シェーンブルン宮殿のソースを表示

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[[ファイル:Schonbrunn Palace.JPG|thumb|200px|宮殿の向かい側の丘の上に立つグロリエッテ]]
'''シェーンブルン宮殿'''（シェーンブルンきゅうでん、[[ドイツ語]]：Schloss Schönbrunn）は、[[オーストリア]]の首都[[ウィーン]]にある[[宮殿]]。[[ハプスブルク家|ハプスブルク王朝]]の歴代君主が主に[[離宮]]として使用した。

現在、同宮殿と[[庭園]]群は[[世界遺産]]に登録されている。

== 位置と概要 ==
シェーンブルン宮殿は、[[ウィーン]]の中心部'''[[シュテファン大聖堂]]'''から西に直線で約5kmの位置にある。市内からは地下鉄U4号線に乗りシェーンブルン駅下車。庭園は東西約1.2km、南北約1kmの規模で、[[1779年]]頃から公開されている。

建物は、あらゆる部屋を合計すると1,441室あり、両翼の端から端まで180mあり、正面右側翼には宮廷劇場がある。また、広いフランス式庭園を挟んで宮殿に向かい合う丘の上には'''グロリエッテ'''という対[[プロイセン]]戦の勝利と戦没者の慰霊の為に立てたギリシャ建築の記念碑(未完成)があり、ここからは周囲が一望できる（写真はこの丘からの眺望）。[[オーストリア]]で一番重要な観光資源で、年間入場数150万人。更に公園と動物園や行事での集客数520万人を合計すると年間には670万人が訪れる。外壁は金を塗ろうとしたところ、[[マリア・テレジア]]が財政の状況を考慮し、黄金に近い黄色にした、これをテレジア・イエローと云うが、彼女が好んでいた色というわけではない。

== 宮殿の名称 ==
[[神聖ローマ皇帝]][[マティアス (神聖ローマ皇帝)|マティアス]]（在位：[[1612年]] - [[1619年]]）が狩猟時に'''美しい'''（'''schön'''）'''泉'''（'''Brunn'''）を発見したために'''シェーンブルン'''と命名したと伝えられている。

== 沿革 ==
*[[14世紀]]から[[1642年]]頃までこの場所は'''カッターブルク'''と言われ、荘園と製粉場があった。
*[[1565年]]　[[神聖ローマ皇帝]][[マクシミリアン2世 (神聖ローマ皇帝)|マクシミリアン2世]]（在位：[[1564年]] - [[1576年]]）がこの土地を買い、[[キジ]]の繁殖場をつくり、[[シチメンチョウ|七面鳥]]や[[クジャク|孔雀]]などの珍しい動物類も集めた。
*[[1683年]]　[[第2次ウィーン包囲]]に際し、[[オスマン帝国]]軍により破壊される。
*[[1693年]]　[[レオポルト1世 (神聖ローマ皇帝)|レオポルト1世]]（在位：[[1658年]] - [[1705年]]）が狩猟用の別荘を建てる。歴代の皇帝らが増築・造作を行い、[[マリア・テレジア]]（在位：[[1740年]] - [[1780年]]）の時代に完成された。ウィーン風[[ロココ]]様式と称される。
*[[1752年]]　[[フランツ1世 (神聖ローマ皇帝)|フランツ1世]]（在位：[[1745年]] - [[1765年]]）が宮殿脇にシェーンブルン動物園を設置する。
*[[1762年]]　マリア・テレジアの娘[[マリー・アントワネット]]がここに滞在している時、6歳の神童[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|モーツァルト]]が招待され訪れる。
::この時宮殿内で転んだモーツァルトをマリー・アントワネットが助け起こしたところ、モーツァルトが「僕と結婚して」とプロポーズした、という伝説がある。
*[[1797年]]　[[フンボルト]]がイタリアへ行く途中の数週間をウィーンに滞在し、宮殿庭園で珍しい異国の植物を含んだ立派な標本を研究した<ref>ダグラス・ボッティング著 西川治・前田伸人訳 『 フンボルト －地球学の開祖－ 』 東洋書林 2008年 53ページ</ref>。
*[[1805年]]及び[[1809年]]　[[フランス]]皇帝[[ナポレオン1世]]が司令部として使い、敷地内にフランス軍が駐屯した。
*[[1815年]]　[[ウィーン会議]]がここで開催される。
*[[1916年]]　オーストリア皇帝[[フランツ・ヨーゼフ1世]]（在位：[[1848年]] - [[1916年]]）がここで死去。
*[[1918年]]　[[オーストリア＝ハンガリー帝国]]の崩壊に伴い、[[オーストリア共和国]]政府の所有となる。改装され博物館などに利用された。
*[[1961年]]　[[アメリカ合衆国]]の[[ジョン・F・ケネディ]]大統領と[[ソビエト社会主義共和国連邦|ソ連]]の[[ニキータ・フルシチョフ]]首相との会談の場所となる。
*[[1996年]]　[[国際連合教育科学文化機関|ユネスコ]]の[[世界遺産]]に登録。
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==世界遺産==
===登録基準===
{{世界遺産基準|1|4}}

== シェーンブルン宮殿の日本庭園 ==
[[ファイル:Japanese-Garden at Schönbrunn Palace.jpg|thumb|200px|復元された枯山水石庭]]
シェーンブルン宮殿には[[日本庭園]]がある。これは[[1913年]]に[[フランツ・フェルディナント・フォン・エスターライヒ＝エステ|フランツ・フェルディナント大公]]が日本訪問から帰国後造営させたもので、オーストリアの庭師に見よう見まねで作らせたものである。オーストリア＝ハンガリー帝国崩壊後は荒廃し、誰ともなしに「アルプス庭園」と呼ばれるようになったが、[[1996年]]にここを訪れた日本人が日本庭園ではないかと指摘した。その後調査が進められた結果、[[手水鉢]]と思われる石など見つかり、日本庭園ということが断定された。これを受け[[1998年]]、日本から庭師を招いて[[枯山水]]の日本庭園として修理復元がなされた<ref>[http://www.lcv.ne.jp/~oguteien/newspaper.htm ウィーン市シェーンブルン宮殿の日本庭園を復元整備（小口庭園有限会社）]</ref>。

== 見学 ==
* 見学できる場所は居室1,200室のうち40室である
** 4月1日 から 6月30日　8:30-17:00
** 7月1日 から 8月31日　8:30-18:00
** 9月1日 から 10月31日　8:30-17:00
** 11月1日 から 3月31日　8:30-16:30
庭園のツアーは時間があればロング・ツアー、なければショート・ツアーを勧めている。
=== 建物の見学料金 ===
* インペリアル・ツアーは22室　音声ガイド付き　11.5[[ユーロ]]
* グランド・ツアー　は40室　音声ガイド付き　14.5ユーロ
尚、音声ガイドはトランシーバー型の端末で日本語でのガイダンスも聞ける。

* クラシック・パス は40室に加え、庭園の施設に入ることができる 18.5ユーロ
他にも、ゴールド・パスやシシィ・パス、ファミリー・パス、シングル・パスなど種類がある。

==利用==
===賃貸住宅になった宮殿===
シェーンブルン宮殿は観光客に公開されている2階部分を除いた居室が、文化財管理公社によって賃貸住宅として一般に貸し出されており、住民がいる。これは1960年代にウィーンの住宅問題を解決するために考え出されたものである。居住者は建物の性質を変えない程度のリフォームは許されている。現在では居住に不便な部分も多数あるといわれ、ウイーン市民にとっての住宅物件としての人気は低い。官舎であるため、公務員であることが入居の条件である。2LDKで100m&sup2;、家賃は日本円で4万7千円。
===ホテル===
2014年よりオーストリアのホテルグループが宮殿の一部を改装し、宿泊可能な施設とした<ref>{{Cite news|url=http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYEA2Q04620140327?rpc=188|title=ウィーンの宮殿が宿泊可能に、1泊10万円から|work=ロイター|publisher=ロイター通信社|date=2014-03-27|accessdate=2014-03-31}}</ref>。

== 関連項目 ==
* [[ベルヴェデーレ宮殿]]
* [[ホーフブルク宮殿]]
* [[アルプス庭園]]

== 脚注 ==
<references />

== 外部リンク ==
{{Commons&cat|Schloss Schönbrunn und Garten|Palace and gardens of Schönbrunn}}
* [http://www.schoenbrunn.at/de/publicdir/ シェーンブルン宮殿公式サイト] {{de icon}}{{en icon}}{{it icon}}

{{オーストリアの世界遺産}}

{{DEFAULTSORT:しえんふるんきゆうてん}}
[[category:ウィーンの宮殿]]
[[category:ウィーンの公園]]
[[Category:ヨーロッパの歴史的建築物]]
[[Category:オーストリアの世界遺産]]
[[Category:世界遺産 さ行]]
[[Category:オーストリアの遺跡]]
[[Category:1996年登録の世界遺産]]
[[Category:庭園の世界遺産]]