ハリー・キューウェルのソースを表示

{{サッカー選手
|名前=ハリー・キューウェル
|画像=HarryKewell.jpg
|画像サイズ=200px
|本名=Harold Kewell
|愛称=[[オズの魔法使い]]
|カタカナ表記=ハロルド・キューウェル
|アルファベット表記=
|原語名=
|原語表記=
|国={{AUS}}<br />{{ENG}}
|誕生日={{生年月日と年齢|1978|9|22}}
|出身地=[[シドニー]]
|身長=180cm
|体重=74kg
|血液型=
|所属チーム名=
|ポジション= [[フォワード (サッカー)|FW]]
|背番号=
|利き足=左足
|クラブ={{Flagicon|ENG}} [[リーズ・ユナイテッドFC|リーズ]]<br />{{Flagicon|ENG}} [[リヴァプールFC|リヴァプール]]<br /> {{Flagicon|TUR}}[[ガラタサライSK (サッカー)|ガラタサライ]]<br /> {{Flagicon|AUS}}[[メルボルン・ビクトリーFC|メルボルン・ビクトリー]]<br />{{Flagicon|QAT}} [[アル・ガラファ]]<br /> {{Flagicon|AUS}}[[メルボルン・ハートFC|メルボルン・ハート]]
|年=1995-2003<br />2003-2008<br />2008-2011<br />2011-2012<br />2013<br />2013-2014
|出場（得点）=182 (45)<br />93 (12)<br />63 (22)<br />25 (8)<br />3 (1)<br />14 (2)
|クラブ成績更新日=
|代表国={{AUSf}}
|代表年=1996-2012
|代表出場（得点）=56 (17)<ref>[http://www.national-football-teams.com/v2/player.php?id=464 National Football Teams Player Profile - Harry Kewell]</ref>
|代表成績更新日=
}}
'''ハロルド "ハリー" キューウェル'''（'''Harold "Harry" Kewell''', [[1978年]][[9月22日]] - ）は、[[オーストラリア]]出身の[[サッカー|サッカー選手]]。[[サッカーオーストラリア代表|同国代表]]にも選出されている。

最も得意としているポジションは[[フォワード (サッカー)|ウイング]]であるが、[[ミッドフィールダー|攻撃的ミッドフィールダー]]や[[フォワード (サッカー)|セカンドストライカー]]も務めることが出来る。怪我が多い選手ではあるが<ref>[http://www.thisisanfield.com/players/kewell/|Player Profile: Harry Kewell]</ref><ref>[http://au.fourfourtwo.com/features/4461,your-top-5-aussies.aspx|Your Top 5 Aussies]</ref>、メディアの間ではオーストラリアが生んだ史上最高のサッカー選手であると言われている<ref>[http://www.foxsports.com.au/story/0,8659,25269559-5014539,00.html|Socceroos coach Pim Verbeek backs Harry Kewell's form and fitness]</ref>。[[2006 FIFAワールドカップ]]にも出場し、[[サッカークロアチア代表|クロアチア]]戦でゴールを記録している。オーストラリア選手協会の執行委員会のメンバーでもある<ref>[http://www.pfa.net.au/index.php?mod=plink&id=2629|Australian Professional Footballers' Association: PFA Team]</ref>。ニックネームは'''、オズ（オーストラリア）の魔法使い'''。

== 生い立ち ==
[[スミスフィールド (オーストラリア)|スミスフィールド]]・パブリックスクールからセント・ジョンズ・ハイスクールへ進み、ウェストフィールド・スポーツ・ハイスクールへと移った。

ウェストフィールド・スポーツ・ハイスクール在籍中には、学校とクラブの両チームでプレイしており、スティーブン・トゥリローが教えていた[[ニューサウスウェールズ州|ニューサウスウェールズ]]・ユースリーグの強豪チームであるマルコーニのU-13からU-15のチームでプレイしていた。また、ニューサウスウェールズ・ジュニアサッカー・アカデミーにも通い、デイヴィッド・リーの教えを受けていた。

14歳の時にマルコーニのU-14チームの一員として[[タイ王国|タイ]]、[[イタリア]]、[[イングランド]]に遠征し、イングランドでは[[ACミラン]]のジュニアチームとも対戦した。キューウェルは国外に出るのはこれが初めての経験であり、[[プレミアリーグ]]の試合を観戦し、ヨーロッパのサッカーに触れる機会も得た。15歳の時に、プレミアリーグの[[リーズ・ユナイテッドAFC|リーズ・ユナイテッド]]から4週間に渡るトライアルの誘いを受け、[[ブレット・エマートン]]とともにイングランドへ渡った。リーズのトライアルでは二人とも良い印象を与えることに成功したが、キューウェルの父親はイングランド人の血を引いておりビザ取得の要件を満したため、キューウェルだけがリーズのオファーを受けることが出来たのであった。

== クラブ経歴 ==
==== リーズ・ユナイテッド ====
デビュー戦となったのは、[[1996年]][[3月30日]]にホームで行われ、0-1で敗れた[[ミドルスブラFC|ミドルズブラ]]戦であった。この頃は、後に[[ウエストライフ]]のメンバーとなる[[ニッキー・バーン]]と同居していた。4月には[[サッカーチリ代表|チリ]]戦で[[サッカーオーストラリア代表|オーストラリア代表]]デビューを飾った。リーズでの初得点は、1997年10月に行われ、3-1で勝利した[[フットボールリーグカップ|リーグカップ]]の[[ストーク・シティFC|ストーク・シティ]]戦で記録したものである。

主に左サイドの攻撃的なポジションを務め、将来有望なリーズの若手選手の一人となり、同じオーストラリア人の[[マーク・ヴィドゥカ]]ともプレイすることになった。1999-2000シーズン終了後には、[[インテルナツィオナーレ・ミラノ|インテル・ミラノ]]から推定2500万ポンドのオファーが届いた<ref name="The Men Who Made Harry">[http://au.fourfourtwo.com/features/5851,the-men-who-made-harry.aspx  The Men Who Made Harry]</ref>。2000-01シーズンには[[UEFAチャンピオンズリーグ|チャンピオンズリーグ]]準決勝に進出するなどの躍進をしたが、2002-03シーズンにクラブは深刻な財政難を抱え、選手の放出を余儀なくされてしまい、キューウェルとヴィドゥカの活躍はクラブに残留という成果以外の実りを与えることはなかった。しかし、キューウェルのリーズにおける活躍は、自身の国際的な名声を高めることになった。リーズでは、在籍8年間でリーグ戦182試合に出場し、45得点の成績を残した。

キューウェルはクラブとの関係が決して良いとは言えない状況下でクラブを去ることになった。リヴァプール移籍前に応じた[[英国放送協会|BBC]]のインタビューでは、クラブのメディカルスタッフのせいで自身の怪我が悪化したと非難したが、チームメイトはキューウェルの方がクラブから出て行くように圧力をかけたと述べた<ref>[http://www.eslpodcards.com/australia/harry-kewell.php PodCards - Harry Kewell]</ref>。

==== リヴァプール ====
[[ACミラン]]<ref name="The Men Who Made Harry"/>、[[チェルシーFC|チェルシー]]<ref name="The Men Who Made Harry"/>、[[マンチェスター・ユナイテッドFC|マンチェスター・ユナイテッド]]<ref name="The Men Who Made Harry"/>、[[アーセナルFC|アーセナル]]<ref name="The Men Who Made Harry"/>、[[FCバルセロナ]]<ref name="The Men Who Made Harry"/>といった金銭的により恵まれたオファーを断り、2003-04シーズンを前に[[リヴァプールFC]]へ移籍した。キューウェルは、[[ヴラディミール・シュミツェル|シュミツェル]]からリヴァプールの有名な背番号7を引き継いだ<ref>[http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/teams/l/liverpool/3056055.stm Smicer glad to relinquish shirt]</ref>。この番号はかつてのクラブの象徴的な選手であった[[イアン・カラハン]]、[[ケビン・キーガン]]、[[ケニー・ダルグリッシュ]]らが付けていた番号である。200万ポンドから500万ポンドと言われる金額がキューウェルの未登録の代理人であるバーニー・マンディッチに流れたとの主張がなされたことにより、キューウェルの移籍は議論を呼んだ。この件に関連して、2005年にキューウェルは[[ゲーリー・リネカー]]を名誉棄損で訴えたが陪審員は一致した決を出せず、裁判外で解決を図る道しか残されなかった<ref>[http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/4072964.stm Kewell suing 'libellous' Lineker]</ref>。

[[2005年]][[5月25日]]、リヴァプールは[[ACミラン|ミラン]]を下し、キューウェルはオーストラリア出身の選手として初めて[[UEFAチャンピオンズリーグ|チャンピオンズリーグ]]のタイトルを獲得した選手となった（[[クレイグ・ジョンソン]]は南アフリカ生まれ）。チームは試合開始から攻撃的に行くことを意図して、キューウェルはスターティングメンバーとして試合に出場したが、この試みは失敗に終わり、キューウェルは前半途中に怪我により交代を余儀なくされてしまった。怪我をした素振りを見せた時には0-1でチームはリードされており、リヴァプールのファンはキューウェルが怪我をしたふりをしていると考え、ブーイングを送った。また、2005年の夏には「グロインペイン症候群」の名で知られているスポーツヘルニアを患っていることが明らかになった。

決勝で負った怪我から回復した2005年11月にはクラブの公式サイトで、信頼して決勝で起用してくれた[[ラファエル・ベニテス]]監督の恩に報いるためにも活躍をしたいと話した。また、支えてくれた妻と友人にも感謝をしていると述べた。

2005-06シーズンは3ゴール3アシストを記録し、彼がリヴァプールであまり良いパフォーマンスを発揮してこなかったのは気持ちの問題ではなく、怪我の影響であったという考えを広めるに至った。2006年1月に行われ、1-0で勝利した[[トッテナム・ホットスパーFC|トッテナム]]戦で[[アンフィールド]]でのリーグ戦初得点を記録した。[[マンチェスター・シティFC|マンチェスター・シティ]]戦でもその試合唯一となる得点を記録し、3-1で勝利した[[エヴァートンFC|エヴァートン]]戦ではチームの3ゴール目となる得点を挙げ、シーズンで最高の活躍を見せた。2-1で勝利した[[FAカップ]]準決勝のチェルシー戦でもリヴァプールで最も良い働きをした選手の一人であった。

2005-06シーズンのFAカップ決勝の[[ウェストハム・ユナイテッドFC|ウェストハム]]戦ではスターティングメンバーとして出場したが、[[腹痛]]のために48分間の出場に止まった（チャンピオンズリーグ決勝と異なり、サポーターの反応は同情的なものであった）。その後の検査でリヴァプールは鼠径部の負傷をしていることを確認したが、ワールドカップには間に合うと判断した。

2006-07シーズンは多くの試合を欠場したが、2007年4月にリザーブのエヴァートン戦に55分から交代で出場し、チームに復帰した。[[2007年]][[5月5日]]に[[クレイヴン・コテージ]]で行われた[[フラムFC|フラム]]戦の後半に交代で出場し、FAカップ決勝以来となる出場を果たし、シーズン最終戦の[[チャールトン・アスレティックFC|チャールトン]]戦においても後半に交代で出場した。チャンピオンズリーグ決勝のメンバーに選ばれるかどうかが議論の的となっていたが、チャールトン戦で[[ディルク・カイト]]へゴールの起点となるパスを送り、90分にはPKからゴールを挙げる活躍をしたことにより<ref>[http://www.wsn.com/2007/05/13/football/news/england/liverpool-draws-charlton-2-2-in-fowler-finale_22273/ Liverpool draws Charlton 2-2 in Fowler finale]</ref>、決勝戦に臨むメンバーに選ばれた。決勝では[[ボウデヴィン・ゼンデン]]と交代で59分から出場した。

2007-08シーズンを前に負傷によりチームを離脱し、また別の怪我も負いシーズン序盤の数ヶ月間を欠場したことにより、リヴァプールでの将来が不安視されるようになってしまった。10月31日に行われた[[フットボールリーグカップ|カーリングカップ]]の[[カーディフ・シティFC|カーディフ・シティ]]戦に71分から交代で出場し、チームに復帰した。その後のプレミアリーグの[[ブラックバーン・ローヴァーズFC|ブラックバーン]]戦とチャンピオンズリーグの[[ベシクタシュJK|ベシクタシュ]]戦にも交代で出場した。彼の復帰後に[[ラファエル・ベニテス]]監督はクラブの公式サイトで何人かのメンバーについてコメントし、キューウェルの契約については延長される場合もあると話し、多くの人たちは怪我なくシーズンを終えることが出来ればクラブに留まる機会を提供されるだろうと考えていたが、FAカップの[[バーンズリーFC|バーンズリー]]戦で敗れた後にチームでの居場所を失ってしまった。

オーストラリア代表のメンバーとして[[シンガポール]]に向かったが、[[鼠径部]]を負傷してイングランドに戻ってきたことにより、新たな契約を提示される可能性は小さくなってしまった。

2008年5月、キューウェルはリヴァプールとの契約延長の話を断ったことが明らかになった<ref>[http://www.heraldsun.com.au/sport/soccer/kewells-liverpool-contract-expires/story-e6frfg8x-1111116282292 Kewell's Liverpool contract expires]</ref>。

==== ガラタサライ ====
[[2008年]][[7月5日]]、トルコ王者の[[ガラタサライ]]はキューウェルと2年間の契約を結んだ<ref>[http://www.galatasaray.org/kulup/haber/1404.php Harry Kewell to Galatasaray]{{tr icon}}</ref>。キューウェルは、「チームを離れたかったし、これが最良の選択だと思っている。新たな挑戦を楽しみにしているし、開幕が待ちきれない。」と、話した。2000年4月、彼がリーズに在籍している時に行われた[[UEFAヨーロッパリーグ|UEFAカップ]]準決勝のガラタサライ戦後にリーズのファン二人が殺害されるという事件が起きていたため、リーズのファンはガラタサライに移籍するという決断を下したキューウェルを批判した。キューウェルはそれに対し、「僕はガラタサライでは19番を選んだが、これは初めてリーズ・ユナイテッドでスターティングメンバーとして出場した時に付けていた番号で、これは僕のリーズに対して抱いている敬意の証だ。僕は全てが始まったクラブのことを決して忘れてはいないし、こうすることで2000年4月5日に起こった悲劇を少しでも和らげることが出来れば良いと思っている。ただ、その事件のことでガラタサライのクラブ自体を非難することは間違っている。」と、述べた<ref>[http://www.football365.com/story/0,17033,8652_3788619,00.html Kewell moves to quell criticism]</ref>。

ガラタサライでのデビュー戦はトルコ・スーパーカップの[[カイセリスポル]]戦であり、65分から交代で出場した。その試合ではファーストタッチでガラタサライでの初得点を記録し、2点目をアシストした。開幕戦の[[デニツリスポル]]戦でリーグ戦初ゴールを記録し、チームも4-1で勝利した。キューウェルは、リーグ戦4試合とUEFAカップの2試合を含めて13試合で7ゴールの成績を残す活躍を見せた。

[[2008年]][[10月23日]]に行われたUEFAカップの[[オリンピアコスFC|オリンピアコス]]戦ではこの試合唯一の得点を挙げ、勝利した。その週の後半に行われた[[フォルティス]]・[[トルコカップ]]の[[アンカラスポル]]戦で、初めてトルコのカップ戦に出場した。トルコのメディアが彼の怪我について様々な憶測を立てていた時から<ref>[http://w9.gazetevatan.com/haberdetay.asp?detay=&tarih=18.11.2008&Newsid=205809&Categoryid=5 Şok! Kewell’ın kariyeri tehlikede]{{tr icon}}</ref><ref>[http://arama.hurriyet.com.tr/arsivnews.aspx?id=10226334 Kewell'ın futbol hayatı tehlikede]{{tr icon}}</ref>、1週間後の[[2008年]][[11月2日]]に行われた[[ガズィアンテプスポル]]戦でシーズン4ゴール目を挙げた。

オーストラリアで診察を受け、[[2008年]][[12月12日]]に[[鼠径ヘルニア]]のために手術を受ける必要があり、12月15日に手術を受ける予定であると発表された<ref>[http://www.galatasaray.org/en/futbol/futbol_as/haber/267.php Harry Kewell Require Surgery]</ref><ref>[http://www.galatasaray.org/en/futbol/futbol_as/haber/275.php Medical Report on Harry Kewell]</ref>。

ガラタサライはキューウェルが負傷でチームを離脱する前の9試合全てで勝利を挙げており（UEFAカップ2試合、[[トルコ・シュペルリガ|リーグ]]戦6試合、トルコ・スーパーカップ）、キューウェルもゴールを挙げていた<ref>[http://www.transfermarkt.de/de/spieler/3241/harry-kewell/aufeinenblick.html Harry Kewell - Galatasaray Player Profile]</ref>。

UEFAカップの[[FCジロンダン・ボルドー|ボルドー]]戦では35メートルの距離から2-1となるゴールを決め<ref>[http://www.wsn.com/2009/02/26/football/news/champions-league-and-uefa-cup/sabri-scores-winner-galatasaray-advances_343931/ Sabri Scores Winner; Galatasaray Advances]</ref>、チームはUEFAカップのベスト16に駒を進めた。

[[2009年]][[3月12日]]に行われたUEFAカップの[[ハンブルガーSV]]戦では[[エムレ・アシク]]の退場により、40分間不慣れなセンターバックのポジションでプレイし、ミスもあったが何とか役割を全うした<ref>[http://sozluk.sourtimes.org/show.asp?t=harry+kewell Harry Kewell]</ref>。セカンドレグも同様のポジションを務め、その試合ではPKから得点を記録した。

== 代表経歴 ==
1996年4月に行われた[[サッカーチリ代表|チリ]]戦で[[サッカーオーストラリア代表]]の最年少記録となる17歳と7カ月という若さでA代表デビューを飾っている<ref>[http://www.ozfootball.net/ark/Socceroo/1996A.html Socceroo 1996 Matches]</ref>。1997年11月に行われた[[1998_FIFAワールドカップ・予選|ワールドカップフランス大会予選]]の[[サッカーイラン代表|イラン]]戦に出場し、[[アザディ・スタジアム]]に集まった100,000人近い観客の前で代表初ゴールを記録した。[[メルボルン・クリケット・グラウンド]]で行われたセカンドレグのイラン戦では85,000人という最高記録となる観客動員数を記録し、キューウェルもゴールを挙げたが2-2の引き分けに終わり、[[アウェイゴール]]の差でオーストラリア代表はワールドカップの出場権を逃した。（→[[メルボルンの悲劇]]）

==== 2006 FIFAワールドカップ ====
2005年11月、オーストラリア代表は1974年に西ドイツで開催された[[FIFAワールドカップ|ワールドカップ]]以来の出場権を獲得した。[[サッカーウルグアイ代表|ウルグアイ]]とのプレイオフのPK戦では、オーストラリアの最初のキッカーを務めた。

[[2006 FIFAワールドカップ]]初戦の[[サッカー日本代表|日本]]戦に出場した。[[サッカーブラジル代表|ブラジル]]戦は途中出場となり、[[ネウソン・デ・ジェズス・シウヴァ|ジダ]]のクリアミスからゴールチャンスを得たがこれを逃した。試合後には[[マルクス・メルク]]により試合中の暴言で[[国際サッカー連盟|FIFA]]に報告をされたが制裁は受けずに済んだ。

グループリーグを突破するためには最低でも引き分け以上が求められた[[サッカークロアチア代表|クロアチア]]戦では2-2となるゴールを決め、マン・オブ・ザ・マッチに選出された。怪我の影響もあり大会には本調子で臨むことが出来なかったが、代表チームに必要な存在であることを示した。

[[痛風]]の疑い<ref>[http://www.theage.com.au/news/aussie-update/kewell-injury-curse-lingers/2006/06/27/1151174202629.html Kewell injury curse lingers]</ref><ref>[http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/world_cup_2006/teams/australia/5119308.stm Gout caused Kewell to miss match]</ref>（その後に行われた検査によると敗血症性[[関節炎]]）により、決勝トーナメント一回戦の[[サッカーイタリア代表|イタリア]]戦に出場することは叶わなかった。

==== AFCアジアカップ2007 ====
[[ファイル:Harry Kewell.jpg|right|thumb|200px|オーストラリア代表でのキューウェル]]
W杯終了後からしばらくの間は代表の試合に出場することが出来なかったが、2007年6月に行われた[[サッカーシンガポール代表|シンガポール]]との親善試合で復帰を果たした。[[AFCアジアカップ2007|アジアカップ]]前の最後の試合であったが、65分から交代で出場し、1ゴール、1アシストの活躍を見せた<ref>[http://soccernet.espn.go.com/report?id=216541&cc=4716 Australia grind out 3-0 friendly win over Singapore]</ref><ref>[http://www.theage.com.au/news/soccer/viduka-kewell-shine/2007/07/01/1182624250859.html Viduka, Kewell shine]</ref>。キューウェルはアジアカップに出場したオーストラリア代表で重要な役割を担った。4-0で勝利した[[サッカータイ代表|タイ]]戦ではチームの4点目となる得点を挙げた。グループリーグを突破して迎えた準々決勝の日本戦では[[マーク・ヴィドゥカ]]に代わり65分から出場し、PK戦では最初のキッカーを務めたが止められてしまい、チームも敗退した。

==== 2010 FIFAワールドカップ予選 ====
初戦の[[サッカーカタール代表|カタール]]戦、[[サッカー中華人民共和国代表|中国]]戦には出場できなかったが、2008年6月に[[サンコープ・スタジアム|ブリズベン・スタジアム]]で行われ、1-0で勝利した[[サッカーイラク代表|イラク]]との試合ではキャプテンを務め、47分にこの試合唯一となるゴールを挙げた<ref>[http://sportal.com.au/Football-news-display/ice-kewell-finish-sinks-iraq-49566 Ice-Kewell finish sinks Iraq]</ref>。最終予選のカタール戦では、3-1となるゴールを決めた。ワールドカップ予選に向けた調整試合の[[サッカーオランダ代表|オランダ]]戦では[[ジョシュア・ケネディ]]が獲得したPKを決め、2-1で勝利した試合の前半では素晴らしい活躍を見せた。その後に行われた[[サッカーウズベキスタン代表|ウズベキスタン]]戦でもPKでゴールを決め、チームも2-0で勝利した。

==== 2010 FIFAワールドカップ ====
第1戦の[[サッカードイツ代表|ドイツ]]戦には間に合わず、チームも0-4で敗れた。しかし、ドイツに大敗した後でもチームの士気は損なわれてはいないと、[[サッカーガーナ代表|ガーナ]]戦に向けて決意を述べた。

[[2010年]][[6月19日]]に行われたガーナ戦では、キューウェルは腕でゴールを阻止したとして退場処分を受けた。ゴールライン上に立っていたキューウェルは自身が防がないとゴールになることは明らかであったため、胸で止めようとして、腕にボールが当たってしまったのであった。このプレイによりキューウェルは前半24分でレッドカードを受け、ガーナはこのプレイで得たPKから同点となるゴールを挙げた。結果は1-1の引き分けであったが、オーストラリアにとっては厳しい結果となった。キューウェルが受けたレッドカードはワールドカップ史上150枚目のレッドカードであった<ref>[http://www.worldcup.soccerway.com/page/NewsDetail/0,,12953~2072535,00.html Kewell: We can still qualify]</ref>。試合後にキューウェルは、[[ロベルト・ロセッティ]]の下した判定によって打ちのめされ、自身のワールドカップにおける夢を殺されてしまったと感じていると述べた<ref>[http://www.worldcup.soccerway.com/page/NewsDetail/0,,12953~2074655,00.html Kewell: Ref killed my Cup]</ref>。

==== AFCアジアカップ2011 ====
オーストラリア代表の全試合にスターティングメンバーとして出場し、3ゴールを記録した。準々決勝の[[サッカーイラク代表|イラク]]戦では118分に決勝ゴールを挙げ、代表史上初となる準決勝進出に貢献した。準決勝のウズベキスタン戦では、開始5分で先制ゴールを挙げ、チームの決勝進出に貢献した。

== パーソナルライフ ==
2000年に高級クラブで出会ったイングランド人の女優[[シェリー・マーフィー]]と結婚している。[[2003年]][[5月23日]]に[[ラスベガス]]で挙式を挙げ、彼らには、2001年に生まれた息子のテイラー、2003年に生まれた娘のルビーと2008年に生まれたマチルダと3人の子どもがいる。

2008年5月、オーストラリアのメンズファッションブランドのポリティックス（Politix）の顔となった<ref>[http://www.smh.com.au/news/fashion/harry-kewell-mixes-sport-and-politix/2008/05/24/1211183176206.html Harry Kewell mixes sport and Politix]</ref>。

2008年10月、トルコのメディアはキューウェルが非感染症である自己免疫性肝炎を患っていることを明らかにした。クラブ、選手サイドともにこの報道について否定せず、マンディッチは「キューウェルの健康状態は1995年にリーズ・ユナイテッドでキャリアをスタートさせてから何ら変わっていない。」と、後に述べた。子どものころに[[ステロイド]]剤のプレドニンを服用するようになった時から、その病気を抱えていると思われている<ref>[http://www.foxsports.com.au/story/0,8659,24570597-23215,00.html Reports Kewell has hepatitis]</ref>。

キューウェルはガラタサライのサポーターの間では最も人気のある選手の一人であり、真面目な性格とキューウェル自身の持つ威厳によってガラタサライのチームメイトからも多くの信頼を集めている。彼は高いプロ意識を持ち、いつも笑顔を絶やさない魅力的な性格であり、家族思いの選手であると言われている<ref>[http://www.hurriyet.com.tr/spor/futbol/10391087.asp?gid=211 Gönülleri fethetti]{{tr icon}}</ref>。ガラタサライでは、[[ハリー・ポッター (架空の人物)|ハリー・ポッター]]や[[オズの魔法使い]]の愛称で親しまれている。

「ダディ・クール」のヒットで知られる[[ボニーM]]の[[フランク・ファリアン]]とキューウェルの外見が似ているため、「ダディ・クール」と「ハリー・キューウェル」を捩った[[チャント]]が歌われている。これを最初に使ったのはリーズのファンであり、1999年に[[ボクスホール]]がザフィーラ GSiの[[コマーシャルメッセージ|CM]]に「ダディ・クール」を使用したのと時期を同じくしている<ref>[http://www.youtube.com/watch?v=kv5HCs6u3pQ Galatasaray fans singing:the Kewell song]</ref>。

スミスフィールドで育ったキューウェルは[[Aリーグ]]創設に大きな影響を与えた人物の一人であり、ラグビーチームのカンタベリー・ブルックスのファンでもある。

== 個人成績 ==
{| class="wikitable" style="font-size:90%; text-align: center;"
!rowspan="2"|所属クラブ
!rowspan="2"|シーズン
!rowspan="2"|背番号
!colspan="2"|リーグ
!colspan="2"|カップ
!colspan="2"|リーグカップ
!colspan="2"|[[UEFA]]主催
!colspan="2"|シーズン通算
|-
!出場
!得点
!出場
!得点
!出場
!得点
!出場
!得点
!出場
!得点
|-
|rowspan="8" <center>|[[リーズ・ユナイテッドFC|リーズ・ユナイテッド]]
|1995-96
|19
|2||0||-||-||-||-||-||-||2||0
|-
|1996-97
|19
|1||0||-||-||-||-||-||-||1||0
|-
|1997-98
|19
|29||5||4||2||2||1||-||-||35||8
|-
|1998–99
|19
|39||6||5||1||2||2||4||0||50||9
|-
|[[プレミアリーグ1999-2000|1999-00]]
|10
|36||10||3||2||2||0||12||5||53||17
|-
|[[プレミアリーグ2000-2001|2000-01]]
|10
|17||2||-||-||-||-||9||0||26||2
|-
|[[プレミアリーグ2001-2002|2001-02]]
|10
|27||8||0||0||1||1||7||2||35||11
|-
|[[プレミアリーグ2002-2003|2002-03]]
|10
|31||14||4||1||1||0||5||1||41||16
|-
! colspan="2" | 在籍期間通算成績
! !! 182 !! 45 !! 16 !! 6 !! 8 !! 4 !! 37 
! 8 !! 243 !! 63
|-
|rowspan="5" <center>|[[リヴァプールFC|リヴァプール]]
|[[プレミアリーグ2003-2004|2003-04]]
|7
|36||7||3||0||2||1||8||3||49||11
|-
|[[プレミアリーグ2004-2005|2004-05]]
|7
|18||1||0||0||1||0||12||0||31||1
|-
|[[プレミアリーグ2005-2006|2005-06]]
|7
|27||3||6||0||1||0||6||0||40||3
|-
|[[プレミアリーグ2006-2007|2006-07]]
|7
|2||1||0||0||0||0||1||0||3||1
|-
|[[プレミアリーグ2007-2008|2007-08]]
|7
|10||0||1||0||1||0||3||0||15||0
|-
! colspan="2" | 在籍期間通算成績
! !! 93 !! 12 !! 10 !! 0 !! 5 !! 1 !! 30
! 3 !! 138 !! 16
|-
|rowspan="3" <center>|[[ガラタサライ]]
|2008-09
|19
|26||8||1||0||1||1||9||4||37||13
|-
|2009-10
|19
|17||9||2||1||0||0||9||4||28||13
|-
|2010-11
|19
|20||5||2||0||0||0||3||2||25||7
|-
! colspan="2" | 在籍期間通算成績
! !! 63 !! 22 !! 5 !! 1 !! 1 !! 1 !! 21 
! 10 !! 90 !! 33
|-
|[[メルボルン・ビクトリーFC|メルボルン・ビクトリー]]
|2011-12
|10
|25||8||-||-||-||-||-||-||25||8
|-
! colspan="2" | 在籍期間通算成績
! !! 25 !! 8 !! - !! - !! - !! - !! -  
! - !! 25 !! 8
|-
|[[アル・ガラファ]]
|2012-13
|10
|3||1||-||-||-||-||-||-||3||1
|-
! colspan="2" | 在籍期間通算成績
! !! 3 !! 1 !! - !! - !! - !! - !! -  
! - !! 3 !! 1
|-
|[[メルボルン・シティFC]]
|2013-14
|10
|14||2||-||-||-||-||-||-||14||2
|-
! colspan="2" | 在籍期間通算成績
! !! 14 !! 2 !! - !! - !! - !! - !! -  
! - !! 14 !! 2
|}


=== 代表で記録したゴール ===
{| class="wikitable"
! # !! 日付 !! 開催地 !! 対戦国 !! スコア !! 試合
|-
| 1. || 1997年11月22日 || [[テヘラン]]、[[イラン]]|| {{IRNf}} || 1&ndash;1 ||rowspan=2|[[1998 FIFAワールドカップ・アジア予選]]
|-
| 2. || 1997年11月29日 || [[メルボルン]]、[[オーストラリア]]|| {{IRNf}} || 2&ndash;2
|-
| 3. || 1997年12月19日 || [[リヤド]]、[[サウジアラビア]]|| {{URYf}} || 1&ndash;0 || [[FIFAコンフェデレーションズカップ1997]]
|-
| 4. || 2003年2月12日 || [[ロンドン]]、[[イングランド]]|| {{ENGf}} || 3&ndash;1 || [[エキシビション|親善試合]]
|-
| 5. || 2003年9月7日 || [[レディング]]、[[イングランド]]|| {{JAMf}} || 2&ndash;1 || [[エキシビション|親善試合]]
|-
| 6. || 2004年10月12日 || [[シドニー]]、[[オーストラリア]]|| {{SOLf}} || 6&ndash;0 || [[OFCネイションズカップ2004]]
|-
| 7. || 2006年6月22日 || [[シュトゥットガルト]]、[[ドイツ]]|| {{CROf}} || 2&ndash;2 || [[2006 FIFAワールドカップ]]
|-
| 8. || 2007年6月30日 || [[シンガポール]]、[[シンガポール]]|| {{SINf}} || 3&ndash;0 || [[エキシビション|親善試合]]
|-
| 9. || 2007年7月16日 || [[バンコク]]、[[タイ王国|タイ]] || {{THAf}} || 4&ndash;0 || [[AFCアジアカップ2007]]
|-
| 10. || 2008年6月1日 || [[ブリスベン]]、[[オーストラリア]] || {{IRQf}} || 1&ndash;0 ||rowspan=2|[[2010 FIFAワールドカップ・アジア予選]]
|-
| 11. || 2008年6月15日 || [[ドーハ]]、[[カタール]] || {{QATf}} || 3&ndash;1
|-
| 12. || 2008年9月6日 || [[アイントホーフェン]]、[[オランダ]]|| {{NEDf}} || 2&ndash;1 || [[エキシビション|親善試合]]
|-
| 13. || 2009年4月1日 || [[シドニー]]、[[オーストラリア]] || {{UZBf}} || 2&ndash;0 || [[2010 FIFAワールドカップ・アジア予選]]
|-
| 14. || 2011年1月10日||rowspan=3|[[ドーハ]]、[[カタール]] || {{INDf}} || 4&ndash;0 ||rowspan=3|[[AFCアジアカップ2011]]
|-
| 15. || 2011年1月22日|| {{IRQf}} || 1&ndash;0
|-
| 16. || 2011年1月25日|| {{UZBf}} || 6&ndash;0
|-
| 17. || 2012年2月29日 || [[メルボルン]]、[[オーストラリア]] || {{KSAf}} || 4&ndash;2 || [[2014 FIFAワールドカップ・アジア予選]]
|-
|}

== 獲得タイトル ==
===== クラブ =====
;リーズ・ユナイテッド
*FAユースカップ：1996-97

;リヴァプール
*[[UEFAチャンピオンズリーグ]]：2004-05
*[[FAカップ]]：2005-06

;ガラタサライ
*トルコ・スーパーカップ：2008年

===== 代表 =====
*[[OFCネイションズカップ|オセアニアネイションズカップ]]：1996、2000、2004年
*[[OFCネイションズカップ|オセアニアネイションズカップ]]準優勝：1998、2002年
*[[FIFAコンフェデレーションズカップ]]準優勝：[[FIFAコンフェデレーションズカップ1997|1997年]]

===== 個人 =====
*[[PFA年間最優秀若手選手賞]]：2000年
*[[オセアニア年間最優秀選手賞]]：1999、2001、2003年

== エピソード ==
*1996年にオーストラリア代表にデビューしたものの、キャップ数はキャリアの割りには少ない。本人曰く、オーストラリア国内での試合は欧州からの移動等に時間を要するため回避しているとのこと（ちなみに欧州で行われている親善試合には全て出場している）。
*[[ケビン・キーガン]]がイングランド代表監督時に、左サイドの人材難から「彼がイングランド人だったら…」と嘆いた話が知られている。
*2002-03シーズンの[[マンチェスター・ユナイテッド]]戦では、そのシーズンからユナイテッドへ移籍した[[リオ・ファーディナンド]]との試合後の握手を拒否。ファーディナンドを「金に目がくらんだ裏切り者」と敵対視しており、またこの試合にリーズ・ユナイテッドが勝利したこともあって、キューウェルのこの行動はリーズファンから喝采を浴びた。

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 外部リンク ==
* [http://www.lfchistory.net/player_profile.asp?player_id=492 プロフィール] LFChistory.net
* [http://www.liverpoolfc.tv/team/squad/kewell/ プロフィール] Liverpoolfc.tv
* [http://www.ozfootball.net/ark/Players/K/KE.html#KewellHarry プロフィール] OzFootball.net
* [http://www.soccerbase.com/players_details.sd?playerid=8904 出場記録] Soccerbase.com

{{PFA年間最優秀若手選手賞}}
{{オセアニア年間最優秀選手賞}}
{{Navboxes
|title = オーストラリア代表 - 出場大会
|titlestyle =background:#FFE605; color:#005800;
|list1=	
{{FIFAコンフェデレーションズカップ1997オーストラリア代表}}
{{OFCネイションズカップ2004 オーストラリア代表}}
{{2006 FIFAワールドカップオーストラリア代表}}
{{AFCアジアカップ2007 オーストラリア代表}}
{{2010 FIFAワールドカップオーストラリア代表}}
{{AFCアジアカップ2011 オーストラリア代表}}
}}

{{Commons|Category:Harry Kewell}}
{{DEFAULTSORT:きゆうえる はり}}
[[Category:オーストラリアのサッカー選手]]
[[Category:サッカーオーストラリア代表選手]]
[[Category:リーズ・ユナイテッドAFCの選手]]
[[Category:リヴァプールFCの選手]]
[[Category:ガラタサライの選手]]
[[Category:メルボルン・ビクトリーの選手]]
[[Category:アル・ガラファの選手]]
[[Category:メルボルン・ハートFCの選手]]
[[Category:2006 FIFAワールドカップ出場選手]]
[[Category:2010 FIFAワールドカップ出場選手]]
[[Category:ニューサウスウェールズ州の人物]]
[[Category:イングランド系オーストラリア人]]
[[Category:連合王国帰化市民]]
[[Category:シドニー出身の人物]]
[[Category:1978年生]]
[[Category:存命人物]]