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'''クメン法'''(—ほう)は[[クメン]](イソプロピルベンゼン)を酸化して[[アセトン]]と[[フェノール]]を得る化学合成法で、工業的に広く用いられている。[[ベンゼン]]と[[プロペン]]を[[フリーデル・クラフツ反応]]で[[付加反応]]させて[[クメン]]を製造し、酸化すると[[クメンヒドロペルオキシド]]ができる。これを[[酸]]で転位させることによって[[アセトン]]と[[フェノール]]ができる。 :C<sub>6</sub>H<sub>6</sub> + CH<sub>2</sub>=CHCH<sub>3</sub> → C<sub>6</sub>H<sub>5</sub>CH(CH<sub>3</sub>)<sub>2</sub> :C<sub>6</sub>H<sub>5</sub>CH(CH<sub>3</sub>)<sub>2</sub> + O<sub>2</sub> → C<sub>6</sub>H<sub>5</sub>C(OOH)(CH<sub>3</sub>)<sub>2</sub> → C<sub>6</sub>H<sub>5</sub>OH + (CH<sub>3</sub>)<sub>2</sub>C=O 同様の経路は[[トルエン]]から[[クレゾール]]を合成する際にも用いられている。 クメン法は[[第二次世界大戦]]後のクメン製造プラントの有効利用法のひとつの解答であった。第二次世界大戦は[[航空機]]の戦いであり、高圧縮率の[[レシプロエンジン]]を駆動するためには[[オクタン価]]の高い燃料を必要とした。そこで提案されたのは[[イソプロピルシクロヘキサン]] C<sub>6</sub>H<sub>11</sub>CH(CH<sub>3</sub>)<sub>2</sub> のように枝分かれの多い脂環式炭化水素であった。この原料としてクメンを製造するためのプラントが建設されたが、すぐに終戦を迎え、その後は[[ジェット機]]の時代となったためクメン・プラントは目的を失った。しかしクメンが常圧で空気中の酸素によって[[酸化]]されやすいことがわかり、生じたクメンヒドロペルオキシドを効率よく分解する方法が確立されたので、フェノールの製法としてのクメン法が他の方法を駆逐して主流となった。 他の方法とは副産物の始末に困るアルカリ融解法や、高圧容器を必要とする[[クロロベンゼン]]を出発物質とするシェル法のことである。 [[Category:有機反応|くめんほう|フリーデル・クラフツ反応]]
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