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イス (伝説都市)
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[[Image:Evariste-Vital_Luminais_-_Fuite_de_Gradlon.jpg|thumb|right|260px|『娘を捨てよと王に求める聖ゲノル』, E. V. リュミネ作、[[1884年]]([[カンペール]]近代美術館蔵)]] '''イス'''または'''イース'''は、[[フランス]]・[[ブルターニュ]]地方に伝わる伝説上の都市。[[5世紀]]頃に[[ブルターニュ地方]]西端の海に面した低地に造営され、[[大洪水]]によって一夜で姿を消したとされている。 [[フランス語]]では'''Ys'''と綴られるが、ブルターニュ地方に残る[[ブルトン語]](ブレイス語)では'''Is'''と綴られる。イスの名はブルトン語で「低地」を意味する ''Izel'' の語に由来すると言われている。[[伝説]]が成立する以前、[[津波]]によりブルターニュ近辺の[[漁村]]がいくつか壊滅したことが知られており、その記憶が伝説の根底にあると考えられている。 また、一説によると、フランスの首都[[パリ]] (Paris) の名前は''Par-Is'' (イスに匹敵する)に由来すると言われているが、これは俗説であり、[[パリ]]の語源は[[ガリア人]]の一部族である[[パリシイ族]](Parisii)のものである。 == 伝説の概要 == 5世紀頃、ブルターニュのコルヌアイユという国に、グラドロン (Gradron) という王がいた。王にはダユー (Dahut, Dahud) という美貌の一人娘がいてこれを溺愛していた。グラドロンは聖コランタン (Corentin) と出会ったのをきっかけに[[キリスト教]]に改宗し、国にキリスト教を広めていったが、ダユーはそのことを忌々しく思っていた。耐えかねたダユーはグラドロンに自分のための新都造営を懇願した。娘を溺愛するグラドロンはその願いを聞き入れ、海のそばにイスが建造されることになった。間もなく[[洪水]]から都を守るために[[水門]]も建造された。 イスの支配者となったダユーは、[[妖精]]の力を借りて海行く船から略奪を繰り返した。その富でイスはみるみる間に栄えたが、一方で人々は享楽に溺れ、背徳のはびこる都となっていった。事態を憂慮したコランタンは聖ゲノル (Gwenole, Guenole) にイスの人々を改悛させるよう要請するが、人々は誰もゲノルの言葉に耳を傾けようとしなかった。 イスにはダユーに求婚する貴公子が多く訪れた。ダユーは気に入った貴公子を誘惑しては一夜をともにしたが、飽きると殺して海に捨てていた。そんなある日、ダユーの前に赤ずくめの貴公子が現れる。彼は逆にダユーを巧みに誘惑し、イスを守る水門の鍵を奪い取った。赤い貴公子の正体は悪魔だった。悪魔により水門が開けられると洪水が押し寄せ、イスはダユーとともに水没してしまった。 水没したものの、今でもイスは海の底に地上にあった頃と変わらぬ姿で存在し、いつの日か復活してパリに引けを取らない姿を現すとも言われている。 == 伝説の背景 == 5世紀から[[6世紀]]頃、キリスト教に改宗したブルターニュの[[ケルト人]]によって伝説の原型が成立したと考えられている。キリスト教的な神罰の話でありながら、[[ケルト人|ケルト]]ならではの死生観がその背景にある。 ケルト人は、死後の世界「他界」を海の向こうにある常若の世界であると考えていた。また、「他界」は[[大地母神]]が支配する領域であるとも考えられていた。水没してもなお往時と変わらぬ姿で存在するというイスはケルト的な「他界」であり、それを治めるダユーの源流はケルトの大地母神に求めることができる。 イスは母権的なケルト文化や宗教の象徴であるとする観点から見ると、この伝説は、ブルターニュのケルト文化や宗教が、父権的なキリスト教のそれに取って代わられていったことを象徴しているとも言える。 == イスの場所 == 伝説によればブルターニュ地方の最西端の[[シザン半島]]先端、ラ岬とヴァン岬に囲まれた湾「死者の海」にあったとされている。シザン半島北にある[[ドゥアルヌネ湾]]にあったとする伝承も存在する。しかし、実在したかどうかは分かっていない。 == 関連作品 == * [[19世紀]]、[[ヴィルマルケ]]によるブルターニュ民譚集『[[バルザス・ブレイズ]]』の発刊などをきっかけに、[[ヨーロッパ]]の芸術界にケルト再評価運動が巻き起こった。イスの伝説も『バルザス・ブレイズ』に収められている。 * イスの伝説に着想を得た音楽作品としては、[[エドゥアール・ラロ]]のオペラ『[[イスの王様]]』と、[[クロード・ドビュッシー|ドビュッシー]]のピアノのための[[前奏曲 (ドビュッシー)|前奏曲]]第10番『沈める寺』が知られている。ただし、後者についてはこの伝説によらないとする異説もある。 * 同都市名をモチーフにした日本製のコンピュータゲームが発売されている。[[イースシリーズ]]を参照。 * [[イタリア]]の[[プログレッシヴ・ロック]]バンド、[[イル・バレット・ディ・ブロンゾ]]の2枚目のアルバムのタイトルにこの都市の名が用いられている。 * アニメ映画『[[ウインダリア]]』に登場する都市国家イサは、イスをモデルにしたと考えられている。 * 漫画『[[MASTERキートン]]』のエピソード「黄金の鐘の夢」は、イスの伝説をモチーフとしている。ただし、固有名詞はイスの名も含めた全てが変更されている。 * 漫画『[[マーガレットとご主人の底抜け珍道中]]』中の一話「失われた都」は主人公夫妻がブルターニュ旅行中に主人が伝説のイスに迷い込むというエピソードで、イスの伝説が紹介されている。 * テレビアニメ『[[ニルスのふしぎな旅]]』第14話「月夜に浮かぶ幻の街」で、呪いを受けて百年に一度の1時間だけ姿を現す、栄華の中で津波に沈んだ港町ビネタは、イスの伝説に着想を得たと思われる(原作にも登場するエピソードである)。 * 漫画『[[コランタン号の航海 水底の子供]]』は、イス伝説を下敷きに19世紀初頭のイギリス海軍の軍艦「コランタン号」の活躍を描いている。第1巻ではイスの伝説が語られ、聖コランタンの名を抱くコランタン号がブルターニュの海に乗り入れることを一部の乗組員は恐れている。第2巻では海に沈むイスの都も描かれている。 * ハープ奏者/シンガーソングライターの[[ジョアンナ・ニューサム]]のアルバム名に、イスの名が用いられている。 {{DEFAULTSORT:いす}} [[Category:ブルターニュ]] [[Category:ケルトの伝承]] [[Category:フランスの伝承]] [[Category:ヨーロッパの伝説]] [[Category:神話・伝説の土地]] [[Category:大洪水]]
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