ディプロドクスのソースを表示

{{生物分類表
|名称 = ディプロドクス <br/>{{Lang|lat|''Diplodocus''}}
|fossil_range = {{Fossil range|150.00|147.00}}
|画像= [[ファイル:Berlin Diplodocus.jpg|250px|''D. carnegii'' の全身骨格化石標本（ドイツはベルリンの[[フンボルト博物館]]の所蔵物。[[ベルリン中央駅]]期間限定展示。2007年撮影）]]
|画像キャプション = {{Lang|lat|''D. carnegii''}} の全身骨格化石[[標本 (分類学)|標本]]<br />（ドイツは[[ベルリン]]の[[フンボルト博物館]]の所蔵物。[[ベルリン中央駅]]展示<ref>期間限定展示（[[2007年]]撮影）。</ref>）
|地質時代 = 約1億5000万- 約1億4700万年前<br />（[[中生代]][[ジュラ紀]]後期［マルム[[世]]］終盤[[チトニアン]]［[[w:Tithonian|en]]］）<!--層序については日本語版非準拠・英語版準拠-->
|地質時代2 = 
|省略 = 恐竜上目
|目 = [[竜盤類|竜盤目]] {{sname||Saurischia}}
|亜目 = [[絶滅|†]][[竜脚形亜目]] {{sname||Sauropoda}}
|下目 = [[竜脚下目]] {{sname||Sauropoda}}
|下目階級なし = [[新竜脚類]] {{sname||Neosauropoda}}
|上科 = [[ディプロドクス上科]] {{sname||Diplodocoidea}}
|科 = [[ディプロドクス科]] {{sname||Diplodocidae}}
|亜科 = [[ディプロドクス亜科]] {{sname||Diplodocinae}}
|属 = '''ディプロドクス属''' {{snamei||Diplodocus}}
|学名 = ''[[w:Genus|genus]] '''Diplodocus'''''<br/>{{AUY|[[オスニエル・チャールズ・マーシュ|Marsh]]|1878}}
|シノニム = ''Seismosaurus''<br />{{AUY|[[w:David Gillette|Gillette]]|1991}}
|タイプ種 = ''Diplodocus longus''<br />{{AUY|[[オスニエル・チャールズ・マーシュ|Marsh]]|1878}}
|和名 = '''ディプロドクス'''
|下位分類名 =  下位分類（[[種 (分類学)|種]]）
|下位分類 = 
* ''D. carnegii''　{{AUY|Hatcher|1901}}
* ''D. hallorum''　{{AU|({{AUY|[[w:David Gillette|Gillette]]|1979}})}} {{AUY|Lucas [[wikt:en:et al.|''et al.'']]|2004}}
* ''D. hayi''　{{AUY|Holland|1924}}
* ''D. longus''　{{AUY|[[オスニエル・チャールズ・マーシュ|Marsh]]|1878}}
<center>詳しくは[[#下位分類|本文]]を参照のこと
}}
[[ファイル:Diplodocus_carnegiei.jpg|thumb|235px|{{Lang|lat|''D. carnegii''}} の全身骨格化石標本<br />（ドイツ、ベルリンの[[フンボルト博物館]]）]]
[[ファイル:Diplodocus NHM.JPG|thumb|235px|''D. carnegii'' の全身骨格化石標本<br />（イギリスの[[ロンドン自然史博物館]]・中央ホールにて展示）]]

'''ディプロドクス'''（[[学名]]：{{Lang|lat|''[[w:Genus|genus]] '''Diplodocus'''''}}）は、約1億5000万- 約1億4700万年前（[[中生代]][[ジュラ紀]]後期［マルム[[世]]］終盤[[チトニアン]]［[[w:Tithonian|en]]］）の[[北アメリカ大陸]]に生息していた大型[[草食動物|草食性]][[恐竜]]の一種（1[[属 (分類学)|属]]）。[[竜盤類|竜盤目]]- [[竜脚形亜目]]- [[竜脚下目]]- [[ディプロドクス科]]- ディプロドクス亜科 (Diplodocinae) に分類される、同科の[[タイプ (分類学)|模式属]]である。

== 呼称 ==
[[学名|属名]]（[[ラテン語]]）は「二重の[[梁 (建築)|梁]]を持つもの」を意味し、[[脊椎|脊椎骨]]の形状に由来する。
これを受けて[[漢字]]では、[[日本語]]で「'''梁竜'''（りょうりゅう）」、[[中国語]]で「{{Lang|chi|樑龍}}（[[簡体字]]：{{Lang|chi|梁龙}}。[[ピン音|拼音]]：{{Lang|all|liáng lóng}}」と記す。

== 生物的特徴 ==
<!-- === 分布 === -->
=== 形態・生態 ===
全長約20 - 35[[メートル|m]]。[[アパトサウルス]]など他の[[竜脚下目|竜脚類]]と比べると華奢で、体重は比較的軽く、10 - 40[[トン|t]]程度と見られる。

最大の特徴は、細めの体と長大な尾である。この尾は、強靭な筋肉によって[[鞭]]のように振るなど主に自衛のために使われたと考えられる（全力で打ち振るわれた尾の先端部は、鞭がそうであるように、[[音速]]を超えたという説もある）。<!--攻撃的なようにも思えるが、|※思える?-->巨大な[[草食動物|植物食動物]]で<!--「植物食=温和」は根拠無し-->、足跡の化石などから他の竜脚類と同様に群れを成して生活していたと考えられている。

[[頭蓋骨]]は高さが比較的無く、前後に長い。口の前半に[[鉛筆]]のようなまっすぐな[[歯]]が生えていた。他の竜脚類では[[スプーン]]状の歯を持つものが多く、この形は本属も含む[[ディプロドクス科]]に固有の特徴である。より進化した[[ティタノサウルス科]] ([[CF#cf|''cf.'']] [[:en:Titanosauridae|en]]) もこの形に近い頭蓋骨と歯を持つため、一時期ディプロドクス科と近縁と考えられたが、初期の種の特徴からむしろ[[ブラキオサウルス]]に近いことが分かり、[[収斂進化]]の結果と見なされることとなった。この独特の歯で樹木の葉を[[櫛]]（くし）で漉（す）き取るように食べていたと推測される。他の竜脚類と同様、噛まずに呑み込まれた葉は筋肉質の胃袋の中で[[胃石]]とともにすり潰されて[[消化]]されたようで、化石の腹部から磨耗して丸くなった石が多数発見されている。

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ファイル:Diplodocus size comparison.png|[[ヒト]]との大きさの比較
ファイル:Diplodocus skull 023.jpg|''D. longus'' の頭蓋骨化石標本（産出地：[[アメリカ合衆国|米国]][[ワイオミング州]][[ララミー (ワイオミング州)|ララミー]]近郊の[[ボーンキャビン採石場]]［[[w:Bone Cabin Quarry|en]]］）
ファイル:Diplodocus caudal vertebrae NHM.JPG|''D. carnegii'' の[[脊椎|脊椎骨]]化石標本（イギリスの[[ロンドン自然史博物館]]・中央ホールにて展示）
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== 分類 ==
=== 下位分類 ===
下位分類は、現在（[[2010年代]]初頭<!--要更新情報-->）4[[種 (分類学)|種]]が有効種として知られている。最初に発見された種は {{Lang|lat|''Diplodocus longus''}} （ディプロドクス・ロングス）であるが、最も有名なのは、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の実業家[[アンドリュー・カーネギー]]の援助下で発見された {{Lang|lat|''Diplodocus carnegii''}} （ディプロドクス・カルネギイイ）である。また、[[2004年]]、{{Lang|lat|''Seismosaurus hallorum''}} （[[セイスモサウルス]]・ハロルム）と呼ばれてきた標本がディプロドクス属の1種であることが判明し、{{Lang|lat|''Diplodocus hallorum''}} （ディプロドクス・ハロルム）の名でもって再分類された。

下記の内容は左から順に、[[学名]]、[[仮名 (文字)|仮名]][[転写 (言語学)|転写]]（ラテン語読み準拠と言語的揺らぎによる別の読み）、特記事項。
略号の意味は、la=ラテン語による別音、en=英語に見られる発音。jc=日本語による別言語風の混合読み。

* ''Diplodocus carnegii''　{{AUY|Hatcher|1901}}
: ディプロドクス・カルネギイイ（jc: カルネギイ / en: ダイプロダカス・カーネギーアイ、ディプロゥドゥーカス・カーネギーアイ）　：ときに ''Diplodocus carnegiei'' と記されることがある（ディプロドクス・カルネギエイと読まれる）。
* ''Diplodocus hallorum''　{{AU|({{AUY|[[w:David Gillette|Gillette]]|1979}})}} {{AUY|Lucas [[wikt:en:et al.|''et al.'']]|2004}}
: ディプロドクス・ハッロルム（la: ハルロルム、アッロルム、アルロルム / jc: ハロルム）　：[[シノニム]]に ''Seismosaurus hallorum'' {{AUY|[[w:David Gillette|Gillette]]|1994}} （[[セイスモサウルス]]・ハロルム）あり。
* ''Diplodocus hayi''　{{AUY|Holland|1924}}
: ディプロドクス・ハュイ（la: アュイ / jc: ハイ / en: ダイプロダカス・ヘイアイ、ディプロゥドゥーカス・ヘイアイ）
* ''Diplodocus longus''　{{AUY|[[オスニエル・チャールズ・マーシュ|Marsh]]|1878}}
: ディプロドクス・ロングス（en: ダイプロダカス・ロンガズ、ディプロゥドゥーカス・ロンガス）　：[[タイプ (分類学)|模式種]]。

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ファイル:DiplodocusDB.jpg|''D. longus'' の生態復元想像図
ファイル:Diplodocus_carng1DB.jpg|''D. carnegii'' の生態復元想像図
ファイル:SeismosaurusDB.jpg|''D. hallorum'' （ディプロドクス・ハロルム［[[シノニム]]：セイスモサウルス・ハロルム］）の生態復元想像図
</gallery>

=== 上位分類 ===
ディプロドクス[[属 (分類学)|属]]は、[[バロサウルス]]属とともにディプロドクス亜科 ({{Lang|lat|''subfamilia'' [[w:Diplodocid#Classification|Diplodocinae]]}}) を形成する。これに[[スーパーサウルス]]属を加える説もあるが、アパトサウルス亜科分類説と並立している。ディプロドクス亜科は、[[アパトサウルス]]属に代表されるアパトサウルス亜科、および、亜科未定の属とともに[[ディプロドクス科]] ({{Lang|lat|[[w:Family (biology)|''familia'']] {{sname||Diplodocidae}}}}) を形成する。ディプロドクス科は、[[ディクラエオサウルス科]] ({{Lang|lat|''familia'' {{sname||Dicraeosauridae}}}}) などとともに "whip-tails" として束ねる概念があり、"whip-tails" は、レバッキサウルス類などとともに[[ディプロドクス上科]] ({{Lang|lat|''superfamilia'' {{sname||Diplodocoidea}}}}) を形成する。以上、[[2010年代]]初頭の知見。なお、? は異説あって不特定の意。

[[絶滅|†]] '''新竜脚類 {{sname||Neosauropoda}}'''
* ? [[ハプロカントサウルス]]属 {{snamei||Haplocanthosaurus}}　：異説では新竜脚類に近縁の外部。
* ? [[ジョバリア]]属 {{snamei||Jobaria}}　：異説では新竜脚類に近縁の外部。
* [[マクロナリア]] {{sname||Macronaria}} （もしくは [[ティタノサウルス上科]] {{sname||Titanosauroidea}}）
** カマラサウルス科 {{sname||Camarasauridae}}　：[[カマラサウルス]]属、ほか。
** ティタノサウルス型類 {{sname||Titanosauriformes}}
*** [[ブラキオサウルス科]] {{sname||Brachiosauridae}}<!--数ある同科中で1属のみ分類表に記すのは誤解のタネ。記すなら備考として。以下、基本的に同様-->　：[[ブラキオサウルス]]属、ほか。
*** フアンヘティタン科 {{sname||Huanghetitanidae}}
*** ソンフォスポンディリ {{sname||Somphospondyli}}　：ティタノサウルス類と先行的グループからなる[[タクソン]]。
**** ティタノサウルス類 {{sname||Titanosauria}}　：[[ティタノサウルス]]属、ほか。
* <!--'''ディプロドクス様類 {{sname||Diplodocimorpha}}'''-->
* '''[[ディプロドクス上科]] {{sname||Diplodocoidea}}'''
** [[アマゾンサウルス]]属 {{snamei||Amazonsaurus}}
** レバッキサウルス類 Rebbachisauroidea
*** [[ヒストリアサウルス]]属 {{snamei||Histriasaurus}}
*** [[レバッキサウルス科]] {{sname||Rebbachisauridae}}
** Flagellicaudata (whip-tails)
*** [[ディクラエオサウルス科]] {{sname||Dicraeosauridae}}
**** [[アマルガサウルス]]属 {{snamei||Amargasaurus}}
**** [[ブラキトラケロパン]]属 {{snamei||Brachytrachelopan}}
**** [[ディクラエオサウルス]]属 {{snamei||Dicraeosaurus}}
*** [[スウワッセア]]属 {{snamei||Suuwassea}}
*** '''[[ディプロドクス科]] {{sname||Diplodocidae}}'''
**** ? [[アンフィコエリアス]]属 {{snamei||Amphicoelias}}
**** [[アウストラロドクス]]属 {{snamei||Australodocus}}
**** [[ケティオサウリスクス]]属 {{snamei||Cetiosauriscus}}
**** [[ディンヘイロサウルス]]属 {{snamei||Dinheirosaurus}}
**** アパトサウルス亜科 {{sname||Apatosaurinae}}
***** [[アパトサウルス]]属 {{snamei||Apatosaurus}}
***** [[エオブロントサウルス]]属 {{snamei||Eobrontosaurus}}
***** [[スーパーサウルス]]属 {{snamei||Supersaurus}}　：異説ではディプロドクス亜科に属す。
**** '''ディプロドクス亜科 {{sname||Diplodocinae}}'''
***** [[バロサウルス]]属 {{snamei||Barosaurus}}
***** '''ディプロドクス属 {{snamei||Diplodocus}}'''

{{Wikispecies|Diplodocus}}
{{Commonscat|Diplodocus}}
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
<!--
== 参考文献 ==
-->
== 関連項目 ==
* [[恐竜の一覧]]
* [[絶滅した動物一覧#ジュラ紀|絶滅した動物一覧]]
* [[セイスモサウルス]]
* [[アンフィコエリアス]]

{{Dinosaur-stub}}

{{DEFAULTSORT:ていふろとくす}}
[[Category:ディプロドクス科]]
[[Category:北アメリカの恐竜]]

{{Link FA|en}}
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