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チェロ
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{{Infobox 楽器 |楽器名 = チェロ |その他の名称 = ヴィオロンチェロ、セロ |英語名 = Cello, Violoncello |ドイツ語名 = Violoncello (複数形: Violoncelli) |フランス語名 = Violoncelle |イタリア語名 = Violoncello |中国語名 = 大提琴 |画像 = 画像:Cello front side.jpg |画像サイズ = 160px |分類 = [[弦楽器]]、[[ヴァイオリン属]] |音域 = 各弦の調弦(実音通り記譜)[[画像:cello001.png|center]] |関連楽器 = *[[ヴァイオリン属]] ** [[ヴァイオリン]] ** [[ヴィオラ]] ** [[コントラバス]] | 演奏者 = * [[クラシック音楽の演奏家一覧#チェロ奏者|チェロ奏者(チェリスト)の一覧]] | 関連項目 = * [[チェロ協奏曲]] * [[チェロソナタ]] |}} '''チェロ'''('''ヴィオロンチェロ、セロ'''とも表記。英名:''Cello''、''Violoncello'')は、[[西洋音楽]]で使われる[[ヴァイオリン属]]の[[弦楽器]]の一つである。弦の数は4本。略号は「Vc」。 == 概要 == 西洋の[[クラシック音楽]]における重要な楽器の一つで、[[オーケストラ]]による[[合奏]]や[[弦楽四重奏]]、[[弦楽五重奏]]、[[ピアノ三重奏曲|ピアノ三重奏]]といった[[重奏]]の中では低音部を受け持つ。また、[[独奏]]楽器としても<!--弦楽器ではヴァイオリンの次に多く作られていてとても-->重要であり、多くの[[チェロ協奏曲]](チェロ・コンチェルト)や[[チェロソナタ]]が書かれている。[[ポピュラー音楽]]においては決して一般的ではないが、しばしばポップスや[[ロック (音楽)|ロック]]の曲中でも用いられる。 [[ベルリオーズ]]の時代には俊敏性にかけるといわれた歴史もあるものの、現在では[[ヴァイオリン]]や[[ヴィオラ]]でできる芸当は現実的にチェロでも可能と解釈されている<ref>Samuel Adler The Study of Orchestration Second Edition 83ページ</ref>。 チェロに関した楽曲を時代ごとに挙げると、[[バロック音楽]]では[[ヨハン・ゼバスティアン・バッハ|J.S.バッハ]]の「'''[[無伴奏チェロ組曲]]'''」、[[古典派音楽]]では[[フランツ・ヨーゼフ・ハイドン|ハイドン]]の「[[チェロ協奏曲第1番 (ハイドン)|チェロ協奏曲第1番ハ長調]]」が挙げられる。[[ロマン派音楽]]では、[[アントニン・ドヴォルザーク|ドヴォルザーク]]の「'''[[チェロ協奏曲 (ドヴォルザーク)|チェロ協奏曲ロ短調]]'''」と[[エドワード・エルガー|エルガー]]の「[[チェロ協奏曲 (エルガー)|チェロ協奏曲ホ短調]]」が有名で、ドヴォルザークのチェロ協奏曲は、数あるチェロ協奏曲の中でも特に有名かつ評価が高い。日本では「'''ドボコン'''」(「ドヴォルザークのコンチェルト」の意。彼が生涯に書いた協奏曲の中で最も有名であるが故である)と略され親しまれている。 == 語源 == 「チェロ」という語は、[[イタリア語]]の "{{lang|it|Violoncello}}" に由来する。本来"cello"とはイタリア語で「小さな」という意味であって、"Violoncello" はすなわち「小さな[[ヴィオローネ]]」("{{lang|it|Violone}}" と接尾辞"{{lang|it|cello}}")という意味である。従って、イタリア語での複数形では"celli"となる。 なお、ヴィオローネは[[コントラバス]]の元になった楽器であるが、このヴィオローネという語もまた「大きなヴィオラ」("{{lang|it|Viola}}" と接尾辞"{{lang|it|one}}"。ちなみに現在の[[ヴィオラ]]のことではなく単に弦楽器の意)という意味なので、"{{lang|it|Violoncello}}" はいってみれば「小さな大きなヴィオラ」というわけである。この"Violoncello"の語が[[英語]]に[[外来語]]として入った後に "{{lang|en|Cello}}" と略され、それが[[日本語]]に入り「チェロ」となった。 == 構造 == [[画像:Cello parts.png|256px|frame|left|チェロの各部の名称。[[魂柱]]は内部にある柱であり、およその位置を図示している]] チェロは、同じく[[ヴァイオリン属]]の楽器である[[ヴァイオリン]]や[[ヴィオラ]]とほぼ同じ構造である(なお、[[コントラバス]]は[[ヴィオール属]]の影響を強く受けているため、チェロなどの他の3つとは多少異なる)。ただし、低い音を出すために形全体が大きく、特に厚みが増している。また、チェロはその大きさと重さゆえにヴァイオリンやヴィオラのように顎で挟んで保持することが困難なので、[[エンドピン]]を床に立てて演奏する。本体の大きさに比べると[[指板]]はヴァイオリンなどより若干細めである。ヴァイオリン属では低音楽器になるほど胴体と弦の角度が大きいため、ヴァイオリンに比べると[[駒 (弦楽器)|駒]]が高く丈夫に作られている。弓もヴァイオリンなどより太いが、長さは逆に短い。 [[弦 (楽器)|弦]]は現在では金属弦が主であり、低音弦には質量を保ったまま細く仕上げるために、[[タングステン]]や[[銀]]を使用した弦が使われることがある。[[バロック]]奏者においては、ナイロン弦やガット弦が使用されることもあるが、音量やメンテナンス、寿命に難があり使い手を選ぶ。 受け持つ[[音域]]からすると本来チェロはもっと大型化すべき楽器であるが、演奏が困難になるので現在のサイズとなっている。弦の長さもこれ以上長くできないので、巻線を使用するなどして低い音を出すようにしている。正しく[[調弦]]した状態で4本の弦にかかる張力は、弦の銘柄によって多少は異なるがおおむね同じであり、最も太いC弦も最も細いA弦もほぼ同じ9 - 13kg程度の張力で、楽器全体では40 - 50kgの張力となる。コントラバスや[[ギター]]のような[[ウォームギア]]による巻き上げ機構は一般的に備えておらず、ヴァイオリンやヴィオラと同じように木製のペグの摩擦だけで弦の張力を支えている。このため、ペグの調整が不完全な状態であると調弦が極めて困難である。 楽器本体は基本的に表板は、[[スプルース]]などの木材で製作され、それ以外は[[メイプル]]が使用されることが多い。指板には通常[[黒檀]]が使用されるが、真っ黒な黒檀が枯渇して希少となっているので、茶色の黒檀を塗装して使用したり、廉価な楽器では塗装された[[メイプル]]が使用される。[[ドライカーボン]]製のチェロもアメリカでは販売されており、独特の音色と音量でユーザーが増えつつある。[[ドライカーボン]]製のチェロであっても、駒や[[魂柱]]は木製のものを使用する。非売品として[[ガラス]]や[[アルミ]]製のチェロも製作されたこともあるが、日常の演奏に耐え得るものではない。エンドピンには[[亜鉛]]の[[合金]]が使用されることが多いが、最近では[[炭素繊維|カーボン]]や[[チタン]]、[[タングステン]]なども使用されている。 == 調弦 == [[画像:cello001.png|thumb|right|チェロの各弦の調弦]] チェロには4本の弦があり、奏者から見て左側、音が最も高い弦から第1弦、第2弦、第3弦、第4弦と番号が振られている。調弦は、第1弦が[[中央ハ]]音のすぐ下のイ音(A3)であり、以下[[音程|完全5度]]ごとに、ニ(D3)、ト(G2)、ハ(C2)となる。弦の呼び名を番号でなく「C線」「C弦」(慣習的に「ツェーせん」「ツェーげん」と[[ドイツ語]]読みする)などと音名で呼ぶことも多い。第4弦のハ音は[[中央ハ]]音の2[[オクターブ]]下の音となる。この調弦は[[ヴァイオリン]]より[[音程|1オクターブと完全5度]]低く、[[ヴィオラ]]より1[[オクターブ]]低い。 変則的な調弦([[スコルダトゥーラ]])による楽曲もある。[[ヨハン・セバスティアン・バッハ|バッハ]]の「[[無伴奏チェロ組曲]]」第5番では第1弦を1全音低めのG3に調弦する。同じく第6番は、第1弦より完全5度高いE4の弦を1本追加した5弦の楽器[[ヴィオロンチェロ・ピッコロ]]用に書かれている。[[コダーイ・ゾルターン]]の「無伴奏チェロソナタ 作品8」(低い方からB1, F#2, D3, A3と調弦)も変則的な調弦である。 == 音域 == チェロの発音できる音域は、3オクターブ前後(C2-G4)である。駒寄りの弦を押さえることにより5オクターブまで発音することは出来るが、それで曲を演奏することは技術を要する。一方ハーモニクスという手法を用いて、さらに数オクターブまで高い音を出すことも可能である。これはチェロが縦に構えられて演奏され駒近くの弦を押さえるのが、ヴァイオリンなどと比較して容易なことに起因する。このためチェロは非常に広い音域を表現することが出来、単一の楽器だけでアンサンブルを組むことを可能としている。 {{main|チェロアンサンブル}} == 記譜法 == チェロのための楽譜は、基本的には[[音部記号#ヘ音記号|ヘ音記号]]で書かれるが、高音域になるときには[[テノール記号]]([[音部記号#ハ音記号|ハ音記号]])も使われる。[[音部記号#ト音記号|ト音記号]]も稀に使われるが、時代によって意味が異なるので要注意である。主に19 世紀にはト音記号は声楽の[[テノール]]と同じようにオクターブ下げて読むのが普通であった。テノール記号が併用される現代では、ト音記号も実音で記譜する。 == 歴史 == 今日のスタイルのチェロの形態が確立したのは18世紀末以降であり、それまでは各種の形態、演奏法があったと推察されている。[[J.S.バッハ]]と同時代で親戚に当たる[[J.G.ヴァルター]]の音楽辞典(1732)には「チェロはイタリアの低音楽器で、ヴァイオリンのように演奏された。すなわち部分的に左手で支えられた」と記されている。また、[[レオポルト・モーツァルト]]の「ヴァイオリン奏法」(1756)では、「かつては5弦であったが今は4弦しかない」「この頃は脚の間に挟んで支えられる」と記されており、かつてはヴァイオリンのような奏法であったこと、ヴィオロンチェロ・ピッコロや[[ヴィオラ・ポンポーザ]]のような楽器も広くチェロという楽器であったことが推察される。実際に当時の絵画や彫刻ではチェロと思しき楽器を肩の上または胸に当てて演奏する姿が見られる。近年、このタイプのチェロ(ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ=肩かけチェロ)の復元演奏が主に[[バロック・ヴァイオリン]]奏者の手によって行われている (外部リンク参照) 。 1800年頃を境に音量が求められるようになり、楽器の構造や仕様に手が加えられた。この改造後の現代仕様のチェロを'''モダン・チェロ'''、歴史的楽器で改造を受けていないものを'''バロック・チェロ'''といって区別することがある。バロック・チェロにはエンドピンがなく、通常5弦のことが多い。 稀に[[ヴィオラ・ダ・ガンバ]]を「チェロの祖先」と表現することがあるが、[[ヴィオール属]]と[[ヴァイオリン属]]は直接的な祖先・子孫という関係には当たらないため、誤りである。 == 演奏法 == [[Image:Auditorio1.jpg|thumb|right|240px|[[ピアノ三重奏]]。右端がチェロ]] 演奏法については、楽器の構え方が大きく異なっていたりポジションのシステムが異なっていたりはするが、ヴァイオリンと共通する部分が多い。 {{See |[[ヴァイオリン#演奏のしかた|ヴァイオリンの演奏のしかた]] }} 以下に、ヴァイオリンの奏法と大きく異なる点を列挙する。 *楽器は、胴を左右の脚の間に置き、棹(ネック)が奏者から見て顔の左側にくるように構える。楽器がずれないようにエンドピンの先を床に固定する。 *運指は、低ポジション(指板の上の方を用いる)では人差し指・中指・薬指・小指を用い、各指で押さえる音程の間隔は半音を基本とする(人差し指と中指の間は全音とすることもあり「拡張」と呼ばれる)。この関係上、音階などの運指においてヴァイオリンよりも頻繁に開放弦が用いられる傾向にある。またヴァイオリンと比べて頻繁なポジション移動が必要になる。概ね第7ポジションを境として以降の高ポジション(指板の下部を用いる)では親指も指板上に乗せて弦を押さえる(親指のポジション)。 *親指のポジションでは親指を含む各指の間の音程はヴァイオリンと同様に全音・半音の双方を取る(ただし小指は余り用いられない)。この場合には親指を用いない低ポジション時と違い頻繁なポジション移動が不要になるため、分散和音などの急速なパッセージでは低ポジションでも敢えて親指のポジションが用いられることがある。また、この奏法のお蔭でチェロの実効的音域はヴァイオリンのそれよりも概ね5度ほど広くなる。 *重音は、ヴァイオリンほど頻繁には用いられず、また多くの制限を受ける(たとえば開放弦を用いないオクターブ重音は低ポジションでは不可能である)。これは特に低ポジション時に各指が半音間隔で音を取らなければならないためである。従って、重音を高度に用いるパッセージでは親指のポジションの高度に技巧的な活用が要求されることが多い。 *運指だけではなく運弓も、一般にヴァイオリンよりも大きい動きを要求されることが多い。単純に楽器の大きさからくる違いもあるが、ヴァイオリンよりも遥かに太く張力の強い弦を振動させるために弓は大きく使われる傾向にあるし、運指の関係上たとえばオクターブ跳躍の際の移弦は隣接する弦ではなく2つ隣の弦になる。他方で、一般にチェロの弓の長さはヴァイオリンの弓のそれよりも「短い」ので、これらの問題が増幅される傾向にある。 *構え方の違いから、ヴァイオリンでは高音弦が弓を持つ手元に近くなるが、チェロでは逆に低音弦が手元に近くなる。従って、たとえば重音奏法の場合には右腕の動きはヴァイオリンとチェロでは逆になる。 *調弦は、低音域で5度の和音の響きを聴き取り、ペグによって調弦をする。しかし、楽器の構造上、弦の張力が強く、またそのためにスチール弦が用いられることも相まって、ペグによる微調整が難しいため、すべての弦にアジャスターが組み込まれたテールピースが採用されることが多い。他方、ヴァイオリンやヴィオラは隣り合う弦の[[重音]]で調弦し、また柔らかく調弦しやすい金属巻きガット弦を用いる奏者が多いので、アジャスターをすべての弦に取り付ける例は少ない。なお、アジャスターによる調弦の際には[[フラジオレット#ヴァイオリン属楽器でのフラジオレット|自然フラジオレット]]を活用し、隣り合った低い方の弦の第3[[倍音]]と高い方の弦の第2倍音が同音程となるようにアジャスターで調整する方法もよく用いられる。 == チェロ奏者(チェリスト) == 著名なチェロ奏者については[[チェリスト#著名なチェリストの一覧|チェリスト]]を参照のこと。ポピュラー界においては、[[溝口肇]]が著名な奏者として知られる。他にも、フィンランドの[[ヘヴィメタル]]バンドの[[アポカリプティカ]]が、チェロによってメタルの領域の楽曲を演奏しているケースがある。 == チェロコンクール == *日本 **[[日本音楽コンクール]](チェロ部門) **[[ビバホールチェロコンクール]] **[[泉の森ジュニアチェロコンクール]] **[[ガスパール・カサド国際チェロ・コンクールin八王子]] *日本以外 **[[チャイコフスキー国際コンクール]](チェロ部門) **[[ヴィトルト・ルトスワフスキ国際チェロコンクール]] **[[マルクノイキルヘン国際器楽コンクール]] == 関連書 == *『名チェリストたち』マーガレット キャンベル 東京創元社 ISBN 4488002242 == 関連記事 == *[[アルペジョーネ]] *[[セロ弾きのゴーシュ]] - [[宮沢賢治]]の小説。 *[[チェロアンサンブル]] *[[1000人のチェロ・コンサート]] == 外部リンク == {{Commonscat|Cellos}} * [http://www.cello.gr.jp/ 日本チェロ協会] * [http://www.1000cello.vc/ NPOチェロアンサンブル協会] * [http://boreades.exblog.jp/i7/ 寺神戸亮 Ryo Terakado 最新情報] [[バロック・ヴァイオリン]]奏者[[寺神戸亮]]の[[ブログ]]。[[ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ]](肩掛けチェロ)の解説・写真・銅版画あり。 * [http://dmitrybadiarov.com/ Dmitry Badiarov, Alla Moderna] - バロック・ヴァイオリンの奏者兼製作者でヴィオロンチェロ・ダ・スパッラの復元製作・演奏に積極的に取り組むD.バディアロフのサイト。 * [http://www.hario.com/whatsnew/cello.html ハリオガラスによる世界初のガラス製チェロ] [http://www.hario.com/whatsnew/cello.html 製作工程] * [http://imslp.org/wiki/List_of_Compositions_Featuring_the_Cello チェロ作品楽譜のリスト] [[International Music Score Library Project]]内のチェロ作品[[楽譜]]へのリンク集 == 脚注 == <references /> {{オーケストラの楽器}} {{DEFAULTSORT:ちえろ}} {{Link FA|de}} {{Link FA|es}} {{Link FA|he}} {{Link FA|bar}} [[Category:弦楽器]] [[Category:チェロ|*]]
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