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{{otheruseslist|緩衝装置|アメリカ合衆国の気象観測ロケットのバンパー|RTV-G-4 (ロケット)|ピンボールのバンパー|ピンボール|トランスフォーマーの登場人物|ミニボット}} '''バンパー'''(bumper)とは、衝撃や振動を和らげる緩衝装置のこと。素材自体の弾力性や[[バネ]]などを利用して衝撃を吸収・緩和する。機械部品や運送用機器などに取り付けられる。 == 自動車のバンパー == [[自動車]]の前後に取り付けられる。素材は[[鉄]]、[[ポリプロピレン]]、[[繊維強化プラスチック|FRP]]、[[炭素繊維強化プラスチック|カーボンファイバー]]など多様な素材が用いられるが、金属系の素材は[[メッキ]]、樹脂系の素材は[[塗装]]により表面を加工されていることが多い。[[自動車事故]]により容易に損傷することから、近年では[[リサイクル]]を念頭に置いた製品が開発されている。[[乗用車]]においては、「フロントスポイラー」と一体になった[[エアロパーツ]]となっているものもある。修理や交換等で廃棄された樹脂バンパーのリサイクルが試みられ、実用化に至っている。 ===日本国内と海外におけるバンパーの扱いの違い=== 車両使用時に、また駐車場での接触事故等でついた(つけた)バンパーの傷については、日本国内では他のボディ部位と同様に補修、補償の対象とすることが多いが、海外では元来傷ついて当たり前のものとして放置される傾向がある。ただし、これはあくまで一般論であり、高級車やスポーツカー等においてはこのかぎりではない。 「ヨーロッパでは『バンパーはぶつけてよいもの』という認識」と語られることがある。これについて、[[イタリア]]在住の自動車評論家である[[大矢アキオ]]は「地域による」としている。具体的には、「[[パリ]]、[[ミラノ]]、[[フィレンツェ]]のような大都市の混雑した地域では、[[縦列駐車]]の際に他車のバンパーに当てて止める光景を見かける」「しかし、パリの郊外部や地方都市など、スペースに余裕がある地区へ出るにつれて、バンパーを当てる習慣は見られなくなっていく」とのことである<ref>{{Cite web |author=[[大矢アキオ]] |date=2014-02-14 |url=http://www.webcg.net/articles/-/30265 |title=第334回:”クルマをぶつけて止める”伝説を検証してみる | webCG |publisher=[[カーグラフィック|Car Graphic]] web |accessdate=2014-02-21}}</ref>。 === 5マイルバンパー === 1974年[[モデルイヤー]]となる[[1973年]]後半から、[[アメリカ車]]と[[北アメリカ|北米]]向け仕様車において大型のバンパーが装着される始める。これは通称「5マイルバンパー」と呼ばれ、その名の通り時速5マイル(約8km/h)以下で衝突した際、バンパーが衝撃を吸収し、復元することを求めた北米の安全基準に基づいて作られたものである。 これは「衝突時に、バンパーそのものや[[前照灯|前]][[尾灯]]、[[ラジエーター]]、[[ステアリング|操舵装置]]、[[サスペンション|足回り]]、[[自動車用燃料タンク|燃料タンク]]、[[マフラー (原動機)|排気系]]などに大きな損傷が及ばないように」というものであったが、実際は低速度の接触によるバンパーの修理、交換に対する保険金の支払額の多さに辟易としていた[[保険会社]]が、「衝突安全性を高める」という建前を元にこの様な安全基準の施行を求めたものであった。 [[金属]]製バンパーはそれ自体を強固で変形しにくいものとし、その後普及した[[ポリウレタン]]や[[ポリプロピレン]]などの[[合成樹脂|樹脂]]カバーを用いるものは、高[[強度]]のリインフォースメント(内部補強材)と衝撃吸収材を持ち、どちらのバンパーもが伸縮するストラットで支持されている。同時に、高さの範囲も決められており、これに合致しないもの(位置が低いものや細いもの)は、バーや小ぶりのバンパーの追加が行われた(ダブルバンパー化)。 {{Double image aside|right|Toyota Celica ST 2.JPG|140|1st Toyota Celica GT rear -- 11-18-2010.jpg|175|著しく意匠が違う例。<br />欧州向け<br />[[トヨタ・セリカ#初代 A20/30型(1970年-1977年)|A20/30系トヨタ・セリカクーペ]]|<br />北米向け<br />以下全て右の画像が5マイルバンパー装備車}} 登場当初、特にモデルライフ途中で装備されたものは、大きく突き出したバンパーのみが目立ち、従来のバンパー取り付け部の凹みを埋める[[部品]]や伸縮部を隠す[[ゴム|ラバー]]類、行き場を失って移設された[[方向指示器]]やマーカーランプなどによる「取ってつけた感」が甚だしく、[[インダストリアルデザイン|スタイル]]が著しくスポイルされる結果となった。さらにそれ自体の重量も大きく、同時に進行していた[[自動車排出ガス規制]]によるエンジン出力の低下と相まって、[[性能]]の低下は免れなかった。前後の[[オーバーハング (自動車用語)|オーバーハング]]に追加されたこの重量物は、特に、軽量さを武器に運動性の高さを訴求して来た[[スポーツカー]]にとっては致命的であった。 このように、性能と外観に大きな影響を及ぼし、不評を買うことも多い5マイルバンパーであるが、車種によってはこれをうまく処理して成功した例もある。{{Double image aside|right|1971 911T.jpg|158|1986 Porsche 911 SC.jpg|172|1971年式901型 911T<br />[[ポルシェ・911]]<br />(写真はオーバーライダーの付いた北米向け)|1986年式930型 911SC}} [[ポルシェ・911]]、2代目にあたる930型で[[ポルシェ・356|356]]C以来のクラシカルな細身のバンパーを、ボディー同色の大型ウレタンバンパーに変更し、陳腐化を払拭して拡販を成し遂げ、モデルライフを[[1989年]]まで引き伸ばすことに成功した。これ以降のポルシェは、北米向け以外を含む全生産車が5マイルバンパーとなり、930型も「ビッグバンパー」、あるいは「Gシリーズ」という通称で呼ばれ、一定の[[カーマニア|愛好家]]が存在する。 {{Double image aside|right|1971 firebird esprit.jpg|156|70s Firebird.jpg|174|’71モデル<br />[[ポンティアック・ファイヤーバード]]|'74以降の70年代モデル}} アメリカ生まれの[[:en:Pony car|ポニーカー]]や[[マッスルカー]]には、[[モータースポーツ|レーシー]]なイメージを持たせるため、バンパーレススタイルとしたものがあった。[[デロリアン|ジョン・Z・デロリアン]]時代の[[ポンティアック]]ブランドの[[ポンティアック・GTO|GTO]]や[[ポンティアック・ファイアーバード|ファイアーバード]]もそれで、新たな保安基準の前にデザイン[[コンセプト]]の変更を余儀なくされたが、ファイアーバードは[[シボレー・カマロ]]と共に「スラントノーズ」を提案し、新たな顧客を掴むことに成功した。 {{Double image aside|right|Toyota_Corolla_1989.jpg|162|88-92 Corolla.jpg|168|日本国内向け<br />[[トヨタ・カローラ#6代目 E90型(1987年 - 1991年)|E90系カローラセダン]]|北米向け}} {{Double image aside|right|Mitsubishi Lancer1995jp.jpg|162|Soueast Lioncel 01 China 2012-04-15.JPG|168|日本国内向け<br />[[三菱・ランサー#5代目(1995年-2000年)|ランサー(5代目後期)]]|北米向けに準じたバンパーを採用する[[東南汽車]]・リオンセル。日本向けも教習車仕様がこれを採用。}} 現在の[[日本車]]も、北米向けや北米現地生産車には5マイルバンパーが装備されており、国内向けの同型車に比べてバンパー自体も大きくなっているため、接触や衝突の可能性が高い[[教習車]]にこれを流用しているメーカーもある。またもう一つの理由として、車体サイズが国内サイズでは教習車の最低基準を満たさないが故に5マイルバンパーを採用して対応するというものがある。(例:[[三菱・ランサー|三菱教習車(≒ランサー)]]) 一方、日本国内向けモデルでは外観が北米向けと同じであっても、5マイルバンパーとしては機能しないものがある。これらや日本国内専売モデルは一部の[[高級車]]や高額車を除いて伸縮式ストラットを持つものが殆ど無く、軽量化と低価格化のためにリインフォースメントが省略されているか、リインフォースメントという[[部品]]名であっても、板厚や面積の不足で、「ガワ」を支持するステー程度の役割しか果たさないものが多く、5マイルバンパーほどの衝撃吸収力は期待できない(後述)。 {{-}} === 日本仕様車の現状 === フロントバンパーについては、スペースの制約の厳しい[[軽自動車]]を除き、内部に金属骨格と緩衝材を配置しステー部をクラッシュボックスとする事で補修性に配慮した造りが主流になっている。しかしリアバンパーに関しては内部には骨格も緩衝材も配置せずバンパー外皮の樹脂の弾力だけで対処しているケースが多いのが現状である。なお、日本ブランドの車でも欧州からの[[輸入車]]([[トヨタ・アベンシス]]等)や輸出仕様車にはリヤバンパーにも金属骨格と緩衝材を配置している例が見られる。 '''日本仕様車の現状例'''<gallery> 画像:2008 Toyota H20 Alphard 02.JPG|後端がほとんどハッチゲートとツライチとなったリアバンパーの例<br>([[トヨタ・アルファード]]) 画像:CROWNBump.jpg|内部に金属骨格と緩衝材を持つバンパーの例<br>([[トヨタ・クラウン]]) 画像:ESTIMABump.jpg|内部に骨格も緩衝材もないリヤバンパーの例<br>([[トヨタ・エスティマ]]) 画像:AVENSISBump1.jpg|海外生産車に見られる金属骨格入りリヤバンパーの例<br>([[トヨタ・アベンシス]]) </gallery> === バンパーモール === バンパーを保護する目的で、バンパーモールという部品がカー用品店などで数多く販売されており、主に欧州車を中心として純正装備される例もある。近年は、単にバンパーを保護するだけでなく、車外装飾を目的として、美的にも優れたバンパーモールが市販されている。 '''[[ヒュンダイ・エラントラ#3代目(XD型、2000年-2006年)|ヒュンダイ・エラントラセダン(XD系後期)]]に見る、同一車種における仕向地別のバンパーモール有無例''' <gallery> 画像:Hyundai Elantra silver vr.jpg|欧州仕様車などに見られる無塗装モール付きのタイプ。 画像:Hyundai-elantra 3rd-front.jpg|韓国、日本、北米仕様車などに見られるモールなしのタイプ。 </gallery> === バンパーステッカー === リアバンパーに自分の[[宗教]]、[[政治]]、[[キャンペーン|社会運動]]に対する意志や思想([[アウェアネス・リボン]]など)、あるいは好きな[[自動車]][[部品]]メーカーや[[スポーツ]][[チーム]]などのステッカーを貼る人がいる。特に顕著な[[車社会]]な[[アメリカ合衆国|アメリカ]]においてよく見られる。 === カンガルーバー === 金属製の板やパイプを曲げて造られた大型バンパー。'''グリルガード'''(Grill Guard)やオージーブルバー(Aussie Bull Bar)とも呼ばれる。[[オーストラリア]]で[[カンガルー]]避けに開発されたが、[[1990年代]]から[[ファッション]]性を高める理由で大型[[SUV]]に標準装備されるようになった。[[対人事故]]を起こした場合、人体に与えるダメージが大きいため、大型動物のいない[[都市]]部で無意味なカンガルーバーをつけることには{{誰範囲|date=2013年9月|批判もある}}。これに準じ[[2000年代]]から各自動車メーカーは[[オプション]]設定をすることをやめている。しかし、[[ピックアップトラック]]や[[SUV]]の人気が高い[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の農村部では未だに装着している車が多い。理由としては、鹿を中心とした野生動物と車との衝突事故が日常茶飯事であり、平原や山野部の道路でそのような事態に陥り走行不能状態になった場合に危険であることと、またそのような地域では狩猟を趣味や生業としている人も多く、そういう人々は安易に[[ディアホイッスル]](ディアワーニングとも。鹿避け笛)を車に装着できないなどの事情がある。 <gallery> 画像:Transwa Coach Albany.jpg|カンガルーバーを装備した[[西オーストラリア州|西オーストラリア]]、[[トランスwa]]の長距離[[バス (車両)|バス]] </gallery> === プッシュバンパー(Push Bumper) === [[パトロールカー#アメリカのパトカー|アメリカのパトカー]]に見られる装備。バンパーの前に、さらに頑丈なバンパーを装着する。先述のカンガルーバーと似たような見た目をしているもの。アメリカでは、逃走する被疑者車両の後部側面を押して目標をスピンさせる「[[パトロールカー#PITマニューバ|PITマニューバ]]」という技術が度々使用される。プッシュバンパーはPIT実施時に目標を押したり、またPIT及びスピンした車両をパトカーでブロックする時に車体を保護する役目がある。<br> またハイウェイ上で故障して立ち往生した車両を事故防止の為に最寄の出口まで押して移動させる事にも使われる。<br> 形状はグリル正面だけを保護するオーバーライダー的なものから、グリルガードよろしくヘッドライトやウィンカーまで覆うものなど様々であり、緊急車両部品メーカーが市場に供給している。装着するか否かは各警察機関の判断なので、装着していない場合も珍しくない。 <gallery> 画像:2006 Michigan State Police Dodge Charger 1.jpg|ミシガン州警察のパトカー。グリル前につけられているのがプッシュバンパー。[[ワシントン州]]にある[http://www.setina.com/ SETINA社]の製品。 画像:0460New York City NYPD.JPG|[[ニューヨーク市警察]]のパトカー。同警察は市販品ではなく、独自のものを採用している。 画像:Gerald ford funeral4.jpg|[[ワシントンD.C.首都警察]]のパトカー。同警察ではプッシュバンパーは使用していない。 </gallery> == 脚注 == {{Reflist}} {{自動車部品}} {{自動車}} {{DEFAULTSORT:はんは}} [[Category:自動車工学]] [[Category:自動車安全技術]] [[Category:自動車部品]]
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