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[[Image:Serpent (musical instrument).JPG|thumb|right|240px|セルパン]] '''セルパン'''(serpent)は、[[金管楽器]]の一種である。19世紀半ば以降は起用されることがほぼなく、[[古楽器]]の一つと見なされる。 == 解説 == セルパンは[[マウスピース (楽器)|マウスピース]][[ツィンク|コルネット]]族の低音・[[金管楽器]]である。ホルンボステル(Hornbostel)とザックス(Sachs)は、その[[楽器分類学|楽器分類表]]で、[[トランペット]]の傍にこのセルパンを置いている。[[ヘビ|蛇]]に似た形に曲げられた長い円錐形をしており、これが名前の由来である(元々serpentは[[フランス語]]で蛇の意)。金管楽器に一般的な[[金管楽器#バルブ|バルブ]]ではなく木管楽器のような[[音孔]]を持つ。木製で素材は主に[[クルミ|ウォールナット]](胡桃)が使われていた。 早期の型では[[リコーダー]]のように音孔にはキーが付けられていなかったが、後のものでは、[[クラリネット]]のようなキーを備えている。音域は楽器や奏者に応じて異なるが、概して[[中央ハ]]音の上下両オクターヴに及ぶ。しかしながら、[[18世紀]]以来のいくつかの文書は、この楽器は中央ハ音の上、2オクターヴ以上の音にまで届くとしている。また、中央ハの2オクターヴ下まで及ぶものもあり、[[チューバ]]発明以前は金管の低音楽器としても使用された。 == 歴史 == セルパンは当初、単旋律聖歌([[グレゴリオ聖歌]])の音量の補強に用いられたと考えられる。18世紀の中頃、この楽器は[[軍楽隊]]で使われ始めた。また、純音楽の分野でも、[[フェリックス・メンデルスゾーン|メンデルスゾーン]]が[[交響曲第5番 (メンデルスゾーン)|交響曲第5番]]において、金管楽器の低音の補強のために使用している。 しかし[[19世紀]]になると、セルパンは[[オフィクレイド]]に取って代わられ、さらにオフィクレイドはバルブ化された金管楽器である[[チューバ]]・[[ユーフォニアム]]によって取って代わられた。以降、このセルパンやオフィクレイドが実演に用いられることはほとんどなくなったが、多くの原型が未だ現存しており、古楽の演奏会などで使用されることがある。 [[題名のない音楽会]]([[2010年]][[10月24日]]放送)で、「絶滅危惧の楽器」として紹介された。 == 派生楽器 == セルパンの変種には、'''バス・ホルン'''(bass horn)または'''ロシアン・バスーン'''(russian bassoon)と呼ばれる、本質的に同じではあるが、元々の曲線的な型状よりも単純な、現代式の[[ファゴット]]の様に折り曲げられた管で構成された形状の楽器がある。 より新しい変種には、バスホルンとオフィクレイド(ophicleide)とを掛け合わせた'''オフィモノクレイド'''(ophimonocleide)がある。これは一般的でなく、今日ではいくつかの例があるのみである。 また、今日では、より大型の「アナコンダ」(anaconda)という冗談めいた名前を持つ楽器も少ないながら製作されている。 == 日本のセルパン奏者 == *橋本晋哉 *長井和明([[ロバの音楽座]]) == 関連項目 == * [[古楽器]] == 外部リンク == * [http://www.serpentwebsite.com/ The Serpent Website] {{DEFAULTSORT:せるはん}} [[Category:金管楽器]] [[Category:チューバ]] [[Category:古楽器]]
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