サンデーサイレンスのソースを表示

{{競走馬
|画 =[[ファイル:Sundaysilence.jpg|280px]]
|説 = 2000年9月、社台スタリオンステーション
|名 = サンデーサイレンス
|性 = [[牡馬|牡]]
|色 = [[青鹿毛]]
|種 = [[サラブレッド]]
|生 = [[1986年]][[3月25日]]
|死 = [[2002年]][[8月19日]]（16歳没）
|父 = [[ヘイロー (競走馬)|Halo]]
|母 = [[ウィッシングウェル|Wishing Well]]
|母父 = [[ウィッシングウェル#血統|Understanding]]
|産 = Oak Cliff Throughbreds Ltd.
|国 = {{USA}}
|主 = Gaillard &amp; [[アーサー・ハンコック3世|Hancock III]]<br />[[チャーリー・ウィッティンガム|Charles Whittingham]]<br />Whittingham et al<br />[[吉田善哉]]
|調 = Charles Whittingham
|厩 = Charles Clay
|績 = 14戦9勝
|金 = 4,968,554[[アメリカ合衆国ドル|ドル]]
}}
'''サンデーサイレンス'''（{{lang-en-short|Sunday Silence}}、[[1986年]] - [[2002年]]）は、[[アメリカ合衆国]]生まれの[[競走馬]]、[[種牡馬]]である。[[1996年]]に[[アメリカ競馬殿堂]]入りを果たした。その[[イニシャル]]から'''SS'''と呼ばれることもある。

※文中の「GI級競走」は日本のパート1国昇格前および昇格後のGI競走とJ・GI競走、ならびに昇格後のJpnI競走を指す（詳細については[[競馬の競走格付け#日本中央競馬会が定める格付け|競馬の競走格付け]]を参照）。

== 概要 ==
[[1988年]]10月に競走馬としてデビュー。翌[[1989年]]に[[三冠 (競馬)#アメリカ三冠|アメリカ三冠]]のうち[[二冠馬#アメリカの二冠馬|二冠]]（[[ケンタッキーダービー]]、[[プリークネスステークス]]）、さらに[[ブリーダーズカップ・クラシック]]を勝つなどG1を5勝する活躍を見せ、[[エクリプス賞]]年度代表馬に選ばれた。[[1990年]]に右前脚の[[靭帯]]を痛めて競走馬を引退。引退後は日本で種牡馬となり、初年度[[競走馬の血統#親子関係|産駒]]がデビューした翌年の[[1995年]]から13年連続で日本の[[リーディングサイアー]]を獲得。さらに[[中央競馬]]における種牡馬にまつわる記録を次々と更新した。サンデーサイレンスを起点とする[[サイアーライン]]は日本競馬界における一大勢力となり、[[サンデーサイレンス系]]とも呼ばれる。

[[2002年]][[8月19日]]に左前脚に発症した[[蹄葉炎]]を原因とする衰弱性[[心不全]]のため16歳で死亡。幼少期は見栄えのしない容貌ゆえに買い手がつかず、生命にかかわる事態に見舞われながら競走馬、さらに種牡馬として成功した生涯は童話『[[みにくいアヒルの子]]』に喩えられる<ref name="monogatari162">[[#合田2003|合田2003]]（『優駿3月号増刊 TURFHERO 2002』、162頁。）</ref><ref>[[#成田（監修）2003|成田（監修）2003]]、19頁。</ref><ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、19頁。</ref>。

== 生涯 ==
=== 誕生からデビューまで ===
==== 誕生 ====
サンデーサイレンスは[[1985年]]に[[繁殖牝馬]]ウィッシングウェルと[[種牡馬]][[ヘイロー (競走馬)|ヘイロー]]が交配された結果、翌[[1986年]][[3月25日]]に[[アメリカ合衆国]][[ケンタッキー州]]にあるストーンファームで誕生した。両者が交配された要因は、[[ニックス (競馬)|ニックス]]とされる[[マームード]]の[[インブリード]]（4×5）が成立することにあった<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、47-48頁。</ref>。

==== 見栄えが悪く、売れ残る ====
幼少期のサンデーサイレンスは体格が貧相で、後脚の飛節<ref group="†" name="hisetsu">後脚の中ほどにある関節。[[ウマ#身体の各部の名称]]を参照。</ref>が両後脚がくっつきそうなくらいに内側に湾曲（外弧姿勢、X状姿勢という。そのような体型の馬は下半身の推進力に欠けるとされる<ref name="monogatari162"/><ref name="saraba13">[[#さらば最強種牡馬サンデーサイレンス|さらば最強種牡馬サンデーサイレンス]]（『優駿』2002年10月号、13頁。）</ref>していた<ref name="Paulick08">[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、8頁。</ref>。ストーンファームの経営者[[アーサー・ハンコック3世]]は幼少期のサンデーサイレンスについて「脚がひょろ長くて、上体は華奢」であったと述べている<ref name="monogatari162"/><ref name="saraba12">[[#さらば最強種牡馬サンデーサイレンス|さらば最強種牡馬サンデーサイレンス]]（『優駿』2002年10月号、12頁。）</ref>。さらに幼少期のサンデーサイレンスの馬体はくすんだ鼠色をしており{{#tag:ref|なお、成長したサンデーサイレンスは[[社台ファーム]]代表の[[吉田照哉]]が「いつもピカピカ」、競馬評論家の[[合田直弘]]が「日差しを浴びて黒光りする」と評する馬体を有するようになった<ref>[[#さらば最強種牡馬サンデーサイレンス|さらば最強種牡馬サンデーサイレンス]]（『優駿』2002年10月号、12・40-41頁。））</ref>。|group="†"}}<ref name="monogatari162"/><ref name="Paulick08"/>、その容貌は、テッド・キーファー<ref group="†" name="ted">サンデーサイレンスの母ウィッシングウェルの実質的所有者であったトム・ティザムのアドバイザー。</ref>がストーンファームを訪れた際に必ず「あんなひどい当歳（0歳）馬は見たことがない」「目にするのも不愉快」と言うほど見栄えがしなかった<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、50-51頁。</ref>。また気性が激しく、扱いの難しい馬であった<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、8・52頁。</ref>。

[[1987年]]にキーンランド・ジュライセール（[[ケンタッキー州]]で行われる、世界的に有名な[[セリ市 (競馬)|セリ市]]）に出品されたが、馬体の見栄えが悪かったサンデーサイレンスはセレクトセール（一定水準以上の血統および馬体をもつと判断された馬が出品される部門）への出品が許可されず、一般部門に出品された<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、54頁。</ref>。サンデーサイレンスには1万[[アメリカ合衆国ドル|ドル]]の値がついたが安すぎると感じたハンコックは1万7000ドルで買い戻した。ハンコックはサンデーサイレンスを買い戻したことをトム・ティザム（サンデーサイレンスの母ウィッシングウェルの実質的所有者）に報告し、買い取ってもらおうとしたがティザムは所有する意思がないと答えた（テッド・キーファー<ref group="†" name="ted"/>のアドバイスによるものだった）ため、そのままハンコックが所有することとなった<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、55-56頁。</ref><ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、17頁。</ref>。翌[[1988年]]3月、サンデーサイレンスは[[カリフォルニア州]]で行われたトレーニングセールに出品されたが希望販売価格の5万ドルに届かず、3万2千ドルでふたたびハンコックに買い戻された<ref name="saraba12"/><ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、57頁。</ref><ref name="monogatari163">[[#合田2003|合田2003]]（『優駿3月号増刊 TURFHERO 2002』、163頁。）</ref>。さらにハンコックは複数の[[ホースマン|競馬関係者]]に購入の打診をしたが、ことごとく断られた<ref name="saraba12"/>。

ハンコックはサンデーサイレンスをキーンランド・ジュライセールで買い戻したあと、同馬を友人のポール・サリバンと半分ずつの持ち分で[[共有]]した<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、56-57頁。</ref>。その後サリバンは[[カリフォルニア州]]のトレーニングセールで買い戻された時期に所有する競走馬の調教費用と[[相殺]]する形で[[調教師]]の[[チャーリー・ウィッティンガム]]に持ち分を売却し<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、57-58頁。</ref>、ウィッティンガムはそのうちの半分を友人の医師アーネスト・ゲイラードに売却した<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、59頁。</ref>。なお、サンデーサイレンスが活躍を見せ始めるとハンコックのもとには持ち分を購入したいという申し込みが相次いだが、ハンコックは売却しなかった<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、93-94頁。</ref>。

==== 疾病・負傷 ====
サンデーサイレンスは当歳時（1986年11月）に悪性のウイルスに感染し、数日にわたってひどい[[下痢]]を起こして生死の境をさまよった<ref name="saraba13"/><ref name="monogatari163"/><ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、7-9頁。</ref>。また、[[カリフォルニア州]]のセリからの帰り道では[[貨物自動車|トラック]]の[[運転手]]が[[心臓発作]]を起こし[[馬運車]]が横転する事故に遭い、競走能力こそ失わなかったもののしばらくまっすぐに歩けなくなるほどの重傷を負った<ref name="saraba13"/><ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、58頁。</ref><ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、18-19頁。</ref>。このとき馬運車に乗っていたサンデーサイレンス以外の競走馬はすべて死亡した<ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、18頁。</ref>。

=== 競走馬時代 ===
==== 1988年・1989年 ====
===== 競走内容 =====
サンデーサイレンスは同馬の所有権を4分の1持つチャーリー・ウィッティンガムが管理することとなった。調教を進めるなかでサンデーサイレンスの能力を感じ取ったウィッティンガムはハンコックに「あの真っ黒い奴は走る」と電話で報告し、ハンコックを驚かせた<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、65-66・75-76頁。</ref>。サンデーサイレンスは[[1988年]]10月に初めてレースに出走したが2着に敗れ、翌11月に初勝利を挙げた。12月の一般競走でふたたび2着に敗れたあと、ウィッティンガムは余力を残した状態で休養をとらせることにした<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、76-80頁。</ref>。

翌[[1989年]][[3月2日]]、サンデーサイレンスは[[サンタアニタパーク競馬場]]で行われた一般競走でレースに復帰して優勝。さらに同月19日、[[重賞]] (G2) の[[サンフェリペハンデキャップ]]をスタートで出遅れながら優勝した。この段階で[[主戦騎手]]の[[パット・ヴァレンズエラ]]は「今まで乗った中でも最高の3歳馬」と評し、ウィッティンガムは「[[ケンタッキーダービー]]でも5本の指には入るだろう」と述べた。サンデーサイレンスはケンタッキーダービーの優勝候補として[[競馬ファン]]に認識され始めた<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、95-96・101-103頁。</ref>。

ウィッティンガムはサンデーサイレンスのケンタッキーダービー出走について「[[サンタアニタダービー]]が終わるまでは分からない」とも述べていた<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、103頁。</ref>が、[[4月8日]]にサンタアニタダービーを11馬身差というレース史上最大の[[着差 (競馬)|着差]]<ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、31頁。</ref>で優勝したことを受けてケンタッキーダービー出走を正式に表明。4月半ばにはケンタッキーダービーに備え同レースが行われる[[チャーチルダウンズ競馬場]]へサンデーサイレンスを移送した<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、105-110頁。</ref>。ケンタッキーダービーはレース前日に20[[降水量#降水量と生活|mm]]を超える雨が降り、1967年以来といわれる悪い[[馬場状態]]で行われた<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、115-116頁。</ref>。また、発走時の気温は[[セルシウス度|摂氏]]6.1℃でレース史上最低であった<ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、33頁。</ref>。サンデーサイレンスはスタートで体勢を崩し他馬と激しく接触し、直線で左右によれる素振りを見せる場面も見られた（ヴァレンズエラは馬場の両側から歓声を浴びせられて驚いたからだと、ウィッティンガムは馬場の内側の[[競馬場#ラチ|ラチ]]沿いに並んでいた警備員に驚いたからだとしている<ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、34頁。</ref>）が、1番人気の[[イージーゴア]]に1馬身半の着差をつけ優勝。レース後、ウィッティンガムは「この馬は[[三冠 (競馬)#アメリカ三冠|三冠馬]]になる」と宣言した<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、119-125頁。</ref>。

ケンタッキーダービー優勝後、[[三冠 (競馬)#アメリカ三冠|アメリカ三冠]]第2戦の[[プリークネスステークス]]に出走するまでの過程は平坦なものではなかった。まずレース1週間前の[[5月13日]]、サンデーサイレンスの右前脚に問題が発生（[[獣医師]]の診断は打撲または血腫による[[競走馬#脚部の疾病・負傷（故障）|跛行]]）し、レースの4日前まで[[調教]]が行えなくなるアクシデントに見舞われた<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、127-132頁。</ref><ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、35頁。</ref>。さらにサンデーサイレンスはレースまでの期間を[[ピムリコ競馬場]]で過ごしたが、数百人にものぼる観光客やマスコミが馬房に押しかけ、サンデーサイレンスは苛立った様子を見せるようになった。陣営は馬房の扉を閉めてサンデーサイレンスを隔離する措置を講じた<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、133-134頁。</ref>。ケンタッキーダービーを優勝したサンデーサイレンスであったが実力はケンタッキーダービーで1番人気に支持されたイージーゴアのほうが上と見る向きが多く、プリークネスステークスでもイージーゴアが1番人気に支持され、サンデーサイレンスは2番人気であった。レースは中盤を過ぎてからイージーゴアがサンデーサイレンスの外に進出し、サンデーサイレンスが前方へ進出するためのスペースを塞ぐ展開となった。そのままイージーゴアは先頭に立ったがサンデーサイレンスが猛然と追い上げ、15秒以上にわたる競り合いの末、数センチの差でサンデーサイレンスが先着し優勝した<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、136-140頁。</ref><ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、36-37頁。</ref>。この[[マッチレース]]はアメリカ合衆国の競馬専門誌『[[ブラッド・ホース]]』で行われた読者によるアンケートで、年間ベストレースに選出されている<ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、37頁。</ref>。

[[ベルモントステークス]]ではアメリカ三冠達成の期待がかかり、サンデーサイレンスはイージーゴアと対戦したレースで初めて1番[[人気]]に支持された。しかしレースでは残り400[[メートル]]の地点でイージーゴアに交わされるとそのまま差を広げられ、8馬身の[[着差 (競馬)|着差]]をつけられ2着に敗れた<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、158-160頁。</ref>。

ベルモントステークス出走後、ウィッティンガムは[[ブリーダーズカップ・クラシック]]優勝を次の目標に据えた。ウィッティンガムはじめ厩舎スタッフはサンデーサイレンスの体調の低下を感じ取っていたが、短い休養を取らせたあとで[[スワップスステークス]]に出走した。レースでは[[脚質#逃げ|逃げ]]の戦法をとったが残り400[[メートル|m]]の地点で突如失速し、プライズドに交わされ2着に敗れた<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、163-167頁。</ref>。レース後、ウィッティンガムはレース途中でほかの馬を引き離し過ぎたことに不満を表した<ref name="Paulick167">[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、167頁。</ref>。[[合田直弘]]はヴァレンズエラがサンデーサイレンスに鞭を入れ過ぎたことを敗因に挙げている{{#tag:ref|サンデーサイレンスは鞭を打たれると癇癪を起すところがあった<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、204頁。</ref><ref name="saraba16">[[#さらば最強種牡馬サンデーサイレンス|さらば最強種牡馬サンデーサイレンス]]（『優駿』2002年10月号、16頁。）</ref>。|group="†"|name="muchi"}}<ref name="saraba16"/>。敗戦を受けて陣営は万全の体調でブリーダーズカップ・クラシックに出走できるよう態勢を整えることにした<ref name="Paulick167"/>。9月に入り、ウィッティンガムはブリーダーズカップ・クラシックに向けた前哨戦として[[ルイジアナ州]]の[[ルイジアナダウンズ競馬場]]で行われる[[スーパーダービー]]への出走を決めた。この時期にはサンデーサイレンスの体調は回復しており、レースでは2着に6馬身の差をつけて優勝した<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、169-172頁。</ref>。

ブリーダーズカップ・クラシックの1週間前、サンデーサイレンスの[[主戦騎手]][[パット・ヴァレンズエラ]]に対して薬物（[[コカイン]]）検査で陽性反応が出たことを理由に60日間の騎乗停止処分が下され、急遽[[クリス・マッキャロン]]に騎手が変更されるアクシデントがあった。しかしサンデーサイレンス陣営は同期のライバルであるイージーゴアが抱えていた脚部不安が深刻化していたことを察知し、勝利に対する自信を深めた<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、179-182頁。</ref>。ベルモントステークスのあとG1を4連勝したイージーゴアもブリーダーズカップ・クラシックに出走することが決まり、このレースはエクリプス賞年度代表馬をかけた対決となった。[[ホースマン|競馬関係者]]のなかには2頭の対決を[[ボクシング]]の[[ヘビー級]]のタイトルマッチに例えたり「10年に一度の大一番」と呼ぶ者もいた<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、189-190頁。</ref>。レースではイージーゴアが1番人気に支持され、サンデーサイレンスは2番人気であったが、残り200メートルの地点で先頭に立つとイージーゴアの追い上げを[[着差 (競馬)|クビ差]]しのいで優勝した<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、189-194頁。</ref>。レース後、ウィッティンガムはサンデーサイレンスを、自身が管理したなかで「文句なしに最高の馬」と評している<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、194頁。</ref>。この年、サンデーサイレンスは北アメリカにおける1年間の獲得賞金記録（457万8454ドル）を樹立した。さらに翌[[1990年]]1月、1989年度のエクリプス賞年度代表馬、および最優秀3歳[[牡馬]]に選出された<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、197-198頁。</ref><ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、44頁。</ref>。

===== イージーゴアとの対決 =====
三冠競走では、[[イージーゴア]]がサンデーサイレンスのライバルとなった。血統背景が優れている点、馬体が美しい点などから、イージーゴアはサンデーサイレンスとは対照的な馬とされる<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、85-87頁。</ref>。イージーゴアはケンタッキーダービーが行われる前から競馬マスコミによって「[[セクレタリアト]]の再来か?」、「今、その存在は伝説となりつつある」と評されるなど高い評価を集め、ケンタッキーダービー、さらには同レースでサンデーサイレンスに敗れた直後の[[プリークネスステークス]]でも1番人気に支持された<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、108-109頁。</ref>。前述のように三冠競走をサンデーサイレンスの2勝1敗で終えたあと、イージーゴアがG1を4連勝し、サンデーサイレンスがG1のスーパーダービーを優勝して迎えたブリーダーズカップ・クラシックはエクリプス賞年度代表馬をかけた対決となり、「10年に一度の大一番」といわれた<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、174・190頁。</ref>。2頭の関係は[[アファームド]]と[[アリダー]]の再来、競馬史上最高のライバル関係と評された<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、144・198頁。</ref>。

サンデーサイレンスとイージーゴアとの比較についてウィッティンガムは、サンデーサイレンスの得意距離は1600メートルから2000メートルで、イ－ジーゴアは一流の[[競走馬#ステイヤー|ステイヤー]]と述べている<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、160頁。</ref>。[[レイ・ポーリック]]はサンデーサイレンスは敏捷な馬でコーナーを回りながら加速することができたためカーブがきつい競馬場を得意とし、一方イージーゴアは長い直線では圧倒的なパワーを発揮するがきついカーブを苦手としていたと分析している<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、181-182頁。</ref>。

なお、イージーゴアは[[クレイボーンファーム]]で生まれた競走馬である。サンデーサイレンスの馬主アーサー・ハンコック3世はクレイボーンファームの経営者ブル・ハンコックの息子であったが、父の死後後継者に指名されなかったことに不満を覚え、クレイボーンファームと袂を分かった過去があった。さらにイージーゴアの名義上の生産者であり馬主であった[[オグデン・フィップス]]は、顧問としてクレイボーンファームの後継者指名に関与していた<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、13-14頁・86頁。</ref>。

===== 薬物疑惑 =====
前述のようにサンデーサイレンスはプリークネスステークスの直前期に脚部に問題を抱え、短期間で回復した。サンデーサイレンスの治療にあたった獣医師のアレックス・ハートヒルによると、施された処置は脚部を[[硫酸マグネシウム|エプソム塩]]に浸して血液の循環を促進したあとで患部に湿布を貼るというものであった<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、128-129頁。</ref>が、同じ時期に前述のように厩舎サイドが観光客およびマスコミに苛立つサンデーサイレンスを隔離するために馬房の扉を閉める措置を講じたことから、馬房のなかで違法な処置がとられているという疑惑を口にするマスコミ関係者が現れた<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、134-135頁。</ref>。三冠の最終戦のベルモントステークスを前に、[[ニューヨーク州]]の競馬当局は同レースが行われるベルモントパーク競馬場の厩舎エリアへのハートヒルの立ち入りを禁止した<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、149頁。</ref>。

==== 1990年 ====
「[[馬齢|古馬]]になればもっと強くなる」というウィッティンガムの主張により、サンデーサイレンスは[[1990年]]も現役を続行することになった
<ref name="saraba17">[[#さらば最強種牡馬サンデーサイレンス|さらば最強種牡馬サンデーサイレンス]]（『優駿』2002年10月号、17頁。）</ref>。ブリーダーズカップ・クラシックのあと、サンデーサイレンスは脚部に複数の故障（膝の剥離骨折と軟骨の痛み）を発症したため、骨片の摘出手術を行ったあとで休養に入った<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、195-196頁。</ref>。1990年の3月に調教が再開された際にウィッティンガムは「ここからきっかり3ヵ月でレースに出られるように仕上げてみせる」と宣言し、宣言通り6月のカリフォルニアンステークスでレースに復帰させた<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、199・202頁。</ref>。このレースをサンデーサイレンスは逃げ切って優勝した。2着馬との着差は4分の3馬身であったが、これは今後の[[ハンデキャップ競走]]で重い[[負担重量|斤量]]を課されないために着差をつけないで勝つようウィッティンが指示を出したためであった<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、204頁。</ref>。なおこのレースでは当初ブリーダーズカップ・クラシックでサンデーサイレンスに騎乗したクリス・マッキャロンが引き続き騎乗する予定であったが、当日に行われた別のレースでマッキャロンは[[落馬]]し、復帰まで5か月を要す大怪我を負った。これによりパット・ヴァレンズエラがふたたび主戦騎手を務めることになった<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、202-203頁。</ref>。

続いてサンデーサイレンスは[[ローテーション (競馬)|中2週]]で[[ハリウッドゴールドカップ]]に出走した。レースでは直線に入り[[クリミナルタイプ]]との[[マッチレース]]となったが交わせず、アタマ差の2着に敗れた。敗因として、ウィッティンガムとヴァレンズエラはともにクリミナルタイプより5[[ポンド (質量)|ポンド]]重い斤量を課されたことを挙げている<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、204-206頁。</ref>。合田直弘とハンコックは、ヴァレンズエラが鞭を入れ過ぎたことを挙げている<ref group="†" name="muchi"/><ref name="saraba17"/><ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、22頁。</ref>。

その後、サンデーサイレンスは[[アーリントンパーク競馬場]]がサンデーサイレンスとイージーゴアを対決させる意図で企画した特別招待レース（アーリントンチャレンジカップ、8月4日開催予定）を目標に調整された<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、200-201・207頁。</ref>。7月半ばにイージーゴアが脚部の骨折により競走馬を引退し対戦が不可能になってからも出走予定は変更されなかったが、レース直前に左前脚をかばう素振りを見せた。診察の結果左前脚にある「XYZ靭帯」と呼ばれる靱帯（馬の体重を支えるのに不可欠な靱帯といわれている）に小さな断裂が見つかり、獣医師のハートヒルは引退を勧告。陣営はそれに従い、引退を決定した<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、207-209頁。</ref>。

==== 競走成績 ====
{|class="wikitable" style="text-align:center; font-size: smaller;"
!出走日!!競馬場!!競走名!!格!!着順!!騎手!!距離!!着差!!1着（2着）馬
|-
|style="text-align:right"|[[1988年|1988]].10.[[10月30日|30]]
|[[サンタアニタパーク競馬場|サンタアニタパーク]]
|未勝利
|
|2着
|style="white-space:nowrap"|[[パット・ヴァレンズエラ|P.ヴァレンズエラ]]
|[[ダート|D]]6.5[[ハロン (単位)|f]]
|クビ
|Caro Lover
|-
|style="text-align:right"|11.[[11月13日|13]]
|[[ハリウッドパーク競馬場|ハリウッドパーク]]
|未勝利
|
|{{color|red|1着}}
|P.ヴァレンズエラ
|D6f
|10馬身
| (Moment of Time)
|-
|style="text-align:right"|12.[[12月3日|03]]
|ハリウッドパーク
|一般競走
|
|2着
|A.グライダー
|D6.5f
|アタマ
|Houston
|-
|style="text-align:right"|[[1989年|1989]].03.[[3月2日|02]]
|サンタアニタパーク
|一般競走
|
|{{color|red|1着}}
|P.ヴァレンズエラ
|D6.5f
|4 1/2馬身
| (Heroic Type)
|-
|style="text-align:right"|03.[[3月19日|19]]
|サンタアニタパーク
|[[サンフェリペハンデキャップ|サンフェリペH]]
|{{color|blue|GII}}
|{{color|red|1着}}
||P.ヴァレンズエラ
||D8.5f
|style="white-space:nowrap"|1 3/4馬身
|style="white-space: nowrap;"| (Flying Continental)
|-
|style="text-align:right"|04.[[4月8日|08]]
|サンタアニタパーク
|style="white-space: nowrap;"|[[サンタアニタダービー]]
|{{color|red|GI}}
|{{color|red|1着}}
|P.ヴァレンズエラ
|D9f
|11馬身
| (Flying Continental)
|-
|style="text-align:right"|05.[[5月6日|06]]
|[[チャーチルダウンズ競馬場|チャーチルダウンズ]]
|[[ケンタッキーダービー]]
|{{color|red|GI}}
|{{color|red|1着}}
|P.ヴァレンズエラ
|D10f
|2 1/2馬身
| ([[イージーゴア|Easy Goer]])
|-
|style="text-align:right"|05.[[5月20日|20]]
|[[ピムリコ競馬場|ピムリコ]]
|[[プリークネスステークス|プリークネスS]]
|{{color|red|GI}}
|{{color|red|1着}}
|P.ヴァレンズエラ
|D9.5f
|ハナ
|| (Easy Goer)
|-
|style="text-align:right"|06.[[6月10日|10]]
|[[ベルモントパーク競馬場|ベルモントパーク]]
|[[ベルモントステークス|ベルモントS]]
|{{color|red|GI}}
|2着
|P.ヴァレンズエラ
|D12f
|8馬身
|Easy Goer
|-
|style="text-align:right"|07.[[7月23日|23]]
|ハリウッドパーク
|[[スワップスステークス|スワップスS]]
|{{color|blue|GII}}
|2着
|P.ヴァレンズエラ
|D10f
|3/4馬身
|[[プライズド|Prized]]
|-
|style="text-align:right"|09.[[9月24日|24]]
|[[ルイジアナダウンズ競馬場|ルイジアナダウンズ]]
|[[スーパーダービー]]
|{{color|red|GI}}
|{{color|red|1着}}
|P.ヴァレンズエラ
|D10f
|6馬身
|| ([[オウインスパイアリング|Awe Inspiring]])
|-
|style="text-align:right"|11.[[11月4日|04]]
|style="white-space:nowrap"|[[ガルフストリームパーク競馬場|ガルフストリームパーク]]
|[[ブリーダーズカップ・クラシック|BCクラシック]]
|{{color|red|GI}}
|{{color|red|1着}}
|[[クリス・マッキャロン|C.マッキャロン]]
|D10f
|クビ
| (Easy Goer)
|-
|[[1990年|1990]].06.[[6月3日|03]]
|ハリウッドパーク
|[[カリフォルニアンステークス|カリフォルニアンS]]
|{{color|red|GI}}
|{{color|red|1着}}
|P.ヴァレンズエラ
|D9f
|3/4馬身
| (Stylish Winner)
|-
|style="text-align:right"|06.[[6月24日|24]]
|ハリウッドパーク
|[[ハリウッドゴールドカップハンデキャップステークス|ハリウッドゴールドCHS]]
|{{color|red|GI}}
|2着
|P.ヴァレンズエラ
|D10.0f
|アタマ
|[[クリミナルタイプ|Criminal Type]]
|}
* "S"はステークス、"C"はカップ、"H"はハンデキャップの略。

=== 種牡馬時代 ===
ハンコックは総額1000万ドル（1株25万ドル×40株）の[[種牡馬#シンジケート|シンジケート]]を組み、サンデーサイレンスにアメリカで[[種牡馬]]生活を送らせる予定だった。しかしヘイロー産駒の種牡馬成績が優れなかったことや[[ファミリーライン]]に対する評価の低さから種牡馬としてのサンデーサイレンスに対する評価は低く<ref name="monogatari166">[[#合田2003|合田2003]]（『優駿3月号増刊 TURFHERO 2002』、166頁。）</ref>、株の購入希望者は3人にとどまり、種付けの申込みを行った生産者はわずか2人であった<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、210-211頁。</ref>。

[[ファイル:ノーザンテーストと吉田善哉.jpg|180px|thumb|[[吉田善哉]]の銅像（左、北海道[[ノーザンホースパーク]]内）]]
そんな中、1990年はじめにハンコックから250万ドルで持ち分の半分（全体の4分の1）を買い取っていた[[日本]]の競走馬生産者[[吉田善哉]]<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、201-202頁。</ref>がサンデーサイレンスの購入を打診してきた<ref name="Paulick211-212">[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、211-212頁。</ref>。当時ハンコックはストーンファームの経営を拡大させるなかでできた負債を抱えており<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、24-27頁。</ref>、経済的事情から「他に道はない」と判断し、サンデーサイレンスを売却することにした。吉田善哉が購入のために使った金額は1100万ドル（当時の[[為替レート]]で約16億5000万円）であった<ref group="†">内訳は、1990年はじめにアーサー・ハンコック3世に支払った250万ドル（持ち分の半分〈全体の4分の1〉の対価）と、その後3人の所有者に支払った750万ドル（残りの4分の3の対価）、さらにウィッティンガムに対する補償（4頭分の生涯種付け権とシンジケート株の4分の3）。</ref><ref name="Paulick211-212"/>。吉田善哉の子[[吉田照哉]]によると、取引成立には善哉とウィッティンガム、さらに照哉とハンコックとの間に交友関係があったことが大きく作用しており、「築きあげてきた人脈なくしては不可能だった」<ref>[[#吉田1997|吉田1997]]、9-10頁。</ref>。照哉はかつてクレイボーンファームに隣接するフォンテンブローファームの場長を務めたことがあり、その縁でハンコックとは親しい間柄であった<ref>[[#木村2001|木村2001]]、271頁。</ref>。しかしながらこの取引は当時、「日本人のブリーダーがとても成功しそうにない[[ファミリーライン|母系]]から生まれたヘイロー産駒を買っていった」とアメリカの生産者の笑いものになった<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、212頁。</ref>。一方、「欧米の超スーパーホースが、いきなり日本で種牡馬入りするというのはまずあり得ない」と考えられていた当時の日本競馬界では衝撃をもって受けとめられた<ref>[[#関口2004|関口2004]]、85頁。</ref>。

作家の[[吉川良]]によると、吉田善哉がサンデーサイレンスの購入を思い立ったのは、同馬が勝ったピムリコステークスのビデオを観たときのことである。吉田善哉は吉川の前で「欲が出るね。これは忙しくなる。わたしか照哉がしばらくアメリカに下宿しなくちゃならなくなるかもしれんな」と述べたという<ref>[[#吉川1999|吉川1999]]、395-396頁。</ref>。実際に購入に踏み切った動機について作家の木村幸治は、社台ファームで繋養されていた種牡馬[[ディクタス]]が[[1989年]][[9月20日]]に死亡したため、その後釜を探していたのだと推測している<ref>[[#木村2001|木村2001]]、269-270頁。</ref>。木村によると当時社台ファームには[[ノーザンテースト]]、[[リアルシャダイ]]、ディクタスに続く種牡馬を導入し、生産馬について「同じ系統の馬だけが増加し、近親の度合いが濃くなり過ぎる」ことを解消しようとする動きがあった<ref>[[#木村2001|木村2001]]、262頁。</ref>。吉田善哉はサンデーサイレンスが勝ったブリーダーズカップクラシックを現地で観戦して帰国後「サンデーサイレンスを、[[早来町|早来]]に持ってくるぞ」と宣言した<ref>[[#木村2001|木村2001]]、270頁。</ref>。ハンコックによると、購入交渉における吉田善哉の「サンデーサイレンスに対する執着心は度外れたものだった」<ref>[[#吉川1999|吉川1999]]、416頁。</ref>。吉田善哉はサンデーサイレンス産駒のデビューを見ることなく[[1993年]]8月にこの世を去っている。吉田善哉は生前、吉川良に次のように語っていた。

{{Quotation|ノーザンテーストと同じくらい走ると信じてるサンデーサイレンスの子を走らせればね、そのうち、何十年したって、日本のあちこちでサンデーの血が走るわけだね。わたしは生まれ変われないが、わたしのね、馬屋の意地は生まれ変われるんだ|[[#吉川1999|吉川1999]]、412頁。}}

吉田善哉に購入されたサンデーサイレンスは[[日本]]へ輸入され、[[1991年]]から[[社台スタリオンステーション]]で種牡馬生活を開始した。種牡馬入りに際し、総額25億円（4150万円×60株）の[[種牡馬#シンジケート|シンジケート]]が組まれた<ref name="saraba21">[[#さらば最強種牡馬サンデーサイレンス|さらば最強種牡馬サンデーサイレンス]]（『優駿』2002年10月号、21頁。）</ref>。シンジケートは満口となった<ref name="saraba21"/><ref>[[#成田（監修）2003|成田（監修）2003]]、28頁。</ref>ものの、当初サンデーサイレンスの評価はさほど高くなかったうえに種付料が1100万円と高額であったため、期待されていたほどの交配申し込みはなく、もっとも多く交配したのは吉田善哉が経営する社台ファーム千歳（現在の[[社台ファーム]]）に繋養されていた繁殖牝馬であった（吉田善哉の息子で社台ファーム代表の吉田照哉曰く、「最高の繁殖牝馬をすべて交配させた」<ref name="saraba22">[[#さらば最強種牡馬サンデーサイレンス|さらば最強種牡馬サンデーサイレンス]]（『優駿』2002年10月号、22頁。）</ref>）が、その結果誕生した馬に対する同牧場の関係者の評価は高くなかった。しかし[[1994年]]6月にデビューした初年度産駒は社台ファームの関係者にとっても予想を上回る活躍をし<ref name="jituzou137">[[#村本2003|村本2003]]（『全部見せます中央競馬2002』、137頁。）</ref>、約半年の間に30勝（重賞4勝）を挙げた。
サンデーサイレンスはその後も活躍馬を次々と輩出し、初年度産駒がデビューした翌年の[[1995年]]に[[リーディングサイアー]]を獲得。2世代の産駒だけでリーディングサイアーを獲得というのは[[中央競馬]]史上初の記録{{#tag:ref|なお、中央競馬における従来の記録としては[[ライジングフレーム]]、[[ヒンドスタン]]、[[トニービン]]が3世代の産駒でリーディングサイアーを獲得している<ref>[[#サンデーサイレンス大全|サンデーサイレンス大全]]、9頁。</ref>。海外においては[[セントサイモン]]と[[ボールドルーラー]]が2世代のみでリーディングサイアーを獲得している。|group="†"}}である。以後2007年まで13年連続でリーディングサイアーに君臨した<ref group="†">なお[[地方競馬]]のリーディングサイアーランキングでは[[2002年]]に6位となったのが最高記録。</ref>。同じく1995年に種牡馬としての中央競馬獲得賞金記録を更新。その後もサンデーサイレンスは中央競馬における種牡馬に関する記録を次々と更新（詳細については[[#記録]]を参照）、産出された12世代すべてからGI級競走優勝馬が登場し、産駒は日本の中央競馬の24あるGI級競走のうち、20で勝利を収めた<ref group="†" name="jrag1">優勝していないのは[[NHKマイルカップ]]（[[デアリングハート]]の2着〈2005年〉が最高着順）、[[チャンピオンズカップ (中央競馬)|ジャパンカップダート]]（[[ゴールドアリュール]]の5着〈2002年〉が最高着順）、[[中山グランドジャンプ]]（マキシマムプレイズの5着〈2002年〉が最高着順）、[[中山大障害]]（[[ウインマーベラス]]の2着〈2004年〉が最高）の4レース。</ref>。 産駒のうち[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]と[[スティルインラブ]]が中央競馬における三冠を達成しているが、[[三冠 (競馬)#日本|三冠馬]]を二頭、それも牡牝双方で輩出した種牡馬はサンデーサイレンスただ一頭である。

種付け料は、初年度1100万円でスタートし、3年後800万円まで下がったものの、初年度産駒の活躍以降は高騰を続け、2500万円（不受胎8割返金条件付き）にまで上がった。そして、生産者の要望に応える形で種付け頭数も年を追うごとに増加し、2001年は年間200頭を超える繁殖牝馬と交配された。それまで日本の競走馬生産者の間には年間100頭を超えて種付けをさせることは種牡馬を酷使しているという認識があったが、サンデーサイレンスの種付け頭数が100頭、200頭を超えるのに伴いほかの種牡馬も200頭を超える種付けを行うことがめずらしくなくなった<ref name="saraba22"/>。[[ブリーダーズ・スタリオン・ステーション]]の秋山達也によると、このような種付け頭数の増加は有力種牡馬に交配の申し込みが殺到する現象を生み、成績が優れない種牡馬が以前よりも早く見切られるようになった<ref>[[#成田（監修）2003|成田（監修）2003]]、10-11頁。</ref>。種牡馬時代の[[厩務員]]を務めた佐古田直樹によるとサンデーサイレンスは性欲が強く<ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、145頁。</ref>、最大で年間224頭（2001年）の繁殖牝馬と交配したにもかかわらず種付けを嫌がる様子を見せなかった<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、219-220頁。</ref>。佐古田はサンデーサイレンスを「まるで種付けマシーンのよう」と形容している<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、220頁。</ref>。

[[1998年]]に始まった[[セレクトセール]]では毎回産駒が高額で落札された<ref group="†">最高価格は2002年の第5回セールで落札された[[トーセンダンス]]（[[ダンシングキイ]]の2002）の約3億5000万円。高額落札馬および活躍馬の詳細については[[セレクトセール]]を参照。</ref>。晩年には種付け料と産駒の購買価格、獲得賞金、種牡馬シンジケートの額を合計するとサンデーサイレンスが1年間に動かす金額は100億円を超え<ref name="jituzou137"/>、年間150頭の繁殖牝馬に5年間種付けを行った場合、産駒の獲得賞金と種付け料を合計して1500億円の経済効果があるといわれた<ref>[[#柴田2008|柴田2008]]、9頁。</ref>。

産駒は日本国外のレースでも活躍を見せ、日本調教馬は日本国外でG1を3勝（[[ステイゴールド]]、[[ハットトリック (競走馬)|ハットトリック]]、[[ハーツクライ]]が各1勝）した。さらに[[オーストラリア]]生まれ（交配は秋〈南半球は春で繁殖シーズンにあたる〉に日本で行われた）のサンデージョイ (Sunday Joy) がG1の[[オーストラリアンオークス]]を優勝するなど、日本国外生産馬および日本国外調教馬からも複数の重賞優勝馬を輩出した。日本国外で活躍する産駒が出現した影響から日本国外の有力馬主がセレクトセールでサンデーサイレンス産駒を購買し、さらに繁殖牝馬を日本へ移送して交配させるようになった。2001年に行われた第4回セールではロッタレースの2001を巡って[[ゴドルフィン]]と[[クールモアスタッド]]の代理人が激しい競り合いを演じた（ゴドルフィンが1億9000万円で落札）<ref>[[#合田2003|合田2003]]（『優駿3月号増刊 TURFHERO 2002』、168頁。）</ref>。

;年度別の種付け頭数および誕生産駒数 <ref name="JBIS">[http://www.jbis.or.jp/index.html JBISサーチ]（[[日本軽種馬協会]]）</ref>
{| class="wikitable" style="text-align:right"
!style="text-align:center"|年度!!1991!!1992!!1993!!1994!!1995!!1996!!1997!!1998!!1999!!2000!!2001!!2002!!2003
|-
|style="text-align:center"|種付け頭数||77||84||99||118||142||183||171||185||199||197||223||159|| -
|-
|style="text-align:center"|誕生産駒数|| - ||67||67||74||97||129||157||157||149||150||180||191||108
|}

=== 蹄葉炎を発症し死亡 ===
[[2002年]][[5月5日]]、サンデーサイレンスは右前脚に跛行を発症し、この年の春の種付けを中止して休養に入った。一度は快方に向かったものの同月10日に跛行が再発。検査の結果、右前脚に[[蜂窩織炎|フレグモーネ]]を発症していることが判明した<ref name="saraba23">[[#さらば最強種牡馬サンデーサイレンス|さらば最強種牡馬サンデーサイレンス]]（『優駿』2002年10月号、23頁。）</ref><ref name="shibata11">[[#柴田2008|柴田2008]]、11頁。</ref><ref name="yuku">[[#後藤2002|後藤2002]]（『サラブレ』2008年10月号、4頁。）</ref>。フレグモーネを引き起こした細菌は血管が少なく抗生物質の効果が現れにくい深屈腱（上腕骨と中節骨をつなぐ腱の外側）に入り込んでいた。さらに通常フレグモーネは外傷から菌が侵入して発症するがサンデーサイレンスの脚に外傷が見当たらず、発症の詳しい経緯が不明であったことから治療に有効な抗生物質が見つけられなかった。これらの理由から治療は困難を極めた<ref name="saraba23"/><ref name="shibata11"/><ref name="yuku"/>。サンデーサイレンスを繋養する[[社台スタリオンステーション]]はイギリスからフレグモーネの専門医を招いて治療を行った<ref name="saraba23"/>。3回にわたって患部を切開して洗浄する措置が施された結果、右前脚の病状は改善したものの、8月に入りそれまでに右前脚をかばった負担が原因となって左前脚に[[蹄葉炎]]を発症。懸命な治療の甲斐なく[[8月19日]]に衰弱性[[心不全]]のため死亡した<ref name="saraba23"/><ref name="yuku"/><ref>[[#柴田2008|柴田2008]]、12-14・18-21頁。</ref>。

サンデーサイレンスは火葬され、社台スタリオンステーションの敷地内に埋葬された。墓の横には吉田善哉の遺品が埋められている<ref name="saraba23"/><ref name="jituzou137"/>。産駒は[[2003年]]生まれが[[ラストクロップ]]となった。最後に生まれた産駒はハギノプリンセス（母サベージレディ）<ref>[http://jra-van.jp/fun/mykeiba/005_hosoesan_04.html 私の競馬はちょっと新しい 第5回][[JRA-VAN]] 2009年10月8日閲覧。</ref>である。また、中央競馬で最後の登録馬は、2012年に引退したアクシオンであった。

== 競走馬としての特徴・評価 ==
=== 精神面 ===
サンデーサイレンスは気性が非常に荒く、騎乗した人間の指示に従わず暴れる傾向があった。ウィッティンガムは厩舎一の腕を持つジャネット・ジョンソンをサンデーサイレンス担当の[[調教助手]]に指名したが、ジョンソンは気性の荒さに嫌気が差し、一度騎乗しただけで降板している。騎手の[[ビル・シューメーカー]]も調教のために騎乗したことがあるが気性の荒さに激怒し、レースでの騎乗を拒否した<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、66-67・74-75頁。</ref>。ウィッティンガムによると、ヘイローの産駒は総じて気性が荒いという<ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、30頁。</ref>。気性を巡っては、種牡馬時代に次のような逸話がある。普段は気性の荒いサンデーサイレンスであったが[[メジロマックイーン]]がそばにいると大人しくなることが多く、サンデーサイレンスとメジロマックイーンの放牧地は隣同士に設えられていた<ref>[[#『優駿』2004年10月号|『優駿』2004年10月号]]、98頁。</ref>。

サンデーサイレンスは前述のように1986年11月に悪性のウイルスに感染して激しい下痢を起こし、生死の境をさまよったことがある。この闘病についてハンコックは「普通の馬だったらダメだっただろう」、「よほどの精神力がなければ、とてもじゃないがあんな経験は乗り越えられない」と述べている<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、7-9頁。</ref><ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、17頁。</ref>。

=== 身体面 ===
テッド・キーファー<ref group="†" name="ted"/>は「サンデーサイレンスの馬体の欠点は目をつぶってすむような軽いものじゃなかった」「同じような馬格の馬が1000頭いたとしたら、そのうち999頭はチャンピオンやリーディングサイアーになるどころか、競走馬としてまず使い物にならないだろう」とし、ティザムに購入を勧めなかったことを正当化するとともに「個人的には、サンデーサイレンスは一種の突然変異だったと思っている」と述べている<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、226頁。</ref>。

=== 走法 ===
ブリーダーズカップ・クラシックで騎乗した[[クリス・マッキャロン]]はサンデーサイレンスの走りを「ストライドに全感覚を集中させるか、それとも脚元を見下ろすかしない限り、いつ[[手前]]を変えたのか全くわからない。そのくらい脚運びが滑らか」と評し、かつて騎乗した[[ジョンヘンリー]]の感覚を思い出させたと述べている<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、180-181頁。</ref>。ウィッティンガム厩舎の調教助手の一人は、どんなに狭いコースでも器用に手前を変えることができ、コーナーを回りながら加速することができる点をサンデーサイレンスの特徴として挙げている<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、181-182頁。</ref>。

=== 選定 ===
サンデーサイレンスは1996年にアメリカ競馬殿堂入りを果たした。[[1999年]]に競馬専門誌の[[ブラッド・ホース]]誌が発表した[[20世紀のアメリカ名馬100選]]では第31位となった。

=== 競走馬名 ===
サンデーサイレンスという競走馬名は、[[メリーランド州]]に住むストローという名の夫婦が考案した<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、62頁。</ref><ref name="syougeki24">[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、24頁。</ref>。意味は「静寂なる日曜日（の[[ミサ]]）」<ref name="syougeki24"/><ref>[[#柴田2008|柴田2008]]、7頁。</ref>。夫妻は「自分たちが所有する競走馬がケンタッキーダービーに出走を果たすとしたら、どんな名前がいいだろう」という空想をもとに作成した競走馬名リストをストーンファームに送り、その中からハンコックが「サンデーサイレンス」を採用した<ref name="syougeki24"/><ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、62-63頁。</ref>。

== 種牡馬としてのサンデーサイレンス ==
=== 種牡馬成績・記録 ===
前述のようにサンデーサイレンスは初年度産駒がデビューした翌年の1995年から2007年にかけて13年連続でリーディングサイアーとなった。

サンデーサイレンスは中央競馬における種牡馬に関する記録の多くを更新した。リーディングサイアー{{#tag:ref|1995年から2007年までの13回<ref name="netkeiba">{{Cite web|url =http://db.netkeiba.com/horse/sire/000a00033a/|title = サンデーサイレンス 年度別種牡馬成績|publisher = [[netkeiba.com]]|language = 日本語|accessdate = 2013年10月28日}}</ref>。[[2006年]]に[[ノーザンテースト]]の11回を更新。|group="†"}}、連続リーディングサイアー{{#tag:ref|13年連続（上記期間）<ref name="netkeiba"/>。2006年にノーザンテーストの11年連続を更新<ref>{{Cite web|author = |date = 2006-12-27|url =http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=17894&category=A|title = サンデーサイレンス、12年連続リーディング獲得|publisher = [[netkeiba.com]]|language = 日本語|accessdate = 2011年12月17日}}</ref>。|group="†"}}、通算勝利数{{#tag:ref|2749勝<ref name="netkeiba"/>。2004年1月11日にノーザンテーストの1749勝を更新<ref name="taizen27">[[#サンデーサイレンス大全|サンデーサイレンス大全]]、27頁。</ref>。|group="†"}}、通算重賞勝利数{{#tag:ref|311勝<ref name="netkeiba"/>。[[2001年]][[2月11日]]に[[ヒンドスタン]]の113勝を更新<ref>[[#サンデーサイレンス大全|サンデーサイレンス大全]]、21頁。</ref>。|group="†"}}、通算GI級競走勝利数<ref group="†">75勝。[[1999年]][[10月31日]]に[[スペシャルウィーク]]が[[天皇賞|天皇賞（秋）]]を勝ち、[[ブライアンズタイム]]の16勝を更新。</ref>、年間勝利数{{#tag:ref|2004年に328勝<ref name="netkeiba"/><ref name="競馬道">{{Cite web|author = |date = |url = http://www.keibado.com/keibabook/071224/plaza.html|title = サンデーサイレンス産駒、JRA重賞300勝|work = ニュースぷらざ|publisher = [[競馬ブック]]|language = 日本語|accessdate = 2011年12月17日}}</ref>。1999年に177勝を挙げ、[[ライジングフレーム]]の176勝を更新。|group="†"}}、年間重賞勝利数{{#tag:ref|2003年に38勝<ref name="netkeiba"/><ref name="競馬道"/><ref>[[#サンデーサイレンス大全|サンデーサイレンス大全]]、24頁。</ref>。1996年に17勝を挙げ、[[テスコボーイ]]、[[パーソロン]]の12勝を更新。|group="†"}}、年間GI級競走勝利数{{#tag:ref|2003年に10勝<ref name="競馬道"/>、自身とパーソロン・ブライアンズタイム・[[オペラハウス (競走馬)|オペラハウス]]の5勝を更新。|group="†"}}、年間獲得賞金額{{#tag:ref|[[2005年]]に92億2004万4000円を獲得<ref name="netkeiba"/>。1995年にノーザンテーストの21億4451万5000円を更新<ref>[[#サンデーサイレンス大全|サンデーサイレンス大全]]、8・9頁。</ref>。|group="†"}}、通算[[クラシック (競馬)|クラシック]]勝利数<ref group="†">23勝。2003年[[5月25日]]に[[スティルインラブ]]が[[優駿牝馬]]を勝ったことで[[プリメロ]]の15勝を更新。</ref>、1日1場における勝利数{{#tag:ref|[[2000年]][[4月2日]]に6勝を挙げ、自身とトニービンの4勝を更新<ref>[[#さらば最強種牡馬サンデーサイレンス|さらば最強種牡馬サンデーサイレンス]]（『優駿』2002年10月号、34頁。</ref>。|group="†"}}はいずれも最多記録を保持している。

また、中央競馬・地方競馬をあわせた通算勝利数は3500勝を超え、世界最多である{{#tag:ref|従来の世界最多記録は[[オーストラリア]]の種牡馬スモーキーアイズが[[1956年]]から[[1980年]]にかけて記録した2796勝<ref name="taizen27"/>。|group="†"}}。

;年度別種牡馬成績（日本総合）<ref name="JBIS"/><ref group="†">サイアーランキング、AEIは平地・障害の集計、それ以外は平地のみの集計。</ref>

{|class="wikitable" style="text-align:right"
!rowspan="2"|年!!colspan="2"|出走!!colspan="2"|勝利!!rowspan="2"|順位!!rowspan="2"|[[アーニングインデックス|AEI]]!!rowspan="2"|収得賞金
|-
!頭数!!回数!!頭数!!回数
|-
||1994年||36||115||22||33||44||3.23||4億9633万9000円
|-
||1995年||97||526||66||105||'''1'''||6.19||25億1717万9000円
|-
||1996年||142||752||71||124||'''1'''||6.06||36億5334万1000円
|-
||1997年||178||1095||94||156||'''1'''||4.85||37億2621万5000円
|-
||1998年||226||1566||122||187||'''1'''||4.50||44億7544万0000円 	 	 	
|-
||1999年||283||1755||138||241||'''1'''||4.25||52億8952万0000円
|-
||2000年||359||2290||190||303||'''1'''||3.86||60億6502万5000円
|-
||2001年||402||2454||207||333||'''1'''||3.98||67億4578万9000円
|-
||2002年||449||2719||195||329||'''1'''||3.83||68億0819万2000円
|-
||2003年||489||2908||247||424||'''1'''||4.47||84億9925万3000円
|-
||2004年||550||3074||266||449||'''1'''||4.29||90億7693万1000円
|-
||2005年||526||3071||247||385||'''1'''||4.70||93億5621万7000円
|-
||2006年||421||2789||204||320||'''1'''||4.73||78億6266万6000円
|-
||2007年||293||1911||105||197||'''1'''||3.43||40億2938万8000円
|-
||2008年||169||1176||54||91||7||2.84||19億3341万6000円
|-
||2009年||90||658||25||48||31||2.24||8億1117万4000円
|-
||2010年||45||340||10||22||97||0.96||1億7352万4000円
|-
||2011年||18||148||6||10||147||1.04||7321万4000円
|}

;年度別種牡馬成績（中央競馬）
{|class="wikitable" style="text-align:right"
!rowspan="2"|年!!colspan="2"|出走!!colspan="2"|勝利!!rowspan="2"|順位!!rowspan="2"|[[アーニングインデックス|AEI]]!!rowspan="2"|収得賞金
|-
!頭数!!回数!!頭数!!回数
|-
||1994年||32||108||20||33||31||1.73||4億9062万5000円
|-
||1995年||89||488||62||100||'''1'''||3.22||25億120万7000円
|-
||1996年||134||683||66||111||'''1'''||2.97||35億1574万8000円
|-
||1997年||166||941||83||127||'''1'''||2.49||36億1564万1000円
|-
||1998年||211||1369||105||157||'''1'''||2.39||43億8821万4000円 	 	 	
|-
||1999年||260||1486||121||177||'''1'''||2.39||52億3460万9000円
|-
||2000年||337||1961||167||238||'''1'''||2.17||59億6795万3000円
|-
||2001年||374||2124||180||261||'''1'''||2.32||66億5518万5000円
|-
||2002年||413||2283||161||242||'''1'''||2.14||64億5390万1000円
|-
||2003年||429||2285||195||303||'''1'''||2.77||83億3023万8000円
|-
||2004年||499||2483||217||328||'''1'''||2.63||89億6008万8000円
|-
||2005年||468||2430||199||293||'''1'''||2.96||92億2004万4000円
|-
||2006年||361||2109||159||228||'''1'''||3.24||76億8684万2000円
|-
||2007年||249||1316||73||97||'''1'''||2.31||37億7764万0000円
|-
||2008年||135||698||33||43||7||2.15||18億2985万7000円
|-
||2009年||67||340||10||13||28||1.78||7億5184万4000円
|-
||2010年||24||94||1||1||80||1.00||1億4863万9000円
|-
||2011年||5||15||0||0||144||1.68||5154万2000円
|}

=== ブルードメアサイアーとしての成績 ===
サンデーサイレンスを[[ブルードメアサイアー]]に持つ競走馬は[[1997年]]に初めて誕生した。当初はサンデーサイレンスの激しい気性が悪い形で遺伝するのではないかと懸念されていた<ref name="hahatiti10">[[#母父サンデーサイレンスはなぜ走る?|母父サンデーサイレンスはなぜ走る?]]（『サラブレ』2008年4月号、10頁。）</ref>が、2世代目から重賞優勝馬が、6世代目からGI級競走優勝馬が現れるなど徐々に成績を伸ばし、2007年に初めてリーディングブルードメアサイアーの座を獲得した（中央競馬のみの集計では2006年に初めて獲得）。

競走馬エージェントの柴田英次は、サンデーサイレンスは種牡馬としての特徴である柔らかくしなやかな筋肉と激しい気性から生まれる「狂気をはらむほど激しい闘争心」をブルードメアサイアーとしても遺伝させるとしている<ref>[[#母父サンデーサイレンスはなぜ走る?|母父サンデーサイレンスはなぜ走る?]]（『サラブレ』2008年4月号、24頁。）</ref>。

;ブルードメアサイアーとしての年度別成績（日本総合）<ref name="JBIS"/>
{|class="wikitable" style="text-align:right"
!rowspan="2"|年!!colspan="2"|出走!!colspan="2"|勝利!!rowspan="2"|順位!!rowspan="2"|[[アーニングインデックス|AEI]]!!rowspan="2"|収得賞金
|-
!頭数!!回数!!頭数!!回数	 	 	
|-
||1999年||5||30||1||2||902||0.32||693万8000円
|-
||2000年||21||125||8||12||194||1.22||1億1251万1000円
|-
||2001年||50||292||19||28||109||1.02||2億1601万1000円
|-
||2002年||99||593||40||75||32||1.34||5億2511万9000円
|-
||2003年||179||1260||87||144||10||1.68||11億6671万8000円
|-
||2004年||271||1746||117||198||5||1.89||19億7215万2000円
|-
||2005年||352||2327||161||256||2||2.32||30億9553万7000円 	 	
|-
||2006年||475||3382||217||367||2||2.23||41億8227万7000円
|-
||2007年||587||4158||272||464||'''1'''||2.51||59億0065万4000円
|-
||2008年||732||5482||349||601||'''1'''||2.84||68億0560万8000円
|-
||2009年||889||6779||408||696||'''1'''||1.88||67億4570万1000円
|-
||2010年||1072||8162||502||841||'''1'''||1.88||80億8326万9000円
|-
||2011年||1240||9329||518||901||'''1'''||1.72||83億4011万3000円
|}

;ブルードメアサイアーとしての年度別成績（中央競馬）
{|class="wikitable" style="text-align:right"
!rowspan="2"|年!!colspan="2"|出走!!colspan="2"|勝利!!rowspan="2"|順位!!rowspan="2"|[[アーニングインデックス|AEI]]!!rowspan="2"|収得賞金
|-
!頭数!!回数!!頭数!!回数	 	 	
|-
||1999年||3||7||0||0||902|760||0.12||300万円
|-
||2000年||18||74||6||9||144||0.71||1億370万1000円
|-
||2001年||39||177||12||13||88||0.62||1億8600万7000円
|-
||2002年||69||326||22||29||27||0.89||4億4832万5000円	
|-
||2003年||130||669||46||60||5||1.19||10億7888万1000円
|-
||2004年||196||833||62||88||4||1.36||18億1466万7000円
|-
||2005年||271||1243||94||131||2||1.57||28億3128万7000円 	 	 	
|-
||2006年||356||1801||118||174||'''1'''||1.66||38億8107万5000円
|-
||2007年||448||2122||154||224||'''1'''||1.81||53億0733万3000円 	 	 	
|-
||2008年||555||2652||185||257||'''1'''||1.72||60億1653万1000円
|-
||2009年||664||3113||212||284||'''1'''||1.42||59億5195万2000円
|-
||2010年||812||3674||271||370||'''1'''||1.47||74億2768万3000円
|-
||2011年||935||4286||260||344||'''1'''||1.37||78億7258万1000円
|}

=== サンデーサイレンス系種牡馬の活躍と血の飽和、偏りの問題 ===
サンデーサイレンス直仔の種牡馬がデビューすると、日本のリーディングサイアー上位は彼らによって占められるようになった。サンデーサイレンス直仔の種牡馬の産駒は中央競馬において、サンデーサイレンス産駒が優勝できなかったNHKマイルカップ、ジャパンカップダート、中山大障害を含む数々のGI級競走を優勝している。さらに日本国外でも[[シーザリオ]]（父[[スペシャルウィーク]]）が[[アメリカンオークスステークス|アメリカンオークスインビテーショナルステークス]]を、[[デルタブルース]]（父[[ダンスインザダーク]]）が[[メルボルンカップ]]を勝ち、[[フジキセキ]]、[[タヤスツヨシ]]、[[バブルガムフェロー]]といった[[種牡馬#シャトル種牡馬|シャトル種牡馬]]の産駒が[[南半球]]や[[ドバイ]]のG1優勝馬を輩出。日本国外へ輸出された種牡馬を見ると、フランスに輸出された[[ディヴァインライト]]の産駒[[ナタゴラ]]が[[チェヴァリーパークステークス]]を制して[[カルティエ賞]]最優秀2歳牝馬を受賞しイギリスの[[クラシック (競馬)|クラシック]]レースである[[1000ギニー]]を制したほか、アメリカで種牡馬入りした[[ハットトリック (競走馬)|ハットトリック]]産駒の[[ダビルシム|ダビルシム (Dabirsim) ]]が[[モルニ賞]]と[[ジャン・リュック・ラガルデール賞]]を制してカルティエ賞最優秀2歳牡馬に選出されている。

サンデーサイレンス自身ばかりでなくその直系の牡馬までもが種牡馬として活躍し数多くの種付けをこなすようになると、サンデーサイレンスの血を引く馬が過剰に生産され、それらの馬が種牡馬や繁殖牝馬となることで近親交配のリスクが高まり、やがては日本の競走馬生産が行き詰まりを見せるようになるのではないかという懸念が生じるようになった（血の飽和、偏りの問題）<ref>[[#柴田2008|柴田2008]]、27-31頁。</ref><ref name="saraba39">[[#さらば最強種牡馬サンデーサイレンス|さらば最強種牡馬サンデーサイレンス]]（『優駿』2002年10月号、39頁。）</ref>。2011年の[[東京優駿|日本ダービー]]では出走18頭すべてが「サンデーサイレンスの血を引いた馬」という事態も起こっている<ref>『優駿』2011年7月号、38-39頁。</ref>。

これに対し吉田照哉は、サラブレッドの生産においては一つの系統が栄えれば次に別の系統が栄えるということが繰り返されて来たのであり、サンデーサイレンスの場合もほかの系統が自然と栄えるようになる<ref name="saraba39"/><ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、173-174頁。</ref>、加えてサンデーサイレンス系の馬を日本国外へ輸出するという対策方法もある<ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、174頁。</ref>と反論している。

=== 特徴・評価 ===
==== 産駒の精神面 ====
サンデーサイレンスの産駒は気性が激しい馬が多いことで知られた。競走馬エージェントの柴田英次は、産駒は激しい気性から生まれる「狂気をはらむほど激しい闘争心」ゆえに痛みに対して従順でなく、「肉体の限界を超えるほどのチカラを発揮できた」と分析し、「種牡馬として成功した要因として、激しい気性があったのは間違いない」と述べている<ref name="hahatiti10"/>。サンデーサイレンス産駒に騎乗し多くの勝利を挙げた[[武豊]]<ref group="†">2006年2月末の時点で当時の通算勝利数の約1割にあたる273勝を挙げている（中央競馬のみ）。</ref>は、騎乗したときに産駒が気性の悪さを見せるとかえって頼もしさを感じたという<ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、132-133頁。</ref>。武によると、レースでは序盤はのらりくらりと走り、後半になってから本気を出すタイプの馬が多かった<ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、136頁。</ref>。

[[オリビエ・ペリエ]]は、日本で騎乗した産駒には「神経質でピリピリしてるようなタイプが多かった」と指摘した上で、そのことが実戦ではプラスに作用し、反応の鋭さに繋がっていたと推測している<ref>[[#武・ペリエ2002|武・ペリエ2002]]、64頁。</ref>。[[岡部幸雄]]は、サンデーサイレンス産駒の良さは気性の荒さにあるが、気性の荒さを表に出し過ぎるタイプの競走馬は距離適性が短く、「うまく内面に押し込めんでレースに爆発させることができる」タイプの競走馬は距離の融通がきくと述べている<ref>[[#岡部1997|岡部1997]]、97頁。</ref>。

社台ファーム繁殖主任の水越治三郎は、やんちゃな気性の割に物覚えがよいと述べている<ref name="jituzou137"/>。獣医師の松永和則は、サンデーサイレンス産駒の気性はただ単に激しいのではなく、強い精神力を伴ったものであると述べている<ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、133頁。</ref>。

==== 産駒の肉体面 ====
産駒の特徴について水越治三郎は、外見は見栄えがしないがそれとは正反対に肉体面がしっかりとしていると述べている<ref name="jituzou137"/>。[[エアメサイア]]を管理した[[伊藤雄二]]は「とても体質、骨質が優れている」、「前脚は膝から下、後脚は飛節<ref group="†" name="hisetsu"/>から爪の先までしっかりと力が入っている産駒が多い」、「全身均等に筋肉がついて」いる点を特徴として挙げている<ref name="mankai">[[#春競馬満開宣言!|春競馬満開宣言!]]、102頁。</ref>。

筋肉や繋ぎの柔らかさも特徴の一つである。[[サイレンススズカ]]、[[アドマイヤベガ]]、[[アドマイヤグルーヴ]]などのサンデーサイレンス産駒を管理した[[橋田満]]によると筋肉が柔らかいと走行時のストライドが大きくなり、優れた瞬発力を発揮するという<ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、128-129頁。</ref>。競走馬仲介業者の富岡眞治はサンデーサイレンスは飛節の角度がやや深い点が難点であったが筋肉と繋ぎが柔らかい点に特徴があり、産駒についても飛節の難点を筋肉と繋ぎの柔らかさがカバーしていたと分析している<ref>[[#富岡2002|富岡2002]]（『サラブレ』2002年11月号、124頁。）</ref>。そして、産駒は柔らかい筋肉を活かした素早い収縮運動により日本の固い馬場でのスピード勝負に対応したと分析している。こうした柔らかさについて[[岡田繁幸]]は当初「馬体が柔らかすぎて、まるで力強さが感じられない。決して誉められた馬ではない」という印象を抱いていたが、産駒が活躍したことにより「[[相馬眼]]を180度覆された」と述べている<ref group="†">岡田はサンデーサイレンスに対する評価を改めたあと、所有する[[繁殖牝馬]]とサンデーサイレンスを交配させるようになった。また、[[2000年]]の[[セレクトセール]]において3億2000万円でサンデーサイレンス産駒の[[馬齢|当歳]]馬（のちの[[カーム]]）を購入した。</ref><ref name="jituzou137"/>。

サンデーサイレンス産駒は仕上がりが早い（調教の効果が表れやすい）傾向にあり、2歳のうちから能力を十分に発揮した。松永和則によると、産駒は少し運動をさせただけで澄んだ心音が聞こえるようになるなどはっきりとした身体的変化を見せたという<ref>[[#サラブレ編集部（編）1998|サラブレ編集部（編）1998]]、138頁。</ref>。中央競馬では初年度産駒がデビューした1994年から最終世代がデビューした2005年までの間、1996年をのぞく11回2歳リーディングサイアーを獲得した。富岡眞治によると、成功を収めたサンデーサイレンス産駒には細身の馬が多く、通常そのような馬が晩成型であることが多いが、サンデーサイレンス産駒の場合は馬体が未完成な時期にもクラシックを戦い抜く基本性能を備えていた<ref>[[#富岡2002|富岡2002]]（『サラブレ』2002年11月号、125頁。）</ref>。

==== 遺伝に関する特徴 ====
[[伊藤雄二]]はサンデーサイレンスの特徴として、遺伝力の強さを挙げている<ref name="mankai"/>。武豊も、競走馬としてのサンデーサイレンスには走行中進路が左右にぶれる癖があったことを指摘した上で、産駒にも同様の傾向を示す馬が多かったのは遺伝能力の強さの表れだと述べている<ref>[[#武・ペリエ2002|武・ペリエ2002]]、62頁。</ref>。吉沢譲治は自身の長所を伝える遺伝力の強さに加え、配合相手の長所を引き出す和合性を挙げている<ref name="saraba25">[[#さらば最強種牡馬サンデーサイレンス|さらば最強種牡馬サンデーサイレンス]]（『優駿』2002年10月号、25頁。）</ref><ref name="kawamura2003-192">[[#河村2003|河村2003]]、192頁。</ref>。吉田照哉は「ほとんどどんな牝馬でも結果を残す」、「長距離血統でも短距離血統でも、とにかく繁殖牝馬を選ばない万能の種牡馬」と評価している<ref>[[#合田2003|合田2003]]（『優駿3月号増刊 TURFHERO 2002』、220頁。）</ref>。

[[田端到]]によるとサンデーサイレンスの産駒はブルードメアサイアーに応じて一定の傾向を持ち、たとえば[[ダンジグ (競走馬)|ダンジグ]]をブルードメアサイアーとする産駒は短い距離を得意とし、[[ヌレイエフ]]をブルードメアサイアーとする産駒はダートを得意とする傾向がある<ref>[[#田端他2002|田端他2002]]（『サラブレ』2002年11月号、81-83頁。）</ref>。ブルードメアサイアーとの相性という点では、[[ノーザンテースト]]との組み合わせ{{#tag:ref|この組み合わせは重賞勝ち馬を複数出すもののGI級競走馬を出せない状態が長らく続き、大物が生まれない配合だとみられていた時期もあった<ref>[[#田端他2002|田端他2002]]（『サラブレ』2002年11月号、78-79頁。）</ref>。|group="†"}}で4頭が、[[ニジンスキー (競走馬)|ニジンスキー]]<ref group="†">なお、母父ニジンスキーの3頭のGI馬は、すべて[[ダンシングキイ]]の産駒である。</ref>、[[ヌレイエフ]]、[[トニービン]]との組み合わせでそれぞれ3頭がGI級競走を勝っている。

==== 「作られた」コース、馬場への適性 ====
吉田照哉は、日本の、イギリスのように「もともとの自然を活かした」ものではない、「作られた」コースに対する高い適性が種牡馬としてのサンデーサイレンスの成功に繋がったという見解を示している。吉田は、サンデーサイレンスのこのような適性は、産駒が日本国外において、日本と同様「作られた馬場」をもつ[[香港]]や[[ドバイ]]の競馬場で優れた成績を残したことからもわかると述べている<ref name="kawamura2003-192"/>。

==== レース体系への対応 ====
サンデーサイレンスが優れた種牡馬成績を残したのは、中央競馬のレース体系が変化したことによる時代の勢いに乗ったからだという見方もある。[[作家]]の藤野広一郎は「サンデーサイレンスの種牡馬としての素質には端倪すべからざるものがある」としつつ、中央競馬のレース編成に占める長距離戦の比重が軽くなったことで日本のサラブレッド生産が「圧倒的な[[競走馬#マイラー|マイラー]]志向に傾き、早熟で、手がかからなくて、仕上がりの早い、しかもスピード適性をもった産駒を送り出せる早熟型の種牡馬しか成功できなくなってきた中で時代傾向にのっかった」「早熟タイプの完成度の高い器用な軽量級種牡馬で、別にのけぞって驚嘆するほどの種牡馬でもなく、トップクラスの国際級種牡馬と表現するのをためらわせる」としている<ref>[[#藤野1996|藤野1996]]（『プーサン』vol.5、20-24頁。） </ref>。[[安福良直]]は、サンデーサイレンスの初年度産駒がデビューした1994年と2005年を比較すると、中央競馬においてサンデーサイレンス産駒がもっとも得意とする芝1800メートル-2000メートルのレースの施行数が2歳馬の新馬戦、未勝利戦において2.5倍に増えていることを挙げ、「時代が、サンデーサイレンス産駒が勝つほうへ勝つほうへと変化」したと分析している<ref>[[#サンデーサイレンス大全|サンデーサイレンス大全]]、36頁。</ref>。

==== 客観的評価 ====
[[アーニングインデックス]]を[[コンパラブルインデックス]]で割った数値（産駒の収得賞金に加え繁殖牝馬の質の高さを考慮するため、種牡馬の本当の実力が分かるとされる）は、2005年末の試算で同時期に活躍した有力種牡馬である[[ノーザンテースト]]や[[ブライアンズタイム]]、[[トニービン]]などを上回っている（2.02。ノーザンテーストは1.83、ブライアンズタイムは1.58、トニービンは1.32）<ref>[[#サンデーサイレンス大全|サンデーサイレンス大全]]、33頁。</ref>。

=== おもな産駒 ===
==== 日本調教馬 ====
===== GI級競走優勝馬 =====
勝ち鞍は[[競馬の競走格付け|GI級]]競走のみ表記。なお、前述のように日本の中央競馬においては産出した12世代すべてでGI級競走優勝馬を輩出、24あるGI級競走のうち20で勝利を収めた<ref group="†" name="jrag1"/>。

*1992年産
**[[フジキセキ]]（[[朝日杯フューチュリティステークス|朝日杯3歳ステークス]]）
**[[ジェニュイン]]（[[皐月賞]]、[[マイルチャンピオンシップ]]）
**[[ダンスパートナー]]（[[優駿牝馬]]、[[エリザベス女王杯]]）
**[[タヤスツヨシ]]（[[東京優駿]]）
**[[マーベラスサンデー]]（[[宝塚記念]]）
*1993年産
**[[バブルガムフェロー]]（[[天皇賞|天皇賞〈秋〉]]、朝日杯3歳ステークス）
**[[イシノサンデー]]（皐月賞、[[ダービーグランプリ]]（[[ダートグレード競走|統一グレード制]]前））
**[[ダンスインザダーク]]（[[菊花賞]]）
*1994年産
**[[サイレンススズカ]]（宝塚記念）
**[[ステイゴールド]]（[[香港ヴァーズ]]〈香港〉）
*1995年産
**[[スペシャルウィーク]]（東京優駿、[[天皇賞|天皇賞〈春〉・〈秋〉]]、[[ジャパンカップ]]）
*1996年産
**[[スティンガー (競走馬)|スティンガー]]（[[阪神ジュベナイルフィリーズ|阪神3歳牝馬ステークス]]）
**[[アドマイヤベガ]]（東京優駿）
**[[トゥザヴィクトリー]]（エリザベス女王杯）
*1997年産
**[[チアズグレイス]]（[[桜花賞]]）
**[[エアシャカール]]（皐月賞、菊花賞）
**[[アグネスフライト]]（東京優駿）
*1998年産
**[[メジロベイリー]]（朝日杯3歳ステークス）
**[[アグネスタキオン]]（皐月賞）
**[[マンハッタンカフェ]]（菊花賞、[[有馬記念]]、天皇賞〈春〉）
**[[ビリーヴ (競走馬)|ビリーヴ]]（[[スプリンターズステークス]]、[[高松宮記念 (競馬)|高松宮記念]]）
*1999年産
**[[ゴールドアリュール]]（[[ジャパンダートダービー]]、ダービーグランプリ、[[東京大賞典]]、[[フェブラリーステークス]]）
**[[デュランダル (競走馬)|デュランダル]]（スプリンターズステークス、マイルチャンピオンシップ (2003,2004)）
**[[アドマイヤマックス]]（高松宮記念）
*2000年産
**[[ピースオブワールド]]（阪神ジュベナイルフィリーズ）
**[[スティルインラブ]]（[[三冠 (競馬)#日本牝馬三冠|牝馬三冠]]（桜花賞、優駿牝馬、[[秋華賞]]））
**[[ネオユニヴァース]]（皐月賞、東京優駿）
**[[アドマイヤグルーヴ]]（エリザベス女王杯 (2003,2004)）
**[[ゼンノロブロイ]]（天皇賞〈秋〉、ジャパンカップ、有馬記念）
**[[ヘヴンリーロマンス]]（天皇賞〈秋〉）
**[[オレハマッテルゼ]]（高松宮記念）
*2001年産
**[[ダンスインザムード]]（桜花賞、[[ヴィクトリアマイル]]）
**[[ダイワメジャー]]（皐月賞、天皇賞〈秋〉、マイルチャンピオンシップ (2006,2007)、[[安田記念]]）
**[[ダイワエルシエーロ]]（優駿牝馬）
**[[スズカマンボ]]（天皇賞〈春〉）
**[[ハットトリック (競走馬)|ハットトリック]]（マイルチャンピオンシップ、[[香港マイル]]〈香港〉）
**[[ハーツクライ]]（有馬記念、[[ドバイシーマクラシック]] (UAE)）
*2002年産
**[[ショウナンパントル]]（阪神ジュベナイルフィリーズ）
**[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]（[[三冠 (競馬)#日本クラシック三冠|牡馬クラシック三冠]]（皐月賞、東京優駿、菊花賞）、天皇賞〈春〉、宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念）
**[[エアメサイア]]（秋華賞）
**[[スズカフェニックス]]（高松宮記念）
*2003年産
**[[フサイチパンドラ]]（エリザベス女王杯）
**[[マツリダゴッホ]]（有馬記念）
<gallery>
ファイル:Genyunin.JPG|[[ジェニュイン]]（1992年産）
File:Silk-Justice and Dance-Partner 19971005 Scan10013.JPG|[[ダンスパートナー]]（1992年産）
画像:Kojima sadahiro.jpg|[[タヤスツヨシ]]（1992年産）
ファイル:Dance in the dark.jpg|[[ダンスインザダーク]]（1993年産）
ファイル:Baburugamu.JPG|[[バブルガムフェロー]]（1993年産）
ファイル:Silence Suzuka.jpg|[[サイレンススズカ]]（1994年産）
ファイル:Stay Gold 19991226P1.jpg|[[ステイゴールド]]（1994年産）
ファイル:Special Week 19991031.jpg|[[スペシャルウィーク]]（1995年産）
ファイル:Admirevega.jpg|[[アドマイヤベガ]]（1996年産）
ファイル:Stinger 20010603.jpg|[[スティンガー (競走馬)|スティンガー]]（1996年産）
ファイル:Air_Shakur_20001126C1.jpg|[[エアシャカール]]（1997年産）
ファイル:Agnes Flight 20001126C1.jpg|[[アグネスフライト]]（1997年産）
ファイル:Manhattan Cafe 20020428.jpg|[[マンハッタンカフェ]]（1998年産）
ファイル:agnes tachyon.jpg|[[アグネスタキオン]]（1998年産）
ファイル:Zenno Rob Roy 20041031.jpg|[[ゼンノロブロイ]]（2000年産）
ファイル:Orewa matteruze.JPG|[[オレハマッテルゼ]]（2000年産）
ファイル:Heavenly Romance 20051225 P1.jpg|[[ヘヴンリーロマンス]]（2000年産）
ファイル:Admire Grove 20041031P1.jpg|[[アドマイヤグルーヴ]]（2000年産）
ファイル:134th_Tennosho_20061029.jpg|[[ダイワメジャー]]（2001年産）
ファイル:Heart's Cry 20051225P01.jpg|[[ハーツクライ]]（2001年産）
ファイル:Hattrick 20051009P1.jpg|[[ハットトリック (競走馬)|ハットトリック]]（2001年産）
ファイル:Suzuka Mambo 20051225P1.jpg|[[スズカマンボ]]（2001年産）
ファイル:Dance in the mood 20061029R1.jpg|[[ダンスインザムード]]（2001年産）
ファイル:Deep Impact(horse)20060430R1.jpg|[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]（2002年産）
ファイル:Suzuka Phoenix.jpg|[[スズカフェニックス]]（2002年産）
ファイル:ショウナンパントル.JPG|[[ショウナンパントル]]（2002年産）
ファイル:エアメサイア.JPG|[[エアメサイア]]（2002年産）
ファイル:Matsurida_Gogh.jpg|[[マツリダゴッホ]]（2003年産）
ファイル:Fusaichi Pandora 20071125P1.jpg|[[フサイチパンドラ]]（2003年産）
</gallery>

===== 重賞優勝馬 =====
*1992年産
**[[ブライトサンディー]]（[[函館記念]]、[[サファイヤステークス]]）
**[[サイレントハピネス]]（[[フローラステークス|サンスポ賞4歳牝馬特別]]、[[ローズステークス]]）
**[[プライムステージ]]（[[札幌2歳ステークス|札幌3歳ステークス]]、[[フェアリーステークス]]）
**[[マジックキス]]（[[北九州記念]]）
**[[キングオブダイヤ]]（[[中山記念]]）
**[[サンデーウェル]]（[[セントライト記念]]）
**[[サマーサスピション]]（[[青葉賞]]）
*1993年産
**[[サイレントハンター (競走馬)|サイレントハンター]]（[[大阪杯]]など重賞4勝）
**[[ローゼンカバリー]]（[[日経賞]]など重賞4勝）
**[[ロイヤルタッチ]]（[[きさらぎ賞]]、[[ホープフルステークス (中央競馬)|ラジオたんぱ杯3歳ステークス]]）
**[[アグネスカミカゼ]]（[[目黒記念]]）
**[[チアズサイレンス]]（[[東海ダービー|名古屋優駿]]）
*1994年産
**[[ビッグサンデー]]（[[マイラーズカップ]]など重賞3勝）
**[[オレンジピール (1994年生)|オレンジピール]]（[[フローラステークス|サンスポ賞4歳牝馬特別]]など重賞3勝）
**[[エアウイングス]]（[[阪神牝馬ステークス|阪神牝馬特別]]）
*1995年産
**[[ジョービッグバン]]（函館記念など重賞3勝）
**[[メイショウオウドウ]]（[[大阪杯]]、[[鳴尾記念]]）
**[[エガオヲミセテ]]（[[マイラーズカップ]]、阪神牝馬特別）
**[[サンプレイス]]（[[新潟記念]]）
**[[タヤスメドウ]]（[[新潟大賞典]]）
**[[サンデーセイラ]]（[[七夕賞]]）
**[[タヤスアゲイン]]（青葉賞）
**[[マルカコマチ]]（[[京都牝馬ステークス|京都牝馬特別]]）
**ジュビレーション（JTB賞）
*1996年産
**[[ロサード]]（[[オールカマー]]など重賞5勝）
**[[フサイチエアデール]]（[[フィリーズレビュー|報知杯4歳牝馬特別]]など重賞4勝）
**[[エイシンルーデンス]]（[[中山牝馬ステークス]]、[[チューリップ賞]]）
**[[ペインテドブラック]]（[[ステイヤーズステークス]]）
**[[ブラックタキシード]]（セントライト記念）
**[[テイエムサンデー]]（[[シルクロードステークス]]）
**[[マルカキャンディ]]（[[府中牝馬ステークス]]）
**[[サイキョウサンデー]]（[[ファルコンステークス|中日スポーツ賞4歳ステークス]]）
**[[キングオブサンデー]]（[[北海道2歳優駿|北海道3歳優駿]]）
**クリアーベース（[[九州王冠]]）
*1997年産
**[[ウインマーベラス]]（[[京都ハイジャンプ]]など障害重賞4勝）
**[[ユキノサンロイヤル]]（日経賞）
**[[フサイチランハート]]（[[アメリカジョッキークラブカップ]]）
**[[トウカイオーザ]]（[[アルゼンチン共和国杯]]）
**[[フサイチゼノン]]（[[弥生賞]]）
**[[アドマイヤボス]]（セントライト記念）
**[[マニックサンデー]]（サンスポ賞4歳牝馬特別）
**[[ヤマニンリスペクト]]（函館記念）
**[[メイショウドメニカ]]（[[福島記念]]）
**[[フューチャサンデー]]（[[クイーンカップ]]）
**バンドオンザラン（東海ゴールドカップ）
*1998年産
**[[ダイヤモンドビコー]]（阪神牝馬ステークスなど重賞4勝）
**[[サンライズペガサス]]（[[毎日王冠]]など重賞3勝）
**[[ウインラディウス]]（[[京王杯スプリングカップ]]など重賞3勝）
**[[ミレニアムバイオ]]（マイラーズカップなど重賞3勝）
**[[アグネスゴールド]]（スプリングステークス、きさらぎ賞）
**[[チアズブライトリー]]（[[京阪杯]]、七夕賞）
**[[ローズバド]]（フィリーズレビュー、[[マーメイドステークス]]）
**[[ハッピーパス]]（京都牝馬ステークス）
**[[ボーンキング]]（[[京成杯]]）
**[[トラストファイヤー]]（[[ラジオNIKKEI賞]]）
**[[タガノテイオー]]（[[東京スポーツ杯2歳ステークス|東京スポーツ杯3歳ステークス]]）
**[[ダイワルージュ]]（[[新潟2歳ステークス|新潟3歳ステークス]]）
**[[タイムトゥチェンジ]]（[[マーチカップ]]）
**ダンツプライズ（[[中島記念]]）
**インターレジェンダ（[[九州記念]]）
*1999年産
**[[リミットレスビッド]]（[[東京盃]]2回など重賞8勝）
**[[チアズシュタルク]]（[[共同通信杯]]、[[毎日杯]]）
**[[ダイワレイダース]]（七夕賞）
**[[サクセスビューティ]]（フィリーズレビュー）
**[[ヤマニンセラフィム]]（京成杯）
**[[シャイニンルビー]]（クイーンカップ）
**[[ビーポジティブ]]（[[クイーン賞]]）
**オースミシュネル（[[ステイヤーズカップ]]2回）
*2000年産
**[[リンカーン (競走馬)|リンカーン]]（[[阪神大賞典]]など重賞3勝）
**[[サクラプレジデント]]（[[札幌記念]]など重賞3勝）
**[[ヴィータローザ]]（セントライト記念など重賞3勝）
**[[サイレントディール]]（[[武蔵野ステークス]]など重賞3勝）
**[[クワイエットデイ]]（[[平安ステークス]]、[[マーチステークス]]）
**[[チアフルスマイル]]（[[キーンランドカップ]]）
**[[スズカドリーム]]（京成杯）
**[[チアズメッセージ]]（京都牝馬ステークス）
**[[チューニー]]（クイーンカップ）
*2001年産
**[[スウィフトカレント (競走馬)|スウィフトカレント]]（[[小倉記念]]、2006年[[サマーシリーズ#サマー2000シリーズ|サマー2000シリーズ]]チャンピオン）
**[[ハイアーゲーム]]（鳴尾記念、青葉賞）
**[[グレイトジャーニー]]（[[ダービー卿チャレンジトロフィー]]、シンザン記念）
**[[レクレドール]]（[[ローズステークス]]、[[クイーンステークス]]）
**[[エアシェイディ]]（アメリカジョッキークラブカップ）
**[[キョウワロアリング]]（北九州記念）
**[[アズマサンダース]]（京都牝馬ステークス）
**[[ムーヴオブサンデー]]（[[フィリーズレビュー]]）
**[[ブラックタイド]]（スプリングステークス）
**[[アドマイヤビッグ]]（東京スポーツ杯2歳ステークス）
**[[フィーユドゥレーヴ]]（[[函館2歳ステークス]]）
*2002年産
**[[ローゼンクロイツ (競走馬)|ローゼンクロイツ]]（[[金鯱賞]]など重賞3勝）
**[[ディアデラノビア]]（フローラステークスなど重賞3勝）
**[[デアリングハート]]（府中牝馬ステークス2回など重賞3勝）
**[[キングストレイル]]（[[京成杯オータムハンデキャップ]]、セントライト記念）
**[[ペールギュント (競走馬)|ペールギュント]]（[[デイリー杯2歳ステークス]]、シンザン記念）
**[[シックスセンス (競走馬)|シックスセンス]]（[[京都記念]]）
**[[トウカイワイルド]]（[[日経新春杯]]）
**[[マチカネオーラ]]（[[中京記念]]）
**[[ロフティーエイム]]（[[福島牝馬ステークス]]）
**[[ダンツキッチョウ]]（青葉賞）
**[[アドマイヤジャパン]]（京成杯）
**[[マチカネオーラ]]（[[中京記念]]）
**モエレフェニックス（[[九州王冠]]）
*2003年産
**[[アクシオン (競走馬)|アクシオン]]（鳴尾記念、[[中山金杯]]）
**[[アドマイヤキッス]]（ローズステークスなど重賞4勝）
**[[アドマイヤメイン]]（青葉賞、毎日杯）
**[[トーセンシャナオー]]（セントライト記念）
**[[マルカシェンク]]（デイリー杯2歳ステークス、[[関屋記念]]）
**[[モエレソーブラッズ]]（[[兵庫ジュニアグランプリ]]）
**タイムトゥチェンジ（[[マーチカップ]]）

==== 日本国外調教馬 ====
勝ち鞍はG1を含む主要競走。
*1996年産
**[[サンデーピクニック]]<ref group="†">2000年に中央競馬へ移籍。</ref>：クレオパトル賞（[[フランス|仏]]G3）
*1999年産
**[[サイレントオナー]] (Silent Honor) ：チェリーヒントンステークス（[[イギリス|英]]G2）
**[[サンデージョイ]] (Sunday Joy) ：[[オーストラリアンオークス]]（[[オーストラリア|豪]]G1）、WHストックスステークス（豪G3）
*2000年産
**[[ダヌタ]] (Danuta) ：UAEオークス（[[アラブ首長国連邦|UAE]]）、ムーンシェルマイル (UAE)
*2001年産
**[[サンドロップ]] (Sundrop) ：カーディナルハンデキャップ（[[アメリカ合衆国|米]]G3）、プリンセスエリザベスステークス（英G3）
*2002年産
**[[レイマン (競走馬)|レイマン]] (Layman) ：カブール賞（仏G3）、ソヴリンステークス（英G3）
**[[サイレントネーム]] (Silent Name) ：アーケーディアハンデキャップ（米G2）、コモンウェルスブリーダーズカップステークス（米G2）

==== 高額落札馬 ====
[[セレクトセール]]において、2億円を超える落札額の産駒は以下の6頭いたが、獲得賞金が落札額を上回ったのはアドマイヤグルーヴのみであった。
* [[トーセンダンス]]（3億3500万円、2002年）
* [[フサイチジャンク]]（3億3000万円、2003年）
* [[カーム]]（3億2000万円、2000年）
* [[アドマイヤグルーヴ]]（2億3000万円、2000年）
* ミステリアスアート（2億2000万円、2000年）
* アサクサキンメダル（2億500万円、2002年）

=== ブルードメアサイアーとしてのおもな産駒 ===
==== 日本調教馬 ====
===== GI級競走優勝馬 =====
勝ち鞍はGI級競走のみ表記。

*[[2002年]]産
**[[ラインクラフト]]：[[桜花賞]]、[[NHKマイルカップ]]（父[[エンドスウィープ]]・母マストビーラヴド）
**[[ヴァーミリアン]]：[[川崎記念]]、[[JBCクラシック]]、[[チャンピオンズカップ (中央競馬)|ジャパンカップダート]]、[[東京大賞典]]、[[フェブラリーステークス]]、[[帝王賞]]（父[[エルコンドルパサー]]・母[[スカーレットレディ]]）
**[[シャドウゲイト (競走馬)|シャドウゲイト]]：[[シンガポール航空インターナショナルカップ]]（父[[ホワイトマズル]]・母ファビラスターン）
*[[2003年]]産
**[[フサイチリシャール]]：[[朝日杯フューチュリティステークス]]（父[[クロフネ]]・母[[フサイチエアデール]]）
**[[ソングオブウインド]]：[[菊花賞]]（父エルコンドルパサー・母メモリアルサマー）
**[[アドマイヤムーン]]：[[ドバイデューティーフリー]]、[[宝塚記念]]、[[ジャパンカップ]]（父エンドスウィープ・母[[マイケイティーズ]]）
*[[2004年]]産
**[[アサクサキングス]]：菊花賞（父ホワイトマズル・母クルーピアスター）
**[[スクリーンヒーロー]]：ジャパンカップ（父[[グラスワンダー]]・母ランニングヒロイン）
**[[ジャガーメイル]]：天皇賞・春（父ジャングルポケット、母ハヤベニコマチ）
*[[2005年]]産
**[[トールポピー]]：[[阪神ジュベナイルフィリーズ]]、優駿牝馬（父[[ジャングルポケット]]・母[[アドマイヤサンデー]]）
**[[レジネッタ]]：桜花賞（父[[フレンチデピュティ]]・母[[アスペンリーフ]]）
**[[サクセスブロッケン]]：[[ジャパンダートダービー]]、フェブラリーステークス（父[[シンボリクリスエス]]・母[[サクセスビューティ]]）
*[[2006年]]産
**[[セイウンワンダー]]：朝日杯フューチュリティステークス（父グラスワンダー・母セイウンクノイチ）
*[[2007年]]産
**[[ローズキングダム]]：朝日杯フューチュリティステークス、ジャパンカップ（父[[キングカメハメハ]]・母[[ローズバド]]）
**[[ビッグウィーク]]：菊花賞（父[[バゴ (競走馬)|バゴ]]・母タニノジャドール）
*[[2008年]]産
**[[グランプリボス]]：朝日杯フューチュリティステークス、NHKマイルカップ（父[[サクラバクシンオー]]・母ロージーミスト）
**[[アヴェンチュラ]]：秋華賞（父ジャングルポケット・母アドマイヤサンデー）
**[[ホエールキャプチャ]]：[[ヴィクトリアマイル]]（父クロフネ・母グローバルピース）
**[[ベルシャザール]]：ジャパンカップダート（父キングカメハメハ・母マルカキャンディ）
*[[2009年]]産
**[[アルフレード (競走馬)|アルフレード]]：朝日杯フューチュリティステークス（父シンボリクリスエス・母プリンセスカメリア）
*[[2010年]]産
**[[ロゴタイプ (競走馬)|ロゴタイプ]]：朝日杯フューチュリティステークス、皐月賞（父[[ローエングリン (競走馬)|ローエングリン]]・母ステレオタイプ）

<gallery>
ファイル:Vermilion 20071229P1.jpg|[[ヴァーミリアン]]（2002年産）
ファイル:Shadow Gate horse.jpg|[[シャドウゲイト (競走馬)|シャドウゲイト]]（2002年産）
ファイル:Fusaichi Richard.jpg|[[フサイチリシャール]]（2003年産）
ファイル:Admire Moon 20071125W1.jpg|サンデーサイレンスをブルードメアサイアーにもつ競走馬として初めてJRA年度代表馬になった[[アドマイヤムーン]]（2003年産）
ファイル:Asakusa Kings 20070527P1.jpg|[[アサクサキングス]]（2004年産）
ファイル:Screen Hero 20081109P1.jpg|[[スクリーンヒーロー]]（2004年産）
File:Jaguar-Mail20111009.jpg|[[ジャガーメイル]]（2004年産）
ファイル:Success Brocken 20080601P1.jpg|[[サクセスブロッケン]]（2005年産）
ファイル:Tall Poppy 20080413P1.jpg|[[トールポピー]]（2005年産）
ファイル:Reginetta 20080413P1.jpg|[[レジネッタ]]（2005年産）
ファイル:Seiun Wonder.jpg|[[セイウンワンダー]]（2006年産）
ファイル:Rose-Kingdom20100418.jpg|[[ローズキングダム]]（2007年産）
ファイル:Big-Week20101024.jpg|[[ビッグウィーク]]（2007年産）
File:Aventura20111016(2).jpg|[[アヴェンチュラ]]（2008年産）
ファイル:Grand-Prix-Boss20101016.jpg|[[グランプリボス]]（2008年産）
File:Whale-Capture IMG 0267-2 20131110.JPG|[[ホエールキャプチャ]]（2008年産）
File:Belshazzar IMG 1820-2 20131201.JPG|[[ベルシャザール]]（2008年産）
File:Alfredo(horse)20111218(1).jpg|[[アルフレード (競走馬)|アルフレード]]（2009年産）
File:2013年皐月賞優勝馬ロゴタイプ.JPG|[[ロゴタイプ (競走馬)|ロゴタイプ]]（2010年産）
</gallery>

===== 重賞優勝馬 =====
*1998年産
**[[ジョウテンペガサス]]：[[百万石賞]]、[[スプリンターズカップ]]（父[[ジェイドロバリー]]）
*1999年産
**[[マイソールサウンド]]：[[阪神大賞典]]など重賞5勝（父[[タマモクロス]]）
**[[プリサイスマシーン]]：[[中日新聞杯]]2回など重賞4勝（父[[マヤノトップガン]]）
**[[プレシャスカフェ]]：[[CBC賞]]、[[シルクロードステークス]]（父[[ハートレイク]]）
**[[シャドウスケイプ]]：[[根岸ステークス]]、[[クラスターカップ]]（父[[フォーティナイナー]]）
*2000年産
**[[サカラート]]：[[ブリーダーズゴールドカップ]]など重賞4勝（父[[アフリート]]）
**[[アイポッパー]]：[[阪神大賞典]]、[[ステイヤーズステークス]]（父[[サッカーボーイ]]）
**[[スズノマーチ]]：[[エプソムカップ]]（父[[ティンバーカントリー]]）
*2001年産
**[[ポップロック (競走馬)|ポップロック]]：[[目黒記念]]2回（父[[エリシオ]]）
**[[ウイングレット (競走馬)|ウイングレット]]：[[中山牝馬ステークス]]（父[[タイキシャトル]]）
*2002年産
**[[ワイルドワンダー]]：根岸ステークスなど重賞3勝（父[[ブライアンズタイム]]）
**[[ヤマニンメルベイユ]]：中山牝馬ステークス、[[クイーンステークス]]（父[[メジロマックイーン]]）
**[[ライラプス (競走馬)|ライラプス]]：[[クイーンカップ]]（父フレンチデピュティ）
**[[アンブロワーズ (競走馬)|アンブロワーズ]]：[[函館2歳ステークス]]（父フレンチデピュティ）
*2003年産
**[[サクラメガワンダー]]：[[金鯱賞]]など重賞4勝（父[[グラスワンダー]]）
**[[サイレントプライド]]：[[ダービー卿チャレンジトロフィー]]、[[富士ステークス]]（父フレンチデピュティ）
**[[シンゲン]]：オールカマーなど重賞3勝（父ホワイトマズル） 	
**[[パフィオペディラム (競走馬)|パフィオペディラム]]：[[TCKディスタフ]]、[[栄冠賞]]（父[[フサイチコンコルド]]）
*2004年産
**[[フサイチホウオー]]：[[共同通信杯]]など重賞3勝（父ジャングルポケット）
**[[トーセンキャプテン]]：[[アーリントンカップ]]、函館記念（父ジャングルポケット）
**[[ホクトスルタン]]：目黒記念（父メジロマックイーン）
**[[マイネルシーガル]]：富士ステークス（父[[ゼンノエルシド]]）
**[[アブソリュート]]：[[東京新聞杯]]、富士ステークス（父[[タニノギムレット]]）
**[[ボランタス]]：[[浦和記念]]（父ティンバーカントリー）
**[[クランエンブレム]]：[[阪神ジャンプステークス]]（父[[ウォーエンブレム]]）
*2005年産
**[[ヤマニンキングリー]]：札幌記念など重賞3勝（父[[アグネスデジタル]]）
**[[スマイルジャック]]：[[スプリングステークス]]など重賞3勝（父タニノギムレット）
**[[ドリームシグナル]]：[[シンザン記念]]（父[[アグネスデジタル]]）
**[[エアパスカル]]：チューリップ賞（父ウォーエンブレム）
**[[ユキチャン]]：[[関東オークス]]など重賞3勝（父クロフネ）
**[[フサイチアソート]]：[[東京スポーツ杯2歳ステークス]]（父[[トワイニング (競走馬)|トワイニング]]）
**[[ナンヨーリバー]]：[[兵庫チャンピオンシップ]]（父[[スキャン (競走馬)|スキャン]]）
**[[ブラボーデイジー]]：[[エンプレス杯]]、[[福島牝馬ステークス]]（父クロフネ）
**[[ロールオブザダイス]]：[[平安ステークス]]（父[[トワイニング]]）
**[[マイネルスターリー]]：函館記念（父[[スターオブコジーン]]）
**[[キングスエンブレム]]：[[シリウスステークス]]（父ウォーエンブレム）
**[[シルポート]]：[[マイラーズカップ]]、[[京都金杯]]（父ホワイトマズル）
*2006年産
**[[グランプリエンゼル]]：[[函館スプリントステークス]]（父アグネスデジタル）
**[[ゴールデンチケット]]：兵庫チャンピオンシップ（父キングカメハメハ）
**[[クリーバレン]]：[[新潟ジャンプステークス]]（父[[シンボリクリスエス]]）
*2007年産
**[[アプリコットフィズ]]：クイーンカップ、クイーンステークス（父ジャングルポケット）
**[[エーシンホワイティ]]：[[ファルコンステークス]]（父サクラバクシンオー）
**[[トゥザグローリー]]：[[日経賞]]など重賞5勝（父キングカメハメハ）
**[[ミッキードリーム]]：[[朝日チャレンジカップ]]（父キングカメハメハ）
**[[フェデラリスト (競走馬)|フェデラリスト]]：中山記念、中山金杯（父[[エンパイアメーカー]]）
**[[サイレントメロディ]]：[[マーチステークス]]（父シンボリクリスエス）
**[[ソリタリーキング]]：[[東海ステークス]]、[[日本テレビ盃]]（父キングカメハメハ）
**[[ダイワファルコン]]：[[福島記念]]2回（父ジャングルポケット）
**[[アドマイヤロイヤル]]：[[プロキオンステークス]]（父キングカメハメハ）
**[[セイコーライコウ]]：[[アイビスサマーダッシュ]]（父クロフネ）
*2008年産
**[[マイネイサベル]]：[[府中牝馬ステークス]]、[[新潟2歳ステークス]]、中山牝馬ステークス（父[[テレグノシス]]）
**[[ダンスファンタジア]]：[[フェアリーステークス]]（父[[ファルブラヴ]]）
**[[クレスコグランド]]：[[京都新聞杯]]（父タニノギムレット）
**[[マイネルラクリマ]]：京都金杯、[[七夕賞]]（父[[チーフベアハート]]）
**[[オールザットジャズ]]：福島牝馬ステークス2回（父タニノギムレット）
**[[ムスカテール]]：目黒記念（父マヤノトップガン）
*2009年産
**[[エアソミュール]]：[[鳴尾記念]]（父ジャングルポケット）
*2010年産
**[[コディーノ]]：[[札幌2歳ステークス]]、東京スポーツ杯2歳ステークス（父キングカメハメハ）
**[[インパルスヒーロー]]：ファルコンステークス（父クロフネ）
**[[アウトジェネラル]]：[[羽田盃]]（父[[アドマイヤドン]]）
**[[ディアデラマドレ]]：[[マーメイドステークス]]（父キングカメハメハ）
**[[ソロル]]：マーチステークス（父シンボリクリスエス）
*2011年産
**[[ホウライアキコ]]：[[小倉2歳ステークス]]、[[デイリー杯2歳ステークス]]（父[[ヨハネスブルグ (競走馬)|ヨハネスブルグ]]）
**[[ショウナンアチーヴ]]：[[ニュージーランドトロフィー]]（父[[ショウナンカンプ]]）
**[[カラダレジェンド]]：[[京王杯2歳ステークス]]（父[[フレンチデピュティ]]）
**[[トゥザワールド]]：[[弥生賞]]（父キングカメハメハ）

==== 日本国外調教馬 ====
*2005年産
**Tale of Ekati：[[ウッドメモリアルステークス]]、[[シガーマイルハンデキャップ]]（父Tale of the Cat・母Silence Beauty）
**Young Pretender：ロシェット賞（父[[オアシスドリーム|Oasis Dream]]・母Silent Heir）
*2006年産
**More Joyous：[[クイーンオブザターフステークス]]連覇、[[クイーンエリザベスステークス]]、[[ドンカスターハンデキャップ|ドンカスターマイル]]、[[フューチュリティステークス (オーストラリア)|フューチュリティステークス]]、[[トゥーラックハンデキャップ]]、[[ジョージメインステークス]]、[[フライトステークス]]（父More Than Ready・母Sunday Joy）
*2011年産
**Karakontie：[[ジャン・リュック・ラガルデール賞]]、[[プール・デッセ・デ・プーラン]]（父Bernstein、母サンイズアップ）　※生産国日本

== 血統 ==
=== 血統表 ===
{{競走馬血統表
|name = サンデーサイレンス
|inf = （[[ヘイロー系]] / Mahmoud4×5=9.38%）
|f = [[ヘイロー (競走馬)|Halo]] 1969<br />[[黒鹿毛]] [[アメリカ合衆国|アメリカ]]
|ff = [[ヘイルトゥリーズン|Hail to Reason]] 1958<br />黒鹿毛 アメリカ
|fm = [[コスマー|Cosmah]] 1953<br />[[鹿毛]] アメリカ
|fff = [[ターントゥ|Turn-to]]
|ffm = Nothirdchance
|fmf = Cosmic Bomb
|fmm = [[アルマームード|Almahmoud]]
|ffff = [[ロイヤルチャージャー|Royal Charger]]
|fffm = Source Sucree
|ffmf = Blue Swords
|ffmm = Galla Colors
|fmff = [[ファラモンド|Pharamond]]
|fmfm = Banish Fear
|fmmf = [[マームード|Mahmoud]]
|fmmm = Arbitrator
|m = [[ウィッシングウェル|Wishing Well]] 1975<br />鹿毛 アメリカ
|mf = Understanding 1963<br />[[栗毛]] アメリカ
|mm = Mountain Flower 1964<br />鹿毛 アメリカ
|mff = Promised Land
|mfm = Pretty Ways
|mmf = Montparnasse
|mmm = Edelweiss
|mfff = Palestinian
|mffm = Mahmoudess
|mfmf = [[スタイミー|Stymie]]
|mfmm = Pretty Jo
|mmff = Gulf Stream
|mmfm = Mignon
|mmmf = Hillary
|mmmm = Dowager [[ファミリーナンバー|F-No.]][[3号族|3-e]]
}}

=== 血統的背景 ===
母のウィッシングウェルは12勝（うち重賞2勝）を挙げたが、その[[ファミリーライン|母系]]を遡るとマウンテンフラワー、エーデルワイス、ダウィジャー、マルセリーナ<ref group="†">2011年の桜花賞を勝った[[マルセリーナ]]とはまったく別の馬である。</ref>はいずれも競走馬として優勝したことがない<ref name="monogatari162"/>。前述のように母系が地味であることが種牡馬としてのサンデーサイレンスの評価を下げる一因となった<ref name="monogatari166"/>。

サンデーサイレンスは非常に気性が荒かったが、父のヘイローも突然人を襲うなど気性の荒い馬として知られている<ref name="Paulick08"/>。母のウィッシングウェルも競走馬時代の管理調教師が「気が違っているんじゃないか」と思うほど気性が悪い馬であった<ref>[[#ポーリック2002|ポーリック2002]]、42頁。</ref>。

サンデーサイレンスの全妹サンデーズシス、ペニーアップ、マイライフスタイルの3頭が日本に輸入され繁殖牝馬となっている。ペニーアップの孫トーセンクラウンが[[中山記念]]で優勝している。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Reflist|group=†}}
=== 出典 ===
{{Reflist|colwidth=30em}}

== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書
|author = 岡部幸雄
|year = 1991
|title = 馬、優先主義 4巻
|publisher = ミデアム出版社
|isbn = 4-944001-51-7
|ref = 岡部1997
}}
* {{Cite book|和書
|author = 河村清明
|year = 2003
|title = 三度怒った競馬の神様 サラブレッドに魅入られた男たちの物語
|publisher = [[二見書房]]
|isbn = 4576032267
|ref = 河村2003
}}
* {{Cite book|和書
|author = 木村幸治
|year = 2001
|title = 吉田善哉倖せなる巨人
|publisher = [[徳間書店]]
|isbn = 4198613974
|ref = 木村2001
}}
* {{Cite journal|和書
|author = [[合田直弘]]
|year = 2003
|month =
|title = サンデーサイレンス物語
|journal = [[優駿]]3月号増刊 TURFHERO 2002
|pages = 161-169頁
|publisher = 中央競馬ピーアール・センター
|ref = 合田2003
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|author = 後藤正俊
|year = 2002
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|journal = [[サラブレ]]
|issue = 2002年10月号
|pages = 4-5頁
|publisher = [[エンターブレイン]]
|ref = 後藤2002
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|author = 柴田哲孝
|year = 2008
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|author = 関口隆哉
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|publisher = [[オークラ出版]]
|isbn = 4775502719
|ref = 関口2004
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* {{Cite book|和書
|author = [[武豊]]
|coauthors= [[オリビエ・ペリエ]]
|year = 2002
|title = 武豊×オリビエ・ペリエ勝つには理由がある
|publisher = [[小学館]]
|isbn = 4093873984
|ref = 武・ペリエ2002
}}
**この記事では「07 サンデーサイレンス」（61-68頁）を参照。
**文庫版あり（小学館、2006年、ISBN 4094080694）
* {{Cite journal|和書
|author = 田端到他
|year = 2002
|title = 金満血統王国プラス1
|journal = サラブレ
|issue = 2002年11月号
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|publisher = エンターブレイン
|ref = 田端他2002
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|author = 富岡眞治
|year = 2002
|title = 富岡眞治の血と馬体の相馬学
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|pages = 124-127頁
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|year = 1996
|month = 11
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|issue = vol.5
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|publisher = 大村書店
|ref = 藤野1996
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|author = 村本浩平
|year = 2003
|month = 1
|title = サンデーサイレンスの実像
|journal = 全部見せます中央競馬2002
|pages = 136-137頁
|publisher = エンターブレイン
|ref = 村本2003
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|author = [[吉川良]]
|year = 1999
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|publisher = ミデアム出版社
|isbn = 4944001592
|ref = 吉川1999
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|author = [[吉田照哉]]
|year = 1997
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|author = [[レイ・ポーリック]]
|year = 2002
|title = 運命に噛みついた馬 サンデーサイレンス物語
|publisher = [[産業経済新聞社]]
|isbn = 4594034772
|ref = ポーリック2002
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* {{Cite book|和書
|editor = サラブレ編集部（編）
|year = 1998
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|year = 2003
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|series = 別冊宝島435
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* {{Cite book|和書
|year = 2006
|title = サンデーサイレンス大全
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|series = 別冊宝島1290
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* {{Cite journal|和書
|year = 2002
|title = さらば最強種牡馬サンデーサイレンス
|journal = [[優駿]]
|issue = 2002年10月号
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* {{Cite journal|和書
|author =
|year =
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|issue = 2004年10月号
|pages =
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|ref = 『優駿』2004年10月号
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|year = 2008
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|journal = サラブレ
|issue = 2008年4月号
|pages = 9-27頁
|publisher = エンターブレイン
|ref = 母父サンデーサイレンスはなぜ走る?
[[みどりのマキバオー]]
}}

== 外部リンク ==
* {{競走馬成績|netkeiba=000a00033a|jbis=0000333862|racingpost=465637}}
* {{競走馬のふるさと案内所|0000333862|サンデーサイレンス(USA)}}
{{ブリーダーズカップ・クラシック勝ち馬}}
{{日本のリーディングサイアー}}

{{デフォルトソート:さんてえさいれんす}}
[[Category:1986年生 (競走馬)|米さんてえさいれんす]]
[[Category:2002年没]]
[[Category:サラブレッド]]
[[Category:アメリカ合衆国生産の競走馬]]
[[Category:アメリカ合衆国調教の競走馬]]
[[Category:競馬殿堂]]
[[Category:日本供用種牡馬]]
{{Featured article}}