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ツクツクボウシ
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{{生物分類表 | 名称 = ツクツクボウシ | 画像 = [[画像:Meimuna opalifera1.jpg|129px]][[画像:Meimuna opalifera female.jpg|153px]] | 画像キャプション = 左オス・右メス |省略 = 昆虫綱 | 亜綱 = [[有翅昆虫亜綱]] [[:w:Pterygota|Pterygota]] | 目 = [[カメムシ目]](半翅目) [[:w:Hemiptera|Hemiptera]] | 亜目 = [[ヨコバイ亜目]](同翅亜目) [[:w:Homoptera|Homoptera]] | 上科 = [[セミ上科]] [[:w:Cicadoidea|Cicadoidea]] | 科 = [[セミ科]] [[:w:Cicadidae|Cicadidae]] | 亜科 = [[セミ亜科]] [[:w:Cicadinae|Cicadinae]] | 族 = [[ツクツクボウシ族]] [[:w:Dundubiini|Dundubiini]] | 属 = [[ツクツクボウシ属]] ''[[:w:Meimuna|Meimuna]]'' <br />Distant, [[1905年|1905]] | 種 = '''ツクツクボウシ''' ''C. opalifera'' | 学名 = ''Meimuna opalifera'' <br />(Walker, [[1850年|1850]]) | 和名 = ツクツクボウシ <!-- | 英名 = [[:en:◎◎◎|]] --> }} [[画像:Tukutukubousi-kara.JPG|thumb|182px|抜け殻]] '''ツクツクボウシ'''(つくつく法師、寒蝉、''Meimuna opalifera'' )は[[カメムシ目]](半翅目)・[[ヨコバイ亜目]](同翅亜目)・[[セミ科]]に分類される[[セミ]]の一種。晩夏から初秋に発生するセミで、特徴的な鳴き声をもつ。'''ツクツクホーシ'''、'''オーシンツク'''と呼ばれることもある。 == 生態 == [[北海道]]から[[トカラ列島]]・[[横当島]]までの[[日本列島]]、日本以外では[[朝鮮半島]]、[[中国]]、[[台湾]]まで、[[東アジア]]に広く分布する。 平地から山地まで、[[森林]]に幅広く生息する。地域によっては市街地でも比較的普通に発生する(盛岡市など)が、基本的にはヒグラシと同じく森林性(湿地性)であり、薄暗い森の中や低山帯で多くの鳴き声が聞かれる。この発生傾向は[[韓国]]や中国でも同様である。成虫は特に好む樹種はなく、[[シダレヤナギ]]、[[ヒノキ]]、[[クヌギ]]、[[カキノキ|カキ]]、[[アカメガシワ]]などいろいろな木に止まる。警戒心が強く動きも素早く、[[クマゼミ]]や[[アブラゼミ]]に比べて捕獲が難しい。 成虫は7月から発生するが、この頃はまだ数が少なく、鳴き声も他のセミにかき消されて目立たない。しかし他のセミが少なくなる8月下旬から9月上旬頃には鳴き声が際立つようになる。9月下旬にはさすがに数が少なくなるが、[[九州]]などの[[西南日本]]では10月上旬に鳴き声が聞かれることがある。なお、後述のように八丈島や岡山・長崎では7月上旬から鳴き始めることが知られている。 === 北日本での増加 === ツクツクボウシはアブラゼミや[[ニイニイゼミ]]と比べて冬の寒さに弱いので、元来[[北日本]]では川沿いのシダレヤナギ並木など局地的にしか分布していなかった。しかし近年、[[盛岡市|盛岡]]や[[仙台市|仙台]]においてこのセミが増えつつある。特に盛岡ではアブラゼミが激減している(仙台でもかなり減少している)が、ツクツクボウシは逆に増えている。これは[[地球温暖化]]が原因と考えられるが、生態学的に優位な立場にあるアブラゼミの数が減ったことで、ツクツクボウシが繁殖しやすくなったという原因もある。 なお、[[青森市]]や[[八戸市]]でもアブラゼミが激減(ほぼ消滅)しているが、盛岡や仙台と異なり今のところツクツクボウシが増加する兆候はない。これは、盛岡などと異なり盛夏でもあまり暑くならない[[青森県]]の気候が原因と考えられている。 === ツクツクボウシの楽園 === [[八丈島]]では、セミはツクツクボウシ一種しか生息しておらず、ひと夏中ずっと鳴いており個体数も非常に多い。八丈島はツクツクボウシの楽園である。 === ツクツクボウシの早鳴き === [[八丈島]]では7月上旬(年によっては6月下旬)、[[対馬]]でも夏の初めから現れる。その一方で本土では、[[岡山市]]や[[長崎市]]など特定の地域を除くと夏の終わりを象徴する昆虫とされている(岡山や長崎などでは近年は夏の初めから鳴きだすことが知られている)。捉え方を変えればアブラゼミなど他の大型のセミが数を減らしてから[[個体]]数が増すということである。以上のことからツクツクボウシは、アブラゼミなどとは時期的な[[棲み分け]]をしていると推察される。 岡山・長崎などでのツクツクボウシの早鳴きについては、現在原因を解明中である。気候だけでなく、上述のように他種のセミとの関係も関わっている可能性が大きい。 ツクツクボウシは東京などでは一般に晩夏のセミとされており、実際にそうなっているが、本来このセミはむしろ「夏の初めから現れるセミ」としての性格が強い。そして近年{{いつ|date=2012年8月}}<!-- See [[WP:DATED]] -->は東京でも、夏の初めにツクツクボウシの声を聞く機会が少しずつ増えているのも事実である。こうした傾向の原因が地球温暖化にあるのかどうかは不明である。 == 鳴き声 == {{試聴 |filename = Meimuna opalifera v02.ogg |title = ツクツクボウシの鳴き声(ソロ) |description = [[川崎市]] [[早野聖地公園]]、[[2011年]]9月18日午後4時50分頃採音。再生時間 36秒、466[[キロバイト|KB]]。 }} {{試聴 |filename = Meimuna opalifera v01.ogg |title = ツクツクボウシの鳴き声(合唱、ほかのオスの妨害音「ジー!」が入る) |description = [[川崎市]] [[早野聖地公園]]、[[2011年]]9月18日午後4時40分頃採音。再生時間 39秒、500[[キロバイト|KB]]。 }} オスは午後の陽が傾き始めた頃から日没後くらいまで鳴くが、鳴き声は特徴的で、和名もこの鳴き声の[[聞きなし]]に由来する。鳴き声は'''「ジー…ツクツクツク…ボーシ!ツクツクボーシ!」'''と始まり、以後「ツクツクボーシ!」を十数回ほど繰り返し、「ウイヨース!」を数回、最後に「ジー…」と鳴き終わる。最初の「ボーシ!」が聞き取りやすいためか、[[図鑑]]によっては鳴き声を「オーシツクツク…」と逆に表記することもある。 また、1匹のオスが鳴いている近くにまだオスがいた場合、それらのオスが鳴き声に呼応するように「ジー!」と繰り返し声を挙げる。[[合唱]]のようにも聞こえるが、これは鳴き声を妨害しているという説がある。 大陸産のツクツクボウシの鳴き声は、日本産のものと比べて少し異なる(セミの方言)。また[[ミンミンゼミ]]も同じくやや異なっている。 ===クロイワツクツク等との鳴き声における共通点=== このセミの中には時々訛ったような声で鳴く個体が散見される。具体的には、「ボーシ!」の部分がかなりしわがれた声に聞こえるというものである。このときの鳴き声は同じツクツクボウシ属の[[クロイワツクツク]]や[[イワサキゼミ]]の声にも似ており、鳴き声におけるツクツクボウシ属の共通性を実感できる。ちなみにツクツクボウシが普通に鳴いているときの声はクロイワツクツクなどとは似ても似つかぬものである。 == 日本産の近縁種 == [[南西諸島]]と[[小笠原諸島]]にはツクツクボウシに近縁の[[固有種]]が知られる。どれもツクツクボウシによく似た形態だが、鳴き声はそれぞれ異なる。また、これらは熱帯・亜熱帯に分布しているためか、[[11月]]や[[12月]]でもまだ鳴き声が聞こえることがある。 ; クロイワツクツク ''Meimuna kuroiwae'' ([[松村松年|Matsumura]], [[1917年|1917]]) : ツクツクボウシよりも更にオスの腹弁が大きい。[[大隅半島]]南部から[[沖縄本島]]まで分布するが、[[与論島]]には分布しない。また、[[指宿市]]や[[鹿児島市]]からの記録もある。[[千葉県]][[房総半島]]の一部の地域でも、樹木の移入によりこのセミが生息している。成虫は7月から11月まで発生する。オスの鳴き声は「ジジジジ…」に、数秒ごとに「ゲッ!ゲッ!」という短い声が2回入る。鳴く時間帯は主に午前中で、ツクツクボウシとは異なる。名前は沖縄の生物研究で功績を残した[[黒岩恒]]に対する[[献名]]である。近年は[[沖縄本島]]において激減しており、北部の[[低山帯]]に行かないとまとまった声を聞けなくなった。しかし[[屋久島]]や[[奄美大島]]では現在でもごく普通のセミで、[[市街地]]の[[乾燥]]したところにも多い。屋久島の市街地にはクマゼミも普通にいて、2種のセミはほぼ入れ替わるようにして[[発生]]する(クマゼミ→クロイワツクツク)。これは、クマゼミと[[ミンミンゼミ]]が共に生息する地域における、両種のセミの発生パターンと似ている(クマゼミ→ミンミンゼミ)。つまり、両種ともに発声活動は午前中に行うため、時期的な棲み分けをせざるを得ないということである。またこのセミは、生息する島によって鳴き声が少しずつ異なっており、[[遺伝]]的な違いが見られる。これをもって、クロイワツクツクはかつて様々な種類([[オオシマツクツク]]・[[キカイゼミ]]・[[ツチダゼミ]]・[[ヘントナゼミ]]など)に分けられていたが、現在は統一されている。 ; オオシマゼミ ''M. oshimensis'' (Matsumura, 1905) : ツクツクボウシよりもやや大きく、オスの腹弁が長く、先端部が黒い。奄美大島、[[請島]]、[[徳之島]]、沖縄本島(沖縄市以北)、[[久米島]]に分布し、名前は奄美大島に由来する。成虫は8月下旬から11月まで発生する。オスの鳴き声は「ジジジジ…」の合間に「カン!」という甲高い声が入る。近年沖縄本島では、クロイワツクツクに代わって少しずつ数が増えているとも言われる。ミンミンゼミやヒグラシ、[[エゾハルゼミ]]と同じく、森林性のセミである。 ; イワサキゼミ ''M. iwasakii'' (Matsumura, [[1913年|1913]]) : [[西表島]]、[[石垣島]]、[[台湾]]に分布する。成虫は7月下旬から12月下旬まで発生する。オスの鳴き声は「ジジジジジ…」と鳴き始め、声を大きくしながら[[ハルゼミ]]に似た「ジーッ・ジーッ・ジーッ」を十数回繰り返し、「ジジジジジ…」と尻すぼみに鳴き終わる。名前は八重山諸島の自然を研究した[[岩崎卓爾]]に対する献名となっている。石垣島・西表島ではクマゼミに次いで普通のセミだが、市街地ではかなり珍しい。森林や山の中ではごく普通に生息している。 ; オガサワラゼミ ''M. boninensis'' (Distant, 1905) : 名前通り[[小笠原諸島]]の[[父島]]、[[母島]]、[[弟島]]に分布するが、クロイワツクツクに似るため南西諸島から移入されたのではないかとする説もある。成虫は5月から12月まで発生する。小笠原の固有種として[[1970年]]に[[天然記念物]]に指定されたが、[[外来種]]として侵入した[[グリーンアノール]]に捕食され、個体数が激減している。 == 参考文献 == {{Wikispecies|Meimuna opalifera}} {{Commonscat|Meimuna opalifera}} {{参照方法|date=2011-9}} <!-- 書式は[[Wikipedia:出典を明記する]]に従う --> *{{Cite book|和書|others=[[白水隆]]・[[奥谷禎一]]・[[中根猛彦]]ほか監修|year=1999|month=5|title=学生版 日本昆虫図鑑|series=学生版 図鑑シリーズ|publisher=[[北隆館]]|isbn=4-8326-0040-0|url=http://hokuryukan-ns.co.jp/books/archives/2005/09/post_14.html|ref=白水&奥谷&中根1999}} *{{Cite book|和書|author=中尾舜一|authorlink=中尾舜一|year=1990|month=7|title=セミの自然誌 鳴き声に聞く種分化のドラマ|series=中公新書|publisher=[[中央公論社]]|isbn=4-12-100979-7|ref=中尾1990}} *{{Cite book|和書|author=[[沼田英治]]|coauthors=[[初宿成彦]]|year=2007|month=7|title=都会にすむセミたち 温暖化の影響?』 |publisher=[[海游舎]]|isbn=978-4-905930-39-6|ref=沼田&初宿2007}} *{{Cite book|和書|author=[[林正美]]|coauthors=[[税所康正]]編著|date=2011-02-28|title=日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図|publisher=[[誠文堂新光社]]|isbn=978-4-416-81114-6|ref=林&税所2011}} - 附録:CD1枚。 *{{Cite book|和書|author=[[福田晴夫]]ほか|year=2005|month=8|title=昆虫の図鑑 採集と標本の作り方 野山の宝石たち|publisher=[[南方新社]]|isbn=4-86124-057-3|ref=福田ほか2005}} *{{Cite book|和書|author=[[宮武頼夫]]|coauthors=[[加納康嗣]]編著|year=1992|month=5|title=検索入門 セミ・バッタ|publisher=[[保育社]]|isbn=4-586-31038-3|ref=宮武&加納1992}} *{{Cite book|和書|author=[[横塚眞己人]]写真・著|date=2004-03-20|title=西表島フィールド図鑑|publisher=[[実業之日本社]]|isbn=4-408-61119-0|url=http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-61119-8|ref=横塚2004}} == 外部リンク == * [http://homepage2.nifty.com/saisho/zukan/tsukutsuku/ ツクツクボウシ](セミの家) *{{Yahoo!百科事典|ツクツクボウシ|author=[[林正美]]}} *{{Kotobank|ツクツクボウシ|2=百科事典マイペディア}} {{DEFAULTSORT:つくつくほうし}} [[Category:セミ]] [[Category:秋の季語]]
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