ニコライ1世のソースを表示

{{出典の明記|date=2010年6月}}
{{基礎情報 君主
|人名       =ニコライ1世
|各国語表記 ={{Lang|ru|Николай I}}
|君主号     =[[ロシア帝国|ロシア]][[ロシア皇帝|皇帝]]
|画像       =Tsar Nicholas I -3.jpg
|画像サイズ =
|画像説明   =ニコライ1世（[[フランツ・クリューガー]]画、[[1852年]]）
|在位       =[[1825年]][[12月1日]] - [[1855年]][[3月2日]]
|戴冠日     =[[1826年]][[9月3日]]、於[[生神女就寝大聖堂 (モスクワ)|モスクワ・ウスペンスキー大聖堂]]<br>[[1829年]][[5月24日]]（[[ポーランド立憲王国|ポーランド]][[ポーランド国王|国王]]）
|別号       =
|全名       ={{Lang|ru|Николай Павлович}}<br />ニコライ・パヴロヴィチ
|出生日     ={{生年月日と年齢|1796|7|6|no}}
|生地       ={{RUS1883}}、[[ツァールスコエ・セロー]]
|死亡日     ={{死亡年月日と没年齢|1796|7|6|1855|3|2}}
|没地       ={{RUS1883}}、[[サンクトペテルブルク]]、[[冬宮殿]]
|埋葬日     ={{RUS1883}}、[[サンクトペテルブルク]]、[[首座使徒ペトル・パウェル大聖堂 (サンクトペテルブルク)|ペトロパヴロフスキー大聖堂]]
|埋葬地     =
|継承者     =
|継承形式   =
|配偶者1    =[[アレクサンドラ・フョードロヴナ (ニコライ1世皇后)|アレクサンドラ・フョードロヴナ]]
|子女       ={{Collapsible list|title = 一覧参照|[[アレクサンドル2世]]<br />[[マリア・ニコラエヴナ (ロイヒテンベルク公妃)|マリア]]<br />[[オリガ・ニコラエヴナ (ヴュルテンベルク王妃)|オリガ]]<br />[[アレクサンドラ・ニコラエヴナ|アレクサンドラ]]<br />[[コンスタンチン・ニコラエヴィチ|コンスタンチン]]<br />[[ニコライ・ニコラエヴィチ (1831-1891)|ニコライ]]<br />[[ミハイル・ニコラエヴィチ|ミハイル]]}}
|王家       =[[ロマノフ家|ホルシュタイン＝ゴットルプ＝ロマノフ家]]
|王朝       =[[ロマノフ朝|ホルシュタイン＝ゴットルプ＝ロマノフ朝]]
|王室歌     =
|父親       =[[パーヴェル1世]]
|母親       =[[マリア・フョードロヴナ (パーヴェル1世皇后)|マリア・フョードロヴナ]]
|宗教       =[[キリスト教]][[ロシア正教会|正教会]]
|サイン     =
}}
'''ニコライ1世'''（{{翻字併記|ru|'''Николай I'''|'''Nikolai I'''}}、ニコライ・パヴロヴィチ・ロマノフ、{{翻字併記|ru|Николай Павлович Романов|Nicholai Pavlovich Romanov}}、[[1796年]][[7月6日]] - [[1855年]][[3月2日]]）は[[ロマノフ朝]]第11代[[ロシア帝国|ロシア]][[ロシア皇帝|皇帝]]（在位：[[1825年]][[12月1日]] - [[1855年]][[3月2日]]）、第2代[[ポーランド立憲王国]][[ポーランド国王|国王]]（'''ミコワイ1世'''）、第2代[[フィンランド大公国|フィンランド]][[フィンランド大公|大公]]。父は[[パーヴェル1世]]、母は皇后[[マリア・フョードロヴナ (パーヴェル1世皇后)|マリア・フョードロヴナ]]。

帝政時代にロシア帝国銀行が発行した50[[ロシア・ルーブル|ルーブル]]紙幣に肖像が描かれていた。

== 生涯 ==
[[ファイル:Emperor Nicholas I annouces to his guard outbreak of November Uprising in Poland.PNG|thumb|left|220px|近衛隊らに[[11月蜂起]]の勃発を告げるニコライ1世]]
長兄アレクサンドル1世の急死と次兄[[コンスタンチン・パヴロヴィチ|コンスタンティン大公]]の皇位継承権放棄によって即位した。アレクサンドル1世の在位中から専制的な言動で知られていたため、即位時に[[デカブリストの乱|自由主義を支持する将校達によるクーデター未遂]]が起こった。この計画を事前に察知していた[[アレクサンドル・ベンケンドルフ]]伯爵を登用、[[1826年]]に「[[皇帝官房]][[皇帝官房第三課|第三課]]」を創設させた。ベンケンドルフを長とする[[秘密警察]]は[[アレクサンドル・プーシキン|プーシキン]]、[[ミハイル・レールモントフ|レールモントフ]]、[[ヴィッサリオン・ベリンスキー|ベリンスキー]]、[[アレクサンドル・ゲルツェン|ゲルツェン]]らを流刑にした。

ニコライ1世の治世は専ら強権的な[[専制政治]]に貫かれ、[[1830年]]と[[1848年]]におこった[[ポーランド立憲王国]]の自治権拡大運動を鎮圧した。この結果、それまで総督が統治していたポーランドは1830年の[[十一月蜂起|武装蜂起]]鎮圧後はロシアの直轄領となり、自治権も大きく制限された。また[[1848年]]には「[[ヨーロッパ]]の憲兵」と称して[[ハンガリー王国|ハンガリー]]の独立運動を鎮圧した。

対外的には[[汎スラヴ主義]]の土台を築き上げ、[[南下政策]]を推進した。[[バルカン半島]]では、[[ギリシャ王国|ギリシャ]]や[[セルビア王国 (近代)|セルビア]]の独立運動を支援した。[[極東]]方面では[[アヘン戦争]]の結果、[[イギリス]]を中心とした[[欧米列強]]が[[東アジア]]に本格的な進出を開始したことを重視、[[エフィム・プチャーチン|プチャーチン]]を遣日全権使節として[[日本]]へ派遣し、1855年に[[日露和親条約]]を締結した。[[西アジア]]方面では[[カージャール朝]]ペルシアに対して[[トルコマンチャーイ条約]]を受け入れさせ、[[アルメニア]]を併合することに成功した。エジプト事件に際しては[[オスマン帝国]]を終始支援し、[[ウンキャル・スケレッシ条約]]を締結して[[ボスポラス海峡|ボスポラス]]・[[ダーダネルス海峡|ダーダネルス]]両海峡の独占航行権を一時獲得するなど、南下政策を進めていったが、イギリスや[[プロイセン王国|プロイセン]]・[[オーストリア帝国|オーストリア]]の干渉を受けて挫折し、オスマン帝国との間に[[クリミア戦争]]を起こした。

[[セヴァストポリ]][[要塞]]攻防戦などでロシアの将兵は奮闘するも、全体の戦況は兵器や装備についての技術革新、近代軍隊にふさわしい組織改革が遅れていたロシア軍に不利であり、国内では皇帝官房第三課の厳しい抑圧にもかかわらず、ヨーロッパに吹き荒れた社会運動の影響がロシアにも及び反体制派の活動が活発化する中で、絶望に包まれながら[[インフルエンザ]]にかかり死去した。

== 人物 ==
政治家としては冷徹な専制主義者であり、あらゆる変革の試みに対し、軍人らしい保守性と厳格さで徹底して認めようとしなかった。しかし個人としては人格者であり、[[フランス第三共和政|フランス]]の[[オーギュスト・マルモン]][[元帥]]が1828年にニコライ1世の長男の[[アレクサンドル2世|皇太子アレクサンドル]]に拝謁を申し出た時、次のように述べてその申し出を断っている。「あの子を思い上がらせたいのかね？」「軍を指揮下におく将軍が自分に敬意を表するようなことになったら、あの小さな息子は鼻高々になるだろう。（中略）儀礼的な拝謁は望ましくない。わたしは息子を皇子として育てる前に、人間として育てたいのだ。」

[[1845年]]には老いた[[教皇]][[グレゴリウス16世 (ローマ教皇)|グレゴリウス16世]]との会談を行っている。これはロシアの元首として歴史上初のものとなった。

== 家族 ==
1817年、[[プロイセン国王|プロイセン王]][[フリードリヒ・ヴィルヘルム3世 (プロイセン王)|フリードリヒ・ヴィルヘルム3世]]の長女シャルロッテ・フォン・プロイセン（結婚と同時に[[アレクサンドラ・フョードロヴナ (ニコライ1世皇后)|アレクサンドラ・フョードロヴナ]]と改名）と結婚
* [[アレクサンドル2世]]（1818年 - 1881年）
* [[マリア・ニコラエヴナ (ロイヒテンベルク公妃)|マリア]]（1819年 - 1876年）　[[ロイヒテンベルク公]][[マクシミリアン・ド・ボアルネ|マクシミリアン]]妃
* [[オリガ・ニコラエヴナ (ヴュルテンベルク王妃)|オリガ]]（1822年 - 1892年）　[[ヴュルテンベルク王国|ヴュルテンベルク]]国王[[カール1世 (ヴュルテンベルク王)|カール1世]]妃
* [[アレクサンドラ・ニコラエヴナ|アレクサンドラ]]（1825年 - 1844年）　ヘッセン＝カッセル方伯子[[フリードリヒ・ヴィルヘルム・フォン・ヘッセン＝カッセル|フリードリヒ]]妃
* [[コンスタンチン・ニコラエヴィチ|コンスタンチン]]（1827年 - 1892年）　アルテンブルク公女[[アレクサンドラ・イオシフォヴナ|アレクサンドラ]]と結婚。
* [[ニコライ・ニコラエヴィチ (1831-1891)|ニコライ]]（1831年 - 1891年）　オルデンブルク公女[[アレクサンドラ・ペトロヴナ|アレクサンドリーネ]]と結婚。
* [[ミハイル・ニコラエヴィチ|ミハイル]]（1832年 - 1909年）　バーデン大公女[[オリガ・フョードロヴナ|ツェツィーリエ]]と結婚。

== 関連項目 ==
{{commonscat|Nicholas I of Russia}}
* [[アドリアノープル条約]]
* [[エジプト・トルコ戦争]]
* [[東方問題]]
* [[ニコライ・ムラヴィヨフ＝アムールスキー]]

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! style="background:#ccf;"|地位の継承
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{{s-hou|[[ロマノフ朝|ホルシュタイン＝ゴットルプ＝ロマノフ朝]]・[[ロマノフ家|ホルシュタイン＝ゴットルプ＝ロマノフ家]]|1796年|7月6日|1855年|3月2日|[[オルデンブルク朝|オルデンブルク]]}}
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[[Category:ロシア皇帝]]
[[Category:ロシア大公]]
[[Category:ポーランド国王]]
[[Category:フィンランド大公]]
[[Category:ホルシュタイン＝ゴットルプ＝ロマノフ家]]
[[Category:ガーター勲章]]
[[Category:金羊毛騎士団員]]
[[Category:ヨーロッパの紙幣の人物]]
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[[Category:1796年生]]
[[Category:1855年没]]