シャルル10世 (フランス王)のソースを表示

{{基礎情報 君主
|人名=シャルル10世
|各国語表記={{Lang|fr|Charles X}}
|君主号=[[フランス王国|フランス]][[フランス君主一覧|国王]]・[[ナバラ王国|ナバラ]][[ナバラ君主一覧|国王]]
|画像=Charles X of France 1.PNG
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|画像説明=シャルル10世（[[ヘンリー・ボーン]]画、1829年、[[メトロポリタン美術館]]蔵）
|在位=[[1824年]][[9月16日]] – [[1830年]][[8月2日]]
|戴冠日=[[1825年]][[5月29日]]<br>於[[ノートルダム大聖堂 (ランス)|ランス・ノートルダム大聖堂]]
|別号=[[アンドラ]][[アンドラ君主一覧|大公]]
|全名={{Lang|fr|Charles-Philippe}}<br />シャルル＝フィリップ
|出生日={{生年月日と年齢|1757|10|9|no}}
|生地={{FRA987}}、[[ヴェルサイユ]]、[[ヴェルサイユ宮殿]]
|死亡日={{死亡年月日と没年齢|1757|10|9|1836|11|6}}
|没地={{AUT1804}}<br>[[:en:Kingdom of Illyria|イリュリア王国]]、[[ゴリツィア|ゲルツ]]
|埋葬日={{AUT1804}}<br>[[:en:Kingdom of Illyria|イリュリア王国]]、[[ノヴァ・ゴリツァ|ゲルツ]]、[[:en:Kostanjevica Monastery|聖マリア受胎告知教会]]
|埋葬地=
|配偶者1=[[マリー・テレーズ・ド・サルデーニュ]]
|子女={{Collapsible list|title=一覧参照|[[ルイ・アントワーヌ (アングレーム公)|ルイ・アントワーヌ]]<br />[[:en:Sophie d'Artois|ソフィー]]<br />[[シャルル・フェルディナン・ダルトワ|シャルル・フェルディナン]]<br />マリー・テレーズ}}
|王家=
|王朝=[[ブルボン朝]]
|父親=[[ルイ・フェルディナン (フランス王太子)|ルイ・フェルディナン・ド・フランス]]
|母親=[[マリー＝ジョゼフ・ド・サクス]]
|宗教=[[キリスト教]][[カトリック教会]]
|サイン=Signature of Charles Philippe of France in 1792.jpg
}}
{{commonscat|Charles X of France|シャルル10世}}
'''シャルル10世'''（{{Lang-fr|Charles X}}、[[1757年]][[10月9日]] - [[1836年]][[11月6日]]）は、[[フランス復古王政|復古王政]]の[[ブルボン朝]]最後の[[フランス王国|フランス]][[フランス君主一覧|国王]]（在位：[[1824年]][[9月16日]] - [[1830年]][[8月2日]]）である。[[ナバラ王国|ナバラ]][[ナバラ君主一覧|国王]]としては'''カルロス5世'''（{{Lang-eu|Karlos V.a}}）。

即位以前には'''アルトワ伯爵'''（comtes d'Artois, <small>コント・ダルトワ</small><ref>冠詞が付く「{{lang|fr|d'Artois}}」はド・アルトワではなく、ダルトワと発音する</ref>）の称号で呼ばれる。

[[フランス革命]]勃発後、すぐに[[ロンドン]]に亡命して国内外の反革命を指導し、復古王政でも極端な[[反動|反動政治]]を敷いて[[フランス7月革命|七月革命]]を引き起こした。

== 生涯 ==
兄王[[ルイ16世 (フランス王)|ルイ16世]]やプロヴァンス伯爵（[[ルイ18世 (フランス王)|ルイ18世]]）とは不仲であったが、シャルル＝フィリップは兄弟のなかで最も享楽的かつ活動的な性格で、小太りの兄達とは違ってハンサムでスポーツマンでもあり、若い頃は王妃[[マリー・アントワネット]]の遊び仲間の一人で、スキャンダルのネタともなった。しかし他方では[[絶対君主制]]の信奉者でもあり、マリー・アントワネットと共に王権に逆らうあらゆる勢力の迫害を主張して、国民の反感を買っていた。

[[1789年]][[7月14日]]の[[バスティーユ襲撃]]で[[フランス革命]]が勃発すると、兄が革命派に屈したのに失望して、真っ先に[[グレートブリテン王国|イギリス]]に亡命して反革命を策動したが、自身では一切戦わなかった。1795年の[[キブロン]]遠征<ref>（[[:fr:Invasion of France (1795)|Invasion of France (1795)]]）</ref>ではアルトワ伯本人も島に上陸する予定であったが、土壇場で取りやめ、代わりに1本の剣を贈った。これによって意気消沈した遠征は失敗に終わった。

[[ナポレオン・ボナパルト|ナポレオン]]体制が始まると、ナポレオン暗殺のための援助と刺客をフランスに送り込んだ。有名なのが、[[1800年]][[12月24日]]に起きた[[レジティミスム|王党派]]によるナポレオン暗殺未遂事件「地獄の仕掛け事件」である。しかし結局ナポレオンを失脚に追い込むことは出来ず、[[ナポレオン戦争]]でも兄同様、大きな影響力を誇示することが出来なかった。

[[1814年]]、ナポレオン1世の失脚直前にフランスへ密かに帰国して、真っ先にパリに到達したが、第一次復古王政はナポレオンの帰還から始まる[[百日天下]]で潰え、再び亡命を余儀なくされた。この様に[[ブルボン家]]の兄弟はナポレオンに対して無力であった。このため、[[ボルドー]]で反ナポレオンの挙兵演説をした姪の[[マリー・テレーズ・シャルロット・ド・フランス|マリー・テレーズ]]（長男アングレーム公爵[[ルイ・アントワーヌ (アングレーム公)|ルイ・アントワーヌ]]の妃、ルイ16世王女）をナポレオン1世から「ブルボン家唯一の男性」と揶揄されたりもした。

第二次[[フランス復古王政|王政復古]]では子のない兄王の跡継ぎに決まっていたが、超王党派を率いる反動主義の急先鋒であったので、[[1820年]]に次男[[ベリー公|ベリー公爵]][[シャルル・フェルディナン・ダルトワ|シャルル・フェルディナン]]が暗殺されるなど報復を受けた。

[[1824年]]、兄ルイ18世が死去すると、国王として即位した。議会の解散や[[ルイ14世 (フランス王)|ルイ14世]]時代の[[絶対王政]]復活を目指すなど、兄以上の反動的な[[専制政治]]を行なった。そのため[[1830年]]、不満をもったフランス国民により[[フランス7月革命|7月革命]]が起こされた。この革命によってシャルル10世はイギリスに亡命し、[[オルレアン家]]の[[ルイ・フィリップ (フランス王)|ルイ＝フィリップ]]が国王に擁立されて、ブルボン家直系から王位は失われた。

シャルル10世は退位する時、「余も兄（[[ルイ16世 (フランス王)|ルイ16世]]）と同じ運命を辿るのか」と漏らしたと言う。彼は国民に不人気な長男アングレーム公爵に王位継承を辞退させ、お気に入りの孫[[アンリ・ダルトワ|シャンボール伯爵アンリ]]に王位を譲り「アンリ5世」として即位させようとしたが叶わず、アングレーム公爵夫妻とイギリスへ亡命した。

初め、一家は[[スコットランド]]の[[ホリールード宮殿]]に居をもうけたが、当時既に一般公開されていた宮殿は観光客が出入りするため居心地が悪く、なおかつイギリスは新しく王位についたルイ＝フィリップ1世と友好を保つことを重視するようになった。[[1832年]]10月、王家は新たな受け入れ先となった[[オーストリア帝国|オーストリア]]へ向かい、[[プラハ城]]に入った。そこはブルボン王家信奉者が出入りする場所となったが、シャルル10世自身が復位に向けて活動することはほとんどなかった。彼の意に反してフランスで反乱を起こした、次男ベリー公爵の妃でシャンボール伯爵アンリの母親である[[マリー・カロリーヌ・ド・ブルボン|マリー]]が不貞を犯したことを知ると、彼女と縁を切り、孫[[ルイーズ・ダルトワ|ルイーズ]]とアンリを引き取った。

[[1835年]]、[[ボヘミア君主一覧|ベーメン国王]]となった[[オーストリア皇帝]][[フェルディナント1世 (オーストリア皇帝)|フェルディナント1世]]がプラハ城に入城することとなったため、一家は[[アドリア海]]に近い保養地ゲルツ（現在は[[イタリア]]領[[ゴリツィア]]）へ移った。そこで、[[コレラ]]にかかって死去した。遺体はゴリツィア郊外（現在は[[スロヴェニア]]領の[[ノヴァ・ゴリツァ]]）にある聖マリア受胎告知教会へ葬られた。

== 家族 ==
[[1773年]]に[[サルデーニャ王国|サルデーニャ国王]][[ヴィットーリオ・アメデーオ3世]]と王妃[[マリーア・アントニア・ディ・スパーニャ|マリーア・アントニエッタ]]の三女である[[マリー・テレーズ・ド・サルデーニュ|マリー・テレーズ]]と結婚し、2男2女を儲けた。
* [[ルイ・アントワーヌ (アングレーム公)|ルイ・アントワーヌ]]（1775年 - 1844年） アングレーム公爵
* [[:en:Sophie d'Artois|ソフィー]]（1776年 - 1783年）
* [[シャルル・フェルディナン・ダルトワ|シャルル・フェルディナン]]（1778年 - 1820年） [[ベリー公|ベリー公爵]]
* マリー・テレーズ（1783年、夭折）

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|2}}

== 参考文献 ==
* [[両角良彦]] 『反ナポレオン考 <small>時代と人間</small>』（朝日新聞社、1998年新装版） ISBN 4-02-259715-1

== 関連項目 ==
* [[レジティミスム]]
* [[ジュール・ド・ポリニャック]]
* [[アルジェリア侵略]]
* [[ランスへの旅、または黄金の百合咲く宿]] - シャルル10世の戴冠式のために[[ジョアキーノ・ロッシーニ]]が作曲したオペラ。
* [[シャルル1世・ド・ブルボン (ルーアン大司教)]] - ブルボン朝草創期にフランス国王シャルル10世を称したブルボン家の人物。[[アントワーヌ (ヴァンドーム公)|ヴァンドーム公アントワーヌ]]の弟でブルボン朝の初代国王[[アンリ4世 (フランス王)|アンリ4世]]の叔父であり、[[ユグノー]]のアンリ4世の即位を認めない[[カトリック同盟 (フランス)|カトリック同盟]]の貴族たちから[[対立王]]として擁立された。

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[[Category:フランス国王]]
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[[Category:アングレーム公]]
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