セボルガ公国のソースを表示

{{基礎情報 行政区画
|IB_NameJa=セボルガ公国
|IB_Name={{lang|it|'''Principato di Seborga'''}}
|IB_Flag=[[File:Flag of the Principality of Seborga.svg|150px]]
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|IB_Add1=国の標語 : ''Sub umbra sedi''<br />（[[ラテン語]] : 影の下に座る）
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|IB_Map1=[[ファイル:SeborgaMap.png|250px]]<br />セボルガ公国の位置<br />{{ウィキ座標度分秒|43|49|35|N|7|41|40|E|}}
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|IB_TH01=[[公用語]]
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|IB_TD02=マルチェッロ1世<ref name="telegraph-100427">{{cite web | url=http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/italy/7639617/Tiny-Italian-principality-announces-new-monarch-called-His-Tremendousness.html | title=Tiny Italian principality announces new monarch called 'His Tremendousness' | author=Nick Squires | publisher=''[[デイリー・テレグラフ|The Daily Telegraph]]'' | date=2010-04-27 | accessdate=2012-02-08 }}</ref><ref name="metro-100427">{{cite web | url=http://www.metro.co.uk/weird/823736-the-king-of-nylon-kingdom-of-seborga-ruled-by-hosiery-heir | title=The King of Nylon: 'kingdom' of Seborga ruled by hosiery heir | author=Ted Thornhill | publisher=''[[:en:Metro (British newspaper)|Metro]]'' | date=2010-04-27 | accessdate=2012-02-08 }}</ref>
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|IB_TD05=319 人<ref>2010年12月31日現在のセボルガ村（コムーネ）の人口。出典：{{Cite web|author=[[ISTAT]]|url=http://demo.istat.it/bil2010/index_e.html|title=Demographic Balance for the year 2010 and Resident Population on 31th December|language=英語|accessdate=2012-02-12}}</ref>
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'''セボルガ公国'''（セボルガこうこく、{{lang-it|Principato di Seborga}}）は、[[イタリア]]北西部の[[セボルガ]]にある自称独立国（[[ミクロネーション]]）。人口は約320人。

== 概要 ==
音楽祭で有名な[[サンレーモ]]から西北西へ約7km、[[モナコ]]から東北東へ約24km、[[ジェノヴァ]]から西南へ約118kmの距離に位置する。地中海に面した[[ボルディゲーラ]]から北東へ6kmほど入った山間、標高約517mのところに所在する。

[[中世]]に独自の[[公爵]]領（公国）であった由緒と、現在のイタリア共和国につながる国家への編入過程が明確ではないという主張から、[[1963年]]にイタリア共和国からの「独立」を宣言した。ただし、諸外国の[[国家の承認|承認]]は全く受けておらず、またイタリア共和国政府との間で問題は発生していない。イタリア共和国政府は[[リグーリア州]][[インペリア県]]内の一自治体、'''[[セボルガ]]村'''と見なしており、また実態としてもそうである。

主要な産業は農業と観光業。「独立」の効果でセボルガは知られるようになり、イタリアの内外からの観光客を引き寄せている。

== 歴史 ==
{{see also|セボルガ}}
[[File:Seborga1.jpg|thumb|180px|left|「公爵の宮殿」]]
=== 歴史上のセボルガ公国（セボルガ公爵領） ===
中世、現在のセボルガ一帯は[[ヴェンティミーリア]]伯の領地であった（ヴェンティミーリアはボルディゲーラの約4km西に位置する）。[[954年]]、[[レランス島|レリノ]]（レランス島、現フランス領）に[[ベネディクト会]]のレリノ修道院{{enlink|Lérins Abbey}}が設立されると、ヴェンティミーリア伯は、セボルガ一帯をレリノ修道院に寄進した。これにより、セボルガ一帯は独自の領域となった<ref name="la storia-Principato di Seborga">{{cite web | url = http://www.principatodiseborga.com/storia.htm | publisher = Principato di Seborga | title = La storia | accessdate = 2012-06-19}}</ref>。[[1079年]]、セボルガの領主であるレリノ修道院長{{enlink|Abbazia di Lerino||it}}は、[[神聖ローマ帝国]]から[[公爵]]に叙せられた。これにより、セボルガは公爵領（公国）となる。

11世紀末から12世紀初頭にかけ、ベネディクト会の改革運動の中から[[シトー会]]が結成された。[[1118年]]、シトー会の指導者であった[[クレルヴォーのベルナルドゥス]]（[[テンプル騎士団]]の創設にも関わった人物として知られる）の活動によって、セボルガはシトー会の所有となった。以後約600年にわたって、セボルガはシトー会が治めるところとなった<ref name="la storia-Principato di Seborga" />。

1729年1月20日、セボルガは[[サルデーニャ王国|サルデーニャ王]]である[[サヴォア家]]の[[ヴィットーリオ・アメデーオ2世]]によって購入された<ref name="la storia-Principato di Seborga" />。[[1748年]]の[[アーヘンの和約]]で、セボルガは[[ジェノヴァ共和国]]に譲渡されたが<ref name="la storia-Principato di Seborga" />、[[ナポレオン戦争]]後の[[1814年]]の[[ウィーン会議]]によってジェノヴァ共和国はサルデーニャ王国に併合された<ref name="la storia-Principato di Seborga" />。[[1861年]]、サルデーニャ王国を母体として[[イタリア王国]]が建国される。
<br clear="all" />
=== 「独立」の経緯 ===
[[ファイル:Seborga Coin - Prince.JPG|thumb|right|1996年に発行された「セボルガ公国」の硬貨。ジョルジョ1世の肖像が刻まれている。]]
1960年代初頭、セボルガの花卉生産者協同組合長ジョルジョ・カルボーネは、セボルガが歴史上公国として持っていた独立を回復するべきだと主張するようになり、このことは次第に住民に受け入れられるようになった。1963年、住民はジョルジョ・カルボーネを元首として選出し、「独立」が宣言され、ジョルジョ・カルボーネは'''セボルガ公[[ジョルジョ1世]]'''として「即位」した。地元では、その「途方もない大きさ」に敬意が払われ、{{lang|it|Sua Tremendità}} （{{lang-en-short|Your Tremendousness}}）の愛称で呼ばれ（これは、君主や王族の高い地位に敬意を払う称号 {{lang|it|Sua Altezza}} （{{lang-en-short|[[:en:Highness|Your Highness]]}}、「[[殿下]]」）のもじりである）、マスコミにもこの「敬称」が知られた。以来、ジョルジョ1世は[[2009年]]に死去するまで「セボルガ公」の地位に在った。[[1995年]]、「公国」の憲法が住民投票で採択された（賛成304、反対4）。

しかしこれはセボルガが公国としての地位を持っていることを意味しない。何人かはこの主張を一種の民間伝承だと考えているし、イタリア政府はセボルガをイタリア領とみなしている。

=== ジョルジョ1世の死去 ===
[[2009年]][[11月25日]]、ジョルジョ1世が73歳で死去。ジョルジョ1世は生涯独身であったため後継者はなく、同年12月1日よりアルベルト・ロマーノ（Alberto Romano）が摂政として君主の地位を代行した。

2010年4月、31歳の実業家（靴下会社の跡継ぎである）マルチェッロ・メネガット（Marcello Menegatto）が住民多数の支持を受けて「元首」に選出され、「マルチェッロ1世」となった。マルチェッロは、ジョルジョ1世の用いていた称号を引き継ぎ {{lang|en|His Tremendousness Marcello I}} と名乗ったと報じられた<ref name="telegraph-100427" /><ref name="metro-100427" />。ただし、「公国」の公式サイトでは、ジョルジョ1世ともども一般的な「[[殿下]]」{{lang|it|[[:it:Altezza serenissima|Sua Altezza Serenissima (S.A.S.)]]}} が用いられている<ref name="la storia-Principato di Seborga" />。「ジョルジョ2世」とも「ナイロンの王様」ともあだ名されているマルチェッロは、新しいホテルの建設や観光業の振興、雇用の創出を掲げている<ref name="telegraph-100427" /><ref name="metro-100427" />。

== 「公国」の地位 ==
1729年1月20日、セボルガは[[サルデーニャ王]][[ヴィットーリオ・アメデーオ2世]]によって購入されたが、セボルガ「独立」派はこの売却によってセボルガが独自の公爵領（公国）という地位を失っていないと主張する。[[1814年]]のサルデーニャ王国によるジェノヴァ共和国編入（[[ウィーン会議]]）、[[1861年]]の[[イタリア王国]]建国（イタリア王国統一法）、1946年の[[イタリア共和国]]発足のいずれの時点においても、「セボルガ公爵領（セボルガ公国）」について特段の言及はされてはおらず、セボルガはイタリア共和国の一部ではなく依然「独立の領域」であるという論の根拠とされている。しかし、こうした主張がいかほど正しかったとしても、現在主張される独立は、いかなる公式の法律にもよっていないことは明記すべきであろう。

イタリア共和国政府とセボルガとの間には何等の緊張もない。イタリア共和国の法、医療サービス、通信、学校、その他すべての公共サービスは、イタリアの他の地域同様に供給されている。住民はイタリア共和国の行政サービスを受け、政治的権利を行使しており、地方税と（イタリア共和国の）国税を納入している。たとえば[[2001年]]のイタリア共和国上院選挙でのセボルガでの投票率は、84.21%であった。

{{要出典範囲|しかし、2013年頃から始まったEU経済拡大の失敗や連邦政府による増税から分離運動がEU圏内で広がる中、スコットランドはEU加盟国のイギリスからの政治的独立に成功したり、2014年のEU国民投票でオランダが分離する案を国民に提出する事態が起こるなど、ウクライナ内戦の煽りを受けてヨーロッパ国内で中央政権に対する分離運動が始まっている事が、セボルガ公国独立運動の牽引役となっている。つまり、セボルガ公国が目指しているのはイタリアからの独立ではなく、EUからの独立を目指しているのである。セボルガ公国と同じ理由からローマ近郊フィレッティーノ村の独立国宣言や、既に独立に成功しているサンマリノ共和国などがある。|date=2014年7月}}

== ギャラリー ==
<gallery>
File:Seborga frontier.jpg|セボルガの「国境」
File:Seborga1 cavaliere.png|古い街角にたたずむ騎士の看板
File:Seborga Cartello zecca di stato Luigino.png|「公国」の通貨「セボルガ・ルイジーノ」への両替窓口
</gallery>

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
* [[ミニ独立国]] - 自治体が「独立」を宣言して[[地域おこし|地域振興]]を図る、日本での類例。
* [[フィレッティーノ]] - 2011年にイタリア共和国からの「独立」を宣言、「フィレッティーノ公国」を称したラツィオ州のコムーネ。

== 外部リンク ==
{{commonscat|Seborga}}
* [http://www.principatodiseborga.com/ 「セボルガ公国」公式サイト] {{it icon}}
* [http://www.proseborga.com/ 「セボルガ公国観光局」公式サイト] {{it icon}}
* [http://gazzettadiseborga.blogspot.jp/ 「セボルガ公国」公報 La GAZZETTA di SEBORGA（公式ブログ）] {{it icon}}
* [http://seborgatimes.blogspot.jp/ 「セボルガ公国」公報 THE SEBORGA TIMES（公式ブログ）] {{en icon}}
* [http://principalityofseborga.org/ 「セボルガ公国外交・領事団」公式サイト] {{en icon}}{{de icon}}{{fr icon}}{{it icon}} 

{{ミクロネーション}}
{{DEFAULTSORT:せほるかこうこく}}
[[Category:インペリア県]]
[[Category:ミクロネーション]]