ナイアガラの滝のソースを表示

{{Otheruses|北米大陸にある瀑布|新宿ナイアガラの滝|新宿中央公園}}

{{Infobox 滝
|名称   =  ナイアガラの滝
|画像   =  [[File:3Falls Niagara.jpg|300px]]
|座標   =  {{Coord|43|4|48|N|79|4|16|W|region:US-NY|display=inline,title}}
|所在地 =  [[カナダ]][[オンタリオ州]][[ナイアガラフォールズ (オンタリオ州)|ナイアガラフォールズ]]<br />[[アメリカ合衆国]][[ニューヨーク州]][[ナイアガラフォールズ (ニューヨーク州)|ナイアガラフォールズ]]
|落差   =  51
|滝幅   =  --
|水系   =  [[ナイアガラ川]]
}}  
'''ナイアガラの滝'''（'''ナイアガラ瀑布'''、{{lang-en|''Niagara Falls''}}、{{lang-fr|''Les Chutes du Niagara''}}）は、[[エリー湖]]から[[オンタリオ湖]]に流れる[[ナイアガラ川]]にあり、[[カナダ]]の[[オンタリオ州]]と[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[ニューヨーク州]]とを分ける国境になっている。カナダの[[トロント]]から南南西に120km（75mi）、アメリカの[[バッファロー (ニューヨーク州)|バッファロー]]から北北東に27km（17mi）の両国とも同名のナイアガラフォールズ市（[[ナイアガラフォールズ (オンタリオ州)|オンタリオ州側]]、[[ナイアガラフォールズ (ニューヨーク州)|ニューヨーク州側]]）に位置する。滝は豊富な水力資源と景観の美しさで知られる。

ナイアガラの滝は[[ゴート島]]によって、カナダ側の国境を挟んだ[[カナダ滝]]とアメリカ側の[[アメリカ滝]]からなる。アメリカ側はさらに[[ルナ島]]を挟んで[[ブライダルベール滝 (ナイアガラの滝)|ブライダルベール滝]]がある。[[最終氷期]]（最後の[[氷河期]]）の後退期に形成され、[[五大湖]]の水流が[[:en:Niagara Escarpment|ナイアガラ崖線]]を経て[[大西洋]]に流れ込む過程にある。

滝の高さはあまりないが幅が広く、単独で流れる滝の水量では北米で最も規模が大きい<ref name="Best Waterfalls">{{cite web | url = http://www.travelersdigest.com/best_waterfalls.htm
| title = The World's Best Waterfalls | accessdate = 2006-09-24}}</ref>。最大毎分168,000m³、平均毎分110,000m³の水量が流れている<ref name="Niagara Parks Trivia">{{cite web | url = http://www.niagaraparks.com/nfgg/falls_facts.php | title = Falls Facts (Trivia) - Niagara Parks, Niagara Falls, Ontario, Canada | accessdate = 2007-03-21}}</ref>。

== 特徴 ==
[[File:American and Bridal Falls as seen from Skylon Tower.jpg|thumb|[[アメリカ滝]] (左の巨大瀑布) 及び[[ブライダルベール滝 (ナイアガラの滝)|ブライダルベール滝]] (右の小瀑布)]]
[[File:Canadian Horseshoe Falls with Buffalo in background.jpg|thumb|[[w:Skylon Tower|Skylon Tower]]から臨む[[カナダ滝]]]]
ナイアガラの滝は以下、3つの[[滝]]から構成されている。
* '''[[カナダ滝]]''' （落差53m、幅670m、滝壺の深さ56m）
* '''[[アメリカ滝]]''' （落差21mから34m、幅260m）
* '''[[ブライダルベール滝 (ナイアガラの滝)|ブライダルベール滝]]''' （落差55m、幅15m）

水量は春から初夏のピークシーズンでおよそ毎秒5,720 m³になる。夏は毎秒2,832 m³で、90%はカナダ滝に流れ込むが、水力発電施設に一部、人工的に流されている。カナダ滝の上流には[[堰|可動堰]]が設けられており、夜間の水量は日中の半分に調節されている。観光のオフシーズンになる冬の期間も水量が毎秒1,416m³に抑えられている<ref name="IJC – International Niagara Board of Control">{{cite web | url = http://www.ijc.org/conseil_board/niagara/en/niagara_home_accueil.htm | title = IJC – International Niagara Board of Control | accessdate = 2007-03-19}}</ref>。

アメリカ側からの眺望はほとんどが滝の背後に位置し、滝の正面や全体を眺望できるのはカナダ側になる。

== 形成と浸食 ==
1万年前のウィスコンシン氷河期に形が出来た。[[五大湖]]とナイアガラ川も同時期の地形である。滝の発祥地点は、現在よりも11km下流にあたるオンタリオ州側のクイーンストンやニューヨーク州側のルイストンの付近に位置する。米国北部全体が氷河に覆われ、氷河が台地を削り、一方でその岩石を堆積した。氷河が溶け始めると川が地形を作っていった。この一帯は[[シルル紀]]の岩石が分布し、滝の最上部は石灰岩で、その下の頁岩より固く削られずに残りやすい。さらにその下にはより古い[[オルドビス紀]]の頁岩と砂岩がある。1950年代までは浸食により年間1mずつ上流へ移動し、浸食が続けばエリー湖に埋没してしまうため、カナダ滝の落下水量を馬蹄形全体に均等化する工事が60年代にかけて行われ、現在、浸食スピードは年間3cm程度に抑えられているが、それでも2万5千年後には消滅するという。

== 語源と歴史 ==
[[File:Firmin Didot Freres Falls.PNG|left|175px|thumb|Roux de Rochelleによる''États Unis d'Amérique''から、1837年のナイアガラの木版画]]
[[File:Niagara Staumauer db.jpg|thumb|[[ニューヨーク州]]・[[w:Lewiston, New York|Lewiston]]の[[w:Robert Moses Niagara Power Plant|Robert Moses Niagara Power Plant]]]]
[[File:Rainbow Bridge Rainbow.jpg|thumb|[[w:Rainbow Bridge (Niagara Falls)|Rainbow Bridge]]]]
Niagara の語源についてははっきりしておらず、諸説ある。（なお、英語では i を二重母音で読むために「ナイアガラ」と発音されるが、フランス語等では「ニヤガラ」と発音されることに留意されたい）

[[イロコイ語]]の研究者 B. トリガーによれば、この土地に住んでいた先住民の家名に由来するという。17世紀後半フランスの、この地域を記した地図には、彼らが"Niagagarega"と呼ばれていたと記述されている<ref>Bruce Trigger, ''The Children of Aataentsic'' (McGill-Queen's University Press, Kingston and Montreal,1987, ISBN 0-7735-0626-8), pgs.95.</ref>。また[[地名学]]者の G. スチュワートによれば、"Ongniaahra"（「二つに分かれた土地の端」の意）というイロコイ族の町の名に由来するという<ref>[[George R. Stewart|Stewart, George R.]] (1967) ''Names on the Land.'' Boston: Houghton Mifflin Company; pg. 83.</ref>。

一方、[[地理学]]者の H.スクールクラフトは次のように記している。
<blockquote>
「ナイアガラの滝。これは[[モホーク族|モホーク語]]である。カー夫人によれば、「首」を意味する。この語は最初は、エリー湖とオンタリオ湖の間の{{仮リンク|連水陸路|ru|Волок|en|Portage}}、または[[地峡]](neck of land)を指していた。エリオット氏の語彙集（11章）を参照すれば、人間の首が――この実際の語彙集に従えば「彼の首」だが―― "onyara" だということが分かるだろう。1820年の春に、[[レッド・ジャケット]]がこのナイアガラという語を、O-ne-au-ga-rah とでも書くかのように発音した」<ref>[[Henry R. Schoolcraft|Schoolcraft, Henry R.]] (1847) ''Notes on the Iroquois.'' pp. 453-454.
</ref> 
</blockquote>

他に、しばしば観光案内などでは「雷鳴の轟く水」（thunder of the water, thundering Waters 等）を意味すると説明されることがあるが<ref>例えば[[http://www.niagarajapan.com/home/zatsugaku_view.asp?ID=10 ナイアガラ観光局公式日本語ホームページ]]など。</ref>、これには学術的な根拠はないようである。

ヨーロッパ人で滝を最初に目撃したと言われる人々は幾人かおり、1604年、フランス人探検家[[サミュエル・ド・シャンプラン]]の探検団一向が探検し、彼のもとに滝についての報告があったことが彼の日記に残されている。1700年代初期、スウェーデンの学者[[:en:Pehr Kalm|ペール・カルム]]がこの地域を探検し、このときの体験を記録に残している。1677年、カルムより早くにフランスの宣教師[[:en:Louis Hennepin|ルイ・エヌパン]]が、フランス人探検家[[ロベール＝カブリエ・ド・ラ・サール]]とともに訪れたことは非常によく知られている。しかし、フランスの[[イエズス会|イエズス会宣教師]][[:en:Paul Ragueneau|ポール・ラグノー]]が[[ワイアンドット族]]（ヒューロン族）[[インディアン]]に布教活動をしている際、エヌパンよりおよそ35年前に訪れたことを示す確証があり、そのほかにもイエズス会宣教師[[:en:Jean de Brébeuf|ジャン・ドゥ・ブレハブ]]が訪れたのではないかとされている<ref> http://puffin.creighton.edu/jesuit/relations/relations_33.html </ref>。

18世紀にかけて観光が盛んになり、18世紀中頃にはこの地域の主要産業となる。19世紀初期、[[ナポレオン・ボナパルト]]の弟[[ジェローム・ボナパルト]]が花嫁と一緒に訪れている<ref name="Canadadacool">{{cite web
| url = http://www.canadacool.com/COOLFACTS/ONTARIO/NiagaraFallsNapoleon.html
| title = Niagara Falls is such a cool honeymoon destineation even Napoleoto's Brother choose it
| accessdate = 2006-09-24
}}</ref>。
[[ナイアガラ川]]を行き来する需要が増え始めたため、1848年に歩道橋ができ、チャールズ・エレット・ナイアガラ・フォールズ吊り橋、1855年には[[:en:John A. Roebling|ジョン・アウグストゥス・ローブリン]]・ナイアガラ・フォールズ吊り橋となる。

[[南北戦争]]後、[[ニューヨーク・セントラル鉄道]]は、ナイアガラの滝を余暇と新婚旅行先として力を入れるようになる。鉄道の交通量が増えた1886年、木材と石材でできた橋が鉄橋へと置き換わり、現在も鉄道がナイアガラ川をまたぐ橋となっている。滝の近くにできた最初の鉄橋は1897年に完成し、今日では[[:en:|ワールプール・ラピッズ・ブリッジ]]として知られ、車輌、列車、歩行者が行き来できる。1941年、滝近くに3番目の橋「[[:en:Rainbow Bridge|レインボー・ブリッジ]]」が建設され、車輌と歩行者がアメリカ、カナダ間の国境を行き来できる。

[[第一次世界大戦]]後、観光業は再びブームを迎え、自動車が普及したことにより滝へのアクセスがより容易になった。20世紀において、滝の歴史は[[水力発電]]の活用と自然景観の保護と開発に大別される。

== 観光 ==
[[File:Niagara Falls at night1.jpg|thumb|170px|ナイアガラの滝の夜景]]
よく見るナイアガラの滝の写真は滝がアップで写されているため、あたかも滝が雄大な自然のなかにあると思われがちだが、周辺は観光地化が進んでおり、カナダ側には滝から近いところにホテルやレジャー施設が並んでいる。特に90年代以降は急速に観光客向けの開発が進められた。観光客のうちおよそ9割はカナダ側、残り1割ほどがアメリカ側から滝を観光している。

観光シーズンのピークは夏であり、カナダ側から[[カナダ滝]]と[[アメリカ滝]]に向かって[[ライトアップ]]が毎夜行われ、日中から夜までアトラクションを楽しむことができる。最も古くからあるアトラクションでは遊覧船「[[霧の乙女号]]」がよく知られ、1846年来、観光客を乗せてアメリカ、カナダの両岸から滝つぼまでの間を行き来している<ref name=momleg>{{cite web | title = American Indian Legends - Legend Of The Maid Of The Mist | url = http://www.firstpeople.us/FP-Html-Legends/Legend_Of_The_Maid_Of_The_Mist-Unknown.html | publisher = 
www.firstpeople.us | accessdate = March 27, 2007}}</ref>。

===アメリカ側===
アメリカ側では、[[ナイアガラ州立公園]]の各地点から滝を眺望でき、プロスペクト･ポイント公園の歩道沿いやプロスペクト･ポイント展望タワー、霧の乙女号の波止場からアメリカ滝が望める。[[ゴート島]]からもアメリカ滝を見ることができ、[[風の洞窟]]を通して[[ブライダルベール滝 (ナイアガラの滝)|ブライダルベール滝]]の真下まで降りることができる。また、[[ニコラ・テスラ]]の大きな銅像が入り口門近くにある。

ゴート島内を観光して回るトローリーバスがあり、気球やヘリコプターを通して滝を見ることもできる。ナイアガラ･ゴージ・ディスカバリー・センターのショーケースではナイアガラの自然と歴史に関する展示がある。

=== カナダ側 ===
[[File:Ilievaart-falls0805 7584smaller.jpg|thumb|170px|スカイロン・タワー]]
カナダ側のクイーンビクトリア公園には手入れされた花壇があり、カナダ滝とアメリカ滝の眺めもよい。
[[File:Journey Behind The Falls.JPG|thumb|170px|ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズから見たカナダ滝]]
滝付近には展望タワーが2つあり、滝付近では最も高い地点からの全景が望める{{仮リンク|スカイロン・タワー|en|Skylon Tower}}と、[[カナダ滝]]を見下ろす眺めになる{{仮リンク|コニカ・ミノルタ・タワー・センター|en|Konica Minolta Tower Centre|label=コニカ・ミノルタ・タワー}}がある。カナダ滝のすぐ脇に展望スペース「[[テーブルロック]]」があり、真下で滝が落ちていく様子を見ることができる。かつては名前のようにテーブル状に突き出た岩だったが、後に崩れて現在の展望スペースとして整備された。{{仮リンク|ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズ|en|Journey Behind the Falls}}（JBF）はカナダ滝裏側のトンネルに行くことができ、展望デッキからはカナダ滝のすぐ脇下から滝を鑑賞できる。また、滝から少し離れた地点には1916年にスペイン人技師[[レオナルド・トーレス・ケベード]]によってデザインされた[[ケーブルカー]]「{{仮リンク|ワールプール・エアロ・カー|en|Whirlpool Aero Car}}」がワールプールにある。[[フォートエリー]]から{{仮リンク|フォートジョージ (オンタリオ州)|en|Fort George, Ontario|label=フォートジョージ}}までの[[ナイアガラ川]]沿いには、[[米英戦争]]の史跡を始め、娯楽用のトレイルがある。

その他、カナダ側[[オンタリオ州]]の[[ナイアガラフォールズ (オンタリオ州)|ナイアガラフォールズ]]市には{{仮リンク|ナイアガラ・フォールズビュー・カジノ・リゾート|en|Niagara Fallsview Casino Resort}}と{{仮リンク|カジノ・ナイアガラ|en|Casino Niagara}}という2つの[[カジノ]]がある。滝沿いの観光地区にはホテルが多く立ち並び、{{仮リンク|ナイアガラ・スカイホイール|en|Niagara SkyWheel}}（[[観覧車]]）や店舗が立ち並ぶ{{仮リンク|クリフトンヒル|en|Clifton Hill, Niagara Falls}}がある。

== パノラマ ==
{{wide image|Niagara falls panorama.jpg|1000px|<center>[[アメリカ滝]]、[[ブライダルベール滝 (ナイアガラの滝)|ブライダルベール滝]]及び[[霧の乙女号]]が付近を遊覧する[[カナダ滝]]のパノラマ</center>}}

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
* [[ナイアガラフォールズ (オンタリオ州)]] （カナダ側の都市）
* [[ナイアガラフォールズ (ニューヨーク州)]] （アメリカ合衆国側の都市）
* [[ウェランド運河]]

=== 世界三大瀑布 ===
ナイアガラの滝は[[世界三大瀑布]]のひとつではあるが、唯一[[世界遺産]]には登録されていない。
* [[ヴィクトリアの滝|ビクトリアの滝]] 
* [[イグアスの滝]]（[[イグアス国立公園]]）

== 外部リンク ==
{{commons|Niagara Falls}}
* [http://translate.googleusercontent.com/translate_c?client=tmpg&hl=en&langpair=es%7Cja&rurl=translate.google.com&twu=1&u=http://thewotme.com/%3Fp%3D1571&usg=ALkJrhjR8kXhKPXbgh1Fhg4hKpiyyAeiMg ナイアガラの滝、西洋世界最大の水力発電] - Thewotme travel blog
* [http://www.niagaraparks.com/ ナイアガラ・パークス] {{en icon}}{{ja icon}}ほか
* [http://www.niagarajapan.com/ ナイアガラ観光局公式サイト] {{ja icon}}

{{CND-stub}}
{{Us-stub}}

{{デフォルトソート:ないあがら}}
[[Category:ナイアガラの滝|*]]
[[Category:アメリカ合衆国の滝]]
[[Category:カナダの滝]]
[[Category:国境上の滝]]

{{Link FA|it}}
{{Link FA|ast}}