を閣僚から降ろすことができなかった。この内閣改造は一部からの期待に反して、新たに内閣に加わったのが3人にとどまるほどの小規模なものであった。

政権が優先する事項を変更し、また経済成長が続いたこともあって、アハーンに対する人気の落ち込みは短期間で終わった。アハーン政権では2004年3月に職場や公共の屋内における喫煙の禁止を定めた法律を施行している。また交通機関でも、ダブリンの[[ライトレール]]「[[ルアス]]」の開業、高速自動車道の新設、国有の空港運営企業[[ダブリン空港公社|エアリアンタ]]の解体といったことがあった。

[[File:Ahern-Bush-Patrick's2005.jpg|thumb|left|300px|2005年の[[聖パトリックの祝日]]の祝賀行事で、ブッシュに[[シャムロック]]の鉢を贈るアハーン]]
2004年11月、アハーンはフィアナ・フォイル党首就任から10周年を迎えた。2006年には首相在任期間がエイモン・デ・ヴァレラに次ぐ史上第2位となった。

2004年にアハーンは輪番制の[[欧州理事会議長]]を務め、この任期中に加盟国の首脳は[[欧州憲法条約]]に合意し、また[[欧州連合]]とアメリカとの関係回復や10か国の新規加盟、次期[[欧州委員会委員長]]に[[ジョゼ・マヌエル・ドゥラン・バローゾ]]の任命といったできごとがあった。

アハーン政権は[[オランダ]]の[[ネダップ]]社から電子投票システムを5200万ユーロで導入したが、このシステムの安全性に問題があり、投票結果が改ざんされるおそれがあるという指摘がなされた。

連立を組む進歩民主党は、1994年に[[マンチェスター]]での講演の報酬8,000[[スターリング・ポンド|ポンド・スターリング]]の詳細について答えるべきだとした。またマンチェスターでのアハーンの様子や宴会に出席していた人物の名前がつぎつぎと明らかになっていったこと、とくに実業家マイケル・ウォールがアハーンに住宅を売却したことが明るみに出ると、連立政権は不安定なものとなっていくおそれがあった。アハーンがドイルで2度にわたって謝罪し、政治家の倫理に関する法令の強化で合意したことにより、連立の緊迫した状況は和らいだ<ref name="expands">{{Cite web|date=2006-10-10|url=http://www.rte.ie/news/2006/1010/ahernb.html|title=Taoiseach expands upon apology in Dáil|publisher=RTÉ News|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|last=Peterkin|first=Tom|date=2007-09-15|url=http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/1563206/Ahern-tells-of-envelope-stuffed-with-50-notes.html|title=Ahern tells of envelope stuffed with ￡50 notes|publisher=Telegraph|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|last=Reid|first=Lorna|date=2008-06-17|url=http://www.independent.ie/national-news/ahern-back-to-face-tribunal-1412052.html|title=Ahern back to face tribunal|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

2006年12月にモリアーティ法廷はその報告書<ref>{{Cite web|url=http://www.moriarty-tribunal.ie/images/sitecontent_26.pdf|title=Report of the Tribunal of Inquiry into Payments to Politicians and Related Matters Part I|publisher=The Moriarty Tribunal|language=英語|format=PDF|accessdate=2009-11-15}}</ref>において、党への献金を私的流用していた当時の党首であるホーヒーに白紙小切手を渡していたことについてアハーンを非難した。さらにフィアナ・フォイルへの献金と法廷による調査で、これらの資金の管理にアハーンが関与していたという疑惑が持ち上がった。

2007年5月、アハーンは[[イギリスの議会|イギリス議会]]の上下両院での合同会議において、アイルランドの指導者として初めて演説を行なった<ref>{{Cite web|date=2007-05-15|url=http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/6656177.stm|title=Irish PM addresses UK parliament|publisher=BBC NEWS|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

=== 2007年総選挙 ===
2007年の総選挙でアハーンは3度目の勝利を得ようと考えていたが、同年4月の世論調査ではアハーンに不利な結果が出された<ref>{{Cite web|last=McConnell|first=Daniel|date=2007-04-22|url=http://www.independent.ie/national-news/ffpds-to-fall-short-by-10-seats-fg-gains-124595.html|title=FF/PDs to fall short by 10 seats, FG gains|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref name="IT1177280405061">{{Cite web|last=Colins|first=Stephen|date=2007-04-04|url=http://www.irishtimes.com/newspaper/frontpage/2007/0427/1177280405061.html|title=Alternative coalition moves ahead of Government parties|publisher=The Irish Times|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

2007年4月の世論調査では、連立与党の支持率はフィアナ・フォイルが 35%、進歩民主党が 3% であったのに対して、フィナ・ゲールと労働党の組み合わせに対しては 38% が支持するという結果が出された<ref>{{Cite web|last=Leahy|first=Pat|date=2007-04-22|url=http://www.sbpost.ie/post/pages/p/story.aspx-qqqt=NEWS-qqqs=news-qqqid=22937-qqqx=1.asp|title=Surge for FG as election race hots up|publisher=ThePost.ie|language=英語|archiveurl=http://archives.tcm.ie/businesspost/2007/04/22/story22937.asp|archivedate=2007-04-22|accessdate=2009-11-15}}</ref>。さらに4月27日の世論調査の結果ではフィアナ・フォイルと進歩民主党の支持率がそれぞれ 34%、3% となったのに対して、フィナ・ゲールと労働党はそれぞれ 31%、10% となった<ref name="IT1177280405061"/>。労働党は2007年2月の党大会で、労働者の 80% が納めている所得税の基本税率を 20% から 18% に引き下げるという公約を掲げ、メディアなどを賑わせた。フィアナ・フォイルと進歩民主党による連立政権による所得税減税は最高税率の引き下げにとどまっており、労働党の減税案はフィアナ・フォイルの敗北の可能性を強めるものとして打ち出された。

アハーンは選挙期間中、『[[サンデー・インデペンデント]]』紙の記者[[オーエン・ハリス]]の強い支持を受けた。ハリスは反アハーン運動について、自らの記者人生で見てきた中でもっとも汚いメディアの情報操作であると断じ、アハーンとフィアナ・フォイルへの支持率が低迷することは[[シン・フェイン党]]の利益となるとした<ref>{{Cite web|last=Harris|first=Eoghan|url=http://www.independent.ie/unsorted/migration/knocking-bertie-brings-provos-closer-to-power-668175.html|title=Knocking Bertie brings Provos closer to power|publisher=Independent.ieie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。その後ハリスはアハーンから総選挙後の8月3日に[[シャナズ・エアラン]]議員に任命された。

アハーンは4月にドイルを解散し、5月24日に総選挙を実施することとした。フィアナ・フォイルは前回の総選挙から3議席少ない78議席を獲得した。アハーンの政治資金疑惑が選挙運動で影を落とし、大敗する可能性があったなかで、この結果はフィアナ・フォイルの勝利とされた。他方で連立を組んでいた進歩民主党は党首が落選するなど、改選前の8議席から2議席にまで減らす敗北を喫した。

== 首相在任（2007年 - 2008年） ==
[[File:Bertie Ahern, Davos.jpg|thumb|right|200px|[[ダボス]]での[[世界経済フォーラム]]で演説するアハーン（2004年1月）]]
2007年の総選挙を受け、アハーンはフィアナ・フォイル、[[緑の党 (アイルランド)|緑の党]]、進歩民主党による連立政権の首班として、3党以外にも無所属議員からの支持を受けて首相3期目に入ることとなった。フィアナ・フォイルが連立の相手として複数の政党と組むのは今回が初めてのことである。

政権を獲得するにあたりアハーンの総選挙後の選択肢としては、進歩民主党との連携に加えてフィアナ・フォイルに近い無所属議員2人と残る3人の無所属議員のなかの1人以上の支持をまとめることが一つ、もう一つの選択肢として緑の党か労働党のいずれかとの連携があった。結局、フィアナ・フォイルは緑の党との連携を協議し、無所属議員の[[ジャッキー・ヒーリー＝レイ]]、[[ビヴァリー・フリン]]、[[フィニアン・マグラス]]の支持を受けて3党による連立政権を発足させた。

しかしながら、いったんは献金として受け取ったものののちに借入金とされた資金問題が取りざたされると、2006年9月まで不正な行動によって政治家として傷つくこともなく、[[ポリテトラフルオロエチレン|テフロン]]宰相とまで評されたアハーンの名声は損なわれていった。アハーンは国内外のメディアから批判を受けた<ref>{{Cite web|last=Sharrock|first=David|date=2007-05-25|url=http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/europe/article1841307.ece|title=On the spot: 'Teflon Taoiseach' makes it three in a row|publisher=Times Online|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|last=McKittrick|first=David|date=2007-09-26|url=http://www.independent.co.uk/news/world/europe/implausible-evidence-takes-toll-on-the-teflon-taoiseach-403545.html|title='Implausible' evidence takes toll on the Teflon Taoiseach|publisher=The Independent|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

ところがこのような批判がなされてもなお、世論調査でアハーン政権に対する支持率が急上昇し、野党の支持率は下がっていった。世論の55から64%が、アハーンがそのような資金を受け取ったことを間違いとする一方で、フィアナ・フォイルへの支持率は 39-42% と上昇し、フィナ・ゲールが 20-26%、労働党が 10-11% となったのとは対照的な結果となった。また世論の3分の2は、アハーンは辞任するべきではないと考えていた。この世論調査はメディアの槍玉に挙げられ<ref>{{Cite web|date=2006-10-13|url=http://www.rte.ie/news/2006/1013/poll.html|title=Coalition regains lead over alternative govt|publisher=RTÉ News|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|date=2006-10-15|url=http://www.rte.ie/news/2006/1015/poll.html|title=Second poll shows big rise in Ahern's support|publisher=RTÉ News|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>、『[[アイリッシュ・タイムズ]]』紙は「われわれ国民の意見を十分に反映したものではない」と評した。

2007年5月22日にアハーンは『[[ヴィレッジ (雑誌)|ヴィレッジ]]』誌でのインタビューで、60歳で政界を引退する意思を明らかにし、長くて2012年まで続くことになっている当時のドイルの任期満了を待たずに首相から退くとした<ref>{{Cite web|last=Hannon|first=Katie|date=2007-05-22|url=http://www.village.ie/Election_07/Key_Players/Village_Interview_with_Bertie_Ahern/|title=Village Interview with Bertie Ahern|publisher=Village|language=英語|archiveurl=http://web.archive.org/web/20071121003857/http://www.village.ie/Election_07/Key_Players/Village_Interview_with_Bertie_Ahern/|archivedate=2007-11-21|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

2007年7月4日、アハーンは[[ドニゴール州]]での集会において、経済情勢を傍観したり、あるいは不平を漏らしたりしている人がなぜ自殺しないのか理解できないと発言した<ref>{{Cite web|date=2007-07-04|url=http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/6270884.stm|title=Ahern sorry over suicide remarks|publisher=BBC NEWS|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。この失言はアイルランド経済が低迷し<ref>{{Cite web|date=2007-07-06|url=http://www.rte.ie/business/2007/0706/jobless.html|title=First sign of weaker jobs market?|publisher=RTÉ News|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>、[[アイルランド不動産バブル|バブル]]状態だった不動産価格が最大で 10% 下落したころになされたものであった。

アハーンが政治資金の問題を追及するマーン法廷に出廷した直後の2007年9月の世論調査では、アハーンの会計処理を信用していると答えた有権者の割合は3分の1を下回った<ref>{{Cite web|last=Leahy|first=Pat|date=2007-09-23|url=http://www.sbpost.ie/post/pages/p/story.aspx-qqqt=IRELAND-qqqs=news-qqqid=26864-qqqx=1.asp|title=Only a third of voters now believe Ahern|publisher=ThePost.ie|language=英語|archiveurl=http://archives.tcm.ie/businesspost/2007/09/23/story26864.asp|archivedate=2007-09-23|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

それまで野党はアハーンの資金問題で沈黙してきたが、2007年9月に労働党党首の[[エイモン・ギルモア]]はマーン法廷に出廷するにまで至ったアハーンに辞任を要求した。

フィナ・ゲール党首の[[エンダ・ケニー]]はマーン法廷でのアハーンの「だらだらとまとまりのない」答弁を強く批判した。ケニーは宣誓をしたはずのアハーンの法廷での証言が「だんだん変わってきている」と指摘し、「信頼性に難があり、首相の資質が問われるものとなっている」と糾弾した<ref>{{Cite web|date=2007-09-24|url=http://www.independent.ie/national-news/kenny-blasts-rambling-ahern-1086177.html|title=Kenny blasts 'rambling' Ahern|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

9月26日のドイル再開にあたり、ケニーはマーン法廷での発言からアハーン政権に対する不信任動議を提出した。これに対して緑の党、進歩民主党、政権寄りの無所属議員はこの動議に反対した。3時間にわたる議場での激しいやり取りで、アハーンは「虚偽」発言を追及され、辞任を求められた<ref>{{Cite web|date=2007-09-27|url=http://www.independent.ie/national-news/ahern-accused-of-making-up-stories-to-fit-the-facts-1089524.html|title=Ahern accused of making up stories to fit the facts|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

不信任動議はフィアナ・フォイル議員のほか、緑の党6人、進歩民主党2人、無所属議員4人が政権支持にまわったことで、81対76で否決された。しかしながら2007年11月の世論調査<ref>{{Cite web|date=2007-11-03|url=http://www.irishtimes.com/newspaper/frontpage/2007/1103/1193444480773.html|title=Three in four voters unsatisfied by Ahern's testimony|publisher=The Irish Times|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>では、有権者の4分の3がアハーンはマーン法廷で資金源について十分な説明をしなかったと考えていた。またこの調査では有権者の半数以上が、資金に関する一連の疑惑がアハーンの重大な政治問題と考えていた。

2008年1月22日の世論調査では、78% の回答者がアハーンの資金源と納税に関する問題で真相が明らかになっていないとし、明らかになったと回答した割合はわずか 14% にとどまった<ref>{{Cite web|date=2008-01-01|url=http://www.irishtimes.com/newspaper/frontpage/2008/0125/1201073558953.html|title=Voters divided on whether Taoiseach should resign|publisher=The Irish Times|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

2008年2月22日に環境相の[[ジョン・ゴームリー]]は、マーン法廷で首相について明らかになった事実のために政府の仕事が難しくなっていると発言した<ref>{{Cite web|date=2008-02-23|url=http://www.independent.ie/breaking-news/national-news/politics/gormley-mahon-revelations-distracting-government-1296350.html|title=Gormley: Mahon revelations distracting government|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

またこれと同じ日に野党各党は首相の資金問題を「国の恥」という烙印を押し、早期に辞任に追い込もうとした<ref>{{Cite web|last=Kerr|first=Aine|date=2008-02-23|url=http://www.independent.ie/national-news/calls-for-embarrassing-taoiseachs-resignation-1296235.html|title=Calls for 'embarrassing' Taoiseach's resignation|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

1990年代に[[アイリッシュ・ライフ・アンド・パーマネント|アイリッシュ住宅金融組合]]のドラムコンドラ支店にあるアハーンの預金口座にポンド・スターリングを預金していたことを元秘書のグレイン・カルースが認めたことで、フィアナ・フォイルに衝撃が走った<ref>{{Cite web|last=Quinlan|first=Ronald|date=2008-03-23|url=http://www.independent.ie/national-news/fianna-fail--tds--to-see--cowen-over--aherns-fate-1325402.html|title=Fianna Fail TDs to see Cowen over Ahern's fate|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。2008年3月27日、マーン法廷でのアハーンとカルースの証言が食い違うことに困惑が広がり、かつてフィアナ・フォイルに所属していた進歩民主党党首の[[メアリー・ハーニー]]はアハーンに釈明を求めた。

連立政権内の動揺はさらに拡大し、緑の党党首のゴームリーもアハーンに対して元秘書との証言の矛盾について説明するべきだと発言した<ref>{{Cite web|last=Brennan|first=Michael|coauthors=Kerr, Anie; Sheahan, Fionnan|date=2008-03-28|url=http://www.independent.ie/national-news/ahern-no-as-partners-urge-him-to-come-clean-1329287.html|title=Ahern 'No' as partners urge him to come clean|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|last=Collins|first=Stephen|date=2008-03-03|url=http://www.irishtimes.com/newspaper/frontpage/2008/0328/1206144820020.html?via=mr|title=Greens and PDs call on Ahern to clarify clash of evidence|publisher=The Irish Times|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

2007年11月25日に発表された世論調査の結果<ref>{{Cite web|last=Smyth|first=Sam|date=2007-11-26|url=http://www.independent.ie/opinion/analysis/beleaguered-bertie-is-just-crawling-towards-christmas-1230333.html|title=Beleaguered Bertie is just crawling towards Christmas|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>では、経済の不確実さが続く状況に反して政府や高級官僚の俸給が大幅に増額することが発表され、また公共医療の機能不全といったことを受けてフィアナ・フォイルに対する支持率が7%下がった。

2008年4月2日、アハーンは翌月6日に首相と党首を辞任する意思を明らかにした。

2008年4月30日、[[ワシントンD.C.]]でアハーンは[[アメリカ合衆国議会]]で演説を行なった。アイルランドの指導者として同国議会で演説したのはアハーンで6人目であった<ref>{{Cite web|date=2008-04-30|url=http://www.independent.ie/breaking-news/national-news/politics/ahern-to-give-historic-address-to-us-congress-today-1362679.html|title=Ahern to give historic address to US Congress today|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。またイギリス議会とアメリカ合衆国議会の両方で演説を行なった人物としても、アハーンは6人目となった<ref>{{Cite web|date=2008-04-29|url=http://www.independent.ie/breaking-news/national-news/ahern-flies-out-to-us-to-address-congress-1362448.html|title=Ahern flies out to US to address Congress|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

2008年5月6日、アハーンは首相最後の公務として、北アイルランド首相の[[イアン・ペイズリー]]とともに[[ボイン川の戦い]]観光センターの開館式典に出席した。

== アハーンをめぐる論争 ==
=== 不透明な報酬の管理 ===
アハーンはマーン法廷から、当時首相だったホーヒーに対して使途を確認することなく白紙小切手に署名したことを糾弾された。アハーンは法廷で、白紙小切手に署名したことは「運営上の便宜」のためにフィアナ・フォイル党首名義の預金口座に使われたと発言した<ref>{{Cite web|last=Corcoran|first=Jody|date=2006-08-20|url=http://www.independent.ie/national-news/ahern-rapped-over-blank-cheques-133863.html|title=Ahern rapped over blank cheques|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。また2006年9月に『アイリッシュ・タイムズ』紙はマーン法廷から不正に漏洩された、アハーンが1993年に財務相に在任していたときにある実業家から金銭を受け取ったとする内容の情報を掲載した。

『アイリッシュ・タイムズ』は、『[[サンデー・ビジネス・ポスト]]』に対して漏洩文書の発行を差し止めた最高裁判所の判断に賛同しないと表明し、マーン法廷での尋問は世間が関心を持つものであるとして発行を弁護した。この最高裁判所の命令は『サンデー・ビジネス・ポスト』に対して下されたものだが、この仮命令は審理で得られた信頼できる情報の公表をすべてのメディアに対して差し止めたものであった。

アハーンは金銭を受け取ったことを認めたが、インタビューで次のように発言している。<ref>{{Cite web|last=Sheahan|first=Fionnan|date=2006-09-22|url=http://www.independent.ie/national-news/gift-tax-was-properly-dealt-with-but-no-figure-on-cash-79524.html|title=Gift tax was 'properly dealt with' but no figure on cashs|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。
<blockquote>''私が個人的にもらったものは、はっきり言わせてもらうと、きみには関係のないことだろう。私がだれかからプレゼント、あるいはそのようなものとしてなにかを受け取ったのならば、私はそれを使ってもかまわないのだからね。''</blockquote>
しかしながらアハーンは野党時代の1996年に、次のように発言している<ref>{{Cite web|url=http://historical-debates.oireachtas.ie/D/0474/D.0474.199702060007.html|title=Dáil Éireann - Volume 474 - 06 February, 1997 - Financial Resolutions, 1997. - Tribunal of Inquiry into Alleged Payments by Dunnes Stores: Motions.|publisher=Oireachtas|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。
<blockquote>''国民は自ら選出した議員や役人、そしてとくに大臣が資金に関してきれいであるという絶対的な保証を持つ権利を持っているのです。こういった公人は誰に対しても金銭上の債務を負わないのだと認識している必要があります。''</blockquote>
『アイリッシュ・インデペンデント』と『アイリッシュ・タイムズ』はこの2つの発言の矛盾を社説で批判している<ref>{{Cite web|date=2006-09-23|url=http://www.independent.ie/opinion/editorial/politics-today-is-all-about-survival-and-bertie-is-a-true-master-of-the-art-79706.html|title=Politics today is all about survival, and Bertie is a true master of the art|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|last=Keena|first=Colm|coahthors=Collins, Stephen|date=2006-09-09|url=http://www.irishtimes.com/newspaper/frontpage/2006/0923/1158590929587.html|title=Monies given to Taoiseach were repayable|publisher=The Irish Times|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

この資金のやり取りが発覚してから6日後、アハーンは1993年と1994年に合計で39,000アイルランド・ポンドを受け取っていたことをテレビのインタビューで認めた<ref>{{Cite web|date=2006-09-27|url=http://www.independent.ie/national-news/crying-gamedobbos-your-uncle-80220.html|title=Crying game...Dobbo's your uncle|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|date=2006-09-26|url=http://www.rte.ie/news/2006/0926/ahernb.html|title=Taoiseach details payments of IR￡39,000|publisher=RTÉ News|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。アハーンはこの資金を当初は借入金としていたが、インタビューを受けたときには返済も利息の支払もしていなかった。これについてアハーンは受け取った資金を返還しようとしたが、友人が受け取ろうとしなかったのだと述べた。そのうえでアハーンは政治倫理上でも、税制上でも、そのほかの法令においてもなんら間違いを犯していないと主張した。

しかしながら2007年11月28日に[[NCBグループ]]最高経営責任者のパドレイク・オコナーはマーン法廷において、古くからの友人が貸付を行なったのは1993年のクリスマス以降のことだとする主張を真っ向から否定した<ref>{{Cite web|last=Molony|first=Senan|date=2007-11-29|url=http://www.independent.ie/national-news/top-broker-says-ahern-not-telling-the-truth-on-digout-1232552.html|title=Top broker says Ahern not telling the truth on 'dig-out'|publishre=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

さらにこのテレビ向けインタビューでアハーンはマンチェスターの企業経営者25人から8,000ポンド・スターリングを受け取ったことを認めた。これについてアハーンは求めてもいないのに受け取らされた献金であり、国外で受け取ったものである以上は非課税だと主張し、また会食後にスピーチを行なったことに対して支払われたものだとした。さらにアハーンは私人としてで受け取ったものあって、財務相として贈られたものではないとし、またこのほかの会合の場では一切の金銭を受け取っていないと述べた。これに対して2006年9月30日付の『アイリッシュ・タイムズ』の記事では、この金銭のやり取りの一部は、実際にはアイルランドの大手投資銀行であるNCBストック・ブローカーズ宛の小切手であったと報じた。またアハーンの支持者の多くが国の機関の役員となっていた<ref>{{Cite web|date=2006-09-09|url=http://www.irishtimes.com/newspaper/frontpage/2006/0927/1158591102456.html|title=Ahern to face Dail questions over €50,000 loan not repaid|publisher=The Irish Times|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。見返りを求めたり受け取ったりしていないとしつつ、アハーンは次のように述べている。
<blockquote>''私はいろんな人に役職についてもらったが、それは彼らが友人だからであって、彼らが私になにかをくれたからではない。''</blockquote>
公職基準委員会の規定では以下のようになっている。
<blockquote>''国は当該人物の能力、適性、経験を考慮し、その利益に基いて役職に任じるものとする。''</blockquote>
またドイルの議員の行動については次のように規定している<ref>{{Cite web|url=http://www.sipo.gov.ie/en/CodesofConduct/TDs/|title=Code of Conduct fot Members od Dáil Éireann other than office holders|publisher=Standards in Public Office Commission|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。
<blockquote>''議員は行動規範の規定と理念に従って行動し、またその行動は自らの役職や議院の信用を失墜せしめることがないようにしなければならない。''</blockquote>
しかしながら世論の厳しい評価に直面し、アハーンは 5% の利息をつけた計90,000ユーロを返却した<ref>{{Cite web|date=2006-10-10|url=http://www.irishtimes.com/newspaper/ireland/2006/1002/1158591275333.html|title=Ahern repays &euro;90,000 to donors|publisher=The Irish Times|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

2006年10月3日、アハーンはドイルにおいて15分間の演説を行い、アイルランド国内の友人から受けた計39,000アイルランド・ポンドの借入と、1993年と1994年にマンチェスターで企業経営者から受け取った8,000ポンド・スターリングについて釈明した<ref>{{Cite web|last=O'Brien|first=Fergal|coauthors=Nesbitt, Louisa|date=2006-10-10|url=http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601102&sid=aW19rSaswoJs&refer=uk|title=Ireland Will Bolster Ethics Laws After Payments Furor|publisher=Bloomberg.com|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|date=2006-10-03|url=http://www.sbpost.ie/breakingnews/?c=ireland&jp=cwqlsneygbey|title=Taoiseach apologises for taking cash donations|publisher=The Sunday Business Post|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。このなかでアハーンは自らがもたらした問題について次のように述べて謝罪した。
<blockquote>''昨今の問題が発覚し、世間の皆様にご心配をおかけしてしまっていることは私自身と、私に近く親しい方々にとって不徳のいたすところであります。私の友人たち、アイルランド国民、そして本院に私の謝罪の気持ちを申し述べます。''</blockquote>

=== ポンド・スターリングの蓄財 ===
2008年3月20日、マーン法廷においてアハーンの元秘書であるグレイン・カルースが住宅金融組合のアハーンとアハーンの娘名義の預金口座に15,500ポンド・スターリングを預け入れた可能性があるということを認めた<ref>{{Cite web|date=2008-03-03|url=http://www.irishtimes.com/newspaper/frontpage/2008/0321/1206024699212.html?via=mr|title=Opposition says Ahern's fitness to lead now in doubt|publisher=The Irish Times|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|last=Corcoran|first=Jody|date=2008-03-23|url=http://www.independent.ie/opinion/analysis/now-we-are-left-with-an-appalling-vista-of-cash-and-bertie-1325329.html|title=Now we are left with an appalling vista of cash and Bertie|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

カルースはこの前日にアハーンの口座にポンド・スターリングを入金していたということを否定していたがその翌日に、記憶では現金を見たことがないとしたものの、事務処理としてアハーン名義で口座にポンド・スターリングを入金した可能性があるということを認めた。

アハーンは2008年2月の法廷での証言で、自身と自身の娘名義の口座の預金は政治家としての歳費や俸給であるとしていた。

=== あるはずのない銀行口座 ===
さらにアハーンが1994年に自らの銀行口座に預金していた50,000アイルランド・ポンドについて疑惑が浮上した。アハーンは、この預金は1987年から1994年までの間に預け入れたものであるがと主張したが、しかしながらアハーンはこの期間に実際に利用していた銀行口座を持っていなかった。この期間にアハーンは労働相を経て財務相に就任している。アハーンは労働党党首の[[パット・ラビット]]から、銀行口座を持っていなかったのならば「圧縮して靴下の中」(sock in the hot-press) に貯めていたのか、と質問された。また[[社会党 (アイルランド)|社会党]]党首の[[ジョー・ヒギンズ]]からも、「靴箱の中」(in a shoe-box) に貯めていたのか、と質問された。アハーンはこれらの質問に対して、自らの手元で貯めたものだと答えた。

=== 住宅購入の代金 ===
2006年10月5日、1994年にアハーンがマンチェスターに拠点を置くアイルランド人企業経営者のマイケル・ウォールから、ダブリンにある住宅を購入したという情報がドイルに流れた<ref>{{Cite web|date=2006-10-05|url=http://www.unison.ie/breakingnews/index.php3?ca=39&si=99422|title=Taoiseach says he paid full market value for Dublin home|publisher=Unison.ie|language=英語|archiveurl=http://www.breakingnews.ie/archives/2006/1005/ireland/cwqlsnqlaugb/|archivedate=2006-10-05|accessdate=2009-11-15}}</ref>。ウォールは1994年にマンチェスターでの催しで、アハーンに謝礼として8,000ポンド・スターリングを支払っている。この情報によって連立政権内にさらなる緊張がもたらされた。

2006年10月10日にアハーンはふたたびドイルにおいて、1990年代の初めに個人的な目的で借入や贈与を受けたことは「間違った判断」だったとした<ref name="expands"/>。さらにアハーンはその前の週に、この金銭の受け取りは問題がないとしていたことについても謝罪した。アハーンはすでに、公職にあるものがその友人から金品を提供されたときには公職基準委員会の指導を受け、その判断を仰ぐことを求める内容の政治倫理法の規定<ref>{{Cite web|url=http://www.sipo.gov.ie/en/CodesofConduct/OfficeHolders/File,729,en.pdf|title=Code of Conduct for Office Holders|publisher=Standards in Public Office Commission|format=PDF|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>に従っていると述べた。

=== 不動産開発業者からの献金 ===
アハーンについて、不動産開発業オーウェン・オカラハンから50,000アイルランド・ポンドを見返りとして受け取っていたという疑惑が浮上した。この疑惑についてアハーンは[[コーク州]]の企業経営者デニス・オブライエンを相手取って名誉既存訴訟を提起し、勝訴している。ところがキャスターの[[エーモン・ダンフィ]]はマーン法廷において、1990年代にショッピングセンター開発でアハーンに便宜を図ってもらったということをオカラハンから聞いたと証言している<ref>{{Cite web|date=2008-02-15|url=http://www.rte.ie/news/2008/0215/mahon.html|title=Ahern 'taken care of', Dunphy tells Mahon |publisher=RTÉ News|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。アハーンとオカラハンは否定したものの、元不動産開発業者のトム・ギルマーティンは、ダブリン西部にあるクオリーヴェールの土地開発に関して、1989年に50,000アイルランド・ポンドを、1993年に30,000アイルランド・ポンドをアハーンに贈ったことをオカラハンが話していたと述べている。さらにギルマーティンは、オカラハンが関心を寄せていた[[アスローン]]の土地の税制に関して、アハーンに20,000アイルランド・ポンドを渡したということをオカラハンから聞いたと主張している。この税制とは、1994年12月のフィアナ・フォイル政権が崩壊する前にアハーンが財務相として成立させた法律のこととされた。

2007年3月、マンチェスターのアハーンの後援者パディ・レイリーがアハーンの地元のダブリン・セントラル選挙区における選挙対策の責任者に任命された。これについても2007年4月にアハーンの元運転手の発言から、1994年に当時財務相だったアハーンが、いっぱいの現金を詰め込んだブリーフケースをマンチェスターに持っていったという疑惑が持たれた<ref>{{Cite web|last=Corcoran|first=Jody|date=2007-04-15|url=http://www.independent.ie/national-news/ahern-denies-air-trip-with-a-case-of-cash-124345.html|title=Ahern denies air trip with a case of cash|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。アハーンはこの疑惑を否定している。

この金銭授受の詳細はアハーンの立場を悪くするものと見られていたが、2007年の総選挙の結果ではその影響が小さいものとなった。2007年4月の世論調査では、およそ半数の有権者がアハーンは金銭授受問題について説明責任を果たしていると答えていた<ref>{{Cite web|date=2007-04-23|url=http://www.independent.ie/national-news/payments-to-ahern-the-questions-remain-44848.html|title=Payments to Ahern: the questions remain|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

=== セリア・ラーキンによる改築代金 ===
アハーンの当時愛人だったセリア・ラーキンが、アハーンがのちに購入することになる住宅の改築費用にあてるためにマイケル・ウォールから30,000アイルランド・ポンドを受け取っていたという疑惑が2007年5月に浮上した<ref>{{Cite web|last=Nesbitt|first=Louisa|date=2007-05-06|url=http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601085&sid=ajvtEJaxu3J8&refer=europe|title=Ireland's Ahern Urged to Disclose Finances in Full|publisher=Bloomberg.com|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

2008年2月2日にマーン法廷で、アハーンの元愛人セリア・ラーキンが1993年に購入した住宅の代金はドラムコンドラにあるアハーンの選挙区団体に寄付された資金で賄われたとされていた<ref>{{Cite web|last=Keena|first=Colm|date=2008-02-02|url=http://www.irishtimes.com/newspaper/frontpage/2008/0223/1203619293524.html|title=Celia Larkin bought house with Ahern cumann money|publisher=The Irish Times|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。ところがこの資金がラーキンに対する貸し付けであると示したり、あるいは口座からおよそ30,000ポンドが引き出されたことを証明したりする記録がなかった。ダブリンの企業経営者ティム・コリンズはアハーンが、ラーキンが30,000ポンドを借り受けたとされている、いわゆる BT 口座の共同名義人であることを否定した。コリンズは、デス・リチャードソンとは DT 口座を共有していても、 BT 口座が Bertie と Tim を指すものはないとしたのである<ref>{{Cite web|date=2008-03-13|url=http://www.rte.ie/news/2008/0313/mahon.html|title=Ahern 'not joint holder' of BT account|publisher=RTÉ News|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

=== マーン法廷への出廷 ===
2007年9月13日、アハーンは4日間の日程でマーン法廷に出廷することとなった。この日、アハーンはマーン法廷に協力してこなかったことを認めた。弁護団は、もたらされた情報はアハーンが「認めます」と答えた「アハーンに向けられた質問をすべて網羅していなかった」と述べた<ref>{{Cite web|url=http://www.planningtribunal.ie/images/SITECONTENT_734.pdf|title=Planning Tribunal transcript|pages=p. 107|publisher=The Tribunal of Inquiry into Certain Planning Matters & Payments|language=英語|format=PDF|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|last=Keena|first=Colm|coauthors=Cullen, Paul; Gartland, Fiona|date=2007-09-09|url=http://www.irishtimes.com/newspaper/frontpage/2007/0914/1189076335486.html|title=Ahern accepts he failed to give complete information|publisher=The Irish Times|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。翌日の9月14日、アハーンが問題となった25,000アイルランド・ポンドに関する言い分が変わったことを受け、アハーンの法廷における証言の矛盾が明確となった<ref>{{Cite web|date=2007-09-15|url=http://www.independent.ie/national-news/cracks-begin-to-show-in-ahernrsquos-testimony-1080991.html|title=Cracks begin to show in Ahern’s testimony|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。1週間後の9月21日、アハーンは再度言い分を替え、問題の核心を思い出せないと発言した<ref>{{Cite web|date=2007-09-21|url=http://www.independent.ie/national-news/ahern-cash-trail-judges-home-in-on-the-gaps-1084849.html|title=Ahern cash trail: judges home in on the 'gaps'|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

裁判長のアラン・マーンは、「アハーン首相から提出された出入金記録には、本法廷がその記録をたどることを困難にするような重大な乖離がある」とした<ref>{{Cite web|url=http://www.planningtribunal.ie/images/SITECONTENT_738.pdf|title=Planning Tribunal transcript|pages=p. 65|publisher=The Tribunal of Inquiry into Certain Planning Matters & Payments|language=英語|format=PDF|accessdate=2009-11-15}}</ref>。判事ジェラルド・キースは1990年代初頭の30,000ポンド・スターリングの買い物について「記憶がない」としたことを<ref>{{Cite web|url=http://www.planningtribunal.ie/images/SITECONTENT_738.pdf|title=Planning Tribunal transcript|pages=p. 97|publisher=The Tribunal of Inquiry into Certain Planning Matters & Payments|language=英語|format=PDF|accessdate=2009-11-15}}</ref>、別の判事メアリー・ファハティはアハーンが1995年1月に[[アライド・アイリッシュ銀行]]のオコンネル・ストリート支店の口座から50,000アイルランド・ポンドを引き出した理由の説明がまったくの正反対であることをそれぞれ糾弾した<ref>{{Cite web|url=http://www.planningtribunal.ie/images/SITECONTENT_738.pdf|title=Planning Tribunal transcript|pages=p. 116|publisher=The Tribunal of Inquiry into Certain Planning Matters & Payments|language=英語|format=PDF|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

9月24日、銀行に残る記録や元愛人ラーキンの証言とアハーンの発言が食い違うと法廷が断定したことにアハーンも同意したことで、矛盾、記憶の齟齬、宣誓をしたうえでのアハーンの証言<ref>{{Cite web|date=2007-09-09|url=http://www.irishtimes.com/newspaper/frontpage/2007/0925/1190324697743.html|title=Taoiseach agrees bank records clash with his version|publisher=The Irish Times|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>との相違がさらに生じた。アハーンは「銀行の記録が正確であるならば、ラーキン氏がその日に28,772.90アイルランド・ポンド相当のポンド・スターリングの両替を行なったということは事実ではありえない、ということになるでしょう」として、法廷の考え方に同意したのである<ref>{{Cite web|url=http://www.planningtribunal.ie/images/SITECONTENT_740.pdf|title=Planning Tribunal transcript|pages=p. 75|publisher=The Tribunal of Inquiry into Certain Planning Matters & Payments|language=英語|format=PDF|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|date=2007-09-25|url=http://www.independent.ie/national-news/17-hours-in-witness-box-still-no-answers-1088078.html|title=17 hours in witness box - still no answers|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

2007年12月20日と翌21日、アハーンは追加された2日間でマーン法廷から、1990年代の自身の資金について質問された<ref>{{Cite web|date=2007-12-21|url=http://www.independent.ie/breaking-news/national-news/ahern-facing-second-day-of-questions-at-mahon-tribunal-1252396.html|title=Ahern facing second day of questions at Mahon Tribunal|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

2008年1月、マンチェスターで受け取った金額に対する課税と、マンチェスターでの金銭の授受が明らかになっていなかった2002年の申告した納税状況について、国税庁と話し合っているということが明らかになった<ref>{{Cite web|last=Molony|first=Senan|date=2008-01-02|url=http://www.independent.ie/national-news/revenue-not-aware-of-gifts-when-issuing-ahern-with-cert-1255716.html|title=Revenue not aware of 'gifts' when issuing Ahern with cert|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|last=Sheahan|first=Fionnan|coauthors=Molony, Senan|date=2007-12-22|url=http://www.independent.ie/national-news/mahon-tribunal/ahern-taxman-talk-over-mystery-pound5000-1252812.html|title=Ahern, taxman talk over mystery ￡5,000|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。これについてフィナ・ゲール党首のエンダ・ケニーは、税制を守っていると堂々といえないような人物が首相の職にとどまっていることは認められないと批判した<ref name="Independent1264756">{{Cite web|date=2008-01-12|url=http://www.independent.ie/breaking-news/national-news/politics/kenny-calls-on-cowen-to-force-ahern-from-office-1264756.html|title=Kenny calls on Cowen to force Ahern from office|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

2008年2月12日、アハーンはドイルにおいてマーン法廷に提供したと述べていた情報について、マーン法廷はそのすべての情報を提示されていないということが明らかになった。さらにアハーンは高等裁判所で訴訟を提起し、2006年にドイルにおいて明らかにしていた情報についてマーン法廷が取りあげたり、アハーンに対して尋問したりしないよう求めた<ref>{{Cite web|last=Smyth|first=Sam|date=2008-02-12|url=http://www.independent.ie/national-news/privilege-judgment-may-not-apply-now-1287608.html|title=Privilege judgment may not apply now|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。
マーン法廷がアハーンの資金について公的に調査しなければならない蓄財やそのほかの取引の合計額は452,800アイルランド・ポンドを下らない。巨額の資金が1995年までに蓄えられたにもかかわらず、これらの蓄財や取引は1988年から1997年までの間になされていた<ref>{{Cite web|last=Keena|fitst=Colm|date=2008-03-03|url=http://www.irishtimes.com/newspaper/frontpage/2008/0329/1206144877731.html|title=Taoiseach's transactions now under scrutiny total ￡452,800|publisher=The Irish Times|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

2008年6月4日、アハーンは秘書が法廷で証言する以前にポンド・スターリング蓄財を知っていたことを認めたが<ref>{{Cite web|date=2008-06-04|url=http://www.independent.ie/breaking-news/national-news/ahern-knew-about-sterling-lodgements-before-secretarys-testimony-1398259.html|title=Ahern knew about sterling lodgements before secretary's testimony|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>、この日マーン法廷に出廷したアハーンはその蓄財について、競馬で予想が当たったことによるものだと述べた<ref>{{Cite web|date=2008-06-04|url=http://www.independent.ie/breaking-news/national-news/ahern-some-sterling-lodgements-were-betting-winnings-1398344.html|title=Ahern: Some sterling lodgements were betting winnings|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

=== 納税証明書 ===
2008年1月中旬、マーン法廷関係筋からもたらされた情報によると、アハーンはドイルに対して納税証明書を提出できないということが報道で明らかになった<ref>{{Cite web|date=2008-01-07|last=Sharrock|first=David|url=http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/europe/article3149098.ece|title=Bertie Ahern admits disorder in tax affairs|publisher=Times Online|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。納税証明書は国税庁が発行するものであるが、この証明書は当該人物が適切に税金を納めていることを明らかにするものである。ドイルの議員は2008年1月31日までにこの証明書をドイルの委員会に提出することが政治倫理法によって義務となっている。しかしこの証明書が提出されないということは、アハーンが国税庁との間で協議を行なっているということを示すものである。公職基準委員会は2002年の総選挙以降のアハーンの納税状況について調査するよう求められた<ref>{{Cite web|date=2008-01-19|url=http://www.rte.ie/news/2008/0119/ahernb.html|title=Fine Gael call for Ahern tax investigation|publisher=RTÉ News|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

納税証明書を提示できないという事態を受けて、アハーンに対する辞任を求める圧力がさらに強まった。またアハーンは[[ウラクタス]]の議員でただ一人、納税証明書を提出していないという状況となった<ref name="Independent1264756"/>。2008年1月14日、[[南アフリカ共和国|南アフリカ]]訪問中のアハーンはこの問題についてエンダ・ケニーを「恥知らずのうそつき (bare-faced lie)」と呼ばわった<ref>{{Cite web|last=Byrne|first=Ciaran|coauthors=Sheahan, Fionnan|date=2008-01-15|url=http://www.independent.ie/national-news/taoiseach-accuses-kenny-of-telling-a-barefaced-lie-1266388.html|title=Taoiseach accuses Kenny of telling 'a bare-faced lie'|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。またアハーンとフィアナ・フォイルの対応は税金未納問題を直接取りあげるものではなく、アハーンの納税状況についての情報が漏れたということを非難するものであった。労働党党首のギルモアは、アハーンが個人資金の報告書を少なくとも4種類提出しており、納税証明書を受け取ることができないのだと述べて、アハーン叩きに加わった<ref>{{Cite web|last=Brennan|first=Michael|coauthors=Byrne, Ciaran|date=2008-01-14|url=http://www.independent.ie/national-news/ahern-refuses-to-answer-any-questions-over-tax-controversy-1265541.html|title=Ahern refuses to answer any questions over tax controversy|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

2008年2月21日、アハーンはマーン法廷に対して初めて、1990年代の財務相在任中に受け取った報酬にかかる税金を支払っていなかったことを認めた<ref>{{Cite web|last=Black|first=Fergus|coauthors=Reid, Lorna|date=2008-02-22|url=http://www.independent.ie/national-news/mahon-tribunal/taoiseach-admits-not-paying-tax-on-irpound10000-1295352.html|title=Taoiseach admits not paying tax on IR￡10,000|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。

=== 俸給引き上げ ===
2007年10月25日、俸給検討委員会からの政府高官や閣僚の俸給の引き上げ勧告に政府が従ったことについてアハーンは批判を受けた<ref>{{Cite web|last=Sharrock|first=David|date=2007-10-29|url=http://translate.google.co.jp/translate?hl=ja&sl=auto&tl=ga&u=http%3A%2F%2Fwww.timesonline.co.uk%2Ftol%2Fnews%2Fworld%2Feurope%2Farticle2759740.ece&anno=2|title=Have you ever wondered why Bertie Ahern always looks so cheerful?|publisher=Timed Online|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|date=2007-12-12|url=http://www.irishtimes.com/newspaper/ireland/2007/1212/1197321667507.html|title=Government defers pay increases for Ministers|publisher=The Irish Times|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref><ref>{{Cite web|last=Molony|first=Senan|date=2007-10-27|url=http://www.independent.ie/national-news/its-not-the-white-house-but-for-8364310000-itll-do-1206188.html|title=It's not the White House, but for €310,000 it'll do|publisher=Independent.ie|language=英語|accessdate=2009-11-15}}</ref>。首相職の俸給は年38,000ユーロ引き上げられて310,000ユーロを受け取ることとなるが、この額が支給されていればアメリカ合衆国大統領をも上回り、[[欧州連合加盟国]]の[[政府首脳]]としても最高額となる。

野党からは公共医療サービスに関する予算の問題が明らかになった直後で、アハーンの増額分だけでも基本的社会福祉の代価の4倍となることに批判が集中した。2007年12月12日、俸給の引き上げの第1段階を1年延期することが発表された。

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 外部リンク ==
{{Commonscat|Bertie Ahern}}
* [http://bertieahernoffice.org/ The Office of Bertie Ahern]{{En icon}}
* [http://oireachtas.ie/members-hist/default.asp?MemberFirstName=Bertie&MemberName=Ahern&restr=0&disp=src&housetype=&HouseNum=&ConstID= Members Database - Tithe an Oireachtais]{{En icon}}
* [http://www.fiannafail.ie/people/bertie-ahern/ Bertie Ahern, TD | Fianna Fáil]{{En icon}}
* [http://www.electionsireland.org/candidate.cfm?id=3133  ElectionsIreland.org: Bertie Ahern]{{En icon}}


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{{s-off}}
  {{Succession box
    | title  = {{flagicon|IRL}} [[アイルランドの首相|アイルランド共和国首相]]
    | years  = 第17代：1997年 - 2008年
    | before = {{仮リンク|ジョン・ブルトン|en|John Bruton}}
    | after  = [[ブライアン・カウエン]]
  }}
  {{Succession box
    | title  = {{flagicon|IRL}} アイルランド共和国副首相
    | years  = 1994年
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  }}
  {{Succession box
    | title  = {{flagicon|IRL}} アイルランド共和国<br />労働大臣
    | years  = 1987年 - 1991年
    | before = {{仮リンク|ジェンマ・ハッセイ|en|Gemma Hussey}}
    | after  = {{仮リンク|マイケル・オケネディ|en|Michael O'Kennedy}}
  }}
  {{Succession box
    | title  = {{flagicon|IRL}} アイルランド共和国<br />芸術・文化・ゲールタハト担当大臣
    | years  = 1987年 - 1991年
    | before = [[マイケル・D・ヒギンズ]]
    | after  = [[マイケル・D・ヒギンズ]]
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{{DEFAULTSORT:あはあん はあてい}}
[[Category:アイルランド共和国の首相]]
[[Category:ダブリン市長]]
[[Category:ダブリン出身の人物]]
[[Category:1951年生]]
[[Category:存命人物]]