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ガー目
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{{生物分類表 |名称 = ガー目 |fossil_range={{Fossil range|110|0}} |色 = 動物界 |上綱 = [[顎口上綱]] [[w:Gnathostomata|Gnathostomata]] |綱=[[条鰭綱]] [[w:Actinopterygii|Actinopterygii]] |画像=[[ファイル: Kaimanfisch_(Lepisosteus_oculatus).jpg |250px]] |画像キャプション = スポッテッドガー ''Lepisosteus oculatus'' |亜綱 = [[新鰭亜綱]] {{sname||Neopterygii}} |亜綱階級なし = ハレコストーミ類 [[w:Halecostomi|Halecostomi]] |目 = '''ガー目''' {{sname||Lepisosteiformes}}または[[w:Semionotiformes|Semionotiformes]] |科 = '''[[ガー科]]''' {{sname||Lepisosteidae}} |英名 = Gars<br/>Garfishes<br/>Garpikes |下位分類名 = 下位分類 |下位分類 = {{center|本文参照}} '''[[アトラクトステウス属]]''' ''{{sname||Atractosteus}}''<br/> '''[[レピソステウス属]]''' ''{{sname||Lepisosteus}}'' }} '''ガー目'''(ガーもく、[[学名]]:{{sname||Lepisosteiformes}})は、[[条鰭綱]]に所属する[[魚類]]の分類群の一つ。'''ガー科''' ({{sname||Lepisosteidae}})1科のみで構成され、[[スポッテッドガー]]・[[アリゲーターガー]]など2属7種が記載される<ref name=Nelson2006>『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.97-98</ref>。また、学名に従って'''レピソステウス目'''、'''レピソステウス科'''<ref>多紀保彦 他、「新訂 原色魚類大図鑑 解説版」、[[北隆館]]、2005年、p31,128 などでは、レピソステウス目レピソステウス科と書かれている。</ref>と表記されることも多い。[[新鰭亜綱]]に含まれる現生の魚類として、[[アミア目]]と並び最も原始的な一群とみなされている<ref name=Helfman>『The Diversity of Fishes Second Edition』 pp.255-256</ref>。新鰭亜綱の下に、ハレコストーミ類と呼ばれる区分があり、それに属している。[[真骨類]]には含まれない。 学名は[[w:Lepisosteiformes|Lepisosteiformes]](レピソステウス目)とされることが多いが、[[w:Semionotiformes|Semionotiformes]](セミオノータスまたはセミオノートゥス目<ref>セミオノタス目、セミオノトゥス目とも書かれる。</ref>)と統合して扱われることも少なくない<ref>Andrew Campbell,Jhon Dawes([[松浦啓一 (魚類学者)|松浦啓一]] 監訳)、『シリーズ〈海の動物百科〉2 魚類Ⅰ』、朝倉書店、2008年、p24 上野輝彌・坂本一男、『魚の分類の図鑑 世界の魚の種類を考える』、東海大学出版会、1999年、p36-37,などではSemionotiformes(セミオノータス目)として扱われている</ref>。後者は(ガー科を除き)全て絶滅し、現生種はない。 学名は、Lepis(鱗の意)とosteus(骨の意)の合成語から成る。学名を直訳し、'''鱗骨魚科'''または'''リンコツギョ科'''と書かれることもある<ref>渡辺可久、『川のさかな』、[[岩崎書店]]、1995年、39頁、ここではレピソステアス目 鱗骨魚科と記されている</ref>。硬鱗(ガノイン鱗)をもつことから、またそれが光沢を放つことから硬鱗魚(こうりんぎょ)または光鱗魚(こうりんぎょ)とも呼ばれる<ref>「月刊アクアライフ2005年8月号」、19頁</ref>。ただし、硬鱗をもつ魚類には、[[アミア目]]、[[チョウザメ目]]、[[ポリプテルス目]]などの異なる系統も含まれる。 == 分布・生態 == [[ファイル: Atractosteus simplex UMNH 02.jpg|thumb|left|ガー目の化石種(''Atractosteus simplex'')。ガー類は白亜紀から始新世にかけてほぼ全世界で繁栄したが、現生種の分布は北アメリカ・中央アメリカに限局する]] 現生のガー目の魚類は[[北アメリカ]]東部・[[中央アメリカ]]および[[キューバ]]に分布し、[[ケベック州]]南部に生息する[[ロングノーズガー]]、[[コスタリカ]]の[[トロピカルガー]]がそれぞれ北限と南限になっている<ref name=Nelson2006/>。基本的にすべて[[淡水魚]]であるが、[[汽水域]]でも観察されることがあるほか、[[キューバガー]]など一部の種類は[[海域]]にも進出することが知られている<ref name=Nelson2006/>。 ガー類は[[水草]]の生い茂る浅場や[[三日月湖]]([[河跡湖]])、[[バイユー]]とよばれる[[湿地帯]]など、流れの緩やかな静水域に生息することが多い<ref name=Nelson2006/>。[[食性]]は[[肉食動物|肉食性]]で、ある程度まで成長したものは他の魚類や[[甲殻類]]を主に捕食する<ref name=Matsuura>『海の動物百科2 魚類I』 pp.24-25</ref>。[[ふ化]]した[[仔魚]]は他の魚と同様に[[卵黄]]が付いており、それが吸収されると[[アカムシ]]、[[ボウフラ]]、[[ミジンコ]]、その他の[[動物プランクトン]]を食べる。[[稚魚]]になると水に落ちた[[昆虫]]、[[水生昆虫]]や小型の[[甲殻類]]も食べる。 水域の[[生態系]]では上位[[捕食者]]に位置する。特に、アリゲーターガーは成魚になれば、ほとんど外敵に襲われる心配がなくなる。しかし、[[ヤツメウナギ]]類の攻撃からは逃れることができない<ref>Andrew Campbell,Jhon Dawes(松浦啓一 監訳)、『シリーズ〈海の動物百科〉2 魚類Ⅰ』、朝倉書店、2008年、p20</ref>。硬いうろこも破られてしまう。一方でヤツメウナギは皮膚から毒を含む[[粘液]]を分泌することで、ガーなどに捕食されることを防いでいる<ref>Andrew Campbell,Jhon Dawes(松浦啓一 監訳)、『シリーズ〈海の動物百科〉2 魚類Ⅰ』、朝倉書店、2008年、p16</ref>。 == 歴史 == [[硬骨魚類]]および[[軟骨魚類]]において現生する目の中では、[[シーラカンス目]]、[[ギンザメ目]]に次いで早く出現した<ref>シーラカンス目は[[デボン紀]]中期、ギンザメ目はデボン紀後期に出現した。上野輝彌・坂本一男、『魚の分類の図鑑 世界の魚の種類を考える』、東海大学出版会、1999年、xvi-xvii</ref>。''Semionotiformes''目は[[古生代]][[ペルム紀]]後期の[[地層]]から最古の[[化石]]が見つかっている<ref name=Ueno>『新版 魚の分類の図鑑』 pp.36-37</ref>。 ''Lepisosteus'' 属は[[アメリカ州|南北アメリカ大陸]]・[[ヨーロッパ]]・[[インド]]、''Atractosteus'' 属は南北アメリカ大陸・ヨーロッパ・[[アフリカ]]からの報告がある<ref name=Nelson2006/>。ガー科に属する種は、白亜紀前期の約1億1000万年前に初めて現れたとされる。古代における本目魚類の生息範囲は現代よりも広く、特に[[中生代]][[白亜紀]]から[[新生代]][[始新世]]にかけては世界の大部分に分布していたとみられている<ref name=Ueno/>。しかし、現時点においては[[オーストラリア]]と[[南極大陸]]からは化石が発見されていない。日本を含む[[アジア]]地域には現生のガー科魚類はいないが、北九州の白亜紀の地層から化石種が発見されている<ref name=Ueno/>。 ペルム紀後期から[[ジュラ紀]]にかけては変化があったものの、白亜紀以降は形態においてほとんど変化がない<ref>マイケル・J・ベントン 他、「生物の進化大図鑑」、[[河出書房新社]]、2010年、p308 ここでは現生の7種が生きた化石として取り扱われている。</ref>。故に、古代の形態をとどめていることから、[[生きた化石]](有名な例としては[[ラティメリア|シーラカンス]]([[ラティメリア]])や[[カブトガニ]]などがある)と呼ばれている。この形態が成功したものであるためか、現在までに[[ペルム紀大絶滅]]、[[大絶滅#三畳紀末|三畳紀大絶滅]]、[[恐竜]]や[[首長竜]]などの[[爬虫類]]が[[絶滅]]したことで知られる[[白亜紀大絶滅]]といった3回の[[大絶滅]]を経験しているが、それらを生き残ることができた。 == 形態 == [[ファイル: Lepisosteus platostomus drawing.jpg|thumb|right|ショートノーズガー(''Lepisosteus platostomus'')。細長い体と吻の突き出た顎、全身を覆うガノイン鱗(と尾鰭の形態がガー科魚類の特徴である]] ガー目の仲間は細長い体と、[[吻]](口先)の突出した著しく細長い両顎をもつ<ref name=Nelson2006/>。[[下顎]]のみが長い[[サヨリ|サヨリ科]]などとは異なり、[[上顎]]の方がやや長く突き出る。最大でも全長88cmの[[ショートノーズガー]]を除く6種はいずれも全長<ref>[[体長]]とは異なり、尾を伸ばした状態で頭部の先端から尾の末尾までの長さを示す。</ref>が1mを超える記録があり、最大種であるアリゲーターガーは最大で3.05m、体重ではこれよりわずかに小さい個体で137kgの記録がある<ref name=FishBase/>。細長い顎には、針のように鋭い歯が並ぶ<ref name=Nelson2006/>。 [[背鰭]]は体の後方に位置し、臀鰭と互いに向かい合う<ref name=Nelson2006/>。[[尾鰭]]は上下非対称の異尾となっているが、より古い系統の魚類と比較しその形状は簡略化されている<ref name=Nelson2006/>。骨格は完全に硬骨化し、鰓条骨は3本で、間鰓蓋骨を欠く<ref name=Nelson2006/>。両側に2個以上の上側頭骨をもち、[[鋤骨]]は対となる<ref name=Nelson2006/>。[[主上顎骨]]は小さく不動性で、[[前上顎骨]]をもたない<ref name=Nelson2006/>。[[椎骨]]は前方が突出し、後方が窪んだ後凹性で、他の魚類にはほとんど見られない特徴となっている<ref name=Nelson2006/><ref>[[スズキ目]][[イソギンポ科]][[ヨダレカケ属]]の魚類が同様の椎骨をもつことが知られている(『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.97-98)。</ref>。 全身が堅牢な菱形の[[鱗]]([[ガノイン鱗]])で覆われ、[[側線]]鱗は50-65枚<ref name=Nelson2006/>。ガノイン鱗は現生種では本目と[[ポリプテルス目]]・[[チョウザメ目]]・[[アミア目]]などに共通してみられる、原始的な[[硬骨魚類]]の特徴の一つである。 [[鰾|浮き袋]]には血管網が発達し、[[肺]]のように[[空気呼吸]]を行うことが可能となっている<ref name=Nelson2006/>。ガー類が好んで生活する流れの少ない水域は、[[低酸素]]状態に陥りやすいが<ref>その理由としては、流れが悪いことの他に、水温が上がりやすいことや、水底に堆積した植物が腐敗することが挙げられる。</ref>、空気中の酸素を取り入れることで生存を図ることができる<ref name=Helfman/>。ただし、鰓呼吸の機能は空気呼吸ができない魚に比べて劣り、それだけでは生存できない。実際に、空気を吸うための隙間がなくなったことにより、空気呼吸ができなくなり死亡した例がある<ref>[http://met.chu.jp/archives-photo/alligator_s.htm#Alligatorgar アリゲーターガー]</ref>。 急激な変化には弱いものの、緩やかに変化するのであれば[[pH]]([[水素イオン指数]])や水温が高いなどといった他の魚が生きられない悪条件でも生存できる。 == 人間との関わり == === 飼育 === ガーの仲間は[[観賞魚]]として、世界各地の[[水族館]]、時には個人の[[アクアリウム]]でも飼育対象となる。総じて大型になり体も頑丈なため、飼育にあたっては体長の1.5倍程度の幅と奥行きのある[[水槽]]が必要で、''Atractosteus'' 属の3種とロングノーズガーについては特に大型の水槽が求められる。無理に狭い水槽で飼育すると、成長に支障が出たり、吻の先端を傷つけてこぶができてしまうことがある。鋭い歯をもつため扱いには注意を要する。飛び出し防止のための、ふたは必須である。空気呼吸をするため、必ずふたと水面の間に体高の1~2倍程度の空間を確保する必要がある。[[Image:Gar shedd.jpg|thumb|シカゴの[[シェッド水族館]]で飼育されている個体]] 大きさを除けば、とても管理が容易であるといえる。ほとんどの魚類に比べ[[病気]]にかかりにくい<ref>[http://www9.plala.or.jp/n-hiro/aqua9-5.html#Garpike ガーパイクの飼い方]</ref>。もし、ガーが生存できないのであれば、飼育者の管理や使用器具の問題が真っ先に疑われるといってもよいほどである。 性質はおとなしいため、同種異種を問わず全長が半分以上ある複数の魚とも混泳ができる。それ未満であれば[[尾|尾ビレ]]やその他の[[鰭|ヒレ]]をかじられてしまうことがある。そういった場合はどちらかを他の水槽に移す必要がある。ガー同士が最も好ましいが、[[コイ]]、[[フナ]]、[[ナマズ]]や[[ポリプテルス]]など、大きさが適当であればほとんどの淡水魚と同じ水槽で飼うことができるため、そういった飼育例も多い。ただし、[[ニホンナマズ]]などの一部のナマズは攻撃的な種もありやや小さい大きさであっても、ガーに対し攻撃することがある。その際には、驚いたり逃げようとしたりすることも多く、水槽の壁に体や[[吻]]をぶつけてしまうことがある。 餌は[[飼料|人工飼料]]よりも[[生き餌]]を好む。毒がなく大きさが適当であれば、種類を問わず様々な淡水魚、エビ、[[ザリガニ]]、[[カエル]]などを食べる。ただし、ガーは餌をとらえることが上手ではないことや<ref name=sasaki>佐々木浩之、「世界の熱帯魚&水草カタログ2012年版」、[[成美堂出版]]、2011年、p176</ref>、在来の[[川魚]]には動きが素早いものが多いため(例えば[[オイカワ]]、[[ウグイ]]、[[カワムツ]]および[[ヌマムツ]]などが挙げられる)水槽が極端に広すぎる場合、捕まえることが困難になることがある。 === 琵琶湖などにおける繁殖の可能性とその影響について === ==== 繁殖に関する疑問 ==== 近年、飼育放棄による河川への放流が相次いでいる。主な河川としては、[[多摩川]]や[[呑川]]などが挙げられる。特にアリゲーターガーの場合、かつては幻のガーと呼ばれる程、非常に高価であったため、十分に資金がなければ購入できなかった。しかし、1994年に大量輸入が始まり価格が暴落したため<ref>[[小林道信]]・[[森文俊]]、『増補改訂 熱帯魚決定版大図鑑』、[[世界文化社]]、p461</ref>、安易に飼育することができるようになり、それと同時に河川等への放流が目立つようになった。成魚であれば10℃程度の低水温にも耐えるため、[[工業排水]]の放出があるなどの温暖な河川では、[[密放流]]([[外来種]]参照)された個体が越冬・繁殖する可能性がある。ただし、2011年8月15日現在、それらの明らかな証拠は確認されていない。 [[琵琶湖]]では[[漁業]]資源や固有の[[生物相]]への悪影響が危惧されている。しかし、現時点では国内全ての淡水域において深刻な影響や漁業被害も報告されていない。2008年9月22日、琵琶湖で全長89cmのアリゲーターガーが捕獲されたが<ref>{{cite web |title= 琵琶湖における外来魚(アリゲーターガー)の捕獲について|publisher = 滋賀県| url= http://www.pref.shiga.jp/hodo/e-shinbun/gf30/20080924.html |accessdate=2011年6月12日 }}</ref>、これは[[繁殖]]したものではなく、ある程度まで成長してからの飼育放棄により[[放流]]されたものである可能性が高い。 仮にアリゲーターガーが繁殖しているとすれば、[[成魚]]や[[若魚]]<ref>若魚(わかうお)とは外見は成魚とそれほど変わらないが、繁殖が可能ではない魚を指す。井田斉 他、『小学館の図鑑NEO・魚』、[[小学館]]、2003年、p184</ref>だけではなく、[[幼魚]]や[[稚魚]]も捕獲されるはずで、むしろ後者の方が捕獲例が多くなるはずである。しかし、幼魚や稚魚は捕獲された例がない。<ref>ガーパイクの稚魚は尾鰭の上部が肉質で、長く伸びているという特徴がある。よって、2~3cm程度の大きさであっても、在来の[[淡水魚]]とははっきりと見分けがつく。</ref>これまで捕獲されたものは全て成魚や若魚であり[[卵]]も発見されておらず(卵の外見も全ての在来魚とは異なる<ref>[[宮地傳三郎]] 他、「原色日本淡水魚類図鑑」、[[保育社]]、1992年、p53~393 および 石津恵造 他、「月刊アクアライフ1994年5月号」、マリン企画、1994年、p30</ref>)、繁殖は確認されていない。以下の条件によりアリゲーターガーが琵琶湖で繁殖できるかは疑問がある。 #水温 #*琵琶湖は一年で数ヶ月間は[[水温]]が10℃(50℉)を下回り1~2月には4℃(40℉)程に下がるため、アリゲーターガーにとっても[[越冬]]は難しいと考えられる。特に仔魚から幼魚のうちは10℃未満の[[低温]]や急激な水温への変化に耐えることができない。 #*原産地は[[温帯]]に属す場所も多いが、冬の[[気温]]が高いため、年間における水温差が小さい。琵琶湖などは水温差が大きく、変動も激しいため、生存に適しているとはいえない。 #*ミシシッピ川の河口周辺では5月、メキシコでは4月に[[産卵]]するが、日本は現地に比べ春の訪れが遅いため仮に産卵できる場合であっても、それよりも遅くなる。現地では食料資源も豊富で冬の訪れも遅いため、その前にある程度成長し[[越冬]]のための体力と栄養(主に脂肪)をつけることができる。しかし、日本では夏が短いことに加え、栄養価のある食料も少なく、越冬に見合わせた分の体力をつける前に冬を迎えることとなる。よって、原産地よりも寒く長い冬を乗り越えることは困難になる。 #*日本に[[輸入]]されるものは、原産地ではなく年間を通して温暖な[[東南アジア]]で[[養殖]]された個体である。当然、何世代も温暖な環境で過ごしているため、野生個体に比べ多少なりとも耐寒性が衰えている。 #日本の河川における環境 #* 工業廃水などにより年間を通して水温の高い河川もあるが、そういった場所は川底や岸部がコンクリートで覆われていることが多く、獲物である淡水魚が不十分な場合も多い。十分にいる場合であっても、アリゲーターガーは流れの速い場所に適していないことや、高く跳ねることもできないことにより[[堰]]や[[魚道]]などの高低差がある場所を上ることもできない。そのため越冬できる場所は更に限定される。[[在来種]]は低温に耐えることができるため、他の場所に避難することによって食糧不足に陥るため、生存率は低下する。 #*日本の[[河川]]は長期生存に適した環境が少ない。流れの遅い場所が連続している場所が原産地では一般的であるが、日本では大きな川の[[河口]]付近や下流を除いて、そういった場所が少ない。多くの場合、[[淵]]、[[淵|とろ場]]<ref>淵に含められることもある</ref>、[[平瀬]]、[[早瀬]]が交互に連続していることが多く<ref>宮地傳三郎 他、「原色日本淡水魚類図鑑」、保育社、1992年、p26 および [[川那部浩哉]]・[[水野信彦]]、「検索入門 川と湖の魚②」、保育社、1990年、p179~180</ref>、[[瀬]]で流されることはあるが、上ることができない。また、[[ダム]]や堰などで分断されている場所も多い。従って大きな河川の[[下流]]を除いて、河川での長期生存・繁殖の可能性は低い。 #*[[呑川]]のように全面あるいは両岸がコンクリートで覆われている河川(都市河川)は、食料資源が不足するという条件で長期生存および繁殖は不可能であると考えられる。<ref>例えば[[コイ]]は[[雑食]]であり小魚の他に、[[タニシ]]などの[[貝]]や[[藻類]]を食べることもできるため(小魚がいない場合であってもそういった動物は生息している場合も多い)、コンクリートで覆われている河川であっても生存が可能である。しかし、いずれにせよこうした河川は[[食物連鎖#生産者|生産者]]や[[食物連鎖#消費者|一次消費者]]が乏しい(例えれば、ピラミッドの底辺が短いため)。[[食物連鎖#消費者|高次消費者]]であるアリゲーターガーが繁殖するための餌をまかなえる程の魚類は生息できない(その高さも低くなる)。</ref> #*[[水位]]の変化が激しいことも、繁殖に向かない条件となる。卵は水深の浅い場所に産み付けられるため<ref>Andrew Campbell,Jhon Dawes(松浦啓一 監訳)、『シリーズ〈海の動物百科〉2 魚類Ⅰ』、朝倉書店、2008年、p25</ref>、水位が下がった場合、[[ふ化]]する前に干上がってしまう可能性がある。反対に、水位が上がった場合は、後述のような危険にさらされる。 #[[洪水]]および[[鉄砲水]] #*遊泳能力が乏しいため、洪水で全滅あるいは多くが死滅してしまう可能性もある。原産地であっても洪水は起こるが、河川の勾配が緩く川幅が広いため、水量は増えるが流速はそれほど速くならない。よって、原産地では海まで流される危険性は低い。しかし、日本のほとんどの河川は原産地よりもはるかに勾配が激しく川幅も狭いため、水量が増えれば流速が普段の数倍~20倍程度になることも珍しくない。普段はほとんど流れがない場所であっても、同じ場所とは思えないほど激変することも多い。原産地では[[堤防]]が決壊し[[氾濫]]することで、流れが分散されることもある。しかし、近年の日本ではそういったことはそれほど多くなく、狭い場所に水が集中することにより、下流や河口付近であってもかなりの流速になる。従って海まで流されてしまう可能性も低くない。その際には水の勢いにより沖合数km~十数kmまで流されてしまうと考えられる。更に、[[海流]]、[[潮流]]や[[波]]に翻弄され流されることもあるため河川に戻ることは難しくなると考えられる。原産地では[[汽水域]]に進出することが知られているが、原産地では汽水域の面積も広いため、急激に塩分濃度が変化しない。実際に移動する際も、ある程度の時間をかけて塩分に慣らすため、急激な濃度の変化には耐えられない。従って[[塩分濃度]]の変化が原因で死滅してしまう可能性が高い。仮に、それに耐えることができたとしても、海には淡水とは比べ物にならないほど多くの[[捕食者]]<ref>主な捕食者としては[[海水魚]]や[[海鳥]]が挙げられるが、[[クラゲ]]を含む[[腔腸動物]]、[[カニ]]などの[[節足動物]]、[[軟体動物]](この場合[[タコ]]や[[イカ]])もそれになりえる。</ref>がひしめいており、そういった捕食者に対してほとんど無力であると考えられる。それゆえ、動きの鈍いことが災いし、なすすべなく簡単に捕食されてしまう可能性が高い。従って一旦[[海]]に流されれば、生存できる可能性はほとんどないといえる。 #*洪水により卵も被害を被ると考えられる。卵は水草や川底の石に付着するが<ref>月刊アクアライフ1994年5月号、発行所 マリン企画、31頁</ref>、現地では水流が遅いため、流されてしまう心配が少ない。しかし日本の河川では、卵を付着させた石や水草ごと流されてしまうか、上流から運搬<ref>河川における運搬作用は流速の6乗に比例することが知られている。例えば流速が2倍になれば、運搬作用は64倍にもなる。</ref>された土砂に埋もれてしまう可能性が高い。また仮にそれを免れることができた場合も、下流では洪水の前後で流路が大きく変化することも多い。洪水の前は水面下に産みつけられた卵も、洪水後に水位が下がった時、水面から出てしまうこともある。 #メディアなどによる影響 #*国内で捕獲([[釣り]]によるものも含む)された場合、[[マスコミ]]や[[メディア]]に大々的に報道されることが多い。尾ひれがつき大げさに報道されることも少なくない。例えば、実際には繁殖が確認されていないにも関わらず、あたかもそうであるかのように報道することなどが挙げられる。特に、知識のない人であれば、そういった誤報や風評を信じてしまうことも多い。 ==== 仮に繁殖した場合の影響について ==== また、以下の理由から[[外来魚]]・[[特定外来生物]]である[[ブラックバス]]([[オオクチバス]]や[[コクチバス]]などの総称)、[[ブルーギル]]ほど深刻な悪影響を与えることはないと考えられる。 #低温に弱いこと #*1年を通して水温の低い[[水域]]には生息できないため、そういった場所の魚類には影響が及ばない。ブラックバスやブルーギルはガーに比べて低温に強いため、影響を与える水域も広くなる。 #流れの速い場所を泳ぐことが得意でないこと #*日本の河川はガーの繁殖に適した、流れが穏やかな場所が少ない。また、河川にすむ在来魚は細い[[紡錘形]]の体を発達させることで、ガーよりも遊泳力が高いため、瀬が多く流れが速い河川に適応している。よって、そういった河川にはガーは繁殖できず、そこにすむ在来魚には影響が及ばない。 #空気呼吸の穴 #*ほとんどの魚と違い、数分おきに空気呼吸のため水面まで上がり空気を吸う必要があるため、長時間深い場所に潜ることができない。琵琶湖は平均水深が41.2mあり、多くの魚は水深が深い場所に逃げ込むこともできると考えられる。ブラックバスやブルーギルは[[鰓呼吸]]であるため、深い場所に潜り続けることができる。 #体や習性におけるデメリット #*水深の浅い場所には[[水生植物]]([[ヨシ]]などの[[抽水植物]]、その他[[浮葉植物]]や[[沈水植物]])が群生している場所も多く、体が大きく柔軟性に欠けるアリゲーターガーはそういった場所に入ることができない。または動きがかなり制限される<ref>水槽に水草や障害物が多い場合は、十分な広さがとれていても、自由に動けないことが知られている。小林道信・森文俊、『増補改訂 熱帯魚決定版大図鑑』、世界文化社、p461</ref>。そのため在来種の魚は、一時的または長期的に、そうした場所に隠れたり逃げ込んだりすることもできる。同様の理由で、浅いまたは幅の狭い河川や[[水路]]、岩場、[[テトラポット]]、沈んだ[[流木]]、倒木や船、護岸<ref>最近の護岸は魚の隠れ家を確保するため、穴をあけているものも多い。</ref>、[[杭]]や水中の立木が密集した場所、[[不法投棄]]されたゴミ(皮肉にもこうした物が水生動物に隠れ場所や産卵場を提供することがある<ref>宮地傳三郎 他、「原色日本淡水魚類図鑑」、保育社、1992年、p208、</ref>)等に避難することもできる。例えば、[[ニゴロブナ]]は障害物の多い場所を好むため、それほど生存が脅かされないと考えられる。<ref>在来種が隠れられる場所を、ブロックなどで人工的に作ることも効果的である</ref>ブラックバスやブルーギルは体も柔軟であり、大きすぎないことや幅が狭いことにより、そういった障害物の中でも難なく泳ぐことができる。 #* 待ち伏せ型であるため、ほとんどの[[在来魚]]に比べ動きが鈍く、瞬発力も低い。従って前述のものと矛盾するようであるが、身を隠すことができない場所では、魚を捕まえることが難しいと考えられる。当然のことながら、身をひそめる場所のない沖合や開けた場所に逃れることもできる。また、ガーの仲間は他の肉食魚類に比べ、獲物をとらえることが得意でないため<ref name=sasaki>佐々木浩之、「世界の熱帯魚&水草カタログ2012年版」、[[成美堂出版]]、2011年、p176</ref>、多くの在来魚であれば襲われた場合も、十分に逃げ切ることができると考えられる。特定3種は、動きが素早く獰猛であるため、在来魚を容易に捕食してしまう。 #成熟までの時間が長いこと #* 仮に、密放流された成魚が越冬し産卵したとしても、他の淡水魚に比べ成熟するまでに要する時間が長いことにより爆発的に増加するおそれはない。アリゲーターガーは成長が早く現地では6~11年で成熟するが<ref>『月刊アクアライフ』1994年5月号、発行所 マリン企画、31頁 閲覧</ref>、それは冬の水温が高く十分に食料があるという好条件下の話である。水温が20℃未満であれば成長速度が遅くなり、15℃以下に低下すればほとんど止まってしまうため、原産地よりも成熟までに時間がかかる。短期間で増加すれば他の生物がそれについていけない可能性があるが、数十年の時間をかけて増加するのであれば、他の生物はそれに合わせることができる。他の淡水魚はアリゲーターガーに比べ世代交代がかなり早いため<ref>宮地傳三郎 他、『原色日本淡水魚類図鑑』、保育社、1992年、p53~393</ref>、環境の変化にも適応しやすい。 #*ブルーギルが急激に増加した理由としては、早いものは1年で成熟すること、稚魚までは親に保護されること、幅広い食性、環境に対する適応力が挙げられるが<ref>ブルーギルは生息場所の状況によって、食性を変えることができる。例えば、小魚などの小動物が少ない場合は、水生植物や藻類などを食べることで補うことができる。松沢陽士・瀬能宏、『日本の外来魚ガイド』、[[文一総合出版]]、2008年、p81,87 </ref>、全てのガーはこれらの条件を満たしていない。 #[[成熟]]するまでの生存率が低いこと #*成魚になるまでの生存率が低いことからも、爆発的に増加しないといえる。成熟するまでの時間が長いこともあり、そのうちは様々な動物<ref>[[鳥類]]、[[雑食魚]]・[[肉食魚]]、[[カメ]]、[[水生昆虫]]等が挙げられる。</ref>に、全長が0.8~1mを超えるまでは[[ビワコオオナマズ]]に捕食され、成魚になる前に十分に減少する可能性がかなり高い。特にブルーギルは、他の魚類の仔魚や稚魚を好んで捕食する。<ref name=matzusawa>松沢陽士・瀬能宏、『日本の外来魚ガイド』、文一総合出版、2008年、p87</ref>。ガーの仲間は[[体高]]<ref>体高(たいこう)とは、体を水平にしたときの、最大の高さをいう。ただし、ひれは含めない。魚類に対して使われる。上野輝彌・坂本一男、『魚の分類の図鑑 世界の魚の種類を考える』、東海大学出版会、1999年、XXXIII</ref>が低く、棘条<ref>[[鰭条]](きじょう:ヒレを支える骨)が硬く、先端が鋭く尖っているものを'''棘条'''(きょくじょう)とよぶ。一方で、柔らかく尖っていないものは'''軟条'''(なんじょう)とよばれる。前者は身を守ることに、後者は体の動きを柔軟にすることに役立っている。井田斉 他、『小学館の図鑑NEO・魚』、小学館、2003年、p94</ref>もないことから、同じ全長の多くの魚類に比べ捕食されやすい<ref>同じく体高が低い[[モツゴ]]([[クチボソ]])はブルーギルなどよって容易に捕食されやすいことが知られている。松沢陽士・瀬能宏、『日本の外来魚ガイド』、文一総合出版、2008年、p87</ref>。一方で、高い体高と[[背びれ]]に約10本、尻びれに約3本の棘条をもつブルーギルはブラックバスおよびその他の魚類に捕食されにくいことがわかっている。<ref name=matzusawa>松沢陽士・瀬能宏、『日本の外来魚ガイド』、[[文一総合出版]]、2008年、p87</ref>。また、ビワコオオナマズは、雑食性の種が多い在来魚のうちでは極めて魚食性が強く、他の在来魚には捕食されにくいブラックバスやブルーギルも捕食できることが知られている<ref>中坊徹次・望月賢二、『日本動物大百科 6』、平凡社、2003年、p41および、[http://www2.plala.or.jp/Mystus/Mystus_html/cn4/pg59.html#Silurus ナマズ科]</ref>。 #*アリゲーターガーは[[昼行性]]であるため、夜間は水面付近に浮くような体勢でほとんど動かない。故に[[夜行性]]の捕食者にはほとんど無防備であり、[[ナマズ]]は昼間は深い場所(底層や中層)で隠れているが、夜間には表層・[[沿岸]]近くで活動することも多い<ref>宮地傳三郎 他、『原色日本淡水魚類図鑑』、保育社、1992年、p267 および 森文俊・[[内山りゅう]]、「手に取るようにしてわかる川や湖の生き物の飼い方」、[[ピーシーズ]]、2011年、p52</ref>。そのため、それらに簡単に捕食されてしまうと考えられる。 === その他の関わり === アリゲーターガーなど一部の種類は食用としても利用される<ref name=FishBase>{{cite web |title= Lepisosteiformes |publisher = FishBase| url= http://www.fishbase.org/Summary/OrdersSummary.php?Order=Lepisosteiformes |accessdate=2011年6月12日 }}</ref>。一方で、ガー類の卵は一般に有毒で、実験的に投与された[[ハツカネズミ|マウス]]に対し致死的に作用することが知られる<ref name=Helfman/>。この毒が生態学的にどのような意味をもつのかは、ほとんどわかっていない<ref name=Helfman/>。卵の[[直径]]は3㎜程度で、緑色であり、[[水草]]や川底の石に付着できるようになっている。 釣りの愛好家の中には、アリゲーターガーが、釣りの対象になる魚を[[食害]]し、水産資源を激減させていると考えている者もいる。しかし、実際にはこの考えは誤りである。詳しく調査された結果、アリゲーターガーはこれらの魚類や水鳥を希にしか食べず、その他の魚類や甲殻類が主な捕食対象であることがわかった<ref>Andrew Campbell,Jhon Dawes(松浦啓一 監訳)、『シリーズ〈海の動物百科〉2 魚類Ⅰ』、朝倉書店、2008年、p24</ref>。むしろアミアと同様に、ガーがいなければその水域は他の魚類で過密状態に陥り、健康な個体が生育できなくなってしまうのではないかという指摘がある。 == 分類 == === 現生種 === ガー[[目 (分類学)|目]]はガー科のみ1[[科 (分類学)|科]]で構成され、Nelson(2006)の体系において2[[属 (分類学)|属]]7[[種 (分類学)|種]]が認められている<ref name=Nelson2006/>。[[顎口上綱]]に含まれる魚類には55の目が存在するが、このうち8番目に種の数が少ない<ref>上野輝彌・坂本一男、『魚の分類の図鑑 世界の魚の種類を考える』、東海大学出版会、1999年、xvi-xvii,xxxv</ref>。2属は鰓耙の本数と形態で鑑別され、''Atractosteus'' 属は59-81本の大型の鰓耙をもつ一方、''Lepisosteus'' 属の[[鰓耙]]は小さく14-33本である<ref name=Nelson2006/>。[[ファイル: Kaimanfische (Lepisosteus).jpg |thumb|right|[[スポッテッドガー]](''Lepisosteus oculatus'')。斑紋による体色が特徴で、最もよく知られたガーの一種である]] [[ファイル: Longnose Gar.JPG |thumb|right|ロングノーズガー(''Lepisosteus osseus'')。繁殖期に河川を遡上する習性が知られている<ref name=FishBase/>]] 東南アジアに分布する[[ニードルガー]](英名:[[w:Freshwater garfish|Freshwater garfish]]、学名:''[[w:Xenentodon cancila|Xenentodon cancila]]'')やヨーロッパ周辺の海域に分布する[[ガーフィッシュ]]はガーに似た外見をもつが、この目には属さない。どちらも[[ダツ目]][[ダツ科]]に含まれる<ref>『観賞魚マニュアル2 熱帯魚編(観賞魚飼育管理教本No.2)』、日本観賞魚振興会、2004年</ref>。また、ガノイン鱗もなく、分布も重なっていない。 ==== ''Atractosteus''(アトラクトステウス) 属 ==== * [[アリゲーターガー]] [[w:Alligator gar|''Atractosteus spatula'']] <small>(Lacepède, 1803)</small> *:本目の種としては最大で、成長が早く通常は2m程度、最大で3mにもなるため、個人での飼育には不向き。しかし、飼育下では1mを超えないこともある。[[メキシコ]]産と[[ミシシッピ川|ミシシッピ]]産の2タイプが知られ、後者のほうがより大型化するといわれる。 * [[キューバガー]] [[w:Cuban gar|''Atractosteus tristoechus'']] <small>(Bloch & Schneider, 1801)</small> *:[[キューバ|キューバ島]]西部および[[青年の島]]に分布し、最大で全長2mに達する<ref name=FishBase/>。「マンファリ Manjuari(現地語での呼び名)」ともよばれる。ほとんど模様がないオリーブ・グリーンの体色をしている。吻はガーパイクの中で一番幅広い。現地で厳重に保護されていて、かつては幻のガーだった。現在では定期的に輸入されており、一般にも入手可能である。卵には毒がある。 * [[トロピカルガー]] [[w:Tropical gar|''Atractosteus tropicus'']] <small>Gill, 1863</small> *:産地によって「トロピカル・ジャイアントガー」・「チャパシウス」・「ニカラグア」の3タイプに分けられている。体色や斑紋には個体差がある。 ==== ''Lepisosteus''(レピソステウス) 属 ==== * [[スポッテッドガー]] [[w:Spotted gar|''Lepisosteus oculatus'']] <small>Winchell, 1864</small> *:観賞魚としては最も一般的なガーで、銀色の体に黒い斑点が目立つ種類である。 * [[ロングノーズガー]] [[w:Longnose gar|''Lepisosteus osseus'']] <small>(Linnaeus, 1758)</small> *:この属では最大であり、通常は1.4m程度になり、最大で2mの記録がある。吻は嘴のように、非常に細長く伸長する。 * [[ショートノーズガー]] [[w:Shortnose gar|''Lepisosteus platostomus'']] <small>Rafinesque, 1820</small> *:単色の体に幅広い吻をもつ。吻は他のガー類と比較し短い。 * [[フロリダガー]] [[w:Florida gar|''Lepisosteus platyrhincus'']] <small>DeKay, 1842</small> *:スポッテッドガーとの違いは吻部の断面の形状などで、外部から見分けることは困難である。 === 化石種 === 現時点において保存の良い[[標本]]があり、明らかに種として区別できるものは12種<ref>部分的な化石しか見つかっていない種もあり、これらは含めない。『月刊アクアライフ』、2005年8月号、20~21頁</ref>で、現生する2属の他、''Masillosteus'' 属・''Obaichthys'' 属・''Oniichthys'' 属などに分類されている<ref name=Nelson2006/><ref name=Helfman/>。ジュラ紀中期から白亜紀後期に生息した[[アスピドリンクス]](学名:''[[w:Aspidorhynchus|Aspidorhynchus]]'')は、外見がガーパイクに似ているものの、この仲間には含まれない<ref>Barry-Cox 他、『原色版 恐竜・絶滅動物図鑑』、[[大日本絵画]]、1998年、p37</ref>。むしろ[[アミア目]]に近いとされる。 ==== 絶滅した属 ==== [[ファイル:Atractosteus africanus.JPG|thumb|''A. africanus'' の化石 ]] [[ファイル:Atractosteus.JPG|thumb|''Atractosteus'' 属の化石]] [[ファイル:Atractosteus strausi - Naturmuseum Freiburg - DSC06743.jpg|thumb|''Atractosteus strausi'' の化石]] * ''Obaichthys'' 属</small> *:南アメリカにおける白亜紀前期<ref>白亜紀は[[顕生代]]に属する[[紀]]としては最も長いが、[[三畳紀]]や[[ジュラ紀]]などとは異なり、前期([[w:Early Cretaceous|Early Cretaceous]])と後期([[w:Late cretaceous|Late Cretaceous]])のみに分けられる。白亜紀中期(Middle Cretaceous)という区分は正式には存在しない。前期は[[ベリアシアン]]から[[白亜紀#概要|アルビアン]]までで約1億4550万~9960万年前を、後期は[[白亜紀#概要|セノマニアン]]~[[マーストリヒシアン]]までで約9960~6550万年前を指す。</ref>の[[地層]]で2種が発見されている。 * ''Oniichthys'' 属 *:アフリカにおける白亜紀の地層で1種が発見されている。 ==== 現生する属に含まれる種 ==== * ''Atractosteus'' 属 以下の5種が知られている。属名はA.と略した。 {| class="wikitable sortable" |- ! 種の学名!! 生息年代 !! [[化石]]の産地 |- | ''A. strausi'' (アトラクトステウス・ストラウシ)|| [[始新世]] || ドイツ、[[メッセル]] |- | ''A. simplex'' (アトラクトステウス・シンプレックス)|| 始新世前期 || アメリカ、[[ワイオミング州]] |- | ''A. africanus'' (アトラクトステウス・アフリカヌス) || [[白亜紀]]後期 || [[ニジェール]] |- | ''A. occidentalis'' (アトラクトステウス・ オッキデンタリス)|| 白亜紀後期 || アメリカ、[[ネブラスカ州]] |- | ''A. atrox'' (アトラクトステウス・アトロックス|| 始新世前期 || アメリカ、ワイオミング州 |} * ''Lepisosteus'' 属 以下の4種が知られている。属名はL.と略した。 {| class="wikitable sortable" |- ! 種の学名 !! 生息年代 !! 化石の産地 |- | ''L. opertus'' (レピソステウス・オペルトゥス)|| 白亜紀後期 || アメリカ、[[モンタナ州]] |- | ''L. cuneatus'' (レピソステウス・クネアトゥス)|| 始新世前期 || アメリカ、[[ユタ州]] |- | ''L. indicus'' (レピソステウス・インディクス)|| 白亜紀後期 || [[インド]] |- | ''L. fimbristus'' (レピソステウス・フィムブリアトゥス)|| 始新世~[[漸新世]]前期 || [[ベルギー]],[[フランス]],[[イングランド]] |} == 出典・脚注 == {{Reflist|2}} == 参考文献 == {{Commons|Category:Lepisosteiformes}} {{Wikispecies|Lepisosteiformes}} * Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Fourth Edition』 Wiley & Sons, Inc. 2006年 ISBN 0-471-25031-7 * Gene S. Helfman, Bruce B. Collette, Douglas E. Facey, Brian W. Bowen 『The Diversity of Fishes Second Edition』 Wiley-Blackwell 2009年 ISBN 978-1-4051-2494-2 * Andrew Campbell, John Dawes編、松浦啓一監訳 『海の動物百科2 魚類 I』 [[朝倉書店]] 2007年(原著2004年) ISBN 978-4-254-17696-4 * 上野輝彌・坂本一男 『新版 魚の分類の図鑑』 [[学校法人東海大学出版会|東海大学出版会]] 2005年 ISBN 978-4-486-01700-4 == 関連項目 == *[[古代魚]] *[[アミア目]] *[[ポリプテルス]] *[[カワカマス属]] == 外部リンク == * [http://www.fishbase.org/Summary/OrdersSummary.php?Order=Lepisosteiformes FishBase‐ガー目] (英語) {{デフォルトソート:かあもく}} [[Category:ガー目|*]] [[Category:生きている化石]] [[Category:白亜紀の魚類]] [[Category:北アメリカの淡水魚]] [[es:Lepisosteiformes]]
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