カキノキのソースを表示

{{出典の明記|date=2013年7月}}

{{Redirect|柿|1920年から1940年まで就役した駆逐艦|樅型駆逐艦|1945年のみ就役した駆逐艦|柿 (橘型駆逐艦)}}

{{生物分類表
|名称 = カキノキ
|色 = lightgreen
|画像= [[ファイル:Kaki.JPG|250px]]
|画像キャプション = 柿の実（カキノキの果実）
|界 = [[植物界]] {{sname||Plantae}}
|門 = [[被子植物門]] {{sname||Magnoliophyta}}
|亜綱階級なし = [[真正双子葉類]] {{sname||eudicots}}
|下綱階級なし = [[コア真正双子葉類]] {{sname||Core eudicots}}
|上目階級なし = [[キク類]] {{sname||asterids}}
|目 = [[ツツジ目]] {{sname||Ericales}}
|科 = [[カキノキ科]] {{sname||Ebenaceae}}
|属 = [[カキノキ属]] {{snamei||Diospyros}}
|種 = '''カキノキ''' {{snamei|D. kaki}}
|学名 = ''Diospyros kaki'' {{AU|[[カール・ツンベルク|Thunb.]]}}
|和名 = カキノキ
|英名 = Kaki Persimmon
}}

'''カキノキ'''（柿の木）は、カキノキ科の1種の[[落葉樹]]である。東アジアの固有種で、特に[[長江]]流域に自生している。<!-- ギリシャ語の綴りは分かりますか? --><!--属名のDiospyrosとは[[ギリシャ語]]でdios（「神の」）+pyros （「穀物、あるいは小麦」）から成る造語であり、「神の食物」という意味である<ref>[http://www.mwrop.org/W_Needham/Persimmon_051023.htm]</ref>。--><!--カキノキ属の項目ができたら移動させましょう-->

熟した果実は食用とされ、幹は家具材として用いられる。葉は[[茶]]の代わりとして加工され飲まれることがある。果実は[[タンニン]]を多く含み、[[柿渋]]は防腐剤として用いられる。現在では世界中の温暖な地域（渋柿は[[寒冷地]]）で[[果樹]]として[[栽培]]されている。

== 特徴 ==
[[雌雄同株]]であり、雌花は点々と離れて1か所に1つ黄白色のものが咲き、柱頭が4つに分かれた雌しべがあり、周辺には痕跡的な雄しべがある。雄花はたくさん集まって付き、雌花よりも小さい<ref>[http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/sympetalae/ebenaceae/kakinoki/kakinoki2.htm 岡山理科大学総合情報学部生物地球システム学科 植物生態研究室のホームページ 植物雑学事典 カキノキの花]</ref>。日本では5月の終わり頃から6月にかけて<ref>[http://www.jma-net.go.jp/nagoya/hp/toukei/kisetsu/seibutu_2010.html 名古屋での平年値は5月13日（名古屋地方気象台 2010年 生物季節観測）]</ref>に白黄色の地味な花をつける。果実は'''柿'''（かき）と呼ばれ、秋に橙色に熟す。枝は人の手が加えられないまま放って置かれると、自重で折れてしまうこともあり、折れやすい木として認知されている。

<gallery style="margin-top:1em; margin-bottom:1em">
File:Diospyros kaki3.jpg|花
File:Diospyros kaki ja01.jpg|葉
File:Starr 071024-0383 Diospyros kaki.jpg|紅葉した葉
File:Young_kaki.jpg|未熟な果実
File:Kaki 011 small.jpg|熟した果実
File:Diospyros kaki bark.jpg|樹皮
File:Diospyros kaki1.jpg|柿畑のカキノキ
File:Kaki4.jpg|多くの果実をつけたカキノキ
</gallery>

== 名の由来 ==
[[日本]]から<!--[[南蛮貿易]]を通じて-->[[1789年]]に[[ヨーロッパ]]へ、[[1870年]]に[[北アメリカ]]へ伝わったことから学名にも {{snamei|kaki}} の名が使われている。

[[英語]]で柿を表す「{{en|persimmon}}」の語源は、[[アメリカ合衆国]]東部の[[インディアン]]の言語である[[アルゴンキン語族]]で「[[ドライフルーツ|干し果物]]」を意味する名詞「ペッサミン」であり、先住民が[[アメリカガキ]] {{snamei||Diospyros virginiana}} の実を干して保存食としていたことに基づく。

近年{{いつ|date=2013年7月}}、欧米では、[[イスラエル]]産の柿（渋抜きした「{{en|Triumph}}」種）が「シャロンフルーツ ({{en|sharon fruit}})」の名で流通するようになったため、柿は「{{en|persimmon}}」よりも「{{en|sharon fruit}}」として知られている。

== 生産 ==
[[ファイル:Persimmon Garden.jpg|left|thumb|220px|柿畑]]

=== 国別生産量 ===
[[国際連合食糧農業機関]] (FAO) の統計データ（2005年）によると、カキの世界生産量は256万1732トンである。このうち、72%を[[中華人民共和国|中国]]が、99.8%を上位6国が生産している。

{|class="wikitable sortable"
|-
| {{CHN}} || 1837000 t
|-
| {{KOR}} || {{0}}250000 t
|-
| {{JPN}} || {{0}}230000 t
|-
| {{BRA}} || {{0}}150000 t
|-
| {{ITA}} || {{0|00}}51000 t
|-
| {{ISR}} || {{0|00}}40000 t
|-
| {{NZL}} || {{0|000}}1300 t
|-
| {{IRN}} || {{0|000}}1000 t
|-
| {{AUS}} || {{0|0000}}650 t
|-
| {{MEX}} || {{0|0000}}450 t
|}

地域別ではアジアが92%、南アメリカ（ブラジルのみ）が6%、ヨーロッパ（イタリアのみ）が2%である。

=== 日本での生産 ===
柿は[[北海道]]と[[沖縄県]]を除く日本の全都府県で栽培がされており、柿の栽培面積が多い県は[[和歌山県]]、[[福岡県]]、[[奈良県]]の順である。

2011年度 20万7500トン<ref>農林水産省 平成23年産西洋なし、かき、くりの結果樹面積、収穫量及び出荷量</ref> 
* 全国1位：[[和歌山県]] 4万7200トン（23%）
* 全国2位：[[奈良県]] 2万8600トン（14%）
* 全国3位：[[福岡県]] 1万5300トン（7%）

=== 過疎の影響 ===
農村の過疎化や、高齢化などで、取られないまま放置される柿の実が増え、それらが[[ニホンザル]]や[[ニホンジカ]]などの野生動物の餌になっているという指摘がある。特に[[ツキノワグマ]]は柿の実にひきつけられて人里に出没するという<ref>[http://www.kahoku.co.jp/column/syunju/20101026_01.htm 河北春秋  2010年10月26日]{{リンク切れ|date=2010年11月}}</ref>。

== 品種 ==
品種は多く、1000を超えるとも言われるが、渋柿と甘柿に大別される。

食用の栽培品種のほとんどが 2n = 90 の6[[倍数性|倍体]]であるが、一部の種なし品種（平核無や宮崎無核）は 2n = 135 の9倍体である。播種から結実までの期間は長く、ことわざでは8年とも言われるが、接ぎ木の技術を併用すると実際は4年程度で結実する。品種改良に際して甘渋は重要な要素で甘柿同士を交配しても渋柿となる場合もあり、品種選抜の効率化の観点から播種後1年で甘渋を判定する方法が考案されている<ref name="JST54-1" /><ref>[http://www.pomology.kais.kyoto-u.ac.jp/kenkyu.html 京都大学大学院農学研究科 果樹園芸学研究室]</ref>。

=== 渋柿 ===
渋柿は、実が熟しても果肉が固いうちは渋が残る柿である。代表的な品種は、[[越後七不思議#八珍柿|平核無]]と[[刀根柿]]（刀根早生柿）である。平核無は[[新潟県]]が発祥である。刀根柿は[[奈良県]][[天理市]]の刀根淑民の農園で栽培されていた平核無が[[1959年]]に[[伊勢湾台風]]の影響で突然変異したもので、1980年に品種登録された。

; 主な渋柿
: [[甲州百目]]、蜂屋、[[フジ#植物|富士]]、[[江戸柿]]、[[越後七不思議#八珍柿|平核無]]、[[刀根柿]]（刃根早生柿）、西条柿、[[市田柿]]、四つ溝、会津身知らず、[[堂上蜂屋柿]]、愛宕柿、紀の川柿

=== 甘柿 ===
甘柿は渋柿の突然変異種と考えられており、日本特産の品種である。未熟時は渋いが熟すに従い渋が抜け、甘みが強くなっていく。1214年に現在[[神奈川県]][[川崎市]][[麻生区]]にある[[王禅寺]]で偶然発見された[[禅寺丸]]が、日本初の甘柿と位置づけられている。なお、中国の[[羅田県]]周囲にも羅田甜柿という甘柿が生育しており、京都大学の調査によると、日本産甘柿の形質発現は[[劣性遺伝]]であるのに対し、羅田甜柿は[[優性遺伝]]で、タンニンの制御方法も全く異なっているとわかった。

甘柿は、熟せば常に甘みを持つ完全甘柿と、種の有無・多少により成熟時に渋が残ることがある不完全甘柿に分類できる。渋が残ることがあることから、不完全甘柿を渋柿の一種に含めることもある。完全甘柿の代表的な品種は、富有と次郎。富有は岐阜県[[瑞穂市]]居倉が発祥で原木がある。次郎は静岡県[[森町 (静岡県)|森町]]に住んでいた松本次郎吉に由来する。不完全甘柿の代表的な品種は、上記の禅寺丸や愛知県が発祥の筆柿などがある。

; 主な完全甘柿
: [[富有]]、[[次郎柿|次郎]]、太秋、愛秋豊、御所、伊豆、早秋、[[貴秋]]、晩御所、[[花御所]]、天神御所
; 主な不完全甘柿
: [[禅寺丸]]、[[筆柿]]、西村早生、黒柿

=== 形状 ===
形状は[[トマト]]のように横長なもの（平核無など）と、[[ドングリ]]や[[砲弾]]のように縦長なもの（甲州百目など）に大別される。

<gallery perrow="5">
File:Diospyros kaki 20101123 c.jpg|[[次郎柿|次郎]]
File:Diospyros kaki 'Fuyu' 20101209 b.jpg|[[富有]]
File:Hacchin-gaki_2.jpg|[[越後七不思議#八珍柿|平核無]]（八珍柿）表
File:Hacchin-gaki_3.jpg|平核無（八珍柿）断面
File:Persimmon(non astringent & astringent).jpg|上段左は夕紅（甘柿）の未熟物、右は同完熟物、下段左は甲州百目（渋柿）の未熟物、右は同完熟物
</gallery>

== 柿の利用 ==
柿は[[弥生時代]]以降に[[桃]]や[[梅]]、[[アンズ|杏子]]などとともに栽培種が大陸から伝来したものと考えられており、鎌倉時代の考古遺跡からは立木の検出事例があり、この頃には果実収穫を目的とした植栽が行われていたと考えられている。

=== 柿の実 ===
甘柿の果肉ではタンニンが不溶性となっているため生食するが渋柿の果肉ではタンニンが水溶性で渋みが強いため生食できず、渋柿を食用にするには果肉が軟らかくなった熟柿（じゅくし）になるのを待つか[[タンニン]]を不[[溶性]]にする[[渋抜き]]の加工をする必要がある。湯やアルコールで渋を抜くことを動詞で「醂（さわ）す」といい、これらの方法で渋抜きを施した柿は「さわし柿」と呼ばれる。ほとんどの場合収穫後に渋抜き処理を行うが、品種によっては収穫前に樹上で渋抜きを行うことも出来る<ref>[http://www.journalarchive.jst.go.jp/japanese/jnlabstract_ja.php?cdjournal=jjshs1925&cdvol=53&noissue=3&startpage=278 カキ果実のアルコール脱渋時におけるエタノール含量と脱渋及び追熟との関係 園芸學會雜誌 Vol.53 , No.3（1984）pp.278-2] （独）科学技術振興機構</ref>。渋柿のタンニンの性質は品種間で異なっており、適する渋抜き方法は異なる<ref name="JST54-1">[http://www.journalarchive.jst.go.jp/japanese/jnlabstract_ja.php?cdjournal=jjshs1925&cdvol=54&noissue=1&startpage=39 カキの甘渋の遺伝 園芸學會雜誌 Vol.54 , No.1（1985）pp.39–45]</ref>。

==== 渋抜き ====
* [[アルコール]]漬けにする（樽柿）。
* アルコールを掛ける。35度のアルコールを少量振りかけ（20 - 30kgに湯飲み1杯程度）、容器（何でもよい）に密封して1週間置く。
* 乾燥させる（[[干し柿]]）。[[あんぽ柿]]、[[市田柿]]は干し柿の一種。
* 湯抜き（35 - 45℃の湯に浸ける）。[[鹿児島県]]の[[紫尾温泉]]など、温泉につけることもある。
* [[米]]・[[米ぬか]]につける。
* 炭酸ガス脱渋（大量の渋柿を加工する業務用の方法。家庭でも[[ドライアイス]]を使えば可能）。
* 容器に[[りんご]]と一緒に入れ密封して一週間置く

==== 干し柿以外の加工食品 ====
生食、[[干し柿]]の他に次のような食品に加工されている。
<div style="float: left; vertical-align: top; white-space: nowrap; margin-right: 1em;">
* [[菓子]]
* [[ジャム]]
* [[羊羹]]
* [[ゼリー]]
* [[チョコレート]]菓子
</div><div style="float: left; vertical-align: top; white-space: nowrap; margin-right: 1em;">
* [[ソフトクリーム]]
* [[酢]]
* [[ワイン]]（[[果実酒]]）
* [[カレー]]
</div><br style="clear: left;" />

このほか[[朝鮮半島]]では[[干し柿]]、[[ショウガ|生姜]]、[[シナモン|肉桂]]から[[スジョングァ]]という飲み物を作る。また[[アメリカ合衆国|米国]]には[[柿プディング]]（パーシモンプディング）という伝統料理がある。製法は[[クリスマスプディング]]と似ており、本来は軟らかく熟したアメリカガキの実を用いる。
<gallery>
ファイル:Dried Kaki Fruit.jpg|[[干し柿]]
ファイル:Dry persimmon light and shadow.JPG|[[甲州百目]]（[[甘草屋敷]][[山梨県]]）
ファイル:Work to make a dried persimmon.JPG|[[甲州市]]松里地区の農家
</gallery>

==== 栄養価 ====
{{栄養価 | name=カキ（Persimmons, japanese, raw）| water =80.32 g| kJ =293| protein =0.58 g| fat =0.19 g| carbs =18.59 g| fiber =3.6 g| sugars =12.53 g| calcium_mg =8| iron_mg =0.15| magnesium_mg =9| phosphorus_mg =17| potassium_mg =161| sodium_mg =1| zinc_mg =0.11| manganese_mg =0.355| selenium_μg =0.6| vitC_mg =7.5| thiamin_mg =0.03| riboflavin_mg =0.02| niacin_mg =0.1| vitB6_mg=0.1| folate_ug =8| choline_mg =7.6| vitB12_ug =0| vitA_ug =81| betacarotene_ug =253| lutein_ug =834| vitE_mg =0.73| vitD_iu =0| vitK_ug =2.6| satfat =0.02 g| monofat =0.037 g| polyfat =0.043 g| tryptophan =0.01 g| threonine =0.03 g| isoleucine =0.025 g| leucine =0.042 g| lysine =0.033 g| methionine =0.005 g| cystine =0.013 g| phenylalanine =0.026 g| tyrosine =0.016 g| valine =0.03 g| arginine =0.025 g| histidine =0.012 g| alanine =0.029 g| aspartic acid =0.057 g| glutamic acid =0.076 g| glycine =0.025 g| proline =0.022 g| serine =0.022 g| right=1 | source_usda=1 }}
{| class="wikitable" style="float:right; clear:right"
|+ 100g中の食物繊維<ref name=mext>[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/002.htm 五訂増補日本食品標準成分表]</ref>
|-
! 項目 !! 分量
|-
|[[炭水化物]]|| 15.9  g
|-
|[[食物繊維]]総量|| 1.6  g
|-
|水溶性食物繊維|| 0.2  g
|-
|不溶性食物繊維|| 1.4  g
|}
[[ビタミンC]]、[[ビタミンA]]、[[カロテン]]、糖質に富む<ref name="zatsugakuomoshirojiten_p39"> 管野浩編 『雑学おもしろ事典』 p.39 日東書院 1991年</ref><ref name="tabemonotokenkouomoshirozatsugaku_p165"> 落合敏監修 『食べ物と健康おもしろ雑学』 p.165 梧桐書院 1991年</ref>。ただし、干し柿に加工するとビタミンCはほとんど失われる。なお、体が冷えるという俗説があるが、柿の実は果実類の中でも栄養価が特に高く、実際には体を冷やさない食べ物とされる。柿に含まれる[[カリウム]]には利尿作用もあるが、食べ過ぎに注意すれば問題はないとされる<ref name="zatsugakuomoshirojiten_p39"/><ref name="tabemonotokenkouomoshirozatsugaku_p165"/>。

==== 柿渋 ====
{{main|柿渋}}
紙に塗ると耐水性を持たせることができ、[[和傘]]や[[団扇]]の紙に塗られた。柿渋の塗られた紙を[[渋紙]]と呼ぶ。また、[[塗料]]としても用いられた。[[石鹸]]の原料ともなる（柿渋石鹸）。

==== ヘタ ====
成熟した果実のヘタを乾燥したものは'''柿蒂'''（シテイ、「柿蔕」とも書く）という生薬で、しゃっくり・鎮咳・鎮吐に用いられる。

=== 葉 ===
[[ビタミンC]]、[[ビタミンK|K]]や[[ビタミンB|B]]類といった[[ミネラル]]分[[フラボノイド]]などを多く含み血管を強化する作用や止血作用を持つとされるため、飲用する（柿葉茶）などで[[民間療法]]に古くから用いられてきた。また近年では[[花粉症]]予防に有効とされ、従来の茶葉としてだけではなく成分を[[サプリメント]]等に加工され商品化されたものも流通している。飲用方法としては、5-6月に収穫した葉を天日で乾燥させ粉末化し煎じることが一般的である。

またその殺菌効果から[[押し寿司]]を葉で巻いたり（[[寿司#柿の葉寿司|柿の葉寿司]]）、和菓子などの添え物にされることもある。

柔らかい初春の若葉は[[天ぷら]]にして食用にできる。

=== 木材 ===
木質は緻密で堅く、[[家具]]や茶道具、桶や和傘などの材料として利用される。ただし、加工がやや難しく割れやすいため、建築材としては装飾用以外には使われない。また、かつての[[ゴルフ]]クラブ（ウッド）のヘッドには柿材（特に[[アメリカガキ]]）を使った物が多くパーシモンの名で呼ばれていたが、現在では金属製のウッドが普及したためにあまり使われなくなった。

{{clear}}
== 柿にまつわる慣用句など ==
{{Wiktionary|柿}}
{{Wiktionary|かき}}
* 「柿の花」は[[夏]]、「柿」・「熟柿」・「木守柿」は[[秋]]の[[季語]]である。<!--[[正岡子規]]の「柿食へば鐘が鳴るなり[[法隆寺]]」という[[俳句]]は、あまりにも有名。-->なおこの木守柿とはカキノキになった柿の実をすべて収穫せず、木になったまま残しておく数個の柿の実のことである<ref>『短歌表現辞典 草樹花編』 p.45 [[飯塚書店]] 1996年。 柿には守り神が宿るとして、「木守り柿」を一つ残しておく風習があると説明される。</ref>。「こもりがき」、「きもりがき」、「こまもりがき」、「きまもりがき」と読まれる。このような風習は来年の豊作への祈願であるとも、野鳥のために残しておくともいわれる。なお、[[ユズ]]などについても同じような風習がある。
* [[こけら落とし]]の「こけら」は「杮」と書くが、これは音読で「ハイ」と読む画数8画の[[漢字]]であり画数9画の「柿」（かき・シ）とは全く異なる文字である。しかしながら、この二つの文字を別字とする根拠は明確ではない<ref>[http://www.akatsukinishisu.net/kanji/kokera2.html 漢字雑文 - こけらとかきの違い・続篇 2011年10月24日]</ref><ref>JIS X 0208-1997 付属書7 区点位置詳説 p.272-274</ref>。
* 「桃栗三年柿八年」 と言われ、播種から初回結実までの期間は長い。
* 「柿が赤くなると医者が青くなる」と言うことわざがあり、豊富なビタミン類とミネラルが栄養価摂取の低い時代では医者いらずの万能薬として重宝された。
* 「[[瓜]]は[[大名]]に剥かせよ。柿は[[乞食]]に剥かせよ」　瓜は実の中心部が最も甘みが強く、皮を厚く剥くとよい。一方柿は皮のすぐ下が最も甘みが強いため極力皮を薄く剥くとよい。

== 柿を用いた俳句 ==
柿の季語は”秋（晩秋）”であり、多くの人物に詠まれている。

* 祖父親まごの栄や柿みかむ（[[松尾芭蕉]]）
* [[柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺]]（[[正岡子規]]）
* 山柿や五六顆おもき枝の先（[[飯田蛇笏]]）
* 髪よせて柿むき競ふ燈下かな（[[杉田久女]]）
* 柿むく手母のごとくに柿をむく（[[西東三鬼]]）
* 柿もぐや殊にもろ手の山落暉（[[芝不器男]]）
<!--著作権の有効な作品をコメントアウトで記載しないでください。-->

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
{{Commons&cat|Diospyros kaki|Diospyros kaki}}

{{雑多な内容の箇条書き|date=2013年7月}}

* [[干し柿]]
* [[あんぽ柿]]
* [[市田柿]]
* [[江戸柿]]
* [[富有柿]]（富有早生柿）
* [[次郎柿]]
* [[刃根柿]]（刃根早生柿）
* [[平核無柿]]
* [[太秋柿]]
* [[マメガキ]]
* [[寿司#柿の葉寿司|柿の葉寿司]]
* [[柿生駅]] - 駅名の由来は[[禅寺丸]]柿
* [[酒井調良]]
* [[酒井駒太郎]]
* [[古墳と柿の館]] - 柿に関する資料を常設展示する[[博物館]]（岐阜県）
* [[柿博物館]] - 柿に関する資料を常設展示する博物館（奈良県）

== 外部リンク ==
* [http://www.kudamononavi.com/zukan/persimmon.htm 主な柿の品種]
* [http://www.mint-j.com/fruit/01/k02.htm 柿（かき/カキ）のページ]
* [http://hfnet.nih.go.jp/contents/indiv_agreement.html?494 カキ<柿> - 「健康食品」の安全性・有効性情報]（[[国立健康・栄養研究所]]）
* [http://fruit.naro.affrc.go.jp/new/kaki/kakistart.html カキに関する情報提供システム] 独立行政法人 [[農業・食品産業技術総合研究機構]] [[果樹研究所]]
* [http://www007.upp.so-net.ne.jp/pathology/proverb_09.htm 医学ことわざ雑学シリーズ＜9＞『柿が赤くなると医者が青くなる』] - 高知医療センター 病理診断科 沼本敏：病理医のホームページ
* [http://www.isazawa-e.fks.ed.jp/h17/ampo/annpo.html あんぽ柿] - 福島県伊達市立五十沢小学校のサイト（柿の品種やあんぽ柿についての解説がある）

{{DEFAULTSORT:かき}}
[[Category:柿|*]]
[[Category:カキノキ科]]
[[Category:木材]]
[[Category:秋の季語]]