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アルミ缶
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{{Double image aside|right|Recycling alumi.svg|75|Recycling-Code-41.svg|100|アルミ缶のリサイクルマーク(日本、[[資源の有効な利用の促進に関する法律|リサイクル法]]による)|同左(欧米)}} [[Image:Drinking can ring-pull tab.jpg|thumb|200px|right|ステイ・オン・タブの飲口部]] '''アルミ缶'''(アルミかん)は[[アルミニウム]]やアルミニウム合金を主な材料として製造された[[缶]]である。主に[[サイダー]]や[[ビール]]などの[[炭酸飲料]]の容器として用いられ、一般的なアルミ缶は[[業界用語]]では「DI缶」と呼ばれるものである。 == 特徴 == アルミニウムは軽量で[[熱伝導]]率が高く、空気中では酸化皮膜を作り錆にくいため、製造者にも消費者にもメリットがある。使用後のアルミ缶は軽量であり容易に押し潰せることからも廃棄後に収集・運搬する上で[[スチール缶]]より楽である。ただし酸には弱いので食品用などでは表面コーティングが施される。 アルカリにも侵されやすく水素を発生させる。日本ではアルカリ系洗剤をアルミニウム缶に入れて持ち運び、電車内で缶が破裂し洗剤が飛散した事件も起きている。この場合は飲料の水分も入っていたため反応が促進されたと考えられている。 また、ゴミとなった後も[[電磁石]]でスチール缶と分別することが容易であることから瞬く間に普及した。他のアルミ製品同様、[[サッシ]]や[[鉄道車両|鉄道車輌]]、[[自動車]]部品などに[[リサイクル]]しやすいこともあり、使用量が増加している。 [[21世紀]]に入りアルミ缶の成形技術が進歩した結果、[[ペットボトル|PETボトル]]のような形状をして、複数回の開閉に適したキャップを持つ「ボトル缶」と呼ばれる製品が普及している。PETボトルの場合、胴体をくるむ[[フィルム]]にパッケージの[[デザイン]]を[[印刷]]しているが、ボトル缶の場合はほぼ全体を印刷スペースとして利用可能なため、デザインの自由度が高い。中身が見えないことを美観的に好ましいと考えることもある。 飲み口側の胴部が細くなっているのは「口絞り」(ネッキング)と呼ばれ、アルミニウム合金製の比較的高価なフタを小さくしてコストを削減しながら強度を保つ工夫である<ref name = "もの作り不思議百科"/>。 == 弱点 == === 不適用な飲料 === アルミ缶はスチール缶に比べて強度が弱く、これを補うために内圧をかける必要があるため、[[緑茶]]や[[烏龍茶|ウーロン茶]]などの非炭酸飲料をアルミ缶で流通させることが難しかった。現在は、缶の成形や充填技術が向上したためこういった問題は克服され、アルミ缶を用いた商品は増加傾向であるが、[[缶コーヒー]]など、[[発酵]]する可能性がある乳製品を用いた飲料はいまだに不得手の分野である。 === 低強度 === 部分的な変形に対する強度が低く、特に尖ったものに刺されると容易に貫通される。炭酸飲料が入ったアルミ缶を未開封のまま落下させると、缶が衝撃による内圧の上昇に部分的な変形力が加わって、アルミ缶の一部が耐えられずに破裂して勢いよく内容物が噴射されるリスクがあるため、製造者は缶の印刷で落下への注意表示を行っている。 == DI缶の製造 == === 素材 === コイル状になった厚さ 0.3 ミリメートル前後のアルミ、またはアルミ合金の素材からDI缶の製造工程が始まる。[[アルミニウム合金]]製 DI 缶の場合、ボディー部にはアルミニウム - マンガン系(3000系)合金展伸材が、またフタ部分にはアルミニウム - マグネシウム系(5000系)合金が使用される。 === 製缶工程 === アルミ缶の製法は、缶胴を深絞りすることから、DI (Drawing & Ironing) 法と呼ばれる。DI法は[[1955年]]に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で開発された<ref>[http://www.alumi-can.or.jp/html/history.html アルミ缶リサイクル協会HP]</ref>。 * 打ち抜きからトリミング<ref>萩原芳彦 監修 『ハンディブック 機械 改訂2版』 [[オーム社]] 2007年3月20日 p.221,222</ref> ** プレス機によってブランクと呼ばれる円盤状に打ち抜かれ、直後に絞り成形によって浅いカップ状にされる。 ** しごき加工機の3段程度のダイによって浅いカップ状のから深いカップ状へと引き伸ばされ、同時に再絞りによってカップの径が規定値まで細く成形される。しごき加工することにより[[加工硬化]]が起こり缶が丈夫になる。缶によっては、胴部へのプレス加工などにより凹凸をつけることで強度を高め、より軽量化を図っている例もある(ダイヤカット缶など)。 ** 不要となったカップの端がトリミング工程で切り落とされる。 この状態で薄い部分で0.1mm、口絞り部分などで0.15 - 0.16mm程度の厚みにされる。 * 内外を脱脂・洗浄される。 * 外部側面が塗装される。 * 塗装が焼付け乾燥される。 * 外部側面が印刷される。 * 内面がコート塗装される。 * 塗装が焼付け乾燥される。 この状態で内面には数μmほどの薄膜によってコートされ、内部に充填される内容物がアルミと反応することを防ぐ。 * 別工程のアルミニウム合金製のフタと共に飲料工場へ出荷される。 === 充填密封 === 飲料工場では飲料を缶に注ぎ直後にシーマーと呼ばれる機械でアルミ合金のフタは2重巻き締めされて密封される<ref name = "もの作り不思議百科">JSTP編 『もの作り不思議百科』 コロナ社 初版第3刷 ISBN 4-339-07668-6</ref>。 == アルミ缶持ち去り問題 == アルミ缶は再生用資源としての価値が高く、[[地方自治体]]のゴミ回収事業ではそういった[[資源ごみ]]の売却益によって経費の足しにしているが、[[2000年]]前後から数年に渡り、日本全国の市町村で自治体指定のゴミ置き場からアルミ缶とやはり価値が少しはある古紙とを持ち去り売却する人が増えだして小さな社会問題となった。こうした行為は以前にも存在していたが、生活費などを稼ぐために行う[[ホームレス]]、[[失業者]]などが増え、人目かまわずに毎朝のように行なわれるようになって以降、問題が顕在化した。 「所有権が放棄された無価物を持っていって何が悪いのか?」という主張と「ゴミ置き場の物は市町村に帰属し、アルミ缶は有価物であるので持ち去り行為は不法である」とする立場で[[裁判]]にまでなり、結局、判決では地方自治体側の主張が認められて決着がついた。半日程度働いて数百円程度の収入となるだけの、労力の割りに利益の少ないこういった行為を行なわざるをえなかった人達は、いわば[[公共の福祉]]という立場からは本来守られるべき弱い立場の人だという見方も出来たために、社会の無情さと景気の低迷という不安な世情を示した事件となった。 [[東京都]][[墨田区]]の事例では、[[2010年]][[10月1日]]、条例で資源ゴミの私的な回収に刑事罰を設けた<ref>墨田区 [http://www.city.sumida.lg.jp/kurasi_guide/gomi_recycle/1111.html 資源物持ち去り対策]</ref>。区によると、住民から「区の財源となるべきものが個人の生活費になるのは納得できません。」という意見があったという<ref>墨田区 [http://www.city.sumida.lg.jp/ask/goikennosyoukai/data/2006-019.html 資源ゴミ・リサイクルについて]</ref>。一方、失業者などの支援者側からは、区が業者にリサイクルを委託することはむしろ区の支出になると指摘。罰則を設けたのは財源のためではなく、失業者・ホームレスの排除そのものが目的であること、その動機の一つが、[[2012年]][[5月22日]]に開業した[[東京スカイツリー]]への観光客誘致に当たって、観光客の目に付く所からホームレスなどを追放しようとしたことにあると主張されている<ref>山谷ブログ-野宿者・失業者運動報告- [http://san-ya.at.webry.info/201204/article_6.html スカイツリー再開発の足元で何が起こっているのか?ビラをご覧下さい]</ref>。 == 出典 == <references/> == 関連項目 == * [[缶詰]] * [[飲料]] * [[スチール缶]] == 外部リンク == * [http://www.alumi-can.or.jp/ アルミ缶リサイクル協会HP] * {{サイエンスチャンネル |動画番号=2061 |動画タイトル=アルミ缶のリサイクル |中身の概要=[[三菱マテリアル]]などへ取材してアルミ缶のリサイクル過程を紹介 |時間=15分 |製作年度=1998年 }} [[Category:缶|あるみかん]] [[Category:アルミニウム|かん]] [[fr:Canette en aluminium]]
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