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'''ノビレス''' (Nobiles) は、[[共和政ローマ]]における支配者階級を構成した[[貴族]]階層。従来の貴族階層[[パトリキ]]と政治的発言力を強めた有力平民([[プレブス]])家族をあわせて構成された世襲貴族階級。日本語では'''貴顕貴族'''、'''新貴族'''などと訳される。 [[王政ローマ|王政]]から共和政へ移行した[[古代ローマ]]において、その統治は有力な[[家長]]の集合として圧倒的な権威を有していた[[元老院 (ローマ)|元老院]]が掌握していた。この元老院の議席は初期はパトリキと呼ばれる一部の閥族によって独占されており、このパトリキたちが伝統的貴族層としてローマを実質的に支配していた。 しかし戦争の主力が貴族による[[騎兵]]から市民団による[[重装歩兵]]に移ると、貴族の地位は相対的に低下し、有力平民の国政への発言力が増加していった。さらに度重なるローマの領土拡大戦争においてパトリキは多くの人的資源を失ったが、他方で平民階層は段階的に政治的権力を獲得していった。この過程で裕福な平民は、従来はパトリキが独占していた元老院議席を得るまでになり、やがてそれが既成事実として定着すると議席を世襲するまでになっていた。こうして減少したパトリキと資産を増やした有力平民によって形成された元老院の世襲貴族階級がノビレスと呼ばれ、共和政中期から共和政末期にかけてローマ興隆の屋台骨となった。 元は平民であった者がノビレスとして貴族階級になると、さらにそれ以降において平民から元老院議席を得た者は、[[ノウス・ホモ]](新人)と呼ばれるようになる。 ノビレスの定義として古代ローマ人が直接記したものは存在しない。元老院の議席は平民に向けても解放されており、いつの時代までに元老院の議席を得た平民がノビレスに含まれ、いつの時代以降はノウス・ホモになるのか、明確な線引きは困難である。現在もっとも一般的な定義は[[マティアス・ゲルツァー]]によるパトリキ系の家族または父祖に[[コンスル]]級の人物を輩出した家族というものであろう。この他、[[テオドール・モムゼン]]によるパトリキまたは父祖にクルリスの政務官を輩出した家族と定義するものなどさまざまな説がある。 {{DEFAULTSORT:のひれす}} [[Category:共和政ローマ]] [[Category:貴族]]
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