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ネオテニー
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[[ファイル:Axolotl.jpg|thumb|200px|[[メキシコサラマンダー]]の幼形成熟個体(アホロートル)。頭部の両側にある[[えら|外鰓]]は両生類の幼生の特徴だが、この状態でも性成熟している]] '''ネオテニー'''([[:en:neoteny|neoteny]])は、[[動物]]において、性的に完全に[[性成熟|成熟]]した[[個体]]でありながら非生殖器官に未成熟な、つまり[[幼生]]や幼体の性質が残る現象のこと。'''幼形成熟'''、'''幼態成熟'''ともいう。 == 両生類の場合 == [[両生類]]の幼生は[[鰓]]を持ち鰓呼吸を行うが、[[変態]]し[[肺]]や皮膚による呼吸を行う。しかし有尾目内には変態をせずに幼生の形態を残したまま性成熟する種や個体群がおり、例として[[メキシコサラマンダー]]が挙げられる。またメキシコサラマンダーを含む[[トラフサンショウウオ科]]の幼形成熟個体は[[アホロートル]]と呼称される。 同様に成体でも幼生の形を残すものは[[ホライモリ科]]や[[サイレン科]]など他の群にも散見される。これらの場合は条件を変えても成体の形にはならないが、やはりネオテニーと考えられている。 == その他の動物群の場合 == 幼形成熟と考えられるものが見いだされやすいのは、やはり幼生と成体の形が大きく異なる、変態を行う群においてである。たとえば[[昆虫]]がそうで、幼虫の形で生殖を行う例がいくつか知られている。たとえば[[ミノガ]]類には雌が幼虫型のまま成熟する例がある。[[ホタル]]類や[[ネジレバネ]]にも同様の例が知られる。 ただ、ややこしいのは、昆虫の場合、[[性的二形]]として雌が羽を発達させない例が多々あることである。昆虫の場合、幼虫と成虫のはっきりした差のひとつが羽が発達するかどうかなので、単に羽を発達させないのか、それとも幼生成熟と見なすべきかの判断がむずかしい例がある。たとえば[[ガ類]]の[[フユシャク]]は雌がごく短い羽しか持たないが、一応羽はあるし、それ以外の体は成体の形である。しかし、より成虫と幼虫の形の差が少ない群ではこの区別は困難になる。 ==ネオテニーと進化論== [[進化論]]においてネオテニーは'''[[進化]]の過程に重要な役割を果たす'''という説がある。なぜならネオテニーだと'''[[脳]]や体の[[発達]]が遅くなる'''代わり、各種器官の[[特殊化]]の程度が低く、特殊化の進んだ他の生物の成体器官よりも適応に対する[[可塑性]]が高い。そのことで成体になるまでに環境の変化があっても柔軟に適応することができるとされる。 たとえば[[脊椎動物]]の場合、それに近縁な[[無脊椎動物]]として重要なものに[[ホヤ]]類などがあり、それらでは幼生で脊椎動物の基本に近い構造が見いだせる。このことから、そのような動物のネオテニーが脊椎動物の進化の始まりであったとの説が唱えられた。しかし、異論もあり、たとえばより似通った[[ナメクジウオ]]に近いものを想定する説もある。また、そのような現生の動物にこだわらなければ、ホヤの幼生の様な姿の祖先的動物がいたと考えた方が簡単ではある。 == ヒトもネオテニーとする説 == [[File:Neoteny body proportion heterochrony human.png|thumb|200px|成長による人間の体型や頭身の変遷]] 1920年に[[L・ボルク]]が「'''人類ネオテニー説'''」を提唱した。[[チンパンジー]]の幼形が人類と似ている点が多いため、[[ヒト]]はチンパンジーのネオテニーだという説である<ref> {{Cite book|和書|author=スティーヴン・ジェイ・グールド|authorlink=スティーヴン・ジェイ・グールド|translator=浦本昌紀・寺田鴻|year=1995|title=ダーウィン以来…進化論への招待|origyear=1977|publisher=早川書房|series=ハヤカワ文庫NF|isbn=4150501963}}</ref>。すなわち、ヒトの進化のなかで、幼児のような形態のまま性的に成熟するようになる進化が起こったという。 ==脚注== {{Reflist}} ==関連項目== *[[胚発生]] *[[発生生物学]] *[[異時性]] *[[性淘汰]] *[[幼形進化]]:ネオテニーを含む概念 {{DEFAULTSORT:ねおてにい}} [[Category:発生生物学]] [[Category:進化]]
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