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'''バラスト水'''('''Ballast Water''')とは、[[船舶]]の[[バラスト]](ballast:底荷、船底に積む[[重し]])として用いられる水のことで、無積載で出港するとき、その出港地で[[港]]の[[海水]]などをバラストタンクに積み込む。 バラスト水は立ち寄る港で荷物を積載する代わりに船外へ排出される。その際、そこに含まれている[[水生]]生物が[[外来種]]として[[生態系]]に影響を与える問題が指摘されている。 == 概要 == [[File:Ship pumping ballast water.jpg|right|thumb|180px]]船舶、特に[[貨物船]]は積載貨物などの重量を含めて設計されているため、空荷だと様々な支障が生じる。 * [[遭難]]の危険:船の[[重心]]が上がり、[[復原性]]が低下(転覆し易い)し、喫水が下がる(浮いてしまう)ため、横[[波]]や横[[風]]に対して不安定になる。また、外力に対する[[応力]]強度が低下する。 * 衝突の危険:喫水が下がると[[船橋]]視界が妨げられ、自船周囲の死角域が拡大し小型船が見えなくなる。 * 推進効率が低下:[[プロペラ]]が水面近くなるので、軸動力が推進力に変換される効率が下がる。甚だしい場合は空中に露出してしまう。同じ理由で[[舵]]も利きにくくなる。 これらを防ぐため、船内に設けたバラストタンクに海水などを積んで重し代わりとし、船体を安定させる対策が取られている。 往路と復路で共に貨物を満載しない限り、バラストは必要となる。[[タンク]]に水を積む方法は、古代に使われた石などに比べると、積み降ろしが簡単で保管場所も不要、荷崩れの心配もないため、近代舟運の発達に伴い利用が拡大した。 一般にバラスト水は大型船ほど大量に必要で、例えば17万トンクラスの貨物船の場合、空船時には約5万トンのバラスト水を積載する。 また、船種によっても異なり、載貨重量[[トン数]]に対するバラストタンク容量は概ね、[[コンテナ船]]で30%、原油[[タンカー]]は40%、[[LNGタンカー]]では80%に達するという。 ただし、経済価値のないバラスト水を積むことは、船の[[燃費]]を考える上ではマイナス要素であり、減らす試みは従来より為されてきた。下記の問題も後押ししノンバラスト船の研究等が進められている。 [[国際海事機関]](IMO)によると、年間約120億トンのバラスト水が世界中を移動していると推定されている。日本は、推定1700万トンのバラスト水が海外から持ち込まれ、逆に3億トンのバラスト水を海外に排出している。 == 生態系への影響 == 積み込む港と排出する港が異なるため、バラスト水に含まれる水生生物が多国間を行き来し、地球規模で[[生態系]]が撹乱されるなどの問題が生じている。 従来より船底に付着した[[貝類]]などが外来種となる例は知られていたが(例えば[[ムラサキイガイ]])、バラスト水は浮遊性生物([[ヒトデ]]などの[[幼生]]を含む、[[プランクトン]]類)を大量に移動させる。また、経済的要請が強い船舶の高速化は、移動先での生存率を上昇させた。 バラスト水由来と見られる外来生物による被害事例として、以下があげられる。 * [[オーストラリア|豪州]]の養殖[[ホタテガイ|ホタテ]]や[[カキ (貝)|カキ]]などが、日本などからもたらされた[[キヒトデ]]に食い荒らされた。 * [[オーストラリア|豪州]]近海の食用貝が、北アジアからもたらされた有毒[[渦鞭毛藻]]類を摂取して毒化し、[[貝毒]]患者を発生させた。 * [[オーストラリア|豪州]]の近海に[[ワカメ]]が日本からもたらされ大繁殖し、一時[[漁業]]を中断せざるを得なくなった。 * [[東ヨーロッパ|東欧]]から[[北米]]などへもたらされた淡水性の[[カワホトトギスガイ]](ゼブラ貝)が、[[五大湖]]沿岸の[[発電所]]や公共施設の取水口を塞ぎ、運転停止を招いた。 * [[メキシコ湾]]にもたらされた[[コレラ菌]]により南米で100万人が感染し、1万人が死亡した。 * [[東京湾]]でも[[ホンビノスガイ]]が大量に繁殖し問題となっている。この貝は[[東京湾アクアライン]][[海ほたるパーキングエリア]]でお土産として販売されている。好みは分かれるが、[[ハマグリ]]のような味,食感とされている。 大繁殖により人間社会に不都合が起きた時点で騒ぎとなるが、背景には生態系内のバランス変化などの下地があり、多くの種が関心をひくことなく既に定着している可能性がある。 現時点で被害が顕在化していなくとも、今後の[[気候変動]]や経済活動の活発化、工業化・都市化による[[水質汚濁]]などにより繁殖条件が好転すれば、新たな被害例が生じるおそれは高い。 しかし、海洋環境での外来種の研究は陸上に比べて進んでおらず、リスクの把握も困難である。 == 規制への取り組み == 当初は伝染病リスクとして注目されたが、やがて漁業・工業被害が報告され規制が検討されはじめた。現在は国際条約に基づき沿岸から200[[海里|カイリ]]離れた場所でバラスト水を交換することで、当面の対策としている。 なお、[[軍艦]]や、他国の[[排他的経済水域]](EEZ)を航行しない船舶は適用外。 * [[1973年]] IMO会議で、はじめてバラスト水による[[伝染病]]蔓延の危険性が指摘された。 * [[1988年]] 海洋環境保護委員会で、バラスト水被害に関する[[カナダ]]の報告により、IMOにおけるバラスト水排出規則の具体的な取り組みが始まった。 * [[1997年]] IMO総会で、バラスト水の規制・管理のガイドラインを採択。 * [[2004年]] IMO会議で、バラスト水を積載する船舶を規制する[[バラスト水管理条約]]が採択された。 * [[2009年]] 新造船に対する、バラスト水処理装置の搭載義務が開始(2016年全面義務化予定) : バラスト水処理装置に関しては、[[造船]]会社などを中心にビジネスチャンスとして参入が図られている。 == バラスト水の有効活用 == [[オーストラリア|豪州]]は全土で水不足であるため、バラスト水を有効活用する試みもなされている。本来海水で補われるバラスト水の代わりに日本で高度に処理された下水を積み込み[[オーストラリア|豪州]]に下水を輸出する。こうすることで水生生物の問題も解決し、水資源を有効活用できるという多くのメリットを得ることができるとしている。 == 関連項目 == * [[バラスト水管理条約]] * [[マルポール条約]] * [[特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律]] * [[生物多様性]] * [[クーガー・エース]]:2006年バラスト水の操作に失敗し[[海難事故]]を起こす。 * [[2014年韓国フェリー転覆事故]] == 外部リンク == * [http://globallast.imo.org/ 国際海事機関 GloBallast] バラスト水管理計画の専用サイト * [http://www.jsanet.or.jp/index.html 日本船主協会] 環境コーナーに解説 * [http://www.plankton.jp/sub08_15.html 日本プランクトン学会] シンポジウム「プランクトン広域化とバラスト水」発表要旨 [[Category:環境問題|はらすとすい]] [[Category:水質汚染|はらすとすい]]
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