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'''スピードネット'''は、かつて[[東京電力]]が運営していたインターネット接続サービスである。2006年5月31日にサービス終了した。無線アクセスとFTTHの2つの接続サービスを提供していた。特に無線アクセスについては[[ラストワンマイル]]として[[無線]]([[無線アクセス#Fixed Wireless Access|FWA]])を用いた定額[[ブロードバンドインターネット接続]]サービスで一世を風靡した。 ==無線アクセス== ===背景=== [[1999年]]夏当時、大半の地域において一般家庭や小規模事業所では3分10円の従量制の電話料金がかかり速度も遅い[[ダイヤルアップ接続]]しか[[インターネット]]への接続手段がなく、当時は[[固定電話|メタルケーブル加入者回線]]を独占的に保有している[[日本電信電話|NTT]]が、既に多大な投資をした[[ISDN]]へ固執するあまり[[ADSL]]など定額接続に積極的でなかったこと、[[ケーブルテレビ|CATV]]や[[FTTH]]は、コストや社会的な理解の不足から、[[マンション]]等[[集合住宅]]への敷設が困難であったことなどから、これらのインフラは日本では普及しないと見込んだ[[東京電力]]、[[ソフトバンク]]、[[マイクロソフト]]が同年[[9月]]に[[合弁会社]]を設立し(構想発表は同年7月頃)、NTT回線に依存しない[[無線]]網を使った定額インターネット接続サービスを行うことが企画された。 ===接続方法=== インターネットから[[電柱]]上の[[基地局]]までを東京電力の[[光ファイバー]]で接続し、そこから加入者宅までを2.4[[GHz]]の周波数ホッピング方式の無線で接続する。 加入者宅には10cm四方の[[アンテナ]]と受信装置を取り付ける。 ===利用料金と接続速度=== 速度は上下とも1.5M[[ビット毎秒|bps]]のベストエフォート型回線である。料金プランにより最大データ転送量に制限があり、それを超過するとその月の月末まで速度が60kbpsに制限される。インターネットプロバイダとインターネット接続サービスを兼ねているため、下記の利用料金のみでインターネットを利用できる(プロバイダ料金がかからない)。 * 2001年5月25日(サービス開始時点)の利用料金 ** 最大データ転送量5GB - 月額4350円(接続料3450円+無線機レンタル料900円) * 2001年12月1日から ** 最大データ転送量5GB(プランI) - 月額3350円(接続料2450円+無線機レンタル料900円) ** 最大データ転送量10GB(プランII) - 月額4350円(接続料3450円+無線機レンタル料900円) ** 転送量無制限(プランIII) - 月額6350円(接続料5450円+無線機レンタル料900円) ※いずれも消費税抜きの価格 支払い方法はクレジットカードと口座振替が選べるが、口座振替の場合月額200円の手数料が上乗せされる。 ===整備の状況=== 当初は[[2000年]]夏のサービス開始予定であったが、[[電波]]の干渉などトラブルが相次ぎ、たびたび延期された。 問題を解決後、2000年[[8月14日]]に[[埼玉県]][[浦和市]]・[[大宮市]]・[[与野市]](現[[さいたま市]])で試験サービスが開始され、[[2001年]][[5月25日]]にさいたま市を皮切りに、1年遅れでようやく本サービス開始にこぎつけた。 しかし、その間に東京めたりっく通信(現:[[ソフトバンクBB]])の登場などにより定額接続への流れに逆らえないことを認識したNTTがADSL等定額接続に積極的に取り組む方向に転換したほか、[[総務省]]の後押しもありADSL事業者が次々に開業した。 ケーブルテレビ会社もインターネットの普及に伴いインターネット接続サービスが付加価値になることに気がつき始め次々にインターネット接続事業に参入、さらにADSLも技術面での改良により到達距離が伸びエリアを拡大、価格競争も激化した。 そのため、遅れて開業した時点で既に存在意義の大半を失っており、最終的に2003年6月1日は東京電力に営業譲渡の上清算され、[[TEPCOひかり]]の無線接続サービスに受け継がれた。当時の会員は約3万人。また、スピードネットの出資会社のひとつであったソフトバンクも、子会社であるソフトバンクBBが東京めたりっく通信を合併して[[Yahoo! BB]]を開始、ADSLへ舵を切ってしまった。 そして[[2005年]][[3月31日]]、新規受付を終了し、2006年5月31日にスピードネット「無線アクセスサービス」のサービスを終了した。 なお、設立時の出資比率は東京電力、ソフトバンク、マイクロソフトいずれも31.2%ずつであったが、2001年4月下旬には東京電力77.13%、ソフトバンク10.35%、マイクロソフト10.35%となった。このことから本サービス開始前にすでに3社の足並みが乱れていたことが伺える。 ==FTTH== 東京電力がすでに提供していた「TEPCOひかり」を利用したFTTHサービス。スピードネットはインターネットプロバイダ、東京電力が接続サービスを提供する形になる。2001年9月中旬から開始され、上下とも100Mbpsのベストエフォート型。接続料にはプロバイダ料金が含まれている。 * 2001年9月(サービス開始時点)の利用料金 ** 集合住宅 - 月額4950円(メディアコンバーターレンタル料込) ※10世帯以上の申し込みが必要 ※最大データ転送量10GBの制限がある ** 一戸建て - 月額12800円(メディアコンバーターレンタル料込) ※最大データ転送量40GBの制限がある * 2002年9月から ** TEPCOひかり。(ホーム) - 月額9880円(接続料8980円+メディアコンバーターレンタル料900円) ** TEPCOひかり。(SOHO) - 月額17380円(接続料16480円+メディアコンバーターレンタル料900円) ※同時に10台まで接続できる * 2002年12月1日から ** TEPCOひかり。(ホーム) - 月額6480円(接続料5580円+メディアコンバーターレンタル料900円) ** TEPCOひかり。(SOHO) - 月額14400円(接続料13500円+メディアコンバーターレンタル料900円) ※同時に20台まで接続できる ※いずれも消費税抜きの価格 前述のとおり2003年6月1日に東京電力に営業譲渡され、東京電力の「TEPCOひかり」のプランの1つである「スピードネットTEPCOひかり。」となった。その「スピードネットTEPCOひかり。」も2006年9月1日には[[ドリーム・トレイン・インターネット|DTI]]に事業譲渡され、DTIの「TEPCOひかり対応プラン」へ移行された。 [[Category:かつて存在した日本の電気通信事業者|すひーとねつと]]
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