ニューポール 11のソースを表示

{{ Infobox 航空機
 | 名称 = ニューポール 11
 | 画像 = ファイル:Nieuport 11 C.1.jpg
 | キャプション = [[ベルギー]]軍のニューポール 11 C.1
 | 用途 = [[戦闘機]]
 | 設計者 = ギュスターヴ・ドラージュ
 | 製造者 = [[ニューポール]]
 | 運用者 = [[フランス空軍]]ほか
 | 初飛行年月日 = 
 | 生産数 = 
 | 生産開始年月日 = 
 | 運用開始年月日 = 1916年1月5日
 | 退役年月日 = 1917年夏
 | 運用状況 = 第一次世界大戦の終了まで練習機として使用<ref name="rand">Angelucci 1983, p. 53.</ref>
 | ユニットコスト =   
}}

'''ニューポール11'''（Nieuport 11）は[[第一次世界大戦]]期、[[フランス]]のギュスターヴ・ドラージュが設計し[[ニューポール]]社が生産した[[戦闘機]]である。[[1915年]]夏、ドイツの[[フォッカー]]単葉戦闘機が優勢であった西部戦線に登場し活躍した。いわゆる「[[フォッカーの懲罰]]」を終結させた機体の1つとして名高い<ref name="great">Chant & Taylor 2007, p. 14.</ref>。「ベベ（Bébé）」の愛称で親しまれた。フランスの撃墜王、[[ジョルジュ・ギンヌメール|ギンヌメール]]や[[シャルル・ナンジェッセ|ナンジェッセ]]の乗機である。

== 設計と開発 ==
ニューポール 11は基本的にニューポール 10を縮小・洗練し、単座戦闘機に特化させたものである。機体の特徴は一葉半（セスキプラン、sesquiplane）という下翼が小さく、複葉と単葉の中間を狙ったものである。80馬力のグノーム・エンジンを搭載した小型の機体である。

この形式に特有の欠点は、よほど強靭に造られない限り、強い力がかかると翼弦の狭い下翼がねじれて曲がってしまいやすいということであり<ref>[http://sped2work.tripod.com/neiuport11.html Nieuport 11]</ref>、これはV型支柱を備えたすべてのニューポール機と、同様の主翼デザインを採用したドイツの[[アルバトロス D.III]]、[[アルバトロス D.V|V、Va]]に共通する問題だった<ref name="weapons">Fitzsimons 1967/1969, p. 1989.</ref>。

ニューポール 11は、[[フランス空軍|フランス航空部隊]]、[[イギリス海軍航空隊]]のほか、オランダ、ベルギー、ロシア、イタリアの航空部隊に供給された。またイタリアの[[マッキ]]社によって646機がライセンス生産された<ref name="rand"/><ref name="weapons"/>。11の実戦での使用期間は短いものだったが、以降の一連のニューポール製V支柱型単座戦闘機の最初のものであり、その系列では[[ニューポール 17]]、[[ニューポール 24|24bis]]および[[ニューポール 27|27]]が最も有名である。

=== ニューポール 16 ===
1916年に、ニューポール 11のエンジンを110馬力（92kW）のル・ローヌ9Jロータリーエンジンに換装した改良型がニューポール16として登場した<ref name="great"/>。外見上の相違は開口部をより大きく取った「馬蹄形」カウリングであり、またパイロットのヘッドレストフェアリングが変更されているものもあった<ref name="weapons"/>。後期型は胴体機首上部にプロペラ同調式のヴィッカース機関銃を装備したが、この構成の場合には、重い9Jエンジンと大型のヴィッカース機銃の組合せによって明らかに機首が重くなりすぎており操縦性を損ねていた<ref name="weapons"/>。次の派生型である、わずかに大型化した[[ニューポール 17]] C1は、最初から重いエンジンを前提に設計され、16の[[重心]]問題を解決するとともに性能の向上を実現した<ref name="Cheesman">Cheeseman 1960, p. 92.</ref>。

== 運用歴 ==
ニューポール11は1916年1月にフランスの前線に到着し、その月のうちに90機が任務に就いた。

この小型軽量の一葉半戦闘機は、ほぼすべての局面で[[フォッカー アインデッカー|フォッカー単葉機]]を圧倒した。数ある特色の中でも本機は横操縦のために[[エルロン|補助翼]]を持っており、フォッカーの時代遅れの[[たわみ翼]]方式とは対照的だった。また[[昇降舵]]はモラーヌ式の釣り合い方式でなく、従来型の[[水平尾翼]]に付けられており、より容易に精確な飛行ができた。フォッカーの成功は主にプロペラと同調した機関銃によって回転面を通して前方に発射できた点によるが、当時、連合国側は同様のシステムを備えておらず、ニューポール 11の[[ルイス軽機関銃|ルイス機銃]]または[[ホチキス機関銃|ホチキス機銃]]は上翼に取り付けられてプロペラの上から前方に向けて発射されるようになっており、類似した効果を得ていた。この方式には銃が詰まったときの対応や飛行中の再装填に関して問題があったが、この問題はイギリス軍においては[[フォスター銃架]]の発明によって、そしてフランス軍では、[[ニューポール 17|17]]以降のニューポール戦闘機に採用されることになるアルカン同調装置の採用によって解決された<ref name="Cheesman"/>。

1916年2月の[[ヴェルダンの戦い]]においてニューポール 11は敵に大きな損失を出さしめ、それはドイツの戦術に急進的な変革を強いることとなった<ref name="rand"/>。

一部のニューポール 11は戦場において支柱に[[ル・プリエールロケット]]（Le Prieur rocket）を取り付けるように改造された。これは[[観測気球]]や[[飛行船]]への攻撃を目的としたものである。

1916年3月までに「ベベ」は改良型の[[ニューポール 17]]に交替した<ref name="rand"/>。17はフランス軍飛行隊のほとんどでは1917年早くに[[S.VII (航空機)|SPAD S.VII]]に交替し、イギリス軍の飛行隊ではその年の後半に[[RAF S.E.5|S.E.5a]]に交替した<ref name="rand"/><ref name="weapons"/>。それ以降のニューポール単座機は練習機として広く使用された<ref name="weapons"/>。

== 派生型 ==
;ニューポール 11
:単座複葉の戦闘/偵察機。「ニューポール スカウト」または「ニューポール ベベ」の名でも知られる。
;ニューポール 16
:単座複葉の戦闘/偵察機。11の発展型。110馬力（92 kW）のル・ローヌ9Jロータリーエンジン装備。

== 運用者 ==
* {{FRA}}
* {{GBR}}
* {{ITA1861}}
* {{UKR}} （1機のみ）
* {{NLD}}
* {{COL}}
* {{SRB}} / （{{flagicon|YUG}} ユーゴスラビア王国）
* {{THA}} （4機）
* {{CZES}}
* {{BEL}}
* {{ROM1881}}
* {{RUS}}

== 性能諸元（ニューポール 11） ==
{{航空機スペック

|固定翼 or 回転翼?=固定翼<!-- 選択肢: 固定翼/回転翼 -->
|ジェット or プロペラ?=プロペラ<!-- 選択肢: ジェット/プロペラ/混載/その他 -->

|出典="The Worlds Greatest Aircraft"

|乗員=1
|定員=
|ペイロード SI=
|ペイロード fp=
|全長 SI= 5.8 m
|全長 fp= 19 ft 0 in
<!-- 翼長・全幅 -->
|スパン SI= 7.55 m
|スパン fp= 24 ft 9 in
|全高 SI= 2.4 m
|全高 fp= 7 ft 10.5 in
|面積 SI= 13 m&sup2;
|面積 fp= 140 ft&sup2;
|翼型=
|空虚重量 SI= 344 kg
|空虚重量 fp= 759 lb
|運用時重量 SI= 480 kg
|運用時重量 fp= 1,058 lb
|有効搭載量 SI= 
|有効搭載量 fp= 
|最大離陸重量 SI= 550 kg
|最大離陸重量 fp= 1,213 lb
|その他の諸元=

|エンジン名（ジェット）=
|エンジン種類（ジェット）=<!--ターボジェット/ターボファン/など-->
|エンジン数（ジェット）=<!--1つなら1と書くこと-->
|推力 SI= 
|推力 fp= 
|推力 original=
|推力 more=
|アフターバーナー作動時 推力 SI= 
|アフターバーナー作動時 推力 fp= 
|エンジン名（プロペラ）=グノームまたはル・ローヌ 9C
|エンジン種類（プロペラ）=空冷ロータリーエンジン<!--レシプロ/ターボプロップ/ターボシャフト/など-->
|エンジン数（プロペラ）=1<!--1つなら1と書くこと-->
|出力 SI= 59.6 kW
|出力 fp= 80 hp
|出力 original=<!--出典にある数値と単位-->
|出力 more=

|最大速度 SI= 156 km/h
|最大速度 fp= 
|最大速度 more=
|巡航速度 SI= 
|巡航速度 fp= 
|巡航速度 more=
|失速速度 SI= 
|失速速度 fp= 
|失速速度 more=
|超過禁止速度 SI= 
|超過禁止速度 fp= 
|航続距離 SI= 330 km
|航続距離 fp= 
|航続距離 more=
|フェリーレンジ SI= 
|フェリーレンジ fp= 
|フェリーレンジ more=
|上昇限度 SI= 4,600 m
|上昇限度 fp= 15,090 ft
|上昇率 SI= 3,000 mまで15分
|上昇率 fp= 
|翼面（円板）荷重 SI= 
|翼面（円板）荷重 fp= 
|推力重量比= <!--計算して無次元数にする-->
|馬力荷重 SI= 1.49 kW/kg
|馬力荷重 fp= 0.09 hp/lb
|最大馬力荷重 SI=
|最大馬力荷重 fp=
|最大推力重量比=
|その他の性能=
<!-- 武装= に直接書いても良いし、以下のパラメタを使っても良い -->
|武装=
|固定武装=7.7 mm ホチキス機関銃またはルイス機関銃 &times;1
|爆弾=
|ミサイル=
|ロケット弾=

|アビオニクス=

}}

== 関連項目 ==
* [[フォッカー E.III]]
* [[ニューポール 17]] / [[ニューポール 24|24]] / [[ニューポール 28|28]]
* [[戦闘機一覧]]

== 参照 ==
;脚注
{{reflist}}

;参考図書
{{refbegin}}
* Angelucci, Enzio, ed. ''The Rand McNally Encyclopedia of Military Aircraft''. New York: The Military Press, 1983. ISBN 0517-41021-4.
* Chant, Christopher and Michael J.H. Taylor. ''The World's Greatest Aircraft''. Edison NJ: Cartwell Books Inc., 2007. ISBN 0-7858-2010-8.
* Cheesman E.F., ed. ''Fighter Aircraft of the 1914-1918 War''. Letchworth, UK: Harleyford Publications, 1960. ISBN 978-0830683505.
* Cooksley, Peter. ''Nieuport Fighters in Action''. Carrollton, Texas: Squadron/Signal Publications, 1997. ISBN 0-89747-377-9.
* Fitzsimons, Bernard, ed. ''The Illustrated Encyclopedia of the 20th Century Weapons and Warfare''. London: Purnell & Sons Ltd., 1967/1969. ISBN 0-83936-175-0.
{{refend}}

{{DEFAULTSORT:にゆほる11}}
[[Category:フランスの戦闘機]]
[[Category:第一次世界大戦時の航空機]]